第99回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラムのお知らせ


第99回エイズ&ソサエティ研究会議フォーラム
「検査をめぐる5W1H」

日時:1月28日(木)午後6時半~8時
場所:ねぎし内科診療所
東京都新宿区四谷三丁目9番地 光明堂ビル5階
(地下鉄丸の内線四谷三丁目駅1番出口すぐ)
地図: http://www1.odn.ne.jp/negishi-naika/basho.html
講師:慶應義塾大学医学部 加藤真吾専任講師
会費:1000円(資料代ほか)
お問い合わせは  info@asajp.jp へ。

         ◇

 エイズ対策の中でいま、HIV検査をめぐる様々な議論が巻き起こっています。治療の進歩により、早期にHIV感染を把握することが、感染した人の体調の管理にも、感染の社会的拡大の防止にも、大きな意味を持つことが指摘されるようになりました。この結果、より検査を受けやすい環境を整えることの必要性が、治療と予防の両面からこれまで以上に強調されるようになったのです。

 HIV検査についてはVCT(自発的なカウンセリングと検査)が原則でした。他の人や組織などから強要されることなく、検査を受ける人が自らの意思に基づいて検査を受ける。検査を提供する側は、そのために検査を受けやすい環境を整える。こうしたことが指摘されてきたのは、検査を受ける人の意思を無視して、みんなに(あるいは感染していそうな人には)検査を受けさせようといった議論が過