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zoom RSS HIVとエイズに関する政治宣言(2016年国連総会ハイレベル会合)その3

<<   作成日時 : 2016/07/07 00:23   >>

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国連総会ハイレベル会合2016政治宣言3

各論に入りました。パラ59は投資、パラ60は検査と治療へのアクセスに関する約束です。

  ◇

エイズ対策の高速対応には投資の前倒しと資金源の多様化が極めて重要

59(a) 高速対応ターゲットの2020年達成に向け投資の拡大と前倒しを約束する。2030年のエイズ流行終結にはそれが不可欠であり、広範な開発の成果にも大きく貢献することになる。

59(b) エイズ対策資金を増やし、財政面から支えることを約束する。そのためには、革新的な資金調達や途上国への投資により、2020年までに少なくともUNAIDS推計の年間必要額260億ドルを確保しなければならない。各国の能力に応じた国内予算と民間投資の増額、公的および民間の国際支援による補充、国際連帯の強化が必要であり、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の第5次増資への全関係者の積極的貢献を強く求める。

59(c) 現時点で世界のHIV/エイズ対策に確保できる額と2020年までの高速対応に必要な額とのギャップを埋めることをすべての関係者に呼びかける。

59(d) HIVとエイズ対策の資金ギャップを埋め、2030年のエイズ流行終結に必要な資金を完全に確保するため、アジスアベバ行動アジェンダの具体的な政策と行動を完全かつ時期を違えずに実行する強い約束を再確認する。アジスアベバ行動アジェンダは国内の公的資金、国内および海外の民間からの資金、国際開発協力、開発エンジンとしての貿易、債務の維持可能性などに関し、科学技術および技術革新、能力開発、データなどの体系的課題として取り組み、モニタリングと追跡調査を行うものだ。

59(e) 自立原則の観点から公共政策と国内資金の活用は、すべての国にとって持続可能な開発目標の達成とその後の国内資金の効果的活用を含め、持続可能な開発を進める際の中心課題であることを認識する。

59(f) 民間のビジネス活動、投資と技術革新が、生産性向上とインクルーシブな経済成長、雇用創出の原動力であること、民間投資資金の流通、とりわけ海外からの直接投資は、国際金融システムの安定とともに、国内開発を大きく助けることをさらに認識する。

59(g) 国際財政は、各国の国内資金活用を補う重要な役割を担っていることを認める。とりわけ国内資金に限界がある最貧国や最も脆弱な国では重要である。国際支援を拡大し、効率化をはかることは、譲与、非譲与のどちらの融資でも求められる。

59(h) ODAに関するすべての約束の履行が極めて重要なことを繰り返し指摘する。ODA提供国はそれぞれの約束を再確認する。先進国の多くがODA/GNIの0.7%達成とODA/GNIの0.15〜0.20%を後発開発途上国にあてることを約束している。すでにその約束を果たしている数カ国を高く評価する。他のすべての国にはODA増額と約束実現に向けた努力の強化を求める。その点では、ODA/GNI0.7%ターゲットを持続可能な開発2030アジェンダの期間中に実現し、後発開発途上国へのODA/GNI0.15〜0.20%はもっと早く実現したうえで、持続可能な開発2030アジェンダの期間中に0.20%に到達するという共同コミットメントを再確認した欧州連合の決定を歓迎する。ODA提供国には少なくとも後発開発途上国に対するODA/GNI0.20%目標の設定を求める。

59(i) 南南協力が国際開発協力の中で、南北協力の代用品ではなく、重要な補足的役割を果たすものであることを認める。重要性が増していること、異なる歴史と特徴を有していることを認め、経験と目的を共有する南の人びとと国々の連帯の表明としてとらえる必要があることを強調する。国家主権と国としての自立、独立、平等、自由、内政不干渉の原則を尊重し、相互利益の理念に基づいて進めるべきである。

59(j) 南南協力が貧困の解消と持続可能な開発への影響力を増していることを歓迎する。南南協力に関する国連ハイレベル会合のナイロビ成果文書に従い、開発途上国が自発的に南南協力の充実に取り組み、開発効果をさらに高めることを奨励する。また、開発協力における経験や専門性を共有する手段として三角協力を強化することを約束する。

59(k) 後発開発途上国や開発途上島嶼国の多くが抱える債務持続性の問題は早急に解決する必要があること、債務持続性の確保は各国が後発開発途上国の状態から脱するうえで重要なことを認識する。また、債権金融や債務救済、債権再構築、健全な債務管理などの手段を通じ、途上国が長期の債務持続性を獲得するための支援の必要性を認める。重債務貧困国(HIPC)の対象国にはHIPC手続きを完了できるよう支援を続ける。

59(l) 不正資金流出(IFFs)がHIV/エイズの流行に大きな打撃を受けている国から資金を吸い上げることの影響を懸念する。IFFsは国内資金の確保と財政に悪影響をおよぼすことになる。汚職、横領、詐欺、脱税、財産を盗んで外国に資金移転する回避地、マネーロンダリング、国家試算の不法な搾取といったIFFsに伴う行為は、開発にも有害である。腐敗防止のための国際協力や盗まれた資産の特定、凍結、回収などに力を合わせ、国連腐敗防止条例にしたがうかたちで元の国に返還することの重要性を強調する。

59(m) ワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVI)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)など様々な関係者間の協力が保健分野で結果を残してきたことを認める。こうしたイニシアティブがより一層、協力し、保健基盤強化にさらに貢献することを推奨する。

59(n) 開発への追加資金確保のための革新的資金メカニズムを支援する国連開発資金会議のモンテレイ合意以来の進歩を歓迎する。とりわけ、開発のための革新的資金調達に関するリーディンググループの動きを歓迎する。途上国に過度に負担を強いないかたちで、より多くの国が自発的に革新的メカニズムとその手段、様式を整えることを勧める。GAVIの予防接種のための国際金融ファシリティのようにすでにあるメカニズムを広範な開発需要にも広げて行く方法を考えることを推奨する。また、さらに多国間のエイズ対策戦略と資金計画を支えるためのワクチン債など官民資金の組み合わせモデルに基づいた追加的な革新的メカニズムを探ることを推奨する。

59(o) 生涯にわたるHIV治療提供の継続は、貧困や治療へのアクセス不足、不十分で見通しの立たない資金などの制約から常に脅威にさらされていることを重大な懸念とともに留意する。とりわけ取り残されている人たちへの対応には、大きな前進があったとはいえ、現状のまま何も変えなければ、途上地域の数カ国で流行が再燃し、2030年には2015年以上に多くの人がHIVに感染してエイズ関連の病気で死亡することになる。治療のコストもその分拡大する。国際社会はグローバルファンドの第5次増資分として130億米ドルの資金を確保しなければならない。

59(p) グローバルファンドの第5次増資に向けて130億米ドルの資金確保を約束する。医学の進歩と革新的解決策の適用をてこに、グローバルファンドは創設以来2016年末までに2200万人の生命を救おうとしている。増資目標の全額が確保できれば、2020年までにさらに800万人の生命が救われ、2900億米ドルの経済効果が得られることになる。


HIVとエイズとの闘いにおける検査と治療へのアクセス確保

60(a) 2020年までに90-90-90治療ターゲット(2)を達成し、3000万人のHIV陽性者に治療へのアクセスを確保することを約束する。2018年までに160万人の子供(0〜14歳)に抗レトロウイルス治療へのアクセスを確保すること、子供、10代の若者および成人のHIV陽性者が自らのHIV感染を知り、直ちに良質の治療を受け、治療の継続によって体内のウイルス量を低く抑えられるようにすることを約束し、検査のギャップを早急に埋める必要があることをとくに強調する。
(2) HIV陽性者(子供、若者、成人)の90%が自らの感染を知り、その90%が治療を受け、さらに治療を受けている人の90%がウイルス量を低く抑えられている状態。

60(b) 可能なところでは、自発的で個人情報が保護され、十分に情報を提供する安全なコミュニティベースの検査を実施し、それぞれの国の状況にしたがって、HIV陽性者を含め自らのHIV感染の有無を知らない何百万という人にその検査を提供することを約束する。また、検査前情報やカウンセリングの提供、ケア、支援、治療のサービスにつなぐための検査後の照会とフォローアップを約束する。サービスの中にはウイルス量のモニタリングも含まれる。コミュニティ検査を妨げる法規制を含め、検査と治療の普及を阻むような社会経済的な障壁に取り組むことを約束する。提供者主導の検査とカウンセリングを含め、自発的に受けることができ、個人情報を守れるHIV検査とカウンセリングの拡大を進めること、HIVおよび他の性感染症に対する国の検査促進キャンペーンを強化することを約束する。

60(c) 子供の新規HIV感染をなくし、母親には治療の即時開始と生涯にわたる継続によって健康と福祉をまもるすべての適切な手段をとることを約束する。HIV陽性の女性の妊娠、授乳による感染に対応する早期の新生児検査、梅毒との同時予防策、男性パートナーへの治療、すべての医療保健施設における継続的なケアと子供の症例探索を通じた包括的な母子保健サービス提供のための革新的システム、治療につなげる方法の改善、治療継続に対する支援の拡大と改善、年齢層別の子供向けケアモデルの開発、予防可能な母親の死亡の排除、予防と治療のサービスへの男性パートナーの関与、WHOのHIV母子感染排除国承認に向けた措置などが含まれる。

60(d) 保健、社会システムを強化することで人を中心にした保健システムの構築を約束する。疫学的なエビデンスにより感染リスクが高いとされるコミュニティを含めること、2030年までにコミュニティ主導のサービスを全体のサービスの少なくとも30%に拡大すること、医療保健人材と必要な設備への投資、用具、治療薬への投資を行うこと、人権を擁護、尊重し差別のないかたちで政策を進めること、市民社会組織の能力強化を通してHIV予防、治療サービスを提供することなどが、そのシステム構築に含まれる。

60(e) 性と生殖に関する健康、社会保障を含め、質の高い保健医療サービスへのアクセスがすべての人に平等に提供されるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に取り組む。生活保護、すべての人に対する安全かつ効果的で質が高く、手頃な価格の必須薬品とワクチンへのアクセス、効率性を高め価格を引き下げる新たなサービス提供モデルの開発、HIVと結核・ウイルス性肝炎・性感染症・子宮頸がんや薬物依存を含む非感染症とのより統合されたサービスの提供体制確保、食糧・栄養支援、精神保健および性と生殖に関する健康などがそこには含まれる。また、ジェンダーに基づく暴力、性的暴力に取り組み、力の弱いコミュニティがこうした問題や将来の感染症の流行の急拡大に対応する力をつけられるようにする。

60(f) 国および世界レベルで、HIVに影響を受けている人びとを対象にしたプログラムに食糧・栄養支援を統合する行動を直ちに取ることを約束する。HIVとエイズに対する包括的な対応の一つとして、栄養のある食事がきちんととれるよう、安全で栄養価の高い食糧を十分に確保する必要がある。

60(g) HIV陽性者の結核による死亡を2020年までに75%減らすというWHOの結核終結戦略のターゲット達成に取り組むことを約束する。薬剤耐性結核を含む結核対策の強化、予防・スクリーニング・診断・経済的に負担可能な治療・抗レトロウイルス治療へのアクセス拡大、新たなツールを活用したHIV陽性者の結核症例の100%把握などによりストップ結核世界計画2016-20の90-90-90ターゲットについても、十分なサービスが受けられない人たち、とりわけ子供を含むリスク層に特別の配慮をしつつ資金を確保し、実行することを約束する。結核治療が必要な人の90%を把握し、このうちの90%は感染のリスクが高い層の人たちであり、その90%は治療が成功するというターゲットだ。新たなツールには合同プログラムによる迅速分子診断検査、患者中心のHIV・結核サービスの統合と共同施設化などが含まれる。各国のHIV/結核重感染対策の実施要綱は最新のWHO勧告を反映させ、2年以内に更新する。

60(h) HIVとB型、C型肝炎の重感染を減らすことを約束する。2020年までに慢性B型、C型肝炎の新規症例を30%減らし、500万人がB型肝炎治療、300万人が慢性C型肝炎治療を受けられるようにする。また、エイズ対策と連携し、人権の擁護と尊重、スティグマと差別の解消、コミュニティの関与、HIVとB型。C型肝炎対策との統合強化、手頃な価格の治療薬と効果的な予防対策へのアクセス確保、とりわけ社会的に弱い立場の人びとや疫学的なエビデンスにより感染の高いリスクにさらされていることが示されている集団にとってのアクセス確保などの教訓を生かしていく。

60(i) ジェネリック薬や診断薬、その関連医療技術を含め、安全かつ負担可能で有効な薬が利用できる手段を約束する。生死にかかわる治療・診断薬の価格を引き下げるためにすべての利用可能なツールを活用する。現実的な範囲で最も高い基準の身体的、精神的な健康を保つという基本的な権利をすべての人に保障するには、それが基礎になるからだ。この点で国連事務総長が招集する医薬品アクセスに関するハイレベル委員会の設立に留意する。

60(j) ジェネリック薬を含め、HIV治療のアクセスには手ごろな価格で治療薬が利用できることが極めて重要である。知的財産権の保護、実施手段は、世界貿易機関(WTO)の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS協定)に適合していなければならないということ、加盟国の公衆衛生上の権利を尊重するかたちで、すべての人に医療へのアクセスを確保する必要性を重視して実施すべきことを認識する。また、協定の66条1項に基づき、最貧国に対する製薬特許の適用免除措置を2033年まで延長した2015年11月のTRIPS理事会の決定を歓迎する

60(k) ジェネリック薬の正当な取引に対する制限を含め、低・中所得国に対し手頃な価格のHIV治療薬および他の医薬品へのアクセスを制限するような規制、政策、慣行があることを懸念とともに留意する。改善は可能なこと、とりわけ国の法律や規制やサプライチェーンの管理を通じて改善できることを認識する。手ごろな価格の製品に対する障壁を取り除くことは、日和見感染症や重感染症も含めた良質かつ安全、効果的で手頃な価格のHIV予防用品や検査、治療薬、ワクチン、治療用品などへのアクセスを広げる手段になることもあわせて留意する。

60(l) 低・中所得国が手ごろな価格の効果的なHIV予防および治療製品、診断薬、治療薬、治療用品その他の医薬品、および日和見感染症や併存症、重感染症の治療を提供する能力を妨げるような障壁は、可能なところでは、早急に取り除くこと、生涯にわたるケアの費用を引き下げることを約束する。その対応には各国政府が最大限の効果をあげるために必要と考える法改正や規制改革も含まれる。
a TRIPS合意のもとで、治療薬のアクセス拡大と貿易促進のために認められている柔軟性を最大限に活用する。効果的なエイズ対策に貢献する知的所有権体制の重要性は認めるものの、貿易協定における知的所有権の条項が「TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」で認められた柔軟性を損なわないようにすることを確認し、2005年の世界貿易機関(WTO)一般理事会で決定されたTRIPS協定の修正第31条の早期受け入れを呼びかける。
b 生涯にわたるケアに伴う費用を引き下げるためにジェネリック薬による価格競争力を導入し、すべての国が治療薬の正当な貿易に対する障壁をつくらないかたちの手段や手続きを用い、手続きの悪用を避けるかたちで知的所有権を実施することにより、手頃な価格のHIV治療へのアクセスを阻む障壁や規制、政策、慣行に対応する。
c 適切と判断されるところでは、治療コストを引き下げるためにパートナーシップ、補助金、賞金、二重価格、特許のオープンソース・シェアリング、医薬品特許プールを含め途上国すべてが利益を受けるパテントプールなどの新たなメカニズムを自発的に活用することを奨励する。また、HIV治療薬とポイント・オブ・ケア検査(患者の目の前で行う検査)を含め、とりわけ子供向けに新たなHIV治療法を開発することも奨励する。

60(m) HIV薬剤耐性株の出現、およびHIV陽性者の間での抗生物質耐性菌の出現をモニターし、予防し、対応する効果的システムの確立を約束する。

60(n) 人道的な緊急事態および紛争下においてもHIV予防、治療、ケア、支援を続け、HIV陽性者、結核、マラリア患者にケアのパケージを提供することを約束する。家を追われた人びと、人道危機の影響を受けている人びとは、HIVに感染しやすい状態に置かれ、治療中断のリスクにもさらされ、良質の医療や栄養のある食事も得られないなど様々な試練に直面することが多いからだ。

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