グローバルヘルス目標に向けた共同計画を発表 保健開発12国際機関

 2030年の達成を目指す持続可能開発目標(SDGs)にはさまざまなかたちで保健分野が関係しています。その保健関連の課題に取り組む12の国際機関が9月24日、ニューヨークで『Stronger Collaboration, Better Health: Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being(協力を強化し、健康を実現しよう:すべての人の健康な生活と福祉に向けた世界行動計画)』という報告書を発表しました。
 そのプレスリリースの日本語仮訳です。
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グローバルヘルス目標に向けた共同計画を発表 保健開発12国際機関
https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2019/september/20190924_joint-plan-to-boost-global-health-goals

ニューヨーク 2019年9月24日-保健関連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて各国への支援を強化していくため、12の国際機関が本日、国連総会で今後10年間の共同計画を発表した。
 18カ月にわたる検討を重ねた報告書『Stronger Collaboration, Better Health: Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being(協力を強化し、健康を実現しよう:すべての人の健康な生活と福祉に向けた世界行動計画)』は、保健、開発、人道分野の12の国際機関が、各国のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現と保健関連SDGs達成を助けるために、どのようにして協力の成果を上げ、無駄のない支援を行っていくのかを示している。
 持続可能な開発を進め、貧困に終止符を打ち、平和でインクルーシブな社会を実現するために、そして環境を守るためにも、健康は不可欠な要素となる。過去数十年、主要な保健領域で大きな成果が上がってはいるものの、さらにその努力を倍増させなければ、2030年の目標は達成できない。
 「タイトルの‘Stronger Collaboration, Better Health’には理由があります」とWHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士は語る。「協力は手段であり、目指すのはその結果です。計画はその始まりであり、終わりではありません」
 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジは、保健関連のゴール達成のカギを握り、健康の不平等解消に取り組むものだ。現在の傾向が続けば、WHOが先週発表した『ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:世界モニタリング報告』で強調しているように、2030年段階で健康な生活に不可欠な保健サービスを受けられる人は、世界人口のうち50億人にとどまってしまう。誰も取り残さないようにするには、各国が健康の不平等に取り組まなければならない。各国が複雑な保健課題に挑み、革新的な解決策を見出すためには、協力の在り方を改善し、調整をはかる必要がある。
 合計すれば12機関の貢献は、保健分野の開発援助のほぼ3分の1を占める。Global Action Planのもとで各機関は以下の協力強化を約束している:
・ 各国とともに優先課題を定め、計画し、実施に取り組む。
・ 多くの国で共通する課題を把握し、各機関の使命、専門性、資金を生かす7つの促進テーマに基づいて成果達成を促す。具体的には以下の7テーマである:1)プライマリー・ヘルスケア 2)持続可能な保健資金確保 3)コミュニティと市民社会の参加 4)健康の決定要因 5)脆弱な状況の下で疾病のアウトブレークに対応する革新的な計画策定 6)研究開発・イノベーションとアクセス 7)データとデジタルヘルス。
・ 実施および資金戦略と政策の調和をはかることで、各国の効率性を高め、負担を軽減できるよう協力して支援する。
・ 成果を検証し、責任を共有できる領域を増やしていくためにともに学び、説明責任を果たす。

各国政府が優先課題を設定し、実施計画を立て、保健関連のSDGsのターゲット達成に向けて取り組んでいる。Global Action Planに対する各国の要求は大きくなりつつある。「ネパールにとって、保健関連のSDGs達成は重要です。プライマリー・ヘルスケアの強化とエビデンスに基づく計画、意思決定のためのデータ活用は、私たちにとってSDGs達成に向けた二大促進要因です」とネパールのウペンドラ・ヤーダブ副首相はいう。
Global Action Plan,を通し、各機関はSDGsに加え、プライマリー・ヘルスケアに関するアスタナ宣言やニューヨークで今週、開かれたユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する国連総会ハイレベル会合での合意など各国の国際公約実現を支援していく。
 ドイツ、ガーナ、ノールウェーの呼びかけにこたえ、The Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being for Allは、保健関連のSDGs達成に向けたグローバルヘルス分野の国際機関による協力の効果を高めるために、WHOが調整役となりアントニオ・グテーレス国連事務総長の支援を得てまとめられた。計画に署名をした12機関は以下の通り。
 Gavi、The GFF、the Global Fund、UNAIDS、UNDP、UNFPA、UNICEF、UNITAID、UN Women、World Bank Group、WFP、WHO。

編集者への注
 以下の12機関幹部の談話をお使いいただけます。

セス・バークリー GAVI、ワクチンアライアンス代表
「Gaviが2000年以降7億5000万人ものこどもたちにワクチンを提供するという極めて大きな成果を上げてこられたのは、12の国際機関の多くと協力して活動してきたからです」とセス・バークリー博士はいう。「パートナーシップを強化すれば、さらに大きな成果を上げられることは分かっています。しかし、まだアクセスがないこどもたちにワクチンを届けるには、なすべきことがいかに多く残されているかということも同時に分かっているのです。より広範なプライマリー・ヘルスケアとユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するには、協力のあり方がテコの役割を果たすのです。新計画の重要性は、すべての人にのよりよい健康と福祉を実現する条件を生み出すために、グローバルヘルス分野の最も大きなプレーヤーが集まり、協力する点にあります」

グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)ディレクター、ムハマド・アリ・パテ博士
 「グローバル・ファイナンシング・ファシリティがGlobal Action Planを支持するのは、各国レベルでの協力が必要なこと、そしてそれぞれの国のニーズと優先度にしたがって始めなければならないことを認識しているからです。協力には2つの目的があります。最も取り残されている人への取り組みを強化すること、そして開発機関としてのすべての支援がそれぞれの国の保健と資金確保のシステムの強化につながることです」

 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)、ピーター・サンズ事務局長
 「私たちの立場ははっきりしています:グローバルファンドはパートナーシップであり、パートナーたちとのより良い協働・協調はより大きなインパクトを生み出すことができる」とピーター・サンズ事務局長はいう。「Global Action Planの実現にむけて、自らの役割を果たしていきます」

UNAIDSのグニラ・カールソン事務局長代行
 「The Global Action Planは世界中でコミュニティ主導の対策に投資を拡大していかなければなりません。コミュニティが力をつければ、結果はついてくるからです。エイズ対策では、コミュニティの参加と自立が、HIV予防と治療サービスへの理解を広げ、スティグマと差別を減らし、人権を守る結果につながっています。コミュニティを力づけることが、すべての人の健康状態改善の努力の中心です」

国連開発計画(UNDP)、アヒム・シュタイナー総裁
 「The Global Action Planはシステム全体にまたがるパートナーシップです。各国が持続可能な開発のための2030アジェンダに向けた成果を加速させ、すべての人に健康と福祉をという約束の実現を果たすことが可能になります」

国連人口基金(UNFPA)、ナタリア・カネム事務局長
 「保健システムがすべての女性と若者に対し、性と生殖に関する保健サービスを確実に提供することは、生涯にわたる健康と福祉を実現するための重要な要素です。この計画は、各国のニーズと優先順位にあわせ、すべての人がサービスを利用できるようにする新たな協力手法で、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジをユニバーサルに普及させるための私たちすべてのロードマップです」

国連児童基金(UNICEF)、ヘンリエッタ・フォア事務局長
 「脆弱な立場に置かれている何百万ものこどもと若者が、薬や保健サービスを望みながら得ることができずに亡くなっています。プライマリー・ヘルスケアの強化は、そのこどもたち一人一人にサービスが届けられるようになることを意味しています」とUNICEFのヘンリエッタ・フォア事務局長はいう。「政府やパートナーとともにいつかこのゴールが現実のものとなる日まで、力を合わせていくことを約束します」

Unitaidのレリオ・マルモラ事務局長
 「イノベーションがグローバルヘルスの目標達成のカギを握っています。協力し、互いに励ましあって、新しい考え方を生み出し、現場の課題を克服していきましょう」とレリオ・マルモラ事務局長はいう。「the Global Action Planによって私たちの活動の成果はより大きなものになります」

国連女性機関(UN Women)、プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長
 「私たちは2030年までに、より多くの女性と女児が自らの体と健康、将来について、十分な情報を得たうえで自ら決定し、生殖と母性保健サービスへのアクセスを得られるようになることを求めています。彼女たちは、いかなるかたちの暴力を受けることなく、差別的でない法律により、安全に生き生きと暮らしていくべきなのです。The Global Action Planはジェンダーの内実を変えていくような行動のロードマップになるでしょう」

世界銀行グループのアネット・ディクソン副総裁
 「保健への投資は、各国の人材資本確保に極めて有効だと思います。とりわけ国内レベルでは、パートナー国と協力し、責任をもって取り組むことで、すべての人の健康と機会の平等に向けた成果を高めることができます」

世界食糧計画(WFP)、デビッド・マルドロー・ビーズリー事務局長
 「人びとが健康でいられることを助けるサービスへのアクセスがなければ、飢餓のない世界は実現しません。これらのゴールは手を携えていかなければ達成できないのです。健康で栄養も豊かな世界に向かって、世界食糧計画が各国政府やパートナーと協力するのはこのためです」

世界保健機関(WHO)事務局長、テドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士
 「タイトルの‘Stronger Collaboration, Better Health’には理由があります」とWHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士は語る。「協力は手段であり、目指すのはその結果です。計画の発表はその始まりであり、終わりではありません」と彼は付け加えた。



Multilateral agencies launch a joint plan to boost global health goals
NEW YORK, 24 September 2019—Today at the United Nations General Assembly, 12 multilateral agencies launched a joint plan to better support countries over the next 10 years to accelerate progress towards the health-related Sustainable Development Goals (SDGs).
Developed over 18 months, Stronger Collaboration, Better Health: Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being for All outlines how a dozen multilateral health, development and humanitarian agencies will collaborate to be more efficient and provide more streamlined support to countries to deliver universal health coverage and achieve the health-related SDG targets.
Healthy people are essential for sustainable development and for ending poverty, promoting peaceful and inclusive societies as well as protecting the environment. Over the last few decades, significant gains have been made in key areas of health, but the 2030 targets will not be met without redoubled efforts.
“The plan is called, ‘Stronger Collaboration, Better Health’ for a reason,” said Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director-General of WHO. “Although collaboration is the path, impact is the destination. The release of this plan is the beginning, not the end, of that path.”
Universal health coverage is key to meeting the health-related goals and addressing health inequities. If trends continue, only up to 5 billion of the world’s population will be covered by essential health services in 2030, as highlighted in the Universal Health Coverage: Global Monitoring Report, released last week by WHO. To leave no one behind, countries need to address health inequities. Improved collaboration and coordination can help countries tackle complex health challenges and bring innovative solutions.
Together, the 12 agencies contribute nearly one-third of all development assistance to health. Under the Global Action Plan, the agencies commit to strengthening their collaboration to:

・Engage with countries better to identify priorities, plan and implement together;
・Accelerate progress in countries through joint actions under 7 accelerator themes, which represent common challenges for many countries and where the agencies’ mandates, expertise and resources offer solutions, namely: 1) Primary health care 2) Sustainable health financing 3) Community and civil society engagement 4) Determinants of health 5) Innovative programming in fragile and vulnerable settings and for disease outbreak responses 6) Research and development, innovation and access, and 7) Data and digital health. They will also work together to advance gender equality and support the delivery of global public goods;
・Align by harmonizing their operational and financial strategies and policies in support of countries to increase efficiency and reduce the burden on countries; and
・Account, by reviewing progress and learning together to enhance shared accountability.

Governments are setting priorities, developing implementation plans and intensifying efforts to achieve the health-related SDG targets. Demand from countries for the Global Action Plan is growing. “Achieving the health-related SDG goals is key for Nepal. Strengthening primary health care and enhancing data utilization for evidence-based planning and decision-making are two accelerators that will help bring us closer to achieving the SDG goals,” said Deputy Prime Minister of Nepal, Mr Upendra Yadav.
Through the Global Action Plan, the agencies will help countries deliver on international commitments in addition to the SDGs, such as those made in Astana on primary health care and at the UN General Assembly High-level Meeting on Universal Health Coverage this week in New York.
Coordinated by WHO, the Global Action Plan for Healthy Lives and Well-being for All, is in response to a call from Germany, Ghana and Norway, with support from the United Nations Secretary-General, Antonio Guterres, for more effective collaboration and coordination among global health organizations to achieve the health-related SDGs. The 12 signatory agencies to the plan are Gavi, The GFF, the Global Fund, UNAIDS, UNDP, UNFPA, UNICEF, UNITAID, UN Women, World Bank Group, WFP and WHO.

