TOP-HAT News 第132号(2019年8月)


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        第132号(2019年8月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに まずは話をしよう

2 ラグビーW杯にあわせ、プライドハウス東京2019

3 ブックレット『HIV/AIDSと職場』

4 『世界最強組織の作り方』

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1 はじめに まずは話をしよう
 厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱する今年の世界エイズデー国内啓発キャンペーンのテーマが決まりました。
『UPDATE! 話そう、HIV/エイズのとなりで ~検査・治療・支援~』
テーマとしては、少し長い感じもします。あれこれ入れたくなるのかもしれません。「今年のテーマは何だっけ?」と聞かれたときには、『話そう、HIV/エイズのとなりで』ですよ・・・と、とりあえず真ん中の部分だけ伝えてもよさそうです。
 API-Net(エイズ予防情報ネット)には、厚労省の令和元年度「世界エイズデー」実施要綱(PDF)、テーマの趣旨、留意点、テーマ策定プロセスが掲載されています。
 http://api-net.jfap.or.jp/

また、エイズ予防財団と3つのNPO法人が運営するHIV/エイズ情報サイト、コミュニティアクション(Community Action on AIDS)にもキャンペーンテーマの紹介ページがあります。
http://www.ca-aids.jp/theme/

世界エイズデーの国内啓発キャンペーンには、2017年から3年連続でテーマのどこかに『UPDATE!』が含まれています。
2017年度は『UPDATE! エイズのイメージを変えよう』、2018年度は『UPDATE! エイズ治療のこと HIV検査のこと』でした。
治療の進歩を踏まえた情報の更新をはかりつつ、対策への理解を深めてもらう意図があり、そのうえで『イメージ→知識→行動』へとメッセージが展開していくよう工夫したそうです。
つまり、UPDATE!3年目の行動は「話そう」ということになります。コミュニティアクションのサイトから少し引用しましょう。
『今年は「社会的な無関心」として指摘されることが多いHIV/エイズの流行と社会の間の「距離感」を縮めるために、すぐとなりにある話題として「話す」という行動に注目しました』
では、なぜ「となり」なのでしょうか。
『HIVに感染している人にも、感染していない人にも、そして感染しているかどうか心配になった人にも、「一人で孤立しているわけではありませんよ」ということを伝える。「となり」という言葉にはそうしたやわらかいメッセージが込められています』
エイズ対策に長く取り組んできた人たちには、「話す」ことが行動なの?と、どこか肩透かしをくったような気分が残るかもしれません。こんなに話してきたのに・・・という思いもあるでしょう。
でも、最近はHIV/エイズが話題として取り上げられる機会が少なくなっているという現実も一方にはあります。若い人たちには情報がなかなか伝わりません。年配の人にはかつての恐怖と不安のイメージを更新する機会があまりないようです。
少し話が変わりますが、8月の初めに開催された第26回AIDS文化フォーラムin横浜のテーマは『<話す>と<リアル>に!!』でした。8月2日の開会式では「ひとごとだと思っていたことが、話すことでリアルに認識できるようになる」という説明がありました。
話すとリアルになるということは、話さないとリアルにならないということでもあります。開会式では、フォーラムの主催者から「異質なものを排除する気持ちが社会の中に広がりつつあるのかもしれない」という懸念も表明されました。
異なるメンバーによる、異なる議論を経て生まれた二つのテーマが、期せずして「話す」という行動を呼びかける結果になった。その背景には、排除が広がらないようにと危惧する共通の時代認識があるのかもしれません。


2 ラグビーW杯にあわせ、プライドハウス東京2019
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)とパートナーシップ協定を結んでいる「プライドハウス東京」コンソーシアムが9月20日(金)、東京・原宿のコミュニティスペース「subaCO」に性的マイノリティのためのホスピタリティ施設「プライドハウス東京2019」をオープンします。開催期間はラグビーW杯2019が開幕する9月20日から決勝2日後の11月4日まで(火曜定休)の約1カ月半です。
2010年の冬季五輪では、開催都市バンクーバー(カナダ)の市内に、性的マイノリティが安心して過ごせるホスピタリティ施設が期間限定で設けられました。これが先例となり、その後もオリンピック・パラリンピックやサッカーW杯など、巨大なスポーツイベントが開かれるときには、開催都市の地元で同様の機能を持つプライドハウスが開設されるようになっています。
「プライドハウス東京」は2020年東京オリンピック・パラリンピックを目指し、セクターを超えた団体・個人・企業が2017年にコンソーシアムをつくり、準備を進めてきました。その過程で2019年ラグビーW杯の機会にもホスピタリティと情報発信の拠点となる施設を開設する運びになったということです。詳細は公式サイトでご覧ください。
http://pridehouse.jp/


3 ブックレット『HIV/AIDSと職場』
 米疾病管理予防センター(CDC)が制作したブックレット「HIV AND AIDS AND THE WORKPLACE」の日本語仮訳版です。
 『このブックレットはHIV陽性の従業員が前向きに働くことができ、生産性の高い職場環境をつくるための手引きです。HIV陽性の従業員の権利、上司 の責任、同僚が知っておくべき情報についてまとめました』
 厚労科研『職域での健診機会を利用した検査機会拡大のための新たなHIV検査体制の研究』班が制作するウェブサイト『BRTA Japan』にPDF版が掲載されています。
 https://brta.jp/topics/16


4 『世界最強組織の作り方』
 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)戦略・投資・効果局長の國井修さんが『世界最強組織のつくり方 ─感染症と闘うグローバルファンドの挑戦』(ちくま新書)を刊行しました。
 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480072443/

エイズ・結核・マラリアの世界三大感染症による死者数は『二〇〇〇年当時、年間五〇〇万人以上にのぼり、ボーイング七四七型ジャンボジェット機が毎日二三機墜落するのに匹敵する』といわれていたそうです。
 その危機に対応するために生まれたグローバルファンドは、なぜ『世界最強の組織』を目指すのか。国際機関だけでなく、民間企業にも生かせるイノベーションのヒントが数多くありそうです。


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