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zoom RSS TOP-HAT News 第54号(2013年2月)

<<   作成日時 : 2013/02/28 13:54   >>

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        第54号(2013年2月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに レスリングとエイズ対策の共通点

2  JaNP+がニーズ調査報告書

3 エイズ動向速報値

4  JASAフォーラム

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに レスリングとエイズ対策の共通点

 2020年の夏季五輪の競技からレスリングが外れそうだというニュースは世界をあっといわせたようですね。古代からレスリングは五輪に欠かすことのできない競技だと思っていたら、テコンドーや近代五輪などを押しのけて、2020年五輪から外れる候補No.1になってしまいました。

 国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の巨大化に歯止めをかけるため、東京も開催都市に立候補している2020年五輪では、実施競技を28競技に抑える方針です。昨年のロンドン五輪では26競技でしたが、2016年のリオ五輪から7人制ラグビーとゴルフが加わるので、そのままだともう28競技で打ち止めになってしまいます。それでは復帰を望む野球・ソフトボールや様々な新しい競技の入る余地がなくなってしまうので、ロンドンの26競技のうちどれか1競技を削り、新設1枠を確保しようというわけです。

 細かい経緯は省くとして、IOC理事会で投票を行った結果、レスリングに外れる競技候補の白羽の矢が立ちました。まだ、新設1枠を野球・ソフトボールなどと競って復帰を果たすという道は残されているとはいえ、情勢は極めて厳しいようです。何か、良い知恵はないものか。レスリング関係者の奮闘には今後、大いに期待したいと思いますが、この窮状は、関係者がついつい油断してしまった結果という印象も免れません。

 少々、前置きが長くなりましたが、レスリングについて長々と説明してきたのは他でもない。国際的なエイズ対策もまた、似たような厳しい現実に直面している。このことを報告したかったからです。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は1月から『VOTE TO END AIDS』というキャンペーンを展開しています。「エイズ終結に向けて投票を」というわけですね。掛け声は威勢がいいのですが、いったいどんなキャンペーンかというと、これがまあ、なんともはや・・・。HATプロジェクトのブログにUNAIDSの呼びかけの日本語仮訳が掲載されているので、参考までにご覧ください。
 http://asajp.at.webry.info/201302/article_4.html

 要は2015年のミレニアム開発目標(MDGs)終了後の新たな国際的開発目標である「ポスト2015」をめぐる議論の中で、どうもHIV/エイズ対策が抜け落ちてしまいそうな雲行きなので、何とかみんなの力で「エイズの終結」をポスト2015の優先課題の一つに押し込んでくださいという呼びかけです。HATプロジェクトの(解説)でも触れているように、後手に回ったというか、時すでに遅しの感は免れません。レスリング以上に「巻き返し」は困難そうです。

 考えて見れば2000年秋の国連ミレニアム総会でMDGsの策定に世界の首脳が合意した当時、HIV/エイズの流行は国際社会が緊急に対応すべき優先的課題としてとらえられていました。総会直前の2000年7月には南アフリカのダーバンで第13回国際エイズ会議が開かれ、日本が議長国だった九州沖縄サミットではG8首脳が感染症対策の新たな追加的資金の必要性に合意しています。翌2001年には国連エイズ特別総会が開かれました。

 そうした時期を経て、この10年で世界のHIV/エイズ対策はかなり大きな成果をあげてきました。まだ、道半ばではありますが、その努力は大いに評価されるべきでしょう。ただし、悩み多き21世紀の世界の中でHIV/エイズ対策が常に世界的課題のセンターステージに位置づけられるわけではないということも認識しておく必要があります。一方で、鳴り物入りの注目課題ではなくなった感のある現在でも、問題の深刻さはいささかも減じられているわけではない。このこともあわせて認識しておかなければなりません。

 なんとか優先課題に押し込もうという努力を否定するわけではありませんが、現状を冷静に見つめれば、何ものにも優先してこれをやろうといわれるような時期を脱したことは、世界のエイズ対策の誇りでもあります。その10年を経て、今度は鳴り物抜きでも、静かに着実に必要なことを続けていく。それができるかどうか。これこそがいま、エイズ対策に取り組む世界中の人たちに問われているのではないか。幸か不幸か、いつまでたっても寒波が厳しいこの冬は、そのことがひときわ強く、ひしひしと感じられてきます。



2  JaNP+がニーズ調査報告書

 特定非営利活動法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)が「HIV陽性者の医療に対するニーズ調査」の結果を報告書にまとめました。全国で12人のHIV陽性者を対象に行ったインタビューをもとに調査票を作成し、2012年6〜9月にWEBアンケート形式で調査を実施。160人のHIV陽性者から有効回答が得られたということです。報告書は約60ページ。JaNP+の公式サイトでpdf版をダウンロードすることができます。
 http://www.janpplus.jp/

 JaNP+は2010年にエイズ治療拠点病院を対象にアンケート調査を行い「さまざまな病気やケガを抱えたとき、HIV陽性者はどこの拠点病院でも治療を受けられるのかどうか」を検証。2011年にはHIV陽性者が治療を受けることができる拠点病院以外の医療機関について調査を開始しています。HIV陽性者を対象にした今回の結果も含め、報告書は3年間の調査結果を総合的に分析するかたちで、《医療がHIV陽性者を“特別視”する現状は「HIV陽性者が自立したありまえの生活ができる社会」からは程遠い》と現状の問題点を指摘し、以下の3項目を提言しています。

(1)医療従事者へのHIV感染症への理解と具体的対策を!
 多くのHIV陽性者は診療拒否や差別的対応を経験しています。そうした事例が繰り返されないよう医療における偏見と差別をなくしていくための取り組みを継続的に求めます。
 特にエイズ治療拠点病院においては、本来の制度の趣旨にのっとり、患者数の多寡にかかわらず医療者への教育や院内での理解促進をさらに進めること、また実際に患者を受け入れ、診療経験を積み重ねていくための具体的な取り組みを求めます。

(2)行政による協力医療機関のネットワーク化を!
 拠点病院という枠組みにとらわれず、HIV陽性者が受診可能な(受け入れに前向きな)医療機関を、具体的にネットワーク化する仕組みの導入を求めます。
 東京、群馬、愛知、広島、島根、長崎(歯科は北海道、東京、神奈川)には、すでにHIV陽性者が受診可能な拠点病院以外の医療機関を紹介する制度があります。しかし、HIV陽性者の間ではこれら都道府県がもっている紹介制度については、未だほとんど認知されていません。こうした制度の認知度を高めること、および紹介制度がない都道府県では、あらたに導入していくことを求めます。

(3)エイズ治療拠点病院はNGOとの積極的連携を!
 HIV陽性であることに伴う日常生活に関する様々な問題ついては、医療者に相談しない選択をする人が多くを占める一方で「他のHIV陽性者と話したい」「会ってみたい」というニーズを持つHIV陽性者が多いという事実があります。
 HIVの治療ために通院は不可欠ですが、通院は「HIV陽性者であることを知られたくない」というプライバシーへの不安と隣り合わせであることも多く、また医療機関においても個人情報保護やトラブル等への懸念から、主体的に患者同士を引き合わせることは困難であると思われます。
 こうしたHIV陽性者へのケア・支援の一助として、医療機関においては、地域のNGOが提供するサービスや情報を、HIV陽性者が通院時に受け取れるよう努めることを望みます。



3.「新規感染は横ばいの可能性」 エイズ動向委員会委員長コメント

厚生労働省のエイズ動向委員会が2月22日、昨年1年間の新規HIV感染者・エイズ患者の速報値をまとめ、岩本愛吉委員長が「経年傾向として、新規HIV感染が増加しているというデータはなく、新規の感染については横ばいとなっている可能性がある」との委員長コメントを発表しました。動向委員会報告はエイズ情報ネット(API-Net)に掲載されています。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html

2011年12月26日から2012年12月30日までの約1年間の四半期ごとの速報値を合計したもので、報告数は以下のようになっています。確定値は4月か5月に発表される見通しですが、大きな変動はないだろうということです。

 新規HIV感染者報告 1001件 (過去6位)
 新規エイズ患者報告 445件 (過去3位)
    合計     1446件 (過去6位)

 動向委員会のデータは報告数なので、国内の感染の現状を表わしているものではありません。報告ベースではすでに横ばい、ないしは微減の傾向がこの3年ほど続いていましたが、検査・相談件数の減少など社会的な関心の低下も影響していると考えられることから、動向委員会はこれまで、実際のHIV感染は拡大の傾向が続いているとの見方をとっていました。

しかし、今回は速報値段階とはいえ新規感染者報告、患者報告がともに前年より減少しており、経年の報告データを検討したうえで、実際の感染も「横ばいとなっている可能性がある」との判断を示すことになりました。



4.AIDS & Society研究会議フォーラム『潮もかなひぬ JASAリニューアルに向けて』
 
 特定非営利活動法人AIDS & Society研究会議(JASA)が3月13日(水)夜、第113回フォーラム『潮もかなひぬ JASAリニューアルに向けて』を開きます。ネットによる情報発信やフォーラム開催など現行事業に加え、雑誌『エイズと社会』(年刊)の発行、エイズアクティビスト、研究者のためのクロスボーダー講座など新たなプログラムの可能性を議論する機会です。
日時:2013年3月13日午後6時半〜8時
 場所:ねぎし内科診療所(地下鉄丸ノ内線四谷三丁目1番出口)
     東京都新宿区四谷三丁目9 光明堂ビル5階
     http://www1.odn.ne.jp/negishi-naika/basho.html
報告: 永易至文(AIDS & Society研究会議理事)、宮田一雄(同)ほか。
 会費:1000円(資料代)     問い合わせ: jasa@asajp.net

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