エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト

アクセスカウンタ

zoom RSS TOP-HAT News 第23号(2010年7月)

<<   作成日時 : 2010/07/30 20:29   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
メルマガ:TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第23号(2010年7月)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

なお、TOP-HAT Newsは東京都が発行するメルマガ「東京都エイズ通信」でお読みいただけます。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html  で。
AIDS&Society研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1.はじめに オフィス街の講演会

2.課長さんどうします

3.ウィーンで第17回国際エイズ会議開催

4.今年も夏は横浜で 第17回AIDS文化フォーラムin横浜

 ◇◆◇◆◇◆

1.はじめに オフィス街のエイズ講演会

 東京都のHIV検査・相談月間の最終日にあたる6月30日午後7時から、千代田区丸の内の三菱ビル1階、コンファレンススクエアエムプラスで『身近に感じてほしい〜HIV陽性者とともに働いていること〜』と題した講演会が開かれました。会場は東京駅の丸の内側の駅前にあるビル。大手町・丸の内という日本を代表するオフィス街の一画です。参加した方も周辺の企業にお勤めの男女が多かったのではないかと思います。

 エイズの原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染予防対策はわが国の場合、若者を対象に想定して進められる傾向が強いようです。もちろん、性行動が活発な年齢を迎えようとしている若者に対し、早めにHIV/エイズ関連の基本的な知識や予防情報を伝えることは、非常に重要です。このことに議論の余地はないでしょう。

ただし、実際のHIV感染者・エイズ患者報告を見ると、HIVの新規感染者は20代、30代、そしてエイズ患者は30代、40代が多くなっています。つまり、報告ベースで見る限り、流行の中心は働き盛りの年齢層なのです。若者を対象にした予防啓発は大切ではありますが、対策が若者にのみにターゲットをしぼるかのような誤解を与えるとなると、やや話は変わってきてしまいます。若者にも、そして働き盛りの年齢層にも、ともに目配りのきいた対策が必要であると考えるべきでしょう。

講演会でお話をされた立川らく朝さんは、医師でプロの落語家という異色の経歴の持ち主です。1990年代にはエイズ対策企業懇話会という団体の事務局長もされていました。企業のエイズ対策を語るには最もふさわしい人物といえます。講演会はどんな様子だったのか。今回は産経新聞の宮田一雄特別記者に「傍聴記」を寄稿してもらいました。


2.課長さんどうします 講演会傍聴記(産経新聞特別記者 宮田一雄)

 立川らく朝さんは学生時代からの落語家への夢をあきらめきれず、46歳で立川志らく師匠の弟子となり、その4年後の2004年には二つ目に昇進した。真打ちを目指し、いまも稽古に励んでいる。医師としては20年以上も前から企業の健康教育に取り組んでいるが、プロの落語家として修業を積んだことでその話術にも一段と磨きがかかり、説得力を増しているようだ。古典落語のほか、「ヘルシートーク」「健康落語」「健康一人芝居」といった新ジャンルも開拓し、大変な人気である。

 《日本は惜しかったですねえ。惜しかったけれど、パラグアイもあまり調子は良くなかったそうです。腹具合が悪かった・・・》

東京都HIV検査・相談月間の講演会が行われた6月30日といえば、サッカーW杯の決勝トーナメントで日本が惜しくもベスト8進出を逃した当日である。オフィス街でも朝からその話題で持ちきりだったはずだ。らく朝さんも、すかさずそのW杯を取り上げ、会場を笑いでほぐしながら、企業のエイズ研修で行った15年前のロールプレイイングの話につなげていく。

 課長と部下2人が残業をしていた。部下の1人が指先を切って出血したので、もう1人が手当をしようとすると、指を切った部下があわてて「さわっちゃだめ」と制止する。会社には黙っていたが、HIVに感染しているのだという。HIV陽性者であることをカミングアウトする結果になった部下に対し、課長は何と言葉をかけるのか。課長になったと思って考えてください。

 研修を受けた企業関係者からは「君がHIVに感染していることはちゃんと部長に報告しておくから、安心してほしい」といった趣旨の回答が多かったそうだ。ホーレンソウ(報連相=報告、連絡、相談)は企業人の基本といった発想からすれば、当然のような印象も受けるが、これでは部下も立つ瀬がない。安心などできないだろう。実は、部下の健康情報というプライバシーを業務上知り得た場合には、上司にも守秘義務がかかる。むやみに部長に報告などできない。報連相と守秘義務の板挟み。課長はどうしたらいいのか。

