第15回国際エイズ会議開会式に関するHIV陽性者世界ネットワークの声明

(解説)GNP+はHIVに感染した人たちの国際ネットワーク組織。タイのバンコクで開かれた第15回国際エイズ会議の開会式(2004年7月11日)でHIV陽性者代表の演説の機会が実質的に奪われる形になったことに抗議して、翌日、声明を発表した。


第15回国際エイズ会議開会式に関するHIV陽性者世界ネットワークの声明
(2004年7月12日)

 HIV陽性者世界ネットワーク(GNP+)は、我々の兄弟パイサン・スワナウオングに対し、そして彼を通じすべてのHIV/エイズとともに生きる人々に対して示された余りにもひどい非礼に深い怒りと悲しみを表明する。会議の共催団体としてGNP+は可能な限り強い言葉で開会式当夜のプログラムの変更に抗議する。20年の流行を経て、世界に4000万人ものHIVに感染した人々が暮らしているにもかかわらず、開会式で唯一、HIV陽性のスピーカーが話す場面をテレビで見ることすらできなくなるような変更だった。レセプションが開かれ、ほぼすべてのメディアまでもが開会式でHIV陽性者が話そうとしたときには、会場から去っていた。

 真実はまたも明示されずに終わった。政治指導者と官僚たちが列をなし、HIV感染に関して人気を集めそうな強いカレー風味の演説を次々と行うことには熱心だったが、真の課題は無視された。目を覚まそう。これが現実なのだ。リーダーシップについて話し合うのなら、4000万人のHIV陽性者が抽象的にしか語られず、一本のロウソクに置き換えられたことに留意しなければならない。同情や憐れみはいらない。計画を一緒に立てるふりをして頭をなでてから、あなたたちは自らの見解の中にきれいに収めきれない問題が提起されると、我々を切り捨てる。この感染症を抱えて生きることに関する私たちの声を無視してきたことが、まさしく現在の状態をもたらしたのだ。この惑星では昨年一年間に治療を受けられるようになった人の100倍もの数の人が新たにHIVに感染している。

 この国はHIV/エイズの流行の現実に対し、創造的かつ熱心に、さまざまな分野の人たちが参加して立ち向かうことが可能な活力に満ちた国であるはずだ。会議の準備の過程で、エイズがもたらす課題に対応するために重ねられた議論と、そこで示された創意には強く心を打たれるものがあった。エイズの流行に終止符を打つまで闘うことを約束した政治指導者はHIV陽性者の意見を、そしてセックスワーカー、若者、女性、男性とセックスをする男性、薬物静脈注射使用者の意見を積極的に聞き、学び、対策に反映させていかなければならない。我々はやっかいものではなく、この流行と闘うパートナーなのだ。

 わが友パイサンが昨夜、勇気をもって、心のこもった演説を行ったことを称えるとともに、たった一人のHIV陽性者の言葉すら聞くこともなく、カクテルのために開会式会場を早々に引き上げていくような世界の状況は記録にとどめておきたい。

 これが、第15回国際エイズ会議が開かれている世界の現状なのである。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック