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zoom RSS TOP HATニュース第27号(2010年11月)

<<   作成日時 : 2010/11/28 22:10   >>

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        第27号(2010年11月)
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 TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


    ◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに メッセージをどう受け止めるのか

2 国連人口基金(UNFPA)次期事務局長にナイジェリアの前保健相

3 資料紹介『ユニバーサルアクセス:いまこそ人権を』

       ◇◆◇◆◇◆


1 はじめに メッセージをどう受け止めるのか

 12月1日が世界エイズデーに定められたのは1988年のことでした。この年の1月、ロンドンで「エイズに関する世界保健大臣会議」が開かれ、エイズ対策を推進するための記念日を創設することで合意しています。さっそくその年の12月1日が第1回世界エイズデーとなり、以後すっかり定着して今日に至る。端折っていえばそういうことなので、今年は第23回世界エイズデーになります。

どうして12月1日なのか。その理由はよく分かりません。1988年時点で、この日を世界エイズデーとすることが了解できるような、何か大きな出来事が過去においてあったということでもなさそうです。もしかしたら、1月に創設が決まり、その年のうちに第1回を実施しなければならない。準備も大変なので、なるべく日程を後ろの方に持っていきたい。かといって年末ぎりぎりではいかにもまずい。そんな実務的判断の力学が働いたのかもしれません。よく分からないけれど、12.1は世界エイズデーということになりました。

 世界中で毎日、たくさんの人がHIVに感染し、エイズで死亡している。それなのにどうして12月1日だけが「エイズデー」なの。そんな疑問の声もよく聞かれました。「私には毎日がエイズデーです」。1990年代前半、ニューヨークのグリニッチビレッジにあるワシントン広場で世界エイズデーの演説を行った同性愛者のアクティビストは、怒りをこめてそう語っています。マンハッタンのゲイコミュニティ内部では、友人や知人、恋人といった人たちが、まさに毎日のようにエイズで亡くなっていく現実があったからです。

 それでも、1年の中で、とにかく1日でも世界中がエイズについて関心を持つ日ができた。それは非常に貴重なことだ。そのような肯定的評価の方が多かったように思います。12月1日が現在も世界エイズデーであり続けているのもそのためでしょう。最初は「たった1日」だったけれど、いまでは前後の日々も含めて、コンサートや集会や行進や声明や記念碑的建造物のライトアップや・・・といったさまざまなイベントが世界各地で行われ、HIV/エイズの流行と継続的に取り組んでいくことの大切さを呼びかけるメッセージが発信されています。

 厚生労働省とエイズ予防財団の今年の世界エイズデーの啓発キャンペーンのテーマは「続けようKeep the Promise, Keep your Life」です。東京都は12月1日を中心とする1か月間をエイズ予防月間と定め、「ちょっとした たいしたコト」がその月間のテーマとなっています。東京・港区のグランドプリンスホテル高輪では11月24日から26日まで第24回日本エイズ学会学術集会・総会が開かれました。その学会テーマは「垣根を越えよう」でした。

 それぞれに異なっているようでいて、メッセージには共通性も感じられます。たとえば、続けようは、続けたいという思いの裏返しであり、このままでは続けられなくなってしまうというささやかな危機感の表明でもあります。垣根は存在しているからこそ越える必要があるし、大切なことなのに、なかなか必要な対策がとれないのはどうしてなのかという問題もあります。HIV/エイズの流行の現状を直視する中で、さまざまな社会的、心理的な垣根を乗り越え、ちょっとしたことを丹念に辛抱強く続けていくことが、結局はたいしたコトの成果につながるのかもしれません。

「どのメッセージも本気度が高いぞ」。今年はそんな印象も受けます。


2 国連人口基金(UNFPA)次期事務局長にナイジェリアの前保健相

 国連人口基金(UNFPA)の次期事務局長に、ナイジェリアの前保健相であるババトンデ・オソタイムヒン博士の任命が決まりました。現在のトラヤ・オベイド事務局長の任期が今年いっぱいで終わるため、UNFPAは2011年1月1日から新事務局長体制になります。

 UNFPAは、UNAIDSの共同スポンサーになっている国連機関のひとつで、HIVの母子感染予防、女性の感染予防、そのためにも必要な女性の地位向上などの分野では、UNAIDSと強い連携関係を保ちつつ、多様なプログラムを遂行しています。
 
 オソタイムヒン博士はナイジェリアのイバダン大学医学部を卒業し、英バーミンガム大学で医学博士号を取得。ナイジェリアではエイズ対策全国委員会の事務局長を務めた経験もあります。アフリカの地域大国のひとつであるナイジェリアでHIV/エイズ対策や保健政策に主導的立場で取り組んできた経歴を考えると、エイズ対策への理解度および国際的知名度はかなり高いようです。


3 資料紹介『ユニバーサルアクセス:いまこそ人権を』

国際的なHIV/エイズ対策の目標であるユニバーサルアクセスとは、《HIVの治療、予防、ケア、支援に関して、情報やサービスを必要とする人ならだれでも、その必要な情報やサービスが得られるようにする》ということです。国際社会はこれまで、国連総会やG8サミットなど、いくつもの国際会議の場で、そのユニバーサルアクセスを2010年末までに達成しようという目標に掲げ、その実現に努力することを約束してきました。

 国際エイズ学会(IAS)が10月28日に発表した『ユニバーサルアクセス:いまこそ人権を』は今年7月にウイーンで開かれた第18回国際エイズ会議(AIDS2010)におけるユニバーサルアクセス関係の議論をまとめた報告書です。

 2010年末が何年か先ならまだしも、さすがに今年に入ってからはもう、年内にユニバーサルアクセスを実現しますよ、などと言い募るのは無理がある。そのことは認めざるを得なくなりました。したがって、最近は2010年末までのユニバーサルアクセス実現といったことはあまり語られず、むしろその先になっても、これまでの治療やケア、予防サービスの普及のためのモメンタム(勢い)を失速させてはいけないといったかたちに議論が転換されている印象があります。まあ、致し方ないでしょう。

 報告書について、IASが発表したプレスレリースにも、こうした点は指摘されています。とりわけ、リーマンショック以降のkeep the promise(約束を守ろう)に関する微妙な距離感はウイーン会議の議論にも色濃く反映されていたようです。

 《ユニバーサルアクセスをめぐってAIDS2010で交わされた議論は、国際的な資金拠出国・機関および各国政府が必要な資金をどう確保するか、いま使える資金をいかに効果的・効率的に活用するか、という2つの大きな課題に集約できる。PEPFAR(米大統領エイズ緊急救済基金)、世界銀行、ユニットエイド、世界基金など主要な資金拠出者が資金確保の拡大を果たせず、減少すら経験している厳しい経済環境が報告されている。世界銀行の試算では、対策の規模拡大に向けた努力が後退することで、今後5年の間にエイズで亡くなる人は約1000万人、HIVの新規感染は約1400万人増えるという》

大づかみにまとめれば、この10年間、治療の普及のための努力はかなり大きな成果をあげてきたけれど、まだ流行の拡大に十分、対応できているわけではなく、これからは資金が心配だ、といったところでしょうか。プレスレリースの日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されているのでご覧ください。 http://asajp.at.webry.info/201011/article_1.html

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