 会場は「う〜む」と静まりかえった。15年後の今日でも、事情はそれほど変わっていないということだろう。

 課長が困ったのは実は、課長さん個人の責任ではなく、会社の責任です。らく朝さんはこう解説する。

対応を示すシステムが会社にない。それが問題です。企業のエイズポリシーを定め、このような場合に中間管理職はどうすべきか、情報を知っておくべきなのは誰なのかといったことを決めておく。その知っておくべき立場の人は、産業医、人事部長、役員の1人といった範囲であり、その人たちにも当然、守秘義務がかかる。職場の同僚に伝えるかどうかは、そのうえでのHIVに感染している人自身の判断を尊重する。そのためにはもちろん、HIV陽性者が仕事を続けていけるよう環境を整えていくことも必要だ。

HIVに感染していることが分かれば、解雇されるか、自分でやめていくかのどちらかを選ぶしかない。かりにそのような雰囲気が企業内にあるとすれば、企業は結局、貴重な人材を失うことになる。それではリスクマネージメントは失格である。「HIVに感染した人はうちにはいません」と企業の人事担当者が思っているような状態のときから、職場でHIV/エイズ研修を開いたり、基礎知識を伝えたりといった努力が必要なことも、ロールプレイイングで課長さんの立場になって考えれば納得できる。

 らく朝さんはプロの落語家を目指して研鑽に励んでいたことから、この10年ほどエイズ関係の情報には疎かった。このため、自ら切り開いたジャンルである「ヘルシートーク」や「健康落語」でエイズを取り上げることもなかった。東京都の講演会はその意味で、らく朝さんには大きな冒険だっただろうし、躊躇する気持ちもあったようだ。

しかし、HIV/エイズに対する理解の深さ、笑いをまじえながら身近な話題に引き込んでいく緩急の話術の巧みさを考えれば、この才能を放っておく手はない。これからも積極的に「企業とエイズ」の話題を取り上げてほしい。旧知のエイズ対策関係者の多くがそう期待していることを、できることならばご本人にもお伝えしたいところである。


3.ウィーンで第17回国際エイズ会議開催

 第17回国際エイズ会議が7月18日(日)から23日(金)までウィーンで開催されました。世界185カ国から2万人が集まる大会議です。今回の会議のテーマは「Rights Here, Right Now(いまこそ人権を)」。世界のHIV/エイズ対策は途上国への治療の普及が進むなどこの10年、大きな成果を上げていますが、それでも新たに治療を受けられるようになる人が2人いるとしたら、その間に5人が新規にHIVに感染しているそうで、いまなお対策は流行のペースに追いつけない状態です。このペースをいかにして逆転するか。つまり、HIV/エイズの流行を拡大から縮小へと転じることができるのか。さまざまな角度から議論が交わされました。

 次回は2012年、米国の首都ワシントンでの開催が決まっています。


4.今年も夏は横浜で 第17回AIDS文化フォーラムin横浜

 17回目のAIDS文化フォーラムin横浜が8月6日(金)から8日(日)までの3日間、かながわ県民センター(横浜駅西口徒歩5分)で開かれます。1994年に横浜で第10回国際エイズ会議が開かれた際に《HIV・エイズに関わるNGO、NPOと市民ボランティアによるフォーラム》として第1回が開催されています。国際エイズ会議はその後、隔年開催に変わりましたが、AIDS文化フォーラムin横浜は毎年夏に全国から多数の参加者が集まる恒例の催しとなりました。素晴らしい持続力ですね。アジアで初の国際エイズ会議だった横浜会議が残した最大の財産といえるでしょう。東京からもたくさんの人が参加します。

 フォーラムの開催概要、プログラムなどは、公式サイトでご覧ください。
  http://www.yokohamaymca.org/AIDS/ 

 今年のテーマは「他人ごと??」。2つ疑問符がついていますね。言わずもがなのことかもしれませんが、この疑問符がポイントでしょう。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
TOP-HAT News 第23号(2010年7月)  エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる