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zoom RSS アジア太平洋地域のHIVの流行は重要な転換点にある。UNAIDSが新たな報告書

<<   作成日時 : 2011/08/27 11:24   >>

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(解説) 釜山で開かれている第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議の開会に先立ち、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の報告書「アジア太平洋のHIV:ゼロ達成に向けて」が8月26日午後、発表されました。そのプレスレリースの日本語仮訳です。
英文プレスレリースはUNAIDSのサイトでご覧ください。
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2011/august/20110826prapreport/



アジア太平洋地域のHIVの流行は重要な転換点にある。UNAIDSが新たな報告書。
 成果はめざましいが、大半の国は「ゼロの達成」に向けて持続的な対策の強化が必要

【釜山 2011年8月26日】 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の新たな報告書によると、アジア太平洋地域のエイズの流行は分岐点にさしかかっている。2001年当時と比べHIVの新規感染は20%も減り、2006年以降、抗レトロウイルス治療(ART)のアクセスは3倍に増えるなど、地域内の成果はめざましいが、その成果もHIV感染の高いリスクにさらされているキーポピュレーションへの対応が不適切であり、各国の国内予算も国際資金も不十分であるため、脅威にさらされている。

 2011年アジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)の開幕にあたり、「アジア太平洋のHIV:ゼロ達成に向けて」と題された新たな報告書は、これまでになく多数の人が域内でHIVサービスへのアクセスを得られるようになっていることを確認した。しかし、ほとんどの国にとって、HIVの予防、治療、ケア、支援のユニバーサルアクセスの達成ははるか彼方である。

 「アジア太平洋地域の新規感染をゼロにするには、各国が科学と得られる限りのエビデンスに基づいて対策に取り組まなければならない」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長は語った。「HIVプログラムは資金をきちんと確保し、キーポピュレーションに焦点を当てなければならない。いま投資をすれば、将来の何倍もの負担の増大を防ぐことができる」


域内のHIV対策は成果をあげているが、それは壊れやすいものだ
 報告書によると、アジア太平洋地域のHIV陽性者数は2009年時点で推定490万人(450〜550万人)であり、2005年以降、ほぼ横ばいで推移している。HIV陽性者の多くは、カンボジア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、タイ、ベトナムの11カ国に集中している。

 アジア太平洋地域を通して、年間の新規感染者数は2001年に推定45万人〔41万〜51万〕だったのが、2009年には36万人〔30万人〜44万人〕と20%も減っている。カンボジア、インド、ミャンマー、タイでは、性を売買する人たちへの集中的かつ広範なHIV感染予防対策によってHIV感染率が大きく低下した。

 延命効果が高い抗レトロウイルス治療へのアクセスは域内で2006年以降3倍に拡大し2009年には74万人に達している。カンボジアは必要とする人の80%以上に抗レトロウイルス治療を提供している世界8カ国の中に入っている。それでも、2009年末現在でなお、アジア太平洋地域で抗レトロウイルス治療を必要とする人の60%以上がアクセスを得られないでいる。

 報告書は子供の新規HIV感染が2006年以降15%も減少したと推定している。しかし、域内における子供の新規感染予防のためのHIVサービスのカバー率は世界の水準に大きく遅れている。とりわけ南アジアで低い。

 報告書によると、HIVの流行はこれまで陽性率が低かった国でも拡大している。たとえば、フィリピンでは20年以上にわたって「低くゆっくりした」流行が続いたが、現在はキーポピュレーションの間で急激に流行が拡大している。セブ市では、注射薬物使用者のHIV陽性率は2009年に0.6%だったのが、2011年には53%に拡大している。マニラとセブでは、男性と性行為をする男性(MSM)のHIV陽性率は5%と推定されている。


HIV感染のより高いリスクにさらされているキーポピュレーションズ
 報告書によると、域内の新規HIV感染は複数のキーポピュレーションに集中している。セックスを売買する人たち、薬物を注射で使用する人たち、男性と性行為をする人たち、トランスジェンダーの人たちである。キーポピュレーションとその親密なパートナーをHIV感染から守るためのプログラムのほとんどが適切な規模にはなっていない。

 域内を通じ、HIV陽性者および感染の高いリスクにさらされている人たちに対するスティグマ(偏見)と差別が蔓延している。域内の約90%の国が懲罰的な法律や政策を保持しており、HIV陽性者やキーポピュレーションが生命を守るために必要なHIVサービスを利用することを大きく妨げている。

 キーポピュレーションのHIV感染の多くが25歳以下の若者であることもデータは示唆している。多くの場合、HIV予防プログラムはリスクにさらされている若者に十分に到達できていない。


エイズ対策資金の拡大が緊急に必要
 アジア太平洋地域のエイズ対策の資金は不十分であると報告書は指摘する。2009年に域内の30カ国でエイズ対策に使われた資金は推定11億ドルだった。HIVサービスのユニバーサルアクセスという目標の達成に必要な資金のほぼ三分の一である。

 中国、マレーシア、パキスタン、サモア、タイはHIV対策の大半を国内予算でまかなっているものの、アジア太平洋地域の多くの国が国際資金に大きく依存している。とりわけ抗レトロウイルス治療の提供に関しては依存度が高い。域内のHIV対策を進めていくには、とりわけ中所得国における国内投資の増加が重要である。

 国際ドナーからの資金削減もこの地域のエイズ対策の発展を脅かしている。世界規模のエイズ対策に対する国際援助額は2009年に過去十年間で初めて横ばいとなり、2010年には減少している。

 報告書によると、キーポピュレーションをHIV感染から守るための投資は依然、不十分である。2010年に詳細な支出報告のあった各国のデータでは、エイズ対策の支出のうち、HIV感染の高いリスクにさらされているキーポピュレーションのHIV予防に焦点をあてた支出は、南アジアで8%、東南アジアでも20%にとどまっている。

 報告書全文はUNAIDSウエブサイトで。 www.unaids.org

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