TOP-HAT News 第145 号(2020年9月)

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        第145 号(2020年9月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに この機会は生かせるのか

2. 京都もオンライン開催に AIDS文化フォーラム

3. 参加登録受け付け中  第34回日本エイズ学会学術集会・総会

4. 資料紹介『グローバルファンドに学ぶ「市民社会とのパートナーシップ」』

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1 はじめに この機会は生かせるのか
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2020年版年次報告書『この機会をつかむ』は、バーチャル開催となった第23回国際エイズ会議(7月6-10日)の開幕に合わせて公式サイトに発表されています。このことはTOP-HAT News第143 号(2020年7月)でも短くお伝えしましたが、報告書は全体で500ページ近くあり、UNAIDSもさすがに全部、読んでもらうのは大変だろうと考えたのでしょうか。公式サイトの特設ページには、各章の内容をコンパクトにまとめた概要版も追加で掲載されています。
 その概要版の方を公益財団法人エイズ予防財団が日本語に訳し、8月の終わりにAPI-Net(エイズ予防情報ネット)に掲載したので、改めて紹介しましょう。 
 https://api-net.jfap.or.jp/status/world/sheet2020_GlobalAidsUpdate.html
概要とはいえ、日本語仮訳のPDF版だけでも47ページもあります。かなりの分量なので、以下のように7部に分けて紹介されています。
 ・はじめに(ウィニー・ビヤニマ事務局長の序文・Executive Summaryから)
 ・第1章『3つのゼロに向けた成果』
 ・第2章『2020年のコミットメント(約束)』
 ・第3章『パンデミック対策の相乗効果』
 ・第4章『権利をまもる』 
 ・第5章『人びとを中心にした持続可能なアプローチ』
 ・地域別概要報告
UNAIDSがいま伝えたいメッセージやファクトは、概要版で十分に伝わってきます。世界のHIV陽性者数や死亡者数などのデータは集計上の制約から、2019年末現在のものになっていますが、2020年は年が明けてから新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行が世界に広がり、HIV/エイズ分野も大きな影響を受けています。
したがって、報告書も本文の第3章で『パンデミック対策の相乗効果』に焦点を当てているように、この新たな事態への対応が随所で取り上げられています。それが最大の特徴でしょう。
2020年は「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行を2030年までに終結に導く」という国際社会の共通目標に向けた節目の年でした(まだ終わっていませんが過去形にしておきます)。そして、そのために大急ぎで達成すべき高速対応の中間目標として、90-90-90ターゲットが掲げられていました。
・ 世界のHIV陽性者の90%が検査で自らの感染を知るようになり、
・ 感染を知った人の90%が抗レトロウイルス治療を受け、
・ 治療の継続により90%の人が体内のウイルス量を低く抑えた状態を維持する。
この3つの90が実現すれば、世界のHIV陽性者の7割以上が体内のウイルス量を低く抑えた状態を維持することができます。そうなれば、その7割以上の人は健康状態を維持することができるし、同時に他の人に性行為でHIVが感染するリスクもなくなる。このことはこれまでの研究の積み重ねにより、エビデンスとしてしっかりと示されてもいます。
したがって、2020年末までに90-90-90を達成することが流行終結への大前提となる。これが高速対応ターゲットの基本的な考え方でした。
ただし、今年末という締め切りが間近に迫り、2020年版の年次報告書は、そのターゲットの達成が不可能なことを公式に明らかにしました。それどころかCOVID-19のパンデミックという新たな事態に遭遇し、HIV/エイズ対策のこれまでの成果すら失われてしまう恐れがあることを強く警告し、以下の2点を緊急課題としてあげています。
・ COVID-19対策に伴う世界の混乱の中で、HIV対策をどう維持していくか。
・ 約40年のHIV対策の経験から得られた教訓をCOVID-19対策にどう生かすか。
つまり、2つのパンデミックに直面するこの困難な事態を逆に『機会』としてとらえ、シナジー(相乗効果)を生み出していくにはどうしたらいいのか。それは世界全体の課題であり、同時に、本格的ツインパンデミック時代の冬をいまから迎えようとする北半球の日本にとっても、大きな示唆を与えてくれるでしょう。


2. 京都もオンライン開催に AIDS文化フォーラム
 今年で10回目となるAIDS文化フォーラムin京都は10月11日午後2時から4時まで、ZoomでのシンポジウムをYou tubeライブ配信するかたちで実施することが決まりました。8月のAIDS文化フォーラムin横浜に続き、京都もオンライン開催になります。
 テーマは《「つなぐ」「つながる」今できること》。
 開会式に続いて開かれる、全体会のタイトルは《HIVから学ぶ、新型コロナ感染症への対応 持続可能な共生を目指して》となっています。
 プログラムの詳細や参加方法は、公式サイトをご覧ください。
 http://hiv-kyoto.com/latestForum/index.html


3. 参加登録受け付け中  第34回日本エイズ学会学術集会・総会
 ウェブ開催となった第34回日本エイズ学会学術集会・総会(2020年11月27日~29日)が参加登録を受け付けています。登録期間は以下の通りです。
【登録期間】
・事前登録:2020年08月21日(金)09:00 〜 10月30日(金)12:00
・直前登録:2020年10月31日(土)09:00 〜 11月26日(木)12:00
・当日登録:2020年11月26日(木)12:00 〜 12月18日(金)12:00
登録方法や参加登録費については、公式サイトでご覧ください。
 https://www.aidsjapan2020.org/regist_part.html


4. 資料紹介『グローバルファンドに学ぶ「市民社会とのパートナーシップ」』
 アフリカ日本協議会が8月に作成した8ページのパンフレットです。世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)が2014年にスタートさせた「コミュニティ・人権・ジェンダー戦略イニシアティブ」(CRG-SI)の仕組みや成果について、分かりやすく説明しています。
《途上国の保健問題に焦点があたった2000年代には、多くの保健関係の国際機関が、市民社会との連携を掲げて設立されました。グローバルファンドはその中で最も市民社会や当事者コミュニティとの協働が進んでいます》
 感染症対策を進めるうえで、CRG(コミュニティ、人権、ジェンダー)はなぜ重要なのか。パンフレットには、こんな記述があります。
・コミュニティ:自ら対策に取り組む必要性
・人権:当事者のエンパワメントと「保健への権利」の保障
・ジェンダー:性別や性的指向・性自認による差別・格差の解消
 AJF公式サイトでパンフレットのPDF版をダウンロードできるので、詳しくはこちらをご覧ください。
 https://ajf.gr.jp/wp-content/uploads/2020/09/CRGpamphlet.pdf


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