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zoom RSS TOP HAT News 第28号(2010年12月)

<<   作成日時 : 2010/12/29 23:37   >>

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        第28号(2010年12月)
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 世界のHIV陽性者数は3330万人 UNAIDS最新推計

2  UNAIDS推計について日本のNGOが記者会見

3 第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議は来年8月、韓国・釜山で開催

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 世界のHIV陽性者数は3330万人 UNAIDS最新推計

 エイズの病原ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している人は、世界中でどのくらいいるのでしょうか。HIV/エイズ対策の前提ともいうべき数字ですが、実は正確なところは分かりません。感染はしているのだけれど、検査を受けて確認しなければ、そのことには気づかない。その感染に気付いていない人の数までは把握できないし、それ以前に感染した人の数を把握するためのシステムが整っていない国もたくさんあります。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は毎年、世界エイズデーの前に各国から集められたさまざまなデータを分析し、年間の報告書で新規感染数などの推計値を発表しています。あくまで推計です。実は去年までの推計は不正確だったので、新たな推計値を発表します・・・といったこともしばしばあります。

発表された数字は、そうした条件付きの推計値であり、将来また変わることもありうるという留保を付けたうえで受け止める必要がありますが、とりあえず今はその推計を前提にして世界の流行の現状をとらえていこうということになっています。今年は11月23日にその最新推計が発表されました。昨年は推計値を公表していなかったので、今回は「毎年」ではなく、2年ぶりとなっています。各国からのデータを集約するだけでも大仕事だし、分析や推計の手法も精度を増しているので、新たな情報と方法で過去のデータを洗いなおすような作業をしていると時間がかかるのでしょうね。これからは2年に1回くらいのペースで発表になるのかもしれません。

 世界のHIV陽性者数(もちろん推計ですが)などは、いろいろな場所で繰り返し使われることになるので、基本となる推計値を紹介しておきましょう。

 世界のHIV陽性者数(09年末) 3330万人(3140万〜3530万人)
           参考(99年末) 2620万人(2460万〜2780万人)
 
 年間新規HIV感染者数(09年)  260万人(230万〜280万人)
     参考(99年)  310万人(290万〜340万人)

年間エイズ関連死者数(09年)  180万人(160万〜210万人)
    参考(04年)  210万人(190万〜230万人)
 
流行開始以来のHIV感染者数  6000万人以上
         HIV関連死者数  3000万人近く

 かつて、世界のHIV陽性者数は4000万人を超えていると推計されていました。現在(正確には2009年末現在)の推計では3330万人となっていますから、減ったということでしょうか。実はそうではありません。HIVに感染して生きる人の数はいまも世界全体では増加を続けています。少し解説しておきましょう。

 かつては4000万人と推計されていた世界のHIV陽性者数がいまは3330万人になっているのは陽性者の数が減ったからではありません。サハラ以南のアフリカ諸国やインドなどでエイズ対策が進み、より正確なデータが得られるようになったうえ、そのデータをもとにした分析も精度を増していることから、以前に比べればはるかに現実に近い(と思われる)推計が得られるようになった。その結果が3330万人だということです。

 参考として99年末の人数も出ていますが、これは現在の手法で99年の推計値を計算しなおすと、当時は2620万人だったということを示しています。この10年で世界のHIV陽性者の数は710万人も増えているということになりますね。残念ながら、世界のエイズの流行は下火になったわけでも、縮小しているわけでもありません。

 一方で、年間新規HIV感染者数(09年)は 260万人で、99年当時の310万人より50万人も少なくなっています。これは世界がHIV/エイズの予防対策に力を入れた結果、新しく感染する人の数は減ってきたということを示しています。この10年間のエイズ対策の努力は無駄だったわけではありません。

 年間の新規感染は減っているのに、世界のHIV陽性者数は増加を続けている。この一見、矛盾したデータは、エイズのために1年間に亡くなる人の数より、新たにHIVに感染する人の数の方が多いということを示しています。この傾向もまた、残念ながらしばらくは続くでしょう。

 治療の普及に力を入れ、エイズによる死者を減らす。
 予防対策に力を入れ、新たにHIVに感染する人を減らす。

 これは世界のエイズ対策の2大目標です。推計の数字が意味するものをきちんと受け止め、この2つの目標を同時に追求していくことこそが実は、HIV/エイズの流行の拡大に歯止めをかけ、縮小に転じていくというミレニアム開発目標(MDGs)の目標6(感染症対策)実現の大きなカギになっていることも理解しておく必要があります。


2 UNAIDS推計について日本のNGOが記者会見
 
 世界のHIV/エイズの流行の最新推計と各国のエイズ対策の課題などをまとめた国連合同エイズ計画(UNAIDS)の報告書「世界のエイズ流行2010」の発表を受け、第24回日本エイズ学会学術集会・総会が開かれていた東京・港区のグランドプリンスホテル高輪では発表の翌日の11月24日夕、HIV/エイズ関係の国内NGO有志による記者会見が行われました。

 会見には、同学会の岩本愛吉会長も同席し、「学会の場がこうした機会に活用されることを歓迎したい」とあいさつしました。また、エイズ&ソサエティ研究会議の樽井正義副代表、日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスの長谷川博史代表がUNAIDS報告の概要と評価を報告するとともに、資料としてエイズ予防財団が作成した報告書の抄訳(仮訳)が配布されました

エイズNGOグループのプレスレリース《UNAIDS報告 世界のエイズ流行 2010 について NGOによる要点の紹介》は同学会のニューズレター第5号に掲載されています。
pdf版 http://www.secretariat.ne.jp/aids24/img/06.pdf


3 第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議は来年8月、釜山で開催

 日本のお隣の韓国はHIV/エイズの流行がこれまで比較的、低いレベルで抑えられてきました。しかし、HIVの感染報告はゆるやかにではありますが、拡大傾向が続いています。流行の状況、および政府や社会一般のHIV/エイズに対する関心度などは日本とよく似ています。年間の新規HIV感染報告がこの2、3年、750件前後で推移していることも人口規模が日本のほぼ半分であることを考えると、驚くほどの相似といわなければなりません。

 来年はその韓国の釜山で第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)が開かれます。  http://www.icaap10.org/ (英文サイト)

 会期は8月26日〜30日ですが、24日にはユースフォーラムやPLWHA(HIV陽性者)フォーラムも予定されています。会議のテーマは“Diverse Voices, United Action”(多様な意見、統一した行動)。東京で開かれた第24回日本エイズ学会学術集会・総会では、11月24日のオープニングセッションで釜山ICAAP組織委員会のミュンハン・チョウ副会長が登壇し、日本からも多数の人が参加することに強い期待感を示しました。

 東アジアにおけるエイズの流行という文脈の中に釜山ICAAPを位置付け、その準備プロセスと成果を日本のエイズ対策にも積極的に組み込んでいく。エイズの流行に対する関心の低下が指摘されているわが国の現状を考えると、そうした視点は重要です。2005年の神戸会議(第7回ICAAP)以来6年ぶりの東アジア開催でもあり、現場レベルで日韓のエイズ対策の交流をはかるという意味からも重要な会議になりそうですね。


 皆さん、よいお年を。

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