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zoom RSS 400万人以上のHIV陽性者が生命を救う治療を受けている

<<   作成日時 : 2009/10/12 18:28   >>

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(解説) 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)が集約している世界のHIV陽性者推計はいまのところ、2007年末現在のものが最も新しい推計値となっています。それによると、世界のHIV陽性者数は3320万人で、07年の1年間の新規HIV感染者数は270万人とされています。今回、UNAIDS、WHOに国連児童基金(UNICEF)も加わってまとめられた報告書「Towards Universal Access 〜 Scaling up Priority HIV/AIDS interventions in the health sector」は、陽性者推計ではなく、途上国における治療の普及や予防対策の進捗状況をまとめたものです。途上国では2008年末時点で400万人を超える人が抗レトロウイルス治療(ART)を受けられるようになったが、治療を必要とする人も増えているので、いまなお治療の普遍的アクセスは実現困難な目標のままです。対策は大きく進展し、成果もあがってはいるのだが、その成果は流行の拡大に追いつけるレベルには遠く及ばない。したがって、いまこそ対策の規模拡大に力を入れる必要がある。報告書本体ではなく、プレスレリースを読んだだけの感想ですが、おおむねそうしたことが指摘されているのではないかと思います。プレスレリースを日本語に訳しました。報告書およびプレスレリースの英文pdf版はUNAIDSのサイトでご覧いただけます。
 報告書
 http://data.unaids.org/pub/Report/2009/20090930_tuapr_2009_en.pdf
 プレスレリース
 http://data.unaids.org/pub/PressRelease/2009/20090930_pr_treatment_en.pdf

 なお、報告書に示された低中所得国の進展の主要指標は以下の通りです

                      07年12月        08年12月

ARTを受けている人数          297万人         403万人
                     (268万〜326万人)  (370万〜436万人)

ARTカバー率                 33%            42%
                      (30〜36%)       (40〜47%)

ARTが必要な15歳以下の子供   19万8000人       27万5700人

母子感染予防のART受診率        35%            45%
                       (29〜44%)       (37〜57%)



◇400万人以上のHIV陽性者が生命を救う治療を受けている
      (UNAIDS, WHO,UNICEFプレスレリース)

【ジュネーブ/パリ 2009年9月30日】 低・中所得国で抗レトロウイルス治療(ART)を受けている人は2008年末現在で400万人を超えていることが、本日発表された世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の新たな報告書で明らかになった。前年末時点に比べると36%増、5年前との比較では10倍に増えている。  

 報告書「普遍的アクセスに向けて:保健分野におけるHIV/エイズ介入の規模拡大の重要性」はこのほか、HIV検査とカウンセリングの拡大、HIVの母子感染予防サービスへのアクセスの改善などの成果も強調している。

 「この報告書は世界のHIV/エイズ対策が大きく進展していることを示している」とWHOのマーガレット・チャン事務局長はいう。「しかし、さらに進展が必要だ。少なくとも500万人のHIV陽性者が生命を延ばすことのできる治療とケアへのアクセスを得られずにいる。予防サービスを必要とする人の多くにもその必要なサービスが行き届いていない。各国政府と国際的パートナー機関は治療への普遍的アクセス実現のための努力を一段と加速しなければならない」

治療とケア

抗レトロウイルス治療へのアクセスは引き続き拡大している。2008年時点で治療が必要と推測される中低所得国のHIV陽性者950万人のうち、アクセスを確保できているのは42%で、2007年の33%を大きく上回った。最も大きく改善が見られたのは、世界のHIV感染の3分の2が報告されているサハラ以南のアフリカである。

 最もよく使われている抗レトロウイルス薬の価格はこの数年で大きく下がっており、治療の普及に貢献している。一般的な最初の組み合わせでは、2006年から08年にかけて10〜40%安くなっている。しかし、その次に必要となる2番手の組み合わせは依然、高価なままだ。

 治療サービスのアクセスは最近、大きく改善されてきたとはいえ、ニーズを満たすレベルには遠く及ばず、世界的な経済危機により今後も継続してアクセスを確保していけるかどうかについても懸念が広がっている。エイズを発症してからでないとHIVの感染に気がつかない患者が多く、その結果としてARTの開始が遅れ、治療開始から1年以内に死亡するケースが高い割合を占めている。


検査とカウンセリング

 最近のデータによると、HIVの検査とカウンセリングのサービスは利用しやすくなっている。報告のあった66カ国では、そうしたサービスを提供する保健医療施設の数が2007年から08年にかけて35%増えている。

検査とカウンセリングのサービスを受ける人の数も増えている。39カ国の報告では、HIV検査を受けた人の数は2007年と08年の間に倍になっている。

 2008年には、世界全体で報告のあった国の93%が公的保健医療機関で無料のHIV検査を提供している。

 それにもかかわらず、HIV陽性者の大多数は、自らのHIV感染を知らない状態である。HIV感染のリスクに対する関心が低いこと、偏見と差別を受けることへの恐怖があることが、検査サービスに対する理解が広がらない一因になっている。


女性と子供

 2008年には、女性と子供に対するHIVサービスへのアクセスは改善されている。HIV陽性の妊婦の約45%が、HIVの母子感染予防のための抗レトロウイルス薬を受けている。07年には35%だった。低中所得国でHIV検査を受けている妊婦の割合は、07年に15%だったのが08年には約21%に増えている。

 小児抗レトロウイルス治療プログラムを受ける子供の数も増えた。ARTを受けている15歳以下の子供の数は07年には約19万8000人だったのが、08年には約27万5700人に増えている。これは治療を必要とする子供の38%に相当する。

 世界全体では、エイズは依然として妊娠出産が可能な年齢層の女性の最も大きな死亡原因である。「世界のHIV/エイズ対策の中で、女性と子供に焦点をあてることの重要性は以前より強調されてきているが、エイズはいまなお、女性や子供の健康と生活、そして生存に恐るべき影響を与えている」とUNICEFのアン・M・ベネマン事務局長は話している。


最も大きなリスクにさらされている人たち

 セックスワーカー、男性とセックスをする男性(MSM)、注射薬物使用者など、HIV感染の高いリスクにさらされている人たちに対するHIVサービスのアクセスに関し、2008年にはより多くのデータが手に入るようになった。

HIV感染の予防介入はいくつかの状況のもとでは拡大しているものの、HIV感染の高いリスクにさらされている人口集団にとっては依然として、保健サービスを受けにくくなるような技術的、法的、社会文化的な障壁が存在している。

「すべての指標は、今後数年で治療を必要とする人の数が劇的に増加することを示している」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長は指摘する。「公平なアクセスの確保は、私たちが大きな関心を持ち続けてきた課題の一つである。UNAIDSは今後も、声なき人たちの声を反映し、社会から排除されがちな集団、HIV感染のリスクにさらされやすい状態に置かれた人たちがサービスのアクセスを確保できるように行動していくつもりだ。それは個人にとっても、その家族やコミュニティにとっても、生存に関わる大きな問題である」



More than four million HIV-positive people now receiving life-saving treatment

Geneva / Paris, 30 September 2009 – More than 4 million people in low- and middleincome countries were receiving antiretroviral therapy (ART) at the close of 2008, representing a 36% increase in one year and a ten-fold increase over five years, according to a new report released today by the World Health Organization (WHO), the United Nations Children's Fund (UNICEF) and the Joint United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS).

Towards Universal Access: Scaling Up Priority HIV/AIDS Interventions in the Health Sector highlights other gains, including expanded HIV testing and counselling and improved access to services to prevent HIV transmission from mother to child.

"This report shows tremendous progress in the global HIV/AIDS response," said WHO Director-General Margaret Chan. "But we need to do more. At least 5 million people living with HIV still do not have access to life-prolonging treatment and care. Prevention services fail to reach many in need. Governments and international partners must accelerate their efforts to achieve universal access to treatment."

Treatment and Care
Access to antiretroviral therapy continues to expand at a rapid rate. Of the estimated 9.5 million people in need of treatment in 2008 in low- and middle-income countries, 42% had access, up from 33% in 2007. The greatest progress was seen in sub-Saharan Africa, where two-thirds of all HIV infections occur.

Prices of the most commonly used antiretroviral drugs have declined significantly in recent years, contributing to wider availability of treatment. The cost of most first-line regimens decreased by 10-40% between 2006 and 2008. However, second-line regimens continue to be expensive.

Despite recent progress, access to treatment services is falling far short of need and the global economic crisis has raised concerns about their sustainability. Many patients are being diagnosed at a late stage of disease progression resulting in delayed initiation of ART and high rates of mortality in the first year of treatment.


Testing and Counselling

Recent data indicate increasing availability of HIV testing and counselling services. In 66 reporting countries, the number of health facilities providing such services increased by about 35% between 2007 and 2008.

Testing and counselling services are also being used by an increasing number of people. In 39 countries, the total reported number of HIV tests performed more than doubled between 2007 and 2008.

Ninety-three percent of all countries that reported data across all regions provided free HIV testing through public sector health facilities in 2008.

Nevertheless, the majority of those living with HIV remain unaware of their HIV status. Low awareness of personal risk of HIV infection and fear of stigma and discrimination account, in part, for low uptake of testing services.


Women and Children

In 2008, access to HIV services for women and children improved. Approximately 45% of HIV-positive pregnant women received antiretroviral drugs to prevent HIV transmission to their children, up from 35% in 2007. Some 21% of pregnant women in low- and middleincome countries received an HIV test, up from 15% in 2007.

More children are benefiting from paediatric antiretroviral therapy programmes: the number of children under 15 years of age who received ART rose from approximately 198 000 in 2007 to 275 700 in 2008, reaching 38% of those in need.

Globally, AIDS remains the leading cause of mortality among women of reproductive age. "Although there is increasing emphasis on women and children in the global HIV/AIDS response, the disease continues to have a devastating impact on their health, livelihood and survival," said Ann M. Veneman, UNICEF Executive Director.


Most-At-Risk Populations

In 2008, more data became available on access to HIV services for populations at high risk of HIV infection, including sex workers, men who have sex with men and injecting drug users.

While HIV interventions are expanding in some settings, population groups at high risk of HIV infection continue to face technical, legal and sociocultural barriers in accessing health care services.

"All indications point to the number of people needing treatment rising dramatically over the next few years," said Michel Sidibé, Executive Director of UNAIDS. "Ensuring equitable access will be one of our primary concerns and UNAIDS will continue to act as a voice for the voiceless, ensuring that marginalized groups and people most vulnerable to HIV infection have access to the services that are so vital to their wellbeing and to that of their families and communities."

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)第17号(2009年11月)
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