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zoom RSS 『MDG6 エイズ対策でいま、知っておくべき6つのこと』

<<   作成日時 : 2010/09/27 19:55   >>

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(解説) 9月19日付HATプロジェクトのブログでも紹介しUNAIDSのMDG6報告書について、「エイズ対策について、いま知っておくべき6つのこと」として掲げられている6項目のそれぞれの説明部分の日本語仮訳です。報告書には表やグラフ、写真なども豊富に使われているので、そちらは英文報告書のpdf版をご覧ください。
 http://data.unaids.org/pub/Report/2010/20100917_mdg6_report_en.pdf



『MDG6 エイズ対策でいま、知っておくべき6つのこと』

MDG6:
エイズ、マラリア、およびその他の疾病と闘う

目標6の中のHIV関連のターゲットには以下のものが含まれる:
A. 2015年までにHIV/エイズの拡大を止め、縮小へと転じる
B. 2010年までにHIV/エイズ治療を必要とするすべての人のユニバーサル・アクセスを達成する。

主要な成果指標
・15-24歳のHIV陽性率
・直近のハイリスク・セックスの際のコンドーム使用
・15-24歳の年齢層でHIV/エイズに関し包括的に正確な知識を得ている人の割合
・10-14歳における孤児と孤児でない子供の就学率の割合
・HIV感染の症状が進行した人の間で、抗レトロウイルス薬へのアクセスが得られる人の割合



1. HIVの新規感染は減少している。
 HIVの新規感染は世界のほとんどの地域で着実に減少している。サハラ以南のアフリカの最も影響の大きい22カ国では、HIV感染率は25%以上の低下を示している。新規感染の減少が著しいのは、エチオピア、ナイジェリア、南アフリカ、ザンビア、ジンバブエなど最も流行の大きい国々である。

しかし、東欧・中央アジア地域ではいまなお、世界で唯一、HIV感染が拡大を続けている。また、いくつかの高所得国では男性とセックスをする男性の間でHIV感染が再び増加している。

世界全体の新規感染の割合は依然として高く、HIV陽性者に対し、高い延命効果を持つ治療が普及していくペースを上回っている。新たに2人が治療を開始できるようになる間に、5人がHIVに感染している状態だ。

 平均すると毎日、7400人が新規にHIVに感染している。その40%が15-24歳の若者で占められている。サハラ以南のアフリカでは、HIV陽性者の60%近くが女性であり、HIVの流行により不均衡なまでに影響を受けている。HIV陽性者に占める女性の割合はアジアでは、2000年に19%だったのが、08年には35%に増えている。その多くが結婚して夫から感染したケースである。


2. 500万人以上がHIV治療を受けている。

 抗レトロウイルス治療が受けられる人の数はこの6年間で12倍に増えている。現在では500万人以上が治療を受けている。その結果、たくさんのHIV陽性者が健康で生産的な生活を送っているのだ。

 エイズによる死亡は過去数年の治療の普及により大きく減少した。2008年のエイズによる年間の死者数は04年当時より20万人少ない。

 しかし、治療を必要とする人の3分の2は、治療へのアクセスを得られないでいる。さらに、結核は予防も治療も可能であるにもかかわらず、いまなお、世界のHIV陽性者の主要な死因となっている。WHOの最近のデータによると、2008年には140万人のHIV陽性者が結核にかかっており、年間50万人以上が死亡している。

【トリートメント2.0】

 現在の治療戦略は、1000万人の治療の需要に対応できるほど強固なものではない。このため、UNAIDSは、治療のコストを引き下げ、処方箋を簡潔にし、保健システムに負担がかからないようにし、HIV陽性者とその家族の生活の質を向上させるために、トリートメント2.0と呼ばれる新たなアプローチが必要であると考えている。

 HIV治療は効果的なHIV予防のオプションでもある。新世代治療(トリートメント2.0)に移行し、各国が治療を必要とする人全員に治療を提供できるようになれば、毎年100万人のHIVの新規感染を予防し、2025年までにエイズによる死者を1000万人減らすことができる。


3. HIV予防は機能している。

 男性のコンドーム使用は過去5年で倍に増えた。一方で、男性の割礼はHIV感染を60%近く減らせる可能性があることから、伝統がプラグマチズムに席を譲り、コミュニティは割礼を受け入れるようになっている。

 セックスの開始年齢を遅らせ、パートナーを減らし、コンドーム使用を増やすことで、若者が予防革命の主要な担い手となっている。若者の新規感染は15カ国で25%以上、減少している。

 南アフリカの研究では、抗レトロウイルス薬のテノフォビルを含んだゼリーを、膣用のマイクロビサイドとして使えば、女性のHIV性感染リスクを39&減らせることも報告されている。女性主導の性感染予防のオプションが初めて得られることになるのだ。
 効果的なワクチンの開発は何十年も先とはいわないまでも、まだ何年もかかる。だが、人体に一定の効果が見られるHIVワクチン候補薬も初めて出てきた。

 予防に対する投資は不足している。適切なHIV予防サービスを受けられるセックスワーカーは20%に満たないセックスワーカーは非常に大きなHIV感染のリスクに直面しているにもかかわらず、セックスワークに対しては、HIV予防資金の1%も投じられていない。

 世界のHIV感染のほぼ10%は現在、危険な薬物注射による感染で占められている。薬物注射使用者に対してはHIVの予防、治療サービスへのアクセスが非常に少ないかまったくないことが多い。薬物注射使用者に提供される注射器・注射針は、1カ月に1人あたりわずかに2個である。また、代替薬治療(OST)を受けているのは、薬物注射使用者100人あたり8人にとどまっている。


4. 2015年までに母子感染を実質的に抑えることは可能だ。

 HIVに感染して生まれる子供の数は毎年、約43万にのぼっている。国連の新しい推計では、約4万2000人の妊婦が2008年の1年間でHIV感染のために死亡している。このほぼ半数は出産後の死亡である。それらは防ぐことができる死だった。

 妊婦に対するHIVの母子感染予防のためのサービスの普及に関しては世界中で大きく前進している。ボツワナのように実質的に母子感染をなくした国もある。また、南アフリカでもこれまでになく多数の妊婦がサービスを受けられるようになった。高所得国ではかなり以前から、母子感染は非常にまれになっている。

 母子感染の防止はいくつかのMDGsの達成を助けることになる。


5. 犯罪としての対応の克服がエイズ対策の課題である。

 法律はHIVと取り組むうえで強力なツールになりうる。司法はHIV対策と対立するものでなく、HIV対策を支えるものでなければならない。法執行機関と保健サービスは尊厳をもって共通の目的を達成するために協力しなければならない。

 すでに得られているエビデンスによれば、HIVの感染を知った人は、他の人への感染を防ぐための行動をとる。HIV感染を犯罪の対象とすることは極めて限定された状況にとどめておかなければならない。

 世界の80カ国以上が同性間の性行為を犯罪としている。しかし、世界はホモフォビアを認めるべきではない。HIVに感染した人や男性とセックスをする男性、薬物使用者、セックスワーカーを犯罪者として扱うことは、HIVの予防と治療のサービスの利用を妨げることになる。

 移動の自由は、HIV感染の有無にかかわらず、保障されなければならない。しかし、51カ国・地域が、HIV陽性者に対し、何らかの入国、滞在、居住規制を課している。HIV渡航規制は、HIV感染予防策としてのエビデンスにもとづくものでも、人権を踏まえたものでもない。


6. エイズ対策への投資には、誰もが責任を共有しなければならない。

 エイズに対する投資は結果を出し始めている。その成果を持続させるには、資金の獲得見通しが立つようにしなければならない。単年度予算を基準にしていたのでは、効果的な対応はできない。ユニバーサルアクセスの達成が各国の目標になっているおかげで、HIV予防、治療、ケア、支援のサービスへの需要はこの数年で何倍にも拡大した。今後数年でさらに拡大すると予測されている。この需要に対応することに対しては、開発パートナーも各国政府もともに責任がある。

 UNAIDSは各国政府に対し、HIV陽性率にしたがい、政府歳入の0.5%から3%をHIV関連の予算に振り向けるよう勧告している。

 エイズ対策への国内投資はこの10年、増加してきた。しかし、エイズの流行による影響が深刻な国の大半は、国内投資のみで必要な対策のすべてをまかなうことはできない。

 低・中所得国のHIV治療プログラムの多くは、世界エイズ・結核・マラリア対策基金や米国政府を中心とする国外からの資金でまかなわれている。

 低・中所得国に対する国際的な資金需要の約50%は、国内の必要額が国民総収入の0.5%以下の68カ国に向けられている。これらの国では、国内資金によってかなりの部分の需要をまかなうことが可能である。それによって、最も必要とする国に資金を振り向けることができるようになる。

 低・中所得国の2009年の世界のエイズ対策資金は159億ドルで、推定必要額には100億ドル不足していた。現在のような重要な転換点において、投資額が横ばい、ないしは減額されるようなことは、エイズ対策を損なう結果をもたらすであろう。

 HIVプログラムの効率性、有効性を高めることでエイズプログラムは持続可能になる。これは、何をすべきかを認識し、資金を正しい方向に投資することを意味している。長期的に見れば、それが世界の資金需要を引き下げることにもつながるのである。



MDGs6:
COMBAT AIDS,
MALARIA AND OTHER DISEASES

The HIV related targets of Goal 6 include:
A. Have halted by 2015 and begun to reverse the spread of HIV/AIDS
B. A chi eve, by 2010, universal access to treatment for HIV/AIDS for all those who need it

Indicators to measure progress
・HIV prevalence among population aged 15-24 years 
・Condom use at last high-risk sex 
・Proportion of population aged 15-24 years with comprehensive correct knowledge of HIV/AIDS
・Ratio of school attendance of orphans to school attendance of non-orphans aged 10-14 years
・Proportion of population with advanced HIV infection with access to antiretroviral drugs


1. New HIV infections are falling.

As new HIV infections are steadily declining around most of the world, 22 of the most affected countries in sub-Saharan Africa have reduced HIV incidence by more than 25%. Leading the drop or stabilization of new HIV infections are countries with some of the largest epidemics—Ethiopia, Nigeria, South Africa, Zambia and Zimbabwe.

However, eastern Europe and Central Asia remains the only region where new HIV infections are on the rise. There has also been a resurgence of HIV infections among men who have sex with men in several high income countries.

Globally, the rate of new infections is still high, outstripping advances made in providing life saving treatment to people living with HIV. There are five people newly infected with HIV for every two people newly put on treatment.

Each day there are 7400 new HIV infections. About 40% are among young people between the ages of 15-24. Women continue to be disproportionately affected by HIV in sub-Saharan Africa, representing nearly 60% of all people living with HIV in the region. The proportion of women to men living with HIV in Asia rose from 19% in 2000 to 35% in 2008. Many were infected in the context of marriage.



2. More than 5 million people are on HIV treatment.

The number of people accessing antiretroviral treatment has increased 12- fold in just six years. More than 5 million people are on treatment today. As a result, more people living with HIV are leading healthier and productive lives.

AIDS-related mortality has reduced significantly since the widespread availability of treatment in the past few years. There were 200,000 fewer AIDS related deaths in 2008 than in 2004.

However, two out of three people requiring treatment do not have access to it. In addition, tuberculosis remains one of the leading causes of death among people living with HIV globally—despite being preventable and curable. Recent data from WHO estimate that there were 1.4 million TB cases among people living with HIV and over 500,000 deaths in 2008.


TREAT MENT 2.0

Current treatment strategies are not robust enough to reach the 10 million people in need today. Therefore UNAIDS has called for Treatment 2.0, a new approach that uses a combination of efforts to help bring down treatment costs, make treatment regimens simpler and smarter, reduce the burden on health systems, and improve the quality of life for people living with HIV and their families.

HIV treatment is also an effective HIV prevention option and can provide a prevention dividend. Moving towards a new generation of treatment (Treatment 2.0) could avert an additional 10 million deaths by 2025 and could also reduce new HIV infections by up to 1 million annually if countries provide treatment to all people in need.


3. HIV prevention works.

Condom use among men has doubled in the past five years. Meanwhile, tradition is giving space to pragmatism as communities embrace male circumcision, which has the potential of reducing risk of acquiring HIV infection among men by nearly 60%.

Young people are leading the prevention revolution by choosing to have sex later, having fewer multiple partners and increasing use of condoms; in fact, new infections among young people has declined by more than 25% in 15 countries.

For the first time, results from a South African study show that a gel containing an antiretroviral drug Tenofovir—when used as a vaginal microbicide—was found to be 39% effective in reducing a woman’s risk of becoming infected with HIV during sex, giving women a prevention option that they can initiate and control.

An effective vaccine is years if not decades away, but for the first time an HIV vaccine trial candidate showed some efficacy in human beings.

And investments in prevention are deficient. Fewer than one in five sex workers receive adequate HIV prevention services. Less than 1% of global prevention funding for HIV is spent on sex work despite the disproportionate HIV risk and vulnerability sex workers face.

Today, nearly 10% of global HIV infections are due to unsafe injecting drug use. People who inject drugs often have little or no access to HIV prevention and treatment services. Only two needle– syringes were distributed per person who injects drugs per month and only eight persons who inject drugs had received opioid substitution therapy (OST) per 100 people who inject drugs.


4. Virtual elimination of mother-to-child transmission is possible by 2015.

Around 430 000 children are born with HIV each year. New UN estimates show that there were 42 000 deaths due to HIV among pregnant women in 2008. About half of these deaths were estimated to be maternal. Each one of them is preventable.

There has been significant progress in making prevention of mother-to-child transmission of HIV services available to pregnant women across the world. Countries such as Botswana have achieved virtual elimination and record numbers of women have accessed such services in South Africa. HIV transmission from mother to child has for long been a rarity in high-income countries.

The prevention of mother-to-child transmission supports attainment of several MDGs.


5. Criminalization is challenging the AIDS response.

The law can be a powerful tool in addressing HIV. Legal resources must work for— not against—the HIV response. Law enforcement and health services can work together to achieve common results, with dignity.

Available evidence shows that most people living with HIV who know their status take steps to prevent transmitting to others. Criminalization of HIV transmission must be limited to the rarest of circumstances.

More than 80 countries across the world criminalize same-sex behavior. There is no place for homophobia in the world. Criminalization of HIV transmission, men who have sex with men, people who use drugs and sex workers hampers their full participation in accessing services for HIV prevention and treatment.

Every individual should have equal access to freedom of movement—regardless of HIV status. There are 51 countries, territories, and areas that impose some form of restriction on the entry, stay and residence of people living with HIV based on their HIV status. HIV travel restrictions are neither an evidence informed or rights- based way to prevent HIV transmission.


6. Investing for AIDS is a shared responsibility.

Investments in AIDS are showing results. To sustain these results it is imperative that resource availability is predictable. Countries cannot respond effectively to the epidemic on a fiscal year basis. Thanks to the movement to reach country driven universal access goals, demand for access to HIV prevention, treatment, care and support services has increased manifold in recent years. In coming years, this is expected to further increase. Meeting this need is a shared responsibility—of development partners and national governments.

UNAIDS recommends national governments allocate between 0.5% and 3% of government revenue on HIV, depending upon the HIV prevalence of the country.

Domestic investments for AIDS have increased over the past decade, but for a majority of the countries severely affected by AIDS, domestic investments alone will not suffice to meet all their resource needs.

The majority of HIV treatment programmes in low- and middle-income countries are funded by external sources— mainly The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria and the United States Government.

Some 50% of global resource needs for low- and middle-income countries are in 68 countries where the national need is less than 0.5% of the gross national income. These countries can meet a substantial proportion of their resource needs from domestic resources. Doing so will free up international investments for countries most in need.

In 2009 only US$ 15.9 billion was available for the global AIDS response, US$ 10 billion short of the estimated need. At this turning point flat-lining or reductions in investments will hurt the AIDS response.

AIDS programmes can be made sustainable and affordable—by increasing the efficiency and the effectiveness of the HIV programmes. This means doing it better: knowing what to do and investing resources in the right direction. This will help lower global resource needs in the long run.

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