エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト

アクセスカウンタ

zoom RSS  『世界のエイズの流行2008年版』 UNAIDSプレスレリース

<<   作成日時 : 2008/08/24 15:06   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

(解説)メキシコシティの第17回国際エイズ会議(8月3〜8日)の開幕に先立ち、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が7月29日にニューヨークの国連本部で発表した報告書です。UNAIDSは毎年11月下旬、世界保健機関(WHO)とともにその年の最新推計をまとめた報告書を発表していますが、それとは別に隔年開催の国際エイズ会議の直前、各国別データも掲載し、現状を詳しく分析した報告書『世界のエイズの流行』を明らかにしています。その報告書発表の際のUNAIDSのプレスレリースです。



◎HIV感染予防対策の拡大が成果を生み出す。ただし、流行を縮小に転ずるには不十分
   HIV新規感染とエイズによる死者は減少。だが、流行は世界のどの地域でも去ってはいない
【2008年7月29日 NY】 UNAIDSの報告書『世界のエイズの流行』に示された新たなデータによると、エイズの流行に深刻な影響を受けている国の多くで、HIVの感染予防対策が成果をあげている。ルワンダとジンバブエでは、性行動の変化がHIVの新規感染の減少につながった。

 多くの国で、複数の性交渉相手を持つ若者のコンドーム使用が増している。若者の性行為開始年齢が高くなっているのも期待できる傾向である。エイズの流行に最も深刻な影響を受けている国のうち、ブルキナファソ、カメルーン、エチオピア、ガーナ、マラウイ、ウガンダ、ザンビアの7カ国で、そうした傾向が見られる。カメルーンでは15歳未満で性行為を経験している若者の割合が35%から14%に減っている。

 2005年から07年の間に母子感染予防のために抗レトロウイルス薬を使用しているHIV陽性の女性の割合は14%から33%に増えた。同じ期間に子供のHIV新規感染は41万人から37万人に減っている。アルゼンチン、バハマ、バルバドス、ベラルーシ、キューバ、ボツワナ、グルジア、モルドバ、ロシア、タイでは、母子感染防止策のカバー率が75%を超えており、普遍的アクセスに近づいている。

 政府、ドナー、市民社会、影響を受けているコミュニティが力を合わせて努力すれば、良い結果が得られることを報告書は示している。

約105カ国が、2010年までにHIV予防、治療、ケア、支援の普遍的アクセスを達成するための目標を設定している。

 「新規感染の予防とHIV陽性者への治療の提供によって、人々の生命を救うという成果を長期にわたって持続させなければならない」とUNAIDSのピーター・ピオット事務局長はいう。「短期の成果に満足するのでなく、その成果をHIV治療と予防のための土台にすべきである」

《世界の流行》
 HIVの新規感染は、推計では2001年に300万人(260〜350万人)だったのが2007年には270万人(220〜320万人)に減少している。確かに、数カ国でHIV新規感染が減ってはいるものの、世界のどの地域をみてもエイズの流行は去ったわけではない。

 HIVの新規感染率は中国、インドネシア、ケニア、モザンビーク、パプアニューギニア、ロシア、ウクライナ、ベトナムなど多くの国で上昇している。また、HIV感染の流行がおさまったと思われていたドイツ、英国、オーストラリアなどでも増加が認められる。

 ・世界のHIV陽性者推計数       3300万人(3030万〜3610万人)
 ・2007年の年間新規HIV感染者推計数 270万人(220万〜320万人)
 ・2007年のエイズによる死者推計数   200万人(180万〜230万人) 

 世界のエイズの流行はHIV陽性率で見ると頭打ちになっているものの、それでも平均すると1日7500人近くがHIVに感染しており、世界のHIV陽性者数は3300万人に増えている。

治療が命を救う

 2008年前半にすでに報告されているように、低・中所得国で約300万人が現在、抗レトロウイルス治療を受けている。ナミビアでは2003年に1%だったのが2008年には88%にまで普及率が上がった。同じようにカンボジアでは2004年に14%だったのが2007年には67%になっている。普遍的アクセスの達成に近づいている国は他にボツワナ、ブラジル、チリ、コスタリカ、キューバ、ラオスがある。世界のほとんどの国で、男性よりも女性の方が抗レトロウイルス治療を受ける率が高い。

 過去2年間の抗レトロウイルス治療の拡大も影響して、世界のエイズ関連の死者は220万人(190万〜260万人)から200万人(180万〜230万人)に減っている。

 しかし、世界のHIV陽性者の67%を占めるアフリカでは、エイズは依然、最大の死亡原因である。アフリカのHIV陽性者の60%は女性であり、若者の4人中3人は女性で占められている。

《最も高いリスクにさらされている人々により注目を》
 2005年以降、セックスワーカー、男性とセックスをする男性、薬物注射使用者に対するHIV感染予防の努力は3倍に増えている。たとえば、セックスワーカーのHIV感染予防サービスに関する39カ国の報告では、カバー率は平均60%に達している。15カ国の報告では薬物注射使用者の50%近く、また27カ国の報告では男性とセックスをする男性の40%にHIV感染予防サービスのアクセスが確保されている。

 サハラ以南のアフリカ以外の世界のすべての地域で、HIV感染は薬物注射使用者、男性とセックスをする男性、セックスワーカーに極端なまでに大きく広がっている。感染の最も高いリスクにさらされている人たちを差別から守る法律がある国の方がHIV感染予防サービスは受けやすくなっている。

 「それぞれの土地で流行の特徴を知ること」は依然、予防の効果をあげるうえで重要である。域内でも各国の国内でも、これまでの傾向は変化してきている。タイでは主要な感染経路は売春と薬物注射だったが、現在は結婚したカップルの間での感染が中心になっている。

 「各国は新たな感染が実際に起きているところにHIVプログラムの焦点をあてる必要がある」と国連人口基金(UNFPA)のトラヤ・オベイド事務局長はいう。「流行の特徴を知り、適切な介入策の組み合わせを選択することが、効果的対策には必要である。多くの場合、若者と女性に特別の注意を向ける必要がある」

《今後を見据えて》
 新たな報告書はメキシコの第17回国際エイズ会議の開催に先駆けて発表された。この会議には経験に基づいて得られる教訓を検証し、2010年の普遍的アクセス、および2015年のミレニアム開発目標の達成に向けた動きを生み出すため、政治指導者、政府関係者、研究者、アクティビスト、コミュニティグループなどの主要なステークホルダーが集まる予定である。

「エイズの流行への対応は重要なミレニアム開発目標のひとつであり、同時に他の目標達成にも大きな影響を与えるものだ」と国連開発計画(UNDP)のケマル・デルビシュ総裁はいう。「エイズに取り組むことで得られる成果は貧困と子供の死を減らし、食糧事情や母子保健の改善に貢献することになる。同時にジェンダーの平等や教育の普及といった他の目標の成果も、エイズの流行の拡大に歯止めをかけ、縮小に転じるためには必要である」

《長期的な対応》
 エイズは長期にわたって取り組むべき課題であり、対策は科学的な根拠と人権尊重の考え方に基づくものでなければならない。報告書は性的指向や薬物使用などの課題に人権の視点を持ったアプローチを採用するよう指導者たちに呼びかけている。

 HIV対策は長期にわたる持続的な資金確保を必要としている。これまで以上に多くの人が治療を受け、長く生きていくことになるので、今後20〜30年間はHIVに関する予算も増えていかざるを得ない。低・中所得国で国内のエイズ予算が今後、増額されることになるとしても、国際資金の拠出者が資金の大半を提供しなければならないだろう。米国政府が最近、承認した480億ドルの拠出など、国際的な資金拠出の約束が今後の対策の大きな助けになる。日本で先日、開かれたG8サミットでも、主要国首脳は2010年までにHIV予防と治療の普遍的アクセスを実現するとの目標に向け、努力を続けることを表明している。

 「普遍的アクセスという目標に向けたエイズ対策の規模拡大の努力は、4つの主要な考え方に基づくものでなければならない。人権を基本にしたアプローチ、多分野にまたがる協力、人々のためになる成果、コミュニティの関与の4点である。この点に交渉の予知はない」とピオット事務局長は言う。 

《UNAIDSの『世界のエイズの流行2008年版』について》
 UNAIDSとその共同スポンサー機関が作成した『世界のエイズの流行2008年版』は、エイズ対策に関する最も包括的な報告書である。2001年の国連エイズ特別総会コミットメント宣言、および2006年の国連エイズ対策レビュー総会政治宣言に基づいて設定された25項目の主要目標(Core Target)に対し、147カ国から寄せられたデータが報告書に生かされている。報告書に示された情報は、2001年以降の成果の評価と、現在のエイズ対策の長所、短所の把握に役立つであろう。

《UNAIDSについて》
 UNAIDSは、国連事務局および国連システム各機関のエイズ対策に向けられた努力とその資源を結集した国連の革新的なジョイント・ベンチャー機関である。事務局はスイスのジュネーブに置かれ、80カ国以上にスタッフを配置している。国連システムの各機関の現場における活動は、各国ごとに設けられた国連テーマグループと合同エイズプログラムのもとでコーディネートされている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国際労働機関(ILO)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)、世界銀行(WB)の10機関がUNAIDSの共同スポンサーとなっている。UNAIDSのウエブサイトは  http://www.unaids.org



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
 『世界のエイズの流行2008年版』 UNAIDSプレスレリース エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる