トランプ大統領の米国内エイズ終結10年計画に対するIAS声明

(解説)米国のドナルド・トランプ大統領が一般教書演説で明らかにしたHIV/エイズの新たな国内戦略について、国際エイズ学会(IAS)も2月6日付で声明を発表しました。日本語に仮訳したその要旨です。原文(英文)はIAS公式サイトでご覧ください。
https://www.iasociety.org/The-latest/News/ArticleID/217/IAS-statement-on-President-Trump’s-announcement-of-10-year-plan-to-end-AIDS-in-the-US


トランプ大統領の米国内エイズ終結10年計画に対するIAS声明

 国際エイズ学会(IAS)は米国のドナルド・トランプ大統領が一般教書演説で「米国内のHIV流行を10年以内になくす(eliminate)」という大胆な目標を明らかにしたことを歓迎する。大統領の一般教書演説の後、保健福祉省は5年以内に米国内の新規HIV感染を75%減らし、さらに10年以内には少なくとも90%減らすという目標について詳しく説明するファクトシートを発表した。
 「現在の予防と治療のツールがあれば、ターゲッのは達成は可能だが、米国政府が十分な資金を投入して対策に取り組む必要があります」とIASのケビン・オズボーン事務局長は語る。「保健医療へのアクセスを妨げるスティグマや差別、社会的な不平等を含めたHIVの拡大要因を認識し、それに対応しなければ、ゴールに到達することはできません」
 米国は長期にわたり、とりわけ大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)を通じ、HIV医科学研究および世界的なHIV対策のリーダーであり続けてきた。PEPFARは昨年12月に第3期計画が承認されたところである。米国のコミットメントは、富裕国であっても流行は終わったわけではないこと、そしてHIV/エイズ分野における米国のリーダーシップが世界の対策には不可欠であることを改めて確認している。
 私たちは米国のコミットメントを称える。ただし、大統領の宣言が、トランスピープルやより広範なLGBTQのコミュニティ、注射薬物使用者、有色人種、難民、セックスワーカー、および女性の権利を直接的に攻撃するような政策やレトリックとの間に齟齬が生じるものであることもまた認識しておかなければならない。
 こうした不均衡の是正に必要なのは、治療や予防のプログラムだけではない。米国の新戦略が成功するには、トラスピープルに対する軍勤務の禁止やLGBTQに対する公的な保健、社会保障サービスの廃止など、スティグマや社会的不公正、ジェンダーによる不公正を助長する有害な政策を米国の議会と政府が見直す必要がある。
 この新たなターゲットは強力な遺産を基礎に設定されている。PEPFARの創設を最初に明らかにしたのは2003年のジョージ・ブッシュ大統領による一般教書演説であり、このプログラムは米国の超党派政策の最も偉大な成功事例のひとつとなった。それに先立ち1990年にはブッシュ大統領が、ライアン・ホワイト包括的エイズ緊急資金(CARE)法を成立させ、HIVとエイズに影響を受け、医療に欠ける人たちや家族に質の高いケアを提供できるようにすることを目指している。バラク・オバマ大統領は、Affordable Care Act(患者保護および医療費負担適正化法)で医療保健対象外だった何百万というアメリカ人の医療カバーにおける障壁を取り除いた。
 第23回国際エイズ会議(AIDS2020)は2020年7月にサンフランシスコとオークランドで開催される。米国内および世界的な戦略を検証する重要なプラットフォームになるであろう。アクティビズムと政治のリーダーシップ、HIV科学とコミュニティ参加の首都であるベイエリアでAIDS2020を開催することは、私たちの目標達成を妨げている根本原因のいくつかを解決するための強力なプラットフォームを築くことになる。
 国内および世界でこの流行を終結に導くために、米国は最も高いレベルで、継続的にHIVと取り組み続けなければならない。

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