米HIV/エイズ国家戦略:2020年に向けた更新版 その1


(解説)米国の国家HIV/エイズ戦略が5年ぶりに改定されました。新しい戦略に関するホワイトハウス発表の7月30日付ファクトシート『FACT SHEET: The National HIV/AIDS Strategy: Updated to 2020』の日本語仮訳です。
 最初の国家HIV/エイズ戦略については2010年7月13日の発表時のプレスリリースの日本語仮訳がHATプロジェクトに載っているので、参考までに紹介しておきます。
《米国が国家HIV/エイズ戦略(NHAS)を発表》
http://asajp.at.webry.info/201007/article_3.html

 更新版は2020年に向けた今後5年間の戦略で、これまでの治療や政策面での成果を踏まえ、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が90-90-90目標として打ち出しているカスケード対策とほぼ同じ目標に向けて検査や治療、ケアの普及を強く推進する意思が明確に示されています。HIVに感染している人のうち90%は自らのHIV感染を知り、そのうちの90%は抗レトロウイルス治療を受け、さらにそのうちの90%は治療継続の成果として体内のHIV量の抑制状態が維持されているという目標ですね。
 この目標が達成できれば、HIVに感染している人の73%は治療継続により、自ら健康状態を良好に保ち、なおかつ他の人へのHIV性感染のリスクも大幅に低下することができる。したがって、HIV新規感染も大幅に減少することになる・・・というのが戦略の大きな構図ですね。
 また、治療研究の進歩を踏まえ、HIV感染が判明した人は可能な限り早期に抗レトロウイルイス治療を開始すべきであるとの考え方も示されています。

    ◇

ファクトシート:米HIV/エイズ国家戦略:2020年に向けた更新版
 2015年7月30日、ホワイトハウス 報道官室
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2015/07/30/fact-sheet-national-hivaids-strategy-updated-2020

 オバマ大統領は本日、国家HIV/エイズ戦略の2020年向けた更新版に関する大統領令に署名を行った。この更新版戦略は、米国が今後5年間、国家としてHIV分野に取り組むうえでの原則と政策としての優先順位を示している。

 大統領は2010年に最初の包括的国家HIV/エイズ戦略を策定した。HIVに関する米国内の議論のあり方を大きく変えるもので、現場におけるHIV予防とケアのサービス提供を優先策としてとらえ、HIV陽性者が積極的に治療やケアを利用できるよう医療およびその関連サービスの提供体制を整えてきた。

 更新版戦略は2010年以降の成果と教訓を踏まえてまとめられた。2020年に向けた戦略でも、初期ビジョンと以下の主要4目標は引き続き保持していく。

・ 目標1:HIV新規感染を減らす
・ 目標2:ケアへのアクセスを拡大し、HIV陽性者の健康状態を改善する
・ 目標3:HIV関連および保健医療の格差を縮小する
・ 目標4:国としてより調和の取れた対策を実現する




FACT SHEET: The National HIV/AIDS Strategy: Updated to 2020
   July 30, 2015. The White House Office of the Press Secretary
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2015/07/30/fact-sheet-national-hivaids-strategy-updated-2020

Today, President Obama signed an Executive Order releasing the National HIV/AIDS Strategy: Updated to 2020, detailing principles and priorities to guide our collective national work to address HIV in the United States over the next five years.

In 2010, the President launched the nation’s first comprehensive National HIV/AIDS Strategy. The Strategy has changed the way the American people talk about HIV, prioritize and organize HIV prevention and care services locally, and deliver clinical and other related services that support people living with HIV and encourage their engagement in treatment and care.

This updated Strategy reflects the accomplishments and the lessons learned since the original Strategy was released in 2010. Looking ahead to 2020, this Update retains the Strategy’s original vision and four main goals:

•Goal 1: Reducing New HIV Infections
•Goal 2: Increasing Access to Care and Improving Health Outcomes for People Living with HIV
•Goal 3: Reducing HIV-related Disparities and Health Inequities
•Goal 4: Achieving a More Coordinated National Response

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック