HIV/エイズにレッドカードを 

(解説) 今年の6、7月はサッカーのワールドカップ大会が開催される南アフリカ共和国に世界の注目が集まりそうです。大会そのものの盛り上がりの一方で、治安の悪化などから無事に開けるかどうかという懸念もありますが、そうした懸念を跳ね返してこそ明日への展望も開けるということで、南ア政府は国の威信をかけて警備にあたるでしょうし、国際社会の支援もあるはずです。国際的に大きな関心が高まるこの時期にこそ、南アが世界最大のHIV陽性者人口を抱える国であり、HIV/エイズとの闘いにいま懸命になって取り組んでいることも世界中の多くの人に理解してほしいですね。サッカー好きの日本のサポーターは少々の治安の不安も顧みずに現地に乗り込まれるでしょうから、エイズ対策の方もしっかり見てきてください。よろしくお願いします。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウエブサイトの3月8日付けの特集『南アフリカが普遍的アクセスの達成を約束』を日本語に訳しました。UNAIDSのミシェル・シデベ事務局長、世界エイズ・結核・マラリア対策基金のミシェル・カザツキン事務局長の2人のミシェルが南アを訪れた際の報告です。シデベ氏はこの中で「赤ちゃんのHIV感染がなくなるよう、私たちはエイズにレッドカードを出さなければならない」と語っています。参考までにUNAIDSによると、南アHIV陽性者数は2007年末現在570万人で、このうち女性が320万人を占めています。女性の方が男性より多いんですね。0~14歳の子供の陽性者は28万人。2006年推計では、成人のHIV陽性率は推定18.3%。地域的な格差も大きく、最も高いクワズル・ナタル州では推定39.1%にも達しているということです。



南アフリカが普遍的アクセスの達成を約束 (UNAIDS 2010年3月8日)
 英文は http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2010/20100308_SouthAfrica.asp

 南アフリカはエイズ対策を変更をはかっている。クガレマ・モトランテ副大統領は本日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、および世界基金の事務局長とヨハネスブルグで会談した。副大統領は南アフリカ政府が普遍的アクセスの目標を達成する約束を再確認した。

 「エイズは南アフリカの最優先課題のひとつであり、開発パートナー、市民社会とともに対策に取り組んでいきます」とモトランテ副大統領は語った。

 南アフリカは2010-11年予算で、エイズ対策への国内投資としては途上国最高となる11億ドルを提案した。すでに国内予算による抗レトロウイルス治療の提供を進めており、約210万人のHIV陽性者にアクセスを確保することを目指している。

 「南アフリカでエイズ対策が成功すれば、世界のエイズの流行の軌道を変えることができる」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長は語った。「南アフリカはこの地域における新規感染の防止と治療が必要なすべての人に対する治療の提供をリードしていかなければならない」

 副大統領は会談で地域および世界全体のエイズ対策を支援し、世界基金への資金拠出の必要性を呼びかけることを約束した。世界基金は副大統領に対し、国連の潘基文事務総長が議長を務める予定になっている今年10月の第3回資金補充会議に参加するよう求めた。国際社会がミレニアム開発目標を達成するには、保健と開発分野の投資を持続させることが不可欠である。

 「南アフリカが世界基金の資金獲得を応援してくれることを歓迎する」と世界基金のミシェル・カザツキン事務局長は語った。「治療や予防のサービスを待ち望んでいる何百万もの人を裏切ることはできない」

 一方、UNAIDSは南アに対し、子供のHIV感染予防を世界に呼びかける機会として2010サッカーW杯を活用することを求めた。「次のW杯がブラジルで開催されるときまでにHIVの母子感染をなくすことは可能である」とUNAIDSのシデベ事務局長は言う。「ソエトからリオデジャネイロへ向けて、赤ちゃんのHIV感染がなくなるよう、私たちはエイズにレッドカードを出さなければならない」

 母子保健、結核、HIV、マラリアに関する市民社会代表の会合では、参加者が保健に関する権利の実現に向けて相乗効果が発揮できるアプローチの実現を求めた。最近のエビデンスは多数の母親の死亡がHIVに関連したものであることを示している。南アフリカはHIVと結核関係のサービスを統合して提供する手法のパイオニアだった。そうした手法は、それぞれのサービスを補完するだけでなく、効率性も高めている。南アフリカのリーダーシップは、政治家と市民社会、そして人々が力を合わせて、よりよい変化を生み出そうとしている。



South Africa committed to achieving universal access
8 March 2010
http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2010/20100308_SouthAfrica.asp

South Africa is transforming its AIDS response. Today, the Deputy President
of South Africa HE Mr Kgalema Motlanthe met with Executive Directors of
UNAIDS and Global Fund in Johannesburg. He recommitted his government’s
commitment to meet their universal access targets.

“AIDS is one of the top priorities for South Africa and we will work with
development partners and civil society,” said Deputy President Mr
Motlanthe.

In its annual budget for 2010-2011, the country has proposed a budget of US$
1.1 billion for the AIDS response, the biggest domestic investment in a
developing country. South Africa has recently taken the responsibility of
providing antiretroviral treatment from its own budget and aims to provide
access to nearly 2.1 million people living with HIV.

“A successful AIDS response in South Africa can break the trajectory of the
global AIDS epidemic,” said Mr Michel Sidibé, UNAIDS Executive Director.
“South Africa must lead the region in stopping all new infections and
providing treatment for everyone who needs it.”

At the meeting the Deputy President also pledged to support the regional and
global AIDS response and advocate for a fully funded Global Fund. The Global
Fund also invited the Deputy President to participate in the Third
replenishment conference that will be chaired by the UN Secretary-General
Ban Ki-moon in October this year. Sustaining investments in health and
development are critical if the world has to reach the millennium
development goals.

“We welcome South Africa’s support in fully funding the Global Fund,”
said Dr Michel Kazatchkine, Executive Director. “We cannot afford to let
down the millions who are still waiting to receive treatment and prevention
services.”

UNAIDS also called on South Africa to leverage the upcoming football 2010
FIFA World Cup to mobilise the global community on preventing HIV
transmission to children. “We can eliminate mother to child transmission of
HIV by the time the next World Cup is played in Brazil,” said Mr Sidibé.
“From Soweto to Rio de Janeiro, we have to show the red card to AIDS for
stopping babies from becoming infected with HIV.”

At a separate meeting of civil society representatives working on issues of
maternal health, TB, HIV and malaria, participants urged for a synergetic
approach to ensure that health rights are realised. Recent evidence shows
that many maternal deaths are now associated with HIV. South Africa has
pioneered the integration of HIV and TB services under one roof. Efforts
such as these complement each other as well as increase efficiencies. South
Africa leadership-political, civil society and people are together bringing
about change—for the better.

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