NOTES TO EDITORS
Quotes from the 12 Principals are available below

Seth Berkley, Chief Executive Officer - GAVI, the Vaccine Alliance
“Gavi has only been able to achieve the extraordinary impact of vaccinating over three-quarters of a billion children since 2000 by working together with many of the 12 agencies as an Alliance,” said Dr Seth Berkley, CEO of Gavi, the Vaccine Alliance. “We know how much can be achieved with strong partnerships, but also how much potential there is to do more together and reach those who don’t have access to health. The right collaboration can become a lever for wider primary health care and, by extension, universal health coverage. That is why this new plan is so important, bringing together some of the biggest players in global health to create the conditions for better health and well-being for all.”

Dr Muhammad Ali Pate, Director - The Global Financing Facility for Women, Children and Adolescents (The GFF)
“The Global Financing Facility supports the Global Action Plan because it recognizes that collaboration needs to take place at the country level and must start from a country’s specific needs and priorities. Our collaboration should have two aims: accelerating progress for those left furthest behind and ensuring that all our support as development agencies is to countries to strengthen their own health and financing systems.”

Peter Sands, Executive Director - Global Fund to Fight AIDS, TB and Malaria (The Global Fund)
“Our calculus is simple: the Global Fund is a partnership, and the better we collaborate and coordinate with partners, the more impact we can have,” said Peter Sands, Executive Director of the Global Fund. “We are committed to playing our part in making the Global Action Plan a reality.”

Gunilla Carlsson, Executive Director a.i. - The Joint Programme United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS)

“The Global Action Plan must lead to greater investment in community-led efforts across the world because when communities are empowered, results follow. In the AIDS response, community engagement and ownership have resulted in an increase in the uptake of HIV prevention and treatment services, a reduction in stigma and discrimination and in the protection of human rights. Empowering communities will be central to achieving good health for all.”

Achim Steiner, Administrator - United Nations Development Programme (UNDP)
“The Global Action Plan is the kind of system-wide partnership that can help countries to accelerate progress on the 2030 Agenda for Sustainable Development and realize the promise of health and well-being for all.”

Natalia Kanem, Executive Director - United Nations Population Fund (UNFPA)
“Ensuring that health systems can deliver sexual and reproductive health services to all women and young people is integral to ensuring good health and well-being across the life course. The Plan is our collective roadmap for putting the 'universal' in universal health coverage by working together in new ways, aligned with countries' needs and priorities, to make these services accessible to all."

Henrietta Fore, Executive Director - United Nations Children's Fund (UNICEF)
“Millions of vulnerable children and young people are dying for want of medicines and health services. Strengthening primary health care means improving our ability to reach every last child,” said Henrietta Fore, UNICEF Executive Director. “We are committed to working together with governments and partners to make sure that this goal becomes a reality one day.”

Lelio Marmora, Executive Director - Unitaid
“Innovation is key to reaching global health goals. Working together, we inspire each other, we spark new ideas, and we align our efforts to overcome challenges on the ground,” Unitaid Executive Director, Lelio Marmora said. “With the Global Action Plan our work stands to make a greater impact.”

Phumzile Mlambo-Ngcuka, Executive Director - The United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women (UN Women)
“By 2030 we want to see more women and girls with informed decision-making and control over their bodies, their health and their futures, and with access to reproductive and maternal health services. They should be living securely and prospering, free from any form of violence and benefiting from non-discriminatory legislation. The Global Action Plan can serve as a road map for collective gender-transformative action to make this a lasting reality.”

Annette Dixon, Vice President, Human Development - World Bank Group
“We see investments in health as vital for countries to build their human capital. By working better together with partner countries and holding ourselves accountable, especially at the country level, we will be able to accelerate progress towards health and equal opportunity for all.”

David Muldrow Beasley, Executive Director - World Food Programme (WFP)
“We won’t have a world without hunger unless people can get access to the services that help them get healthier. These goals go together, hand in glove. That’s why the World Food Programme is committed to working with governments and our partners around the world to make more progress toward a healthier, well-fed world.”

Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director-General - World Health Organization (WHO)
“The plan is called ‘Stronger Collaboration, Better Health’ for a reason,” said Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director-General of the WHO. “Although collaboration is the path, impact is the destination. The release of this Plan is the beginning, not the end, of that path,” he added.

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