国連エイズ対策レビュー総会政治宣言

(解説)2006年5月31日から3日間にわたってニューヨークの国連本部で開かれた国連エイズ対策レビュー総会は最終日の6月2日、政治宣言を全会一致で採択し、閉幕しました。2001年6月の国連エイズ特別総会のコミットメント宣言の5年後の検証を目的にしたレビュー総会の成果文書であるこの宣言は、今後2010年までの世界のHIV/エイズ対策の実行を途上国ならびに先進国の政府、国連機関、市民社会組織などが約束した新たな誓約文書でもあります。宣言の採択はその意味でいえば総会のゴールではなく、中間的成果としてとらえるべきでしょう。約束が果たせるかどうかは採択に加わった国連全加盟国の今後の努力にかかっています。この宣言の採択実現に向けて総会で重要な役割を果たした日本もまた、国内のHIV/エイズ対策はこの宣言にそって、約束を誠実に履行していくかたちで進めていく必要があります。基本的な情報の共有をはかるため、(特活)アフリカ日本協議会が日本語に訳した政治宣言仮訳の全文を以下に紹介します。

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本件和訳は、(特活)アフリカ日本協議会により2006年6月19日に作成された仮訳である。

2006年6月2日
国際連合HIV/AIDS対策レビュー総会(2006年5月31日~6月2日開催)

政治宣言

1. われわれ、5月31日から6月1日まで開催される「『HIV/AIDSに関するコミットメント宣言』により設定された目標実現に関して達成された進歩の包括的レビュー」および6月2日に開催されるハイレベル会合に参加した各国政府代表は、ここに以下、宣言する。

2. われわれがAIDSという、人間に対する過去に類のない破局的状況に直面していること、および、この感染症の発見から四半世紀が経過した現在、AIDSが世界中の国々や地域社会に計り知れない苦悩や被害をもたらし、6500万人以上がHIVに感染し、2500万人以上が命を落とし、1500万人の孤児を生み出し、数百万人が感染しやすい状況に置かれ、4000万人がHIVに感染し、そのうち95%が途上国で暮らしていることを、危機感とともに受け止める。

3. HIV/AIDSが世界的緊急事態であり、この疾病が各社会、そして全世界の発展、進歩、安定にとって恐るべき挑戦をなしていること、この疾病が例外的かつ包括的な世界的対応を必要としていることを認識する。

4. 2001年以来、財政面、HIV予防、治療、ケアへのアクセスの拡大、エイズの影響の軽減、いまだ少数ながらも、HIVの感染率が削減している国が着実に増えていることなどから読みとれる、国内外での取り組みにより達成された多くの重要な成果を確認しつつ、同時に、『HIV/AIDSに関するコミットメント宣言』に含まれている多くの目標が達成されていないことを認識する。

5. UNAIDS事務局や共同スポンサーのHIV/AIDS政策や連携におけるリーダーシップとUNAIDSを通じて行われた各国への支援を称賛する。

6. HIV/AIDS対策に対して各種の援助者が行ってきた貢献および役割について認識し、また、2005年度のHIV/AIDS対策に使われた資金の3分の1が低・中所得国の国内予算から拠出されたことを認識し、今後、世界のHIV/AIDS対策における国際協力とパートナーシップの強化の重要性を強調する。

7. その一方で、この感染症が全体として拡大しつつあり、また女性への影響が大きくなりつつあること(feminization)、世界の感染者の半分以上が女性であり、アフリカではそれが60%に到達していることに深く懸念し、ジェンダー格差および、女性ならびに少女(women and girls)に対するあらゆる種類の暴力が彼女たちのHIV/AIDSに対する脆弱性を高めていることを認識する。

8. 新しく感染しているうちの半分以上が子どもや25才以下の青少年(young people)であり、彼らの間でHIV/AIDSに関する情報、方法論(skills)、知識が不足していることに重大な懸念を表明する。

9. また、現在230万人の子どもたちがHIV/AIDSに冒されていることを深刻に受けとめ、小児用の医薬品が不足していることが子どもの健康を守る努力の妨げになっていることを認識する。

10. この疾病は世界の全ての地域に影響を及ぼし、アフリカ、特にサハラ以南地域は最も感染率が高く、この破滅的な影響を食い止めるためには全てのレベルにおける緊急かつ例外的な対応が必要だという認識を改めて表明し、アフリカ各国の政府や地域団体のHIV/AIDS対策の拡大へ向けた新たなコミットメントを認識する。

11. 全ての人々の完全な人権と基本的自由の確保・実現は予防、治療、ケア、サポートを含む、HIV/AIDSの世界的対応の重要な部分であることを再確認し、この世界的な疾病に立ち向かうにはそれにまつわるスティグマや差別に取り組む必要があることを認識する。

12. HIV/AIDSなどの地球規模感染症の文脈において、医薬品へのアクセスは、達成可能な高い標準の身体および精神面の保健サービスへの権利の段階的な確保・実現のために達成されるべき基本的な要素であることを、再度確認する。

13. 世界の多くの地域でHIV/AIDSは貧困の原因であるとともに、貧困の結果でもあること、効果的なHIV/AIDS対策はミレニアム開発目標を含む、国際的に合意された開発目標の達成にとって必要不可欠であることを認識する。

14. 我々にはこの世界的な感染症の拡大を食い止め、数百万の不必要な死を防ぐ手段を持っていることを認識し、そのためには国連機関、政府間機関、HIV感染者や脆弱性を有する人々、医療、科学、教育機関、NGO、ジェネリック医薬品および新規医薬品の製薬企業を含む営利セクター、労働組合、メディア、国会議員、財団、コミュニティ組織、宗教系社会活動組織(faith-based organization)、伝統的指導者とのパートナーシップのもと、さらに強化された、迅速かつ包括的なHIV/AIDS対策を実施しなければならないことを理解する。

15. 包括的な対応の実施には、予防、治療、ケア、サポートへのアクセスを妨げる立法、規制、貿易などの障壁の除去、十分な資源の投入、全ての人々の人権と基本的自由の保護と促進、ジェンダー平等の促進と女性のエンパワーメント、思春期の少女・児童のHIV/AIDSへの脆弱性を減らすための人権の保護と促進、保健システムの強化と医療従事者の支援、HIV感染者の積極的な参画、効果的かつ包括的な予防介入の拡大、救命医薬品(life-saving drugs)や予防資材へのアクセスの保障のために必要なあらゆる手段を行使すること、将来に向けた医薬品、診断技術、ワクチンやマイクロビサイドを含む予防技術などの、より良い物資や技法の迅速な開発が必要であることを認識する。

16. HIV感染者、市民社会、最も影響を受けやすい人口集団を含む、全てのレベルにおける利害関係者の新たな政治的意志、強いリーダーシップ、持続的なコミットメントと協力、さらなる資金・資材なくして、世界がHIV/AIDSを食い止め始めることができないことを留意する。

17. 世界の様々な国や地域の異なった状況を考慮した形で、下に掲げたような行動をすることによって、HIV/AIDS危機に取り組む意志を、ここに厳粛に宣言する。

ここにおいて、われわれは、

18. 2001年に行われた第26回国連特別総会で採択された「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言:地球規模の危機・地球規模の行動」”Global Crisis ? Global Action” の完全な実施に最大限の努力を投じ、特に2015年までにHIV/AIDS、マラリア、その他の主要な疾病の拡大を食い止めるという目標を含む「ミレニアム開発目標」やその他の国際的に合意された開発目標、2005年世界サミット(the 2005 World Summit)とそこで採択された治療に関する文書を含む、主要な国連会議やサミットで採択されたHIV/AIDSに関する決定、国際人口・開発会議で提示された2015年までにリプロダクティブ・ヘルスへの普遍的アクセスを達成する目標の達成に向けて全力を尽くす。

19. HIV予防、治療、ケア、サポートの拡大に向けたUNAIDSとその共同スポンサーが促進した包括的な各国主導の地域的協議によって提案された要望の重要性を認識し、その実施を押し進め、このアプローチの継続を強く推奨する。

20. 2010年までに総括的予防プログラム、治療、ケア、サポートへの普遍的アクセス達成に向けて、HIV感染者、脆弱で最も影響を受けやすい人々、市民社会や民間セクターの完全かつ積極的な参画のもと、広範な、分野を越えた予防、治療、ケア・サポートの実現のために、各国が主導する持続的、包括的対策の拡大に必要な努力を追求する。

21. HIV/AIDS、セクシュアル・ヘルスおよびリプロダクティブ・ヘルス、国家の開発計画と、貧困削減戦略などを含む戦略との政策・プログラム上の協力と連携の強化の必要性を強調し、必要とされる場所において(where appropriate)、国家開発計画と戦略に関わるHIV/AIDSの影響に取り組む。

22. HIVの感染予防が国家、地域、国際的対応の大黒柱でなければならないことを認識し、全ての国、とくに最も影響を受けている国において、現地の状況、倫理的・文化的価値観を考慮し、その地域において最も理解されている言語で、文化を尊重した形の幅広い予防プログラムの実施にさらなる力を注ぐことを再確認する。感染予防の手段には、感染の危険を伴う行動を減少させること、禁欲・貞操を含む責任の伴った性行動、男性・女性用コンドーム、消毒された注射器や針など予防にとって必須の物資へのアクセスの拡大、薬物使用に関連したハーム・リダクション(健康被害軽減)への取り組み、自発的で秘密の守られたカウンセリング・検査へのアクセスの拡大、安全な血液供給、性感染症の初期段階での効果的な治療などが含まれる。

23. HIV/AIDS感染者とHIV/AIDSに影響を受けている人々への予防、治療、ケア・サポートは相補的に作用する効果的な対策にとっての重要な要素であることを理解し、包括的なアプローチの一部として盛り込まれるべきであることを再確認する。

24. 効果的なHIV予防、治療、ケア、サポート、医薬品、物資、サービスへのアクセスを妨げる法的、制度的、その他の障壁を、責任を持って取り除く。

25. 国際、地域、国家、コミュニティの各レベルで、HIV/AIDS教育、情報、秘密が守られインフォームド・コンセント(知らされた上での合意)が確立した自発的カウンセリングと検査、その他関連サービスへのアクセスを促進し、HIV感染の有無に関する自発的な公表(voluntary disclosure)を安全にすることができ、なおかつ支援的な社会的、法的環境を作る努力をすることを誓約する。

26. コンドーム使用など責任ある性行動、若者を対象とした、実証と方法論に基づくHIV教育、マス・メディアの活用、若者の利用しやすい保健サービスの提供など、包括的で実証に基づいた予防戦略の実施を通じて、特に若者の間で著しいHIV感染率の拡大に取り組み、HIVから解放された次世代の創造を達成する。

27. 妊婦に対してケア、情報、カウンセリング、その他のHIVサービスを保障し、母子感染の削減のために、感染している女性が効果的な治療を受けられるようにし、また、インフォームド・コンセントの確立した、自発的かつ秘密の守られたカウンセリングと検査、特に継続的な抗レトロウイルス治療、必要に応じて、人工乳および長期的ケアの提供など、女性HIV感染者への効果的な対応を責任を持って実施する。

28. 全ての人がいつでも活動的で健康的な生活を送るために、身体が必要とする栄養分および食への好みを満たす、安全で、栄養の高い、十分な食料を入手しうる状況を実現するために、包括的なHIV/AIDS対策の一部として、食料・栄養供給への支援を盛り込む。

29. HIV感染者及び脆弱な人々に対する差別を取り除き、全ての人権と基本的自由の享受を保障する法的、制度的、その他の措置の制定、施行、実施を強化する。とりわけ彼らの教育、相続、雇用、医療、社会保健サービス、予防、サポートと治療、情報と法的保護へのアクセスを、プライバシーや秘密の守られた形で保障し、HIV/AIDSに関連したスティグマや社会的排除と闘う戦略を立てることを約束する。

30. ジェンダー間の格差、性別による虐待と暴力を根絶し、特にセクシュアル・ヘルスおよびリプロダクティブ・ヘルスを含む保健ケアとサービスを提供する。また、包括的な情報と教育への完全なアクセスを保障することを通じて、女性や思春期の少女が自分自身をHIV感染から身を守る能力の向上を図る。さらにセクシュアル・ヘルスおよびリプロダクティブ・ヘルスを含め、HIV感染から身を守るために、女性が自分のセクシュアリティに関して、強要や差別、暴力を被ることなく、自由に、なおかつ責任を持って決断できる権利を保障し、女性のエンパワーメントが可能な環境作りに必要な対策を講じ、経済的自立を強化することを誓約する。また、ジェンダー平等の実現について男性や思春期の少年が果たすべき役割の重要性を再確認する。

31. 女性が全ての人権を完全に享受できる状況を守り促進するため、また、HIV/AIDSへの脆弱性の軽減に必要な法的、政策的、行政的、その他の措置を強化し、全ての差別を取り除くために、あらゆる法律的・政策的・行政的その他の取り組みを強化することに責任を持つ。さらに、女性、少年少女に対する、商業的理由を含む性的搾取、有害な伝統的慣行、虐待、強姦その他の性的暴力、女性や少女への虐待や人身売買を含む女性、少女に対する全ての暴力の根絶に向けて最大限の努力を行う。

32. HIV/AIDSに影響を受け、または感染している子どもたちが直面している問題を優先し、これらの子どもたち、その家族、特に保護者である女性や高齢者に対して支援と生活再建の機会を提供し、子どもを対象としたHIV/AIDS政策とプログラムのさらなる充実を図ることに従事する。また、治療アクセスの保障、子どものための新しい治療法の開発の強化のために、遺児やHIV/AIDSに影響を受けている子どもたちの保護に力を入れ、彼らを守る社会保障制度を構築し、必要に応じて、それを支援する。

33. 「2006?2015年 結核を止めるための地球規模戦略」(the Global Plan to Stop TB 2006-2015)に沿った、結核とHIVに関する協調的な活動の迅速な拡大、および結核・HIVの複合感染に適した新薬、診断技術、ワクチンへの投資を行うことの必要性を強調する

34. 国際的な協力・連携による支援とともに、国家の保健・社会保障システムを強化する形で、プライマリー・ヘルス・ケア、母子保健、セクシュアル・ヘルスおよびリプロダクティブ・ヘルス、結核、C型肝炎、性感染症、栄養、AIDS遺児やその他影響の受けやすい子どものためのプログラムとHIV/AIDS対策を統合的に実施すること、および、公的教育やそれ以外の教育の場においてHIV/AIDS対策を統合的に実施することによって、包括的なHIV/AIDSプログラムを実施する能力を可能な限り向上させる。

35. 国際的な協力・連携による支援とともに、必要に応じて、地域社会に基盤を持つ保健医療従事者を含む広範な保健従事者の訓練と維持のための緊急のニーズに応えるため、また、保健医療従事者自身の治療を含む、訓練や管理体制、労働条件の改善をはかるため、さらに、より効果的なHIV/AIDS対策の実施に向けて新規の、また現存する保健従事者の雇用、維持、配置を効果的に実施するために、保健に関わる人的資源の拡大を目的とする国家計画と戦略を採用・実施・強化する。

36. 国際的金融機関および世界エイズ・結核・マラリア対策基金およびその他の援助国・援助機関に対して、各組織の政策枠組みに沿った形で、HIV/AIDSプログラムや医療制度の強化のために、低・中所得国にさらなる資金提供を促し、代用可能な、単純化された簡易なサービス提供モデルの開発を含めた、人的資源の不足への取り組み、また、地域レベルのHIV/AIDS予防、治療、ケア・サポートの拡大、その他の保健社会サービスへの資金協力を求める。

37. 紛争、人道的緊急事態、自然災害に影響を受けている国や地域への支援を行っている政府、国連機関、地域・国際団体、さらには非政府組織が、それぞれの計画やプログラムにHIV/AIDS予防、ケア、治療を組み込む必要性を強調する。

38. 資金手当が必要な、包括的で持続性をもち、信頼性のある、実証に基づいた国家のHIV/AIDS計画については、国家の優先順位に従い、透明性、説明責任をともない実効性がある形で資金援助を受け、確実に実施することについて、国際社会が最高レベルの責任を持って努力することを誓約する。

39. 各国は、予測可能かつ持続的な資金を確保し、国家のHIV/AIDS計画や戦略に見合った国際的資金援助が行われるよう、さらなる国内外の資金協力を通じてHIV/AIDS対策への世界的な資金不足を埋めていくことについて責任を持つ。この実現に向けて、二国間・多国間協力を通じたさらなる資金確保を行う。また、2010年までにGNP の0.5%、2015年までに0.7%を発展途上国のODAにあてるという国際目標、さらには「2001年?2010年の10年における後発開発途上国に対するブリュッセル行動計画」(Brussels Programme of Action for the Least Developed Countries for the Decade 2001-2010)で採択された、GNPの0.15~0.20%を後発開発途上国にあてるという目標の達成に向けた取り組みによる資金確保を歓迎し、これらの実現に向けた取り組みが遅れている先進国に対しては、これら先進国の関与方法に沿って、具体的に取り組むよう求める。

40. 低・中所得国での迅速なAIDSへの対応の拡大を支援するには2010年までに年間200億から230億ドルが必要だというUNAIDSの予測を念頭に置き、援助国からの新規および追加の支援を促し、また、当事国の国内予算やその他の国内財源からの資金確保に責任を持って取り組む。

41. 持続的な資金提供を通じて、世界エイズ・結核・マラリア対策基金や関係国連諸機関を含む現存する資金拠出機構を支援、強化すると同時に、革新的なアプローチを通じて新たな財源を生み出し、新たな財源の確保を追求する。

42. 入手可能でかつ質の高いHIV予防資材、診断器材、医薬品、治療に必要な物資へのアクセスを拡大、向上させるために、価格の設定、関税、貿易協定における障壁を取り除くための解決策を見出し、立法、制度に関わる政策、調達、供給に関する管理の向上に責任を持って取り組む。

43. 世界貿易機関(WTO)の貿易関連知的財産権協定は、現在および将来の公衆保健の向上に向けた加盟国の取り組みを阻害するものではなく、また、阻害するべきでもないことを再確認する。従って、TRIPS協定の施行に関連して、当該協定は、公衆保健を保護する権利および、特にジェネリックの抗レトロウイルス薬の生産やAIDS関連の感染症の治療薬を含む、全ての人たちの医薬品アクセスの促進について、これを支援する形で解釈され、実施されることは可能であり、また、そうあるべきであることを再確認する。これに関連して、この目的に関する柔軟性を確保するTRIPS協定の規定、ドーハにおけるTRIPS協定と公衆衛生に関する宣言、および2003年WTOの総会決議と第31条の改訂を、完全に使用する権利を再確認する。

44. 途上国がWTOのTRIPS協定が提示する柔軟性を活用できるよう支援し、そのための能力強化に力を注ぐことを決意する。

45. 事前買い取り制度(Advance Market Commitments)などのメカニズムを通じて、ワクチン、女性が主導しうる予防策およびマイクロビサイド、小児用抗レトロウイルス治療を含む、安全かつ入手可能な、新たなHIV/AIDS関連の医薬品・物資・技術の研究と開発への取り組みと投資を強化し、同時に伝統的医療におけるHIV/AIDS関連研究と開発にもさらなる投資を促すことについて、責任を持って取り組む。

46. 包括的なHIV/AIDS対策の一環として、研究開発と技術移転を支援する製薬会社、援助国・援助機関、多国間機関、その他のパートナーによる官・民パートナーシップの発展を促す。

47. 知的財産権の保護が新薬の開発に重要であること、一方で、これによる価格への影響への懸念を認識した上で、低価格でのHIV予防資材、診断技術、医薬品、治療物資の実現のために、大量調達、価格交渉、特許権付与を促す二国間、地域的および国際的な取り組みをさらに強化、促進していく。

48. 国際医薬品購入機関(International Drug Purchase Facility)など、途上国に対する、予測可能で持続的な方法での、入手可能な医薬品の供給を目的とした、革新的資金拠出メカニズムを基礎とする、多国間によるイニシアティブについて認識する。

49. 2006年中に、当該政治宣言の履行、および、2010年までの包括的予防プログラム、治療、ケア・サポートへの普遍的アクセス実現という目標に向けて有意な対策拡大を追求するための緊急の必要性を反映し、また、UNAIDSが勧告する重要な指標を踏まえ、なおかつ2008年に向けて設定された中間目標を含みこんだ、意欲的な国家目標を、利害関係者の参加を伴い透明性を確保したプロセスにより設定する。同時に、各HIV/AIDS戦略に関する、適切かつ厳格なモニタリング・評価の枠組みを、責任を持って、設定、維持する。

50. 「三つの統一」の原則、および、「多国間機関および援助国・援助機関間におけるエイズ対策の協調促進のための地球規模検討委員会」(Global Task Team on Improving AIDS Coordination among Multilateral Institutions and International Donors)の勧告に適合的な形での、各国国内におけるHIV/AIDS対応の支援、および前述の目標の達成状況のモニタリングと報告を促進する国家・地域の取り組みの支援、UNAIDS事業調整理事会(Programme Coordination Board)の課題別会議(themetic sessions)などを通じたHIV/AIDS対策の世界的連携の強化について、UNAIDSとその共同スポンサーに呼びかける。

51. 上記の目標達成に向けて、政府、国会、ドナー、地域および準地域機構、国連機関、世界エイズ・結核・マラリア対策基金、市民社会、HIV感染者、脆弱な人々、民間セクター、最も影響を受けたコミュニティ、その他利害関係者に緊密な協力を呼びかけ、HIV/AIDS対策に関する参加型の検証を通じて、各レベルでの透明性と説明責任を確保することを呼びかける。

52. UNAIDSとの協力のもと、国連事務総長に2001年6月27日の国連決議S-20/2に沿った、HIV/AIDSに関するコミットメント宣言の実施状況、および当該宣言によって設定された実施事項の実現に関する進展の達成状況を、国連総会に対する国連事務総長の年次報告に加えるよう要請する。

53. 2008年および2011年に、国連総会の年次検証の範囲内において、第26回国連特別総会で採択された「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言:『地球規模の危機・地球規模の行動』」および、当該政治宣言の実現に向けた進歩の達成状況に関する包括的なレビューを、責任を持って実施することを決定する。

以上

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