TOP-HAT News第70号(2014年6月)



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        第70号(2014年6月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに メルボルン宣言『誰も置き去りにはできない』

2  AAAが啓発ポスター

3 第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭

4 国連事務総長報告『エイズ流行の終結に向けて:2015年目標の達成とポスト2015時代への展望』

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1 はじめに メルボルン宣言『誰も置き去りにはできない』
オーストラリアのメルボルンで7月20日に開幕する第20回国際エイズ会議に先立ち、会議の組織委員会が「メルボルン宣言」を発表しました。『Nobody left behind(誰も置き去りにはできない)』と題された宣言は、世界の研究者やエイズ対策関係者から広く賛同の署名を募ったうえで、会議開催期間中に公式宣言として採択される予定です。

 2年ごとに開催される国際エイズ会議は、HIV/エイズ分野で最大の専門家機関である国際エイズ学会(IAS)が開催国の地元組織委員会の協力を得て主催し、世界中から2万人前後の医師や研究者、エイズアクティビスト、行政官らが参加する巨大会議です。最近は会議開催時点での重要課題をメッセージとして取り上げ、宣言のかたちで広く世界に発信するようになりました。たとえば、2010年の第18回ウィーン会議ではWar on Drug(麻薬戦争)アプローチではなく、「科学的根拠に基づく薬物政策」を世界に要請するウィーン宣言が発表され、2万人以上の署名を集めています。

また、2年前の第19回ワシントン会議では『TURNING THE TIDE TOGETHER: A DECLARATION TO END THE AIDS EPIDEMIC(力を合わせて流れを変えよう:エイズ流行の終結に向けた宣言)』がタイトルでした。治療の進歩を背景に「この会議がエイズ流行の終わりの始まりになる」ということを強く印象づけたいとする開催国・米国の意向が反映された宣言といえそうです。

 今回のメルボルン宣言も、治療の進歩がエイズの流行を克服するための大きな力になるとの認識がベースになっていますが、医学だけでは問題は解決しませんよという点にメッセージの力点が置かれています。エイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクトのブログには宣言の日本語仮訳が掲載されているので、ちょっと見てみましょう。
 http://asajp.at.webry.info/201405/article_8.html

《弱い立場の人たちのHIVに対する脆弱性をより深刻化させるような政策や行為につながる差別的な法執行、および差別的で有害な立法が続いていることに対し、私たちは重大な懸念を共有しています。こうした法律や政策は、社会から排除されがちな人たちに対する過激な暴力を扇動し、偏見を助長し、HIV対策を妨害するものであり、社会正義や平等、人権の実現を阻み、HIV陽性者やHIV感染の高いリスクにさらされている人たちの保健へのアクセスを妨げるものです》

 宣言の中のこうした記述は、世界各地で性的少数者を犯罪者として扱う立法や政策、法執行がなされる事例が相次いで報告されていることへの憂慮と危機感が強く表明されています。たとえば昨年12月にはインド最高裁が同性愛行為を犯罪とする刑法に合憲の判断を示し、今年に入ってからはナイジェリアとウガンダでこれまで以上に厳しい罰則を定めた反同性愛法が成立しました。

医学研究の成果を予防対策や治療の普及につなげることはいま、世界でも、日本国内でも、共通の重要課題です。しかし、医学だけでその課題に対応することはできません。わが国のエイズ対策の基本的考え方をまとめたエイズ予防指針の中で、個別施策層への配慮の必要性が繰り返し指摘されてきたのもこのためでした。メルボルン宣言は、この点を改めて確認するメッセージでもあります。



2  AAAが啓発ポスター
 音楽業界を中心に1993年からコンサートなどのエイズ啓発運動を続けているAAA(Act Against AIDS)が、2014年版「エイズ知識啓発ポスター」を作成しました。AAAの公式サイトにアップされているので、ご覧ください。
 http://www.actagainstaids.com/document/

6枚組で、サイズはB2判(縦75センチ、横55センチ)。学校の文化祭や学園祭、授業、イベントなどで幅広く活用してもらうため、貸し出しも行っています。

今年は学校関係者以外のエイズ啓発素材の貸し出しに関する問い合わせ、申込みについてはエイズ予防財団が担当しています。学校関係者からの問合せ、申込み先はこれまで通りAAA運営事務局です。詳細はAAA公式サイトをご覧ください。
 http://www.actagainstaids.com/



3  第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)をテーマにした内外の最新作を集め、第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が東京・渋谷のユーロスペースと南青山のスパイラルホールの2会場で開かれます。開催期間は以下の通りです。
ユーロスペース  7月12日(土)~18日(金) (注:レイトショーのみ)
スパイラルホール 7月18日(金)~21日(月・祝)
上映作品と上映スケジュールは映画祭の公式サイトをご覧ください。
  http://tokyo-lgff.org/2014/


4 国連事務総長報告『エイズ流行の終結に向けて:2015年目標の達成とポスト2015時代への展望』
 国連の潘基文事務総長が、世界のHIV/エイズ対策の現状をまとめた報告書『エイズ流行の終結に向けて:2015年目標の達成とポスト2015時代への展望』を国連総会に提出しました。2011年の国連エイズ特別総会ハイレベル会合で採択された政治宣言に基づき、毎年提出が義務づけられている報告書です。今年はMDGs(国連ミレニアム開発目標)達成年(2015年)の前年であり、事務総長報告の中でも、ポスト2015の新たな開発目標の中にエイズ流行の終結を優先課題として盛り込む必要があることが強調されています。

ポスト2015の開発目標については、いままさに国連で枠組みをめぐる議論が進められており、この時期に国連事務総長が総会に提出した公式レポートの中で、あえてこうした指摘に踏み込んでいる点には注目すべきでしょう。報告書のサマリー(要約)部分の日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されています。報告書の日付は4月2日になっていますが、実際の発表は6月6日でした。
http://asajp.at.webry.info/201406/article_1.html


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