ウガンダの重要なHIV研究施設に対する警察の手入れを非難 国際エイズ学会(IAS)


(解説)ウガンダのHIV/エイズ対策の拠点研究機関であるマケレレ大学ウォルター・リード・プロジェクト(MUWRP)が4月3日、警察の手入れを受け、スタッフ1名が一時、拘束されました。国際エイズ学会(IAS)の非難声明によるとウガンダ警察当局はプロジェクトが「同性愛者を募って不道徳な研究を進めている」として手入れを行ったということです。
 ウガンダには以前から反同性愛法があり、今年2月24日にはさらに罰則を厳しくした新しい法律が成立しました。新反同性愛法のもとでは、同性愛行為を繰り返す者は終身刑、同性愛の関係を「援助または扇動」する者も懲役7年の刑を受ける恐れがあります。一方で、ウガンダはIASの前理事長エリ・カタビラ博士や昨年の野口英世アフリカ賞の受賞者アレックス・コウティーノ博士らHIV/エイズ対策分野の優秀な研究者も多く、HIV陽性者やエイズの流行に大きな影響を受けている人たちと研究者が協力してエイズ対策に輝かしい成果をあげた国でもあります。そうした国において効果の高いエイズ対策の遂行を妨げるような逆行した政策を政府がとっていることへのIASの懸念は大きく、今回もすかさず非難の声明を発表することになったようです。MUWRPの活動一時停止のお知らせとIASの非難声明の日本語仮訳です。



マケレレ大学ウォルター・リード・プロジェクトの一時活動停止のお知らせ
http://www.muwrp.org/
2014年4月3日(木)、ウガンダのカンパラにあるマケレレ大学ウォルター・リード・プロジェクト (MUWRP) のオフィスでウガン人スタッフが警察に拘束されました。このスタッフは同日中に釈放されています。私たちは警察とともに拘留時の状況について調査しているところであり、警察の行動の法的根拠が明確になるまで、スタッフとプログラム運営の安全を確保するため活動を一時、中断します。なお、MUWRPの患者に対しては、ケアが中断することのないよう業務を続けています。報道関係の問い合わせはウガンダの米国代表部広報担当にお願いします。

Temporary Suspension of Activities
On Thursday, April 3, 2014, a Ugandan citizen employed at the Makerere University Walter Reed Project (MUWRP) was taken into custody by police at the project’s offices in Kampala. The individual was released without charge the same day. We are working with police to understand the circumstances under which this person was detained. Until we have greater clarity as to the legal basis for the police action, the operations of the program are temporarily suspended to ensure the safety of staff and the integrity of the program. We are working directly with the patients of MUWRP to ensure there is no interruption in their care. Press inquiries should be directed to the U.S. Mission to Uganda’s Public Affairs sections.



ウガンダの重要なHIV研究施設に対する警察の手入れを非難 国際エイズ学会(IAS)
http://www.iasociety.org/Web/WebContent/File/Uganda_raid_statement_7_April_2014.pdf
【2014年4月7日(月)、スイス・ジュネーブ】HIV分野の世界最大の独立専門家機関である国際エイズ学会(IAS)は、ウガンダ当局が4月3日、重要なHIV研究施設であるマケレレ大学ウォルター・リード・プロジェクトに対し手入れを行ったことを強く非難する。手入れの際にプロジェクトのスタッフ1名が逮捕され、後に釈放された。ウガンダ当局は、不当にもプロジェクトのセンターが同性愛者を募って不道徳な研究を進めているとして手入れを行った。

 ウガンダおよび世界がこれまで、HIVとの闘いで目覚ましい成功を収めてきたのは、研究者とHIV陽性者、政治やコミュニティの指導者、保健医療従事者、政府などが協力して対策に取り組んできたからである。エイズを克服するには、HIV研究も予防も治療も含め、すべての対策が、最も大きな影響を受けている人たち、最も弱い立場に置かれている人たちに焦点をあてて取り組んでいく必要があることは、すでにはっきりしている。

 ウガンダ政府は重要なHIV研究に取り組む人たち、予防や治療のサービスを提供する人たち、そしてそのサービスを受ける人たちの基本的な法的権利を尊重し、守っていくべきである。また、安心して働ける環境を整え、脅されたり、不安を感じたりせずに自由に業務を遂行できるよう、HIV専門家を支援すべきである。当局が迫害したり、サービスを必要とする人に対する偏見を助長したり、必要不可欠なサービスの提供を制限したりしてはならないのだ。


The International AIDS Society condemns raid on key HIV research facility in Uganda
Monday, 7 April 2014 (Geneva, Switzerland) —The International AIDS Society (IAS), the leading independent global association of professionals working in HIV, strongly condemns the raid carried out by the Ugandan authorities on the Makerere University Walter Reed Project, a key HIV research facility, on April 3. During the raid one staff member was arrested and later released. The authorities alleged, incorrectly, that the centre was carrying out unethical research and recruiting homosexuals.

The remarkable success so far achieved in the fight against HIV in Uganda and the world is because of the combined efforts of researchers, people living with HIV, political and community leaders, healthcare workers and governments. It is now well established that all efforts, including HIV research, prevention and treatment must focus on key affected populations and those vulnerable if we are to defeat AIDS.

The Ugandan Government should protect and promote the basic legal rights of those providing much needed HIV research, prevention, treatment and care services and of their clients. It should support HIV professionals by providing healthy and fair conditions of work as well as freedom to carry out their work without fear or intimidation. It must not harass them, stigmatize the people needing their services or restrict their ability to provide essential services.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック