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zoom RSS TOP-HAT News 第39号(2011年11月)

<<   作成日時 : 2011/12/06 12:31   >>

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        第39号(2011年11月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 成果は持続できるのか UNAIDS報告から

2 12月1日を中心に多様な啓発イベント 世界エイズデー 

3 タイからの就労者に支援チラシ

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 成果は持続できるのか UNAIDS報告から

 世界エイズデーを控え、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が11月21日、世界のHIV/エイズの流行の最新推計にもとづく報告書「2011世界エイズデー・レポート」を発表しました。2010年末現在の推計は次のようになっています。

・世界のHIV陽性者数  3400万人〔3160万〜3520万人〕
 ・2010年のHIV年間新規感染者数  270万人〔240万〜290万人〕
 ・エイズ関連の疾病による年間死者数 180万人〔160万〜190万人〕

年間の新規感染者数、死者数は減少傾向にあるのですが、HIVに感染して生きる人の総数は依然、増加しており、2001年時点と比べると、2010年は17%も多くなっています。

新規感染者数がこれまでで最も多かった年は1997年で、昨年はそのピーク時より21%も減っています。年間の死者数は2005年がピークで、昨年はそれより18%少なくなっています。新たにHIVに感染する人は減っているのに、世界全体のHIV陽性者数が増えているのは、1年間にエイズで亡くなる人の数より、新たにHIVに感染する人の数の方が多いからです。

減少傾向にあるとはいえ、世界はいまなお、平均すると毎日7000人も新たにHIVに感染している状態です。エイズの流行が下火になったとは到底、いえません。

死者数も小さな数字ではありません。平均すれば毎日5000人近くがエイズで亡くなっていることになります。治療の普及に力を入れ、さらに死亡を防ぐことは急務です。

 誤解を恐れずに言えば、全体のHIV陽性者数の増加自体は、治療の普及によりエイズで死亡する人が減っていることの反映でもあるので、一概に対策がうまくいっていないと決めつけることはできません。むしろ大きな成果を上げているというべきでしょう。ただし、HIVの新規感染者数も死者数もさらに減らしていかなければならないという観点からすれば、現状はゴールではなく、あくまで中間点、あるいはそのずっと手前での成果であり、予防対策と治療の普及はより一層、進めていかなければ、その一時的な成果も吹き飛んでしまいます。

 UNAIDSの報告書には「より速く、より賢く、より良く」という提言が掲げられています。2008年のリーマンショック以降の世界経済の停滞の中で、各国のエイズ対策資金の拠出意欲にも陰りが見え、端的に言えば、これからさらに治療の普及に力を入れなければならないというまさにその時期に、対策の拡大を支える資金が減り始めているのです。

そうした限られた資金の中で、投資効果の最大化をはかるための提言が「より速く、より賢く、より良く」であり、その実現に向けた「投資フレームワーク」の中で、UNAIDSは優先的に対応すべき課題として次の6点をあげています。

 1 感染の高いリスクに直面しているグループに焦点をあてる。
 2 母子感染予防に力を入れ、子供の感染をゼロにする。 
 3 行動変容プログラムを推進する。
 4 コンドームの使用促進と配布を進める。
 5 HIV陽性者の治療・ケア・支援に力を入れる。
 6 陽性率に高い国での男性の自発的な割礼手術の実施を進める。

 一番目の感染の高いリスクに直面しているグループには、セックスワーカーとその客、男性と性行為をする男性(MSM)、注射薬物使用者らがあげられています。

UNAIDSの報告書によると、途上国で緊急に治療を必要とするHIV陽性者1420万人の約半数(47%)の660万人が治療を受けられるようになっています。1年か2年前の治療のカバー率は30%程度でした。10年前には5%にも満たなかったことを考えると、この10年の進歩はめざましいものですが、それでもまだ、生死にかかわる治療が必要な人の半数以上が治療を受けられずにいます。

治療の普及には、予防対策上の効果も期待できる。このことも報告書には強調されています。「予防としての治療」に関しては医学的エビデンスが提示される一方で、社会的な観点を含めて考えた場合の実効性や効果に対する懐疑論も指摘されています。ただし、治療の普及を支える対策資金の増額がなければ、そうした議論はそもそも成り立ちません。エイズの流行を終息に持ち込むことができるのか、それとも再び拡大を招いてしまうのか。世界はいまなお、厳しい岐路に立たされています。 


2 12月1日を中心に多様な啓発イベント 世界エイズデー
 世界エイズデーは1988年に創設されて以来、今年で24回目を迎えます。どうして12月1日が世界エイズデーなのか、理由ははっきりしません。88年の1月にロンドンで開催されたエイズ対策世界保健大臣会議でエイズ対策推進のための記念日の創設が決まり、準備期間が必要だったので、12月にならざるを得なかったのではないかと考えられます。少なくとも12月1日がエイズ対策上、特別な日だったわけではないようです。

ただし、いったん決まってしまうと、世界中で毎年、さまざまな啓発のイベントが展開されるようになり、1990年代の後半には世界で最も知名度の高い記念日と呼ばれるようになっていきました。

 日本国内でも毎年、政府、自治体、NPO/NGO、民間企業などがそれぞれの立場で様々なキャンペーンやイベントを実施しています。東京都は11月16日〜12月15日を「エイズ予防月間」に定めてより幅の広いキャンペーンを展開していますし、神奈川県も同じく11月16日からの1カ月を「秋のかながわレッドリボン月間」とするなど、啓発の期間は12月1日だけに限定されているわけではありません。エイズ対策には持続的な関心が必要であることを考えると、こうした対応は当然であり、また不可欠でもあります。

 世界エイズデー前後のさまざまなイベントについては、HIV/エイズ分野のNPOやCBO(コミュニティ組織)と公益財団法人エイズ予防財団が協力してコミュニティアクション2011のウエブサイトを開設し、情報の収集と提供を行っています。
 http://www.ca-aids.jp/


3 タイからの就労者に支援チラシ

 タイの洪水で操業停止となった日系企業の工場から多数のタイ人労働者が就労のため来日していることに対応して、厚生労働省や経済産業省と日本HIV陽性者ネットワークJaNP+、シェア=国際保健協力市民の会などのHIV/エイズ関連のNPOが連絡を取り、日本の医療事情に関するタイ語と日本語のチラシが作られました。この間の経緯についてJaNP+の長谷川博史代表の報告がコミュニティアクション2011のウエブサイトに紹介されているので再掲します。

    ◇

 タイの洪水の影響で数千人の労働者が一時的に日本へ働きに来るという。タイのHIV感染率からするとその中に数十名から百名超のHIV陽性者が含まれる可能性がある。今回の措置に対して経済産業省、厚生労働省は迅速に対応し、持ち込まれる薬剤の税関での対応や健康保健なども問題なく進められるように配慮した。そこでJaNP+はシェア=国際保健協力市民の会と厚生労働省健康局疾病対策課を訪問しHIV陽性者への対応を相談。その日のうちに経済産業省の担当部門、法務省、外務省に連絡を取っていただき、日本の医療事情に関するチラシを作成して各窓口で配布することに。厚生労働省はHP上に日本語版とタイ語版のPDFをUP。経済産業省はジェトロを通じて受け入れ企業担当者に周知してくれた。SHAREはタイ大使館を通じてタイ政府にアプローチ。なんとか第一陣到着に間に合わせた。

(追加)疾病対策課訪問は11月9日夕方で、その足で急きょ経済産業省経済政策局人材育成室を訪問することに。疾病対策課と人材育成室の省を超えた連携と迅速な対応が素晴らしかったです。「この問題はいたずらに遅らせても誰も得をする人がいない」との課長の言葉にその心意気が伝わってきました。

 タイ語のチラシ http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/dl/111122_th.pdf
 日本語のチラシ http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/dl/111122_jp.pdf

 「タイ人従業員の日本国内での就労にあたって」(厚労省サイトから)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/111102-1.html

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