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zoom RSS TOP-HAT News第77号(2015年1月)

<<   作成日時 : 2015/01/31 10:10   >>

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        第77号(2015年1月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 『保健医療従事者のHIV職業感染 米国1985-2013』

2 血液・体液曝露事故(針刺し事故)発生時の対応(国内の資料から)

3 Future Japanがキャラバンツアーを展開中 全国調査結果報告会 

4  ガイドは生島さん All AboutにHIV感染症のページ

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 『保健医療従事者のHIV職業感染 米国1985-2013』
 保健医療従事者の針刺し事故など、業務中にHIVに感染する「職業上の感染」は実際にどのくらいの頻度で起きているのか。米国の疾病予防管理センター(CDC)が毎週発行している死亡疾病週報(MMWR)の2015年1月9日号には「極めてまれである」とする調査統計が紹介されています。
米国内で1985年から 2013年までの29年間に保健医療従事者(HCW)が業務中にHIVに曝露し、感染が確認された事例、および感染した可能性のある事例の報告件数をまとめたレポートです。
 そのレポート『現場からの報告:保健医療従事者のHIV職業感染 米国1985-2013』によると、「1985年から2013年までの間に、HCWに対するHIVの職業上の感染は58件の確認例と150件の可能性例がCDCに報告されている』と いうことです。確認例を「感染につながった曝露事例」別にみると、内訳は「経皮的な針刺しや切り傷」が49件、「粘膜への曝露」5件、「経皮的および粘膜への曝露の両方」2件、不明2件となっています。
 また、49件は「血液からの感染」、4件は「検査室で濃縮されたウイルスからの感染」、1件は「血液まじりの体液からの感染」、4件は「特定できない体液からの感染」で、血液からの感染が8割以上を占めています。
 注目すべきなのは、2000年以降の報告です。1999年の2件の報告があって以来、確認例は「2008年に検査技師がHIV培養時に注射針を深く刺してしまった事故」の1件のみしか報告されていません。推定で120万人ものHIV陽性者が生活しているという米国全体で、しかも直接、患者の治療やケアにあたる臨床の現場では、14年もの間に全米で1件も確認例はないのです。
レポートには年次別の確認例報告数もグラフで示されていますが、それを見ると58件中54件は、1995年までの報告でした。1996年以降は1998年の1件、99年の2件、そして2008年の1件と大きく減少しています。
 保健医療機関における職業上のHIV感染を防止するため、CDCは1987年に「ユニバーサルプリコーション(普遍的予防策)」の採用を勧告しています。ひと言で説明すれば、治療や検査の際に扱う血液には常に何らかの病原体が含まれている可能性があるという前提ですべての血液を扱いましょうという考え方です。1995年以降はそれをさらに発展させて「スタンダードプリコーション(標準予防策)」が広く採用されるようになりました。
また1996年には、抗レトロウイルス剤を感染予防目的で使用する曝露後予防策(PEP)が医療現場で推奨されています。
つまり、米国では (1)保健医療機関で血液などを扱う際の標準予防策の浸透、(2)HIVに曝露した可能性がある場合の曝露後予防策(PEP)の採用、という2つの対策により、1995年を境に職業上のHIV感染の発生は激減しました。さらに最近は、(3)抗レトロウイルス治療の普及ならびに早期開始により、治療を受けているHIV陽性者の体内のウイルス量が大きく減少している、という新たな条件も加わり、感染リスクは限りなくゼロに近づいています。
わが国よりもはるかにHIV陽性率が高い米国でも、保健医療の現場における職業上のHIV感染は極めてまれにしか起きていません。
もちろん、標準予防策を疎かにすることなく、HIVに限らず血液などからの病原体の曝露の機会を減らすことは現在でも大切です。また、注意していても起きるかもしれない曝露事例には、曝露後予防の適切な対応が不可欠です。
ただし、そうした通常の業務遂行の中で、当然なすべきことがなされてさえいれば、保健医療現場で職業上のHIV感染が起きることはないと断言できるところまで予防策は進んでいます。つまり、どの診療科においても、医療機関でHIV陽性者の診療を拒否する根拠も理由もありません。この点はしつこいようですが、改めて強調しておきたいと思います。

『現場からの報告:保健医療従事者のHIV職業感染 米国1985-2013』は日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されています。
http://asajp.at.webry.info/201501/article_3.html

 年次別のグラフはMMWRの公式サイト(英文)で見ることができます。
 http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6353a4.htm?s_cid=mm6353a4_w



2 血液・体液曝露事故(針刺し事故)発生時の対応(国内の資料から)
 国内の保健医療関係者向けには、独立行政法人国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)の公式サイトに『血液・体液曝露事故(針刺し事故)発生時の対応』が掲載されています。最終更新は2014年10月1日です。冒頭の【要点】を紹介しておきましょう。

【要点】
・適切な曝露後予防内服により、事故によるHIV感染リスクをほぼゼロにできる
・まず落ち着いて、曝露部位を大量の流水と石けん(眼球・粘膜への曝露の場合は大量の流水)で洗浄する
・予防内服の必要性を判断し、必要と判断されれば速やかに内服を開始する
・従来の「拡大レジメン」に相当する多剤併用が推奨される
・万一の事故発生に備え、院内の針刺し事故対策を整備しておくことが重要
・事故を起こした職員のプライバシーにも配慮する
・HIVのみでなくHBVやHCVも考慮して対応する

 詳しくはサイトをご覧下さい。
  http://www.acc.go.jp/doctor/eventSupport.html

 また、東京都エイズ診療協力病院運営協議会編(東京都福祉保健局)の『HIV感染防止のための予防服用マニュアル』(平成26年7月改正版)もpdfでダウンロードできます。
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/koho/kansen.files/manual.pdf



3 Futures Japanがキャラバンツアーを展開中 全国調査結果報告会

《調査結果を知ることで、日本のHIV陽性者が全体としてどんな状況にあるのかを知ることができ、自分の立ち位置を確認し将来展望を得ることができます。また行政やエイズ対策、支援体制への提言につながるためHIV陽性者にとって暮らしやすい社会づくりができます》

 2013年7月から2014年2月まで7カ月にわたってHIV陽性者のためのウェブ調査を実施したFutures Japan プロジェクトが、その調査結果を報告するキャラバンツアーを展開中です。昨年10月にスタートしたツアーではすでに、京都、福岡、仙台、名古屋で報告会が実施され、今後も2月は大阪、鹿児島、金沢、3月には札幌、那覇、東京などで開催が予定されています。HIV陽性者限定の報告会もあるので、スケジュールはFutures Japanのサイトでご確認ください。
http://survey.futures-japan.jp/result/caravan.php



4  ガイドは生島さん All AboutにHIV感染症のページ
 総合情報サイト『All About』にHIV感染症のページが開設されました。
 http://allabout.co.jp/gm/gt/3485/

 ガイドは特定非営利活動法人ぷれいす東京の代表、生島嗣さんです。『HIV・エイズとは』『HIV治療の基本』『HIV治療に使う薬』などが分かりやすく解説されています。さすが、名ガイド。まだ開設して間もないページですが、今後も新着記事が増えていきそうです。


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