コロンボICAAP(8月19日-23日) セキュリティと会議プログラム

(解説)コロンボで8月に予定されている第8回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)のマラソンミーティングが4月3日から5日まで現地で開催されました。日本から参加したAIDS&Society研究会議の樽井正義副代表による報告です。「コロンボ組織委員会では精力的に準備が進められていますが、それが外にはうまく伝わらないという情報ギャップがあるように思います」と樽井さんは伝えています。神戸で第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が開かれたのは2005年7月でした。あれから2年、今度は私たちがコロンボ組織委員会を盛り立てていく番です。ところで報告の中では神戸会議について「大臣さえ出席しなかったICAAP」というフレーズが出てきます。その代わりに出てきた人の挨拶のお粗末さも含め、これは子々孫々、末代まで語り伝えられることになるでしょうね。


コロンボICAAP 8月19日-23日
 現地のセキュリティと会議のプログラム

 次回ICAAPまで4ヶ月となり、そのプログラムを決めるマラソン・ミーティング(MM)が4月3日から5日までコロンボで開催されました。神戸を引き継ぐICAAPに一人でも多くの方に参加いただけることを願い、第8回ICAAPのセキュリティとプログラムについて報告をします。

セキュリティについて
 3月25日夜に、コロンボ国際空港に近いスリランカ空軍基地が、「解放の虎タミール・イーラム(LTTE)」によって空爆されたことは、報道によりご承知のことと思います。ほぼ1年まえに停戦協定が事実上破棄されて以来、北部では政府軍とLTTEの戦闘が続き、政府軍が優勢と見られていました。今回の空爆は、その政府軍の虚をつくものだったようです。
 しかし、空港から市内まで、そして市街を歩いていても、空爆という報道から想像される緊張感はありません。空港に入るトラックなどの車両はチェックされていますが、ホテルの客を乗せたタクシーはお構いなしです。コロンボでもこれまでに幾度かLTTEの攻撃がありましたが、対象は政府要人と軍に限定されているからでしょうか。
 MMに国外から参加したメンバーからは、当然、会議の安全性が問題にされました。これに対して組織委からは、政府はスポンサー(ASAP、UNAIDS)と組織委に対して、会議への十分な警護を約束していること、LTTEには一般市民はもちろん、外国人に危害を加える意図が見られないことが説明されました。LTTEは海外に住むタミール人から支援を受けているので、支援者が国際世論の批判にさらされて支援を控えることをもっとも恐れている。スリランカの方や国連関係の方から異口同音にそう聞きました。
 なお、開会式には大統領の出席が予定されており、そのため厳しい警護が敷かれる予定です(デジカメ・携帯の持込禁止、ボディーチェック)。しかし、大統領が開会式でHIV/エイズについて語るということは、スリランカ国内の取り組みにとってきわめて重要なことなので、参加者には是非とも協力をお願いしたい、との要請が組織委からありました。大臣すら出席しなかったICAAPに関わった者としては、その要請は十分に理解できます。
 現在のところ、キャセイ・パシフィックはコロンボへの乗り入れを控えていますが、他の航空会社は平常通り運行しています。キャセイ・パシフィックの運行再開が待たれます。

プログラムについて
 A:政治とコミュニティーのリーダーシップ、B:基礎・臨床・疫学、C:予防と治療へのアクセス拡大、D:社会経済的・宗教的・文化的問題の克服という4つのトラックを縦糸に、人権と人間の安全保障、ジェンダーとセクシュアリティ、GIPAを横糸に、48のオーラル・セッションと24のシンポジウムが、MMで決定されました。
 演題には、感染が拡大しつつあるアジア太平洋で、予防と治療の普及(ユニバーサル・アクセス)をはかろうとする意欲的な取り組みが多く、そのなかでも、各地での陽性者の広範な活動が際立っているという印象を受けました。神戸に倍する人数のスカラシップを予定しているので、コミュニティーからの多様な参加者の報告を聞くことができると思われます。
 ようやく導入されつつあるARV治療に関しては、アジアではどこよりも先行している日本での知見の蓄積について報告が期待されていますが、トラックBでの発表が少ないのが残念です。しかしセッションやポスター展示における討論で日本の経験を伝えることは、大いに歓迎されることと思います。
 プレナリーには神戸の倍近い演者が予定されており、多様な分野にわたり最新の包括的な話が聞けるはずです。神戸、コロンボと被災地での開催を意識して、災害対策を含む人間の安全保障をテーマとするシンポジウムもあります。プログラムの詳細は近日コロンボ会議のウェブ(www.icaap8.lk)に掲載されますのでご参照下さい。
 コミュニティ・フォーラムやユース・フォーラムはもちろんのこと、バンコクやトロントにならって、ICAAPでは初めて、市民が参加できるAPビレッジ開催の準備も進められています。

 スリランカでは科学者とコミュニティが組織委を構成し、それを政府と財界が全面的に支援しようとしています。神戸を知る組織委員のだれもが、神戸をモデルによいところを受け継ぎ、それにスリランカの工夫を加えたいと言ってくれます。アジアのなかでも小さな国で、HIV/エイズのプレバランスも低いけれど、それでも人類共通の課題を受け止め貢献しようとする心意気が強く感じられます。
 セキュリティに万全を期していること、全体のプログラムを充実させようとしていること、そしてスリランカは美しく、客人をあたたかく迎える人々がいること。これを日本の方々に伝え、コロンボに誘って欲しい。組織委員会からそう依頼されました。一人でも多くの方に参加していただけますよう、重ねてお願いします。  

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