国際エイズ会議(IAS)会見速記録


 国際エイズ学会(IAS)のエリ・カタビラ次期会長、ペドロ・カーン前会長の会見速記録が日本記者クラブのウエブサイトにアップされました。
 http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=445

 治療の普及を予防対策にも生かそうという考え方から、IASでは早期検査、早期治療の必要性ないしは妥当性がさかんに議論されているようです。会見でも早期治療の必要性が強調されていましたが、それと同時にウイーンで今年7月に開催される第18回国際エイズ会議(AIDS2010)のテーマは「Rigts Here, Right Now」であることも紹介されました。人権の尊重がエイズ対策の基本であることはIASが20年の歴史の中で一貫して強調してきたことです。この時期にそれをあえてアピールすることの背景には、検査や治療の普及に伴い、その検査や治療を受ける立場の人の人権にかかわる課題もこれまで以上に強く意識されるようになっているという事情があるのではないかと思います。

 本人の意思に反して検査が行われることがないようにするにはどうしたらいいのか、検査はあくまで検査を受ける人の利益のために行われるべきなのではないか。こうした大前提のもとで「予防としての治療」を進めていくには、検査や治療を受ける人の人権が侵害されないようにするための条件もまた考えていかなければなりません。その一方で、検査のアクセス、治療のアクセスが奪われている人たちにいま、そのアクセスの権利をいかにして確保、ないしは提供していくかという課題もあります。人権などというややこしいことを持ち出すから、検査ができないとか、治療が進まないといった乱暴な議論とはまた異なる観点から、《人権を基盤にしたエイズ対策》と《治療の普及》の関係を考えていく必要があるからこその《Rights Here》であり、いままさに《Right Now》なのでしょう。

 HIV陽性者に対する米国の入国規制が撤廃されたことから、2012年の第19回国際エイズ会議は、米国の首都ワシントンで開催されることが決まりました。その話題の陰にかくれて、ちょっと地味めな印象だった今年のウイーン会議ですが、なかなかスリリングな議論が期待できそうです。AIDS2010のウエブサイト(英文)は http://www.aids2010.org/ でご覧ください。

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