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(解説)UNAIDSとWHOが2007年11月21日付で発表した「世界のエイズ最新情報」2007に対する見解を国際エイズ学会(IAS)がメディア声明として発表しました。IASは隔年開催の国際エイズ会議などを主催している組織で、会員は世界179カ国から1万人を超えている。 国際エイズ学会メディアステートメント 2007年11月21日 新たなHIV推計はHIV/エイズがいまなお世界の主要な死因であることを確認している 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)が今週、発表した新たなHIV世界推計は、HIVの流行が依然、厳しいものであることを強調している。この1年間で新たにHIVに感染した250万人を含め、2007年末現在で推計3320万人がHIVに感染して暮らしている。200万人以上の男女が過去1年の間にエイズに関連した疾病によって死亡しており、これまでの累計の死者数は2000万人を超えている。 新たな推計による世界のHIV陽性者数は、2006年推計の3950万人と比べると、減少している。生命を脅かすウイルスに感染して生きている人の数がこれまで考えられているより少なかったという点で、このことはグッドニュースではあるが、今回の修正推計は主としてモニタリングのツールの有効な活用と新たな動向調査、流行のモデル化の向上などによるものである。HIV/エイズは最も高度化された手法で世界的に追跡調査を行っている病気の一つである。インドで適用されている新たな推計技術だけでも、感染者数が300万人以上(570万人から250万人に)も少なくなった要因になっている。これらのデータはまた、少数の国でHIV予防プログラムが成果を上げてきたことの反映でもある。 エイズの流行は単一のものではない。サハラ以南のアフリカは流行の矛先となり、世界のHIV陽性者数の3分の2(68%)、今年1年間のエイズによる死者の4分の3(76%)を占めている。世界の他の地域では、流行は依然、男性と性行為をする男性、薬物注射使用者、セックスワーカーを含む特定の人口層にとどまっている。これらの人口層では、陽性率が50%に達していることもしばしばある。ロシアを含む東欧地域では、2001年と比べると、感染率は150%以上も高くなっており、緩和の兆候はない。世界全体でみると、感染した人の半数は女性であり、とりわけ若い女性が多い。世界中の多くの地域で、女性は暴力にさらされ、基本的な人権を守ることもできず、自らの性に関してコントロールすることができない状態のままに置かれている。 UNAIDSとWHOに対しては、エイズ対策の資金を獲得するために推計をゆがめていたのではないかという批判も多い。そうした批判は不適切であり、狭量というべきだろう。実際に過去四半世紀におけるHIV予防、治療、ケアの進歩は医学の偉大なる成功の一つというべきである。しっかりとした研究が続けられてきたことにより、政治的、社会的な対応の充実もあって、どのようなアプローチに基づく対策が必要かという点に関しては証拠が提示されてきた。こうした科学的な努力の結果、新たな予防の技術と治療に関して大きな成果があがり、それらを管理し、送り届けるための新たな戦略を提供してもいる。また、私たちがより明確に流行の様子を把握することもできるようになった。 新しい推計は、UNAIDSの主導のもとで過去5年間に世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)、米大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団をはじめ多数の2国間援助や国際基金を通じてエイズ対策資金が大きく増額され、UNAIDSの共同スポンサー機関や各国政府、市民社会がいくつかの国でその成果を確認できるようになっていることも明らかにしている。延命効果のある抗レトロウイルス治療のアクセスは世界各地で拡大し、何百万人もの命を救っている。悲しいことに、それでもアクセスが得られている人はまだ、必要な人の30%にとどまっている。エイズと闘うための資金が増加したことによって、最貧国における保健システム構築にも成果があがり始めている。世界基金やPEPFARの資金を受けている各国レベルのプログラムは何百万人ものHIV陽性者を支援するだけでなく、結核やマラリア、その他の感染症に苦しむコミュニティの助けにもなっている。 新たなHIV推計の発表は世界のエイズ対策に検証の機会をもたらすものでもある。残念ながら2007年末時点では、政治の意思の欠如が、とりわけHIVに最も脆弱な集団での対応を抑え続けていこうとしているようにみえる。2006年には世界各国政府がエイズとの闘いの成果を検証するために国連総会に集まった。国際エイズ学会を含む専門家たちは、この会合の結果として出された宣言が、この病気によって最も大きな打撃を受けているゲイ男性および男性と性行為をする男性(MSM)、薬物注射使用者(IDU)、セックスワーカーなどマージナライズド(社会の周縁に押しやられた)コミュニティの明示を避けていることを知り、ショックを受けた。公衆衛生の観点から重要なことは、世界全体に大きな影響を及ぼしている予防可能な病気の現実を無視して、宗教、イデオロギー、道徳的な態度などが、非難のために使われるようなことは決してあってはならないということだ。 HIV/エイズ分野で働く者で、HIV/エイズ統計がゼロになることを望まない人はいない。残念ながら、その夢がかなうのは遠い先のことだろう。いま緊急に必要とされていることと私たちの現状とのギャップは人道に対する罪と言わざるを得ない。いまこそがユニバーサルアクションの時である。 |
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