TOP-HAT News 第141 号(2020年5月)


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        第141 号(2020年5月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆
1 はじめに 連帯のディスタンス

2 国際エイズ会議AIDS2020の最終日とその翌日にバーチャルCOVID-19会議

3 『COVID-19時代のHIV予防』

4 『HIV予防におけるPrEPとは何か』 JaNP+ニュースレター

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1 はじめに 連帯のディスタンス
 新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行は、HIV/エイズ対策にも影響を与えています。全国の保健所では、コロナに対応するためHIV検査など、これまでの業務の一部を中断せざるを得なくなっているところもあります。
 毎年6月1日から7日までの1週間は厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱するHIV検査普及週間(東京都はその1週間を含む6月がHIV検査・相談月間)なのですが、今年は苦しいキャンペーンになりそうです。
 ただし、世の中の関心がCOVID-19に向いているからといってHIVがコロナに遠慮して感染を控えておこうなどと考えているわけではありません。
この時期にも、東京都南新宿検査・相談室(平日、夜間、土・日)や東京都多摩地域・検査相談室(土曜日)などHIVと梅毒の検査を受けられる施設(ただし梅毒検査のみでは受けられません)はあります。HIV感染を心配される方はウェブサイトで日程を確認してください。
 性的少数者に向けてHIV感染予防や性の健康サービス、HIV陽性者支援などの活動を行っている全国6都市のコミュニティセンターも4月以降、休館状態となりました。人と人とが出会い、つながることを重視するセンターにとって、一時的とはいえその拠点を閉ざすことは、つらい決断だったと思います。それでもいまはCOVID-19の拡大防止を優先しなければならない。利用者の皆さんにもこの点は了解してもらえるでしょう。
 TOP-HAT News第137号(2020年1月)で紹介した東京・新宿二丁目のaktaもそうした困難な決断をせざるを得なかったコミュニティセンターの一つです。
ただし、休館によって活動が全く止まってしまったわけではありません。公式サイトには『コミュニティセンターaktaは、新型コロナウイルス感染症に関する政府の緊急事態宣言を受け、しばらくのあいだ臨時休館します』というお知らせが出ています。
http://akta.jp/
それでもサイトには『HIV・セックスと新型コロナウイルス感染症に関連する支援情報』のページが新設され、更新も随時、行われています。情報発信の機能はむしろ充実しているかもしれません。
政府の緊急事態宣言が出された翌週の4月13日(月)には新型コロナウイルス感染症に関する情報提供キャンペーン『Take the distance to unite 団結する為に距離を取ろう』がスタートしています。
こちらも公式サイトでご覧いただけますが、キャンペーンのバナーには、aktaの活動の象徴ともいうべきデリヘルボーイズのイメージキャラクターがユーモラスなイラストで登場し、人と人との距離を2メートルあけるSocial Distancing(社会的距離)のメッセージを呼びかけています。
ここで注目したいのは、Social Distancingの2mよりも大きく、LIVING TOGETHERの文字が強調されていることでしょう。
LIVING TOGETHER は、HIVに感染している人も、していない人も、もうすでに社会の中で一緒に生きていますよ、というごく平明な事実を述べているのですが、その平明さがメッセージとなることで、HIV/エイズを取り巻く社会的な差別や偏見と闘う強い力が生まれます。
でもいまは、LIVING TOGETHERも間隔2メートルという距離を条件として初めて成立する。だからこそ逆に、人と人とがつながる連帯の距離として2メートルを再確認したい。理屈を言えばそういうことでしょうか。
バナーは何種類か用意され、2メートル離れて登場する2人の顔ぶれもバナーごとにそれぞれ異なっています。これはつまり、社会の中の多様性を象徴するものでありまして・・・などと気づまりな説明を続けるよりも、見てもらった方が早いか。
http://akta.jp/information/2571/
HIV/エイズの流行という試練を潜り抜けてきたたくさんの人たちが、いまその経験をコロナ対策にも役立てたいと強く思っている。その象徴でもあります。



2 国際エイズ会議AIDS2020の最終日とその翌日にバーチャルCOVID-19会議
 米西海岸のサンフランシスコ・オークランド両市で開催予定だった第23回国際エイズ会議(AIDS2020)がオンライン上のバーチャル会議に変更されたことは第140号(2020年4月)でお知らせしました。この点は残念ではありますが、オンライン会議の特性を生かし、 会議最終日の7月10日と翌11日には、バーチャルCOVID-19会議が特別セッションとして開催されることになりました。主催者はAIDS2020と同じ国際エイズ学会(IAS)です。
 世界中のHIV/エイズ分野の研究者はこのところ、それぞれの国のCOVID-19対策に追われ、とても国際会議どころではないという状況でしたが、バーチャル会議なら、そうそうたるメンバーの参加が可能になります。参加登録は無料です。詳細はCOVID-19会議のサイトでご覧ください。
 https://covid19.aids2020.org/



3 『COVID-19時代のHIV予防』
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界HIV予防連合(GHPC)が『COVID-19時代のHIV予防』をテーマにした3つの啓発文書を作成しました。
 https://asajp.at.webry.info/202005/article_1.html
HIV/エイズ対策に取り組んできた国連機関や国際団体がGOVID-19対策に積極的に貢献する姿勢を示すとともに、各国に対しHIV予防対策も後退させないよう強く呼びかけています。それぞれの文書は2~4ページでコンパクトに要点がまとめられています。タイトルは以下の通りです。

『低・中所得国におけるCOVID-19予防対策に向けたHIV予防対策からの教訓』
Lessons from HIV prevention for preventing COVID-19 in low- and middle-income countries

『COVID-19時代のコンドームと潤滑剤 — 低・中所得国のニーズを満たす供給の維持と人を中心にしたアプローチ — 2020年4月、行動のための短い解説』
Condoms and lubricants in the time of COVID-19 — Sustaining supplies and people-centred approaches to meet the need in low- and middle-income countries — A short brief on actions, April 2020

『COVID-19時代にHIV予防サービスを維持する工夫』
Maintaining and prioritizing HIV prevention services in the time of COVID-19



4 『HIV予防におけるPrEPとは何か』 JaNP+ニュースレター
 日本HIV陽性者ネットワークJaNP+のニュースレター第42号が発行されました。巻頭の特集は《新しい予防手段「PrEP」について考える》です。公式サイトでPDF版がダウンロードできます。
 https://www.janpplus.jp/newsletter
 他にも《HIV陽性者と海外渡航》や連載コラム《映画とHIV/AIDS》など興味深いレポートが盛りだくさん。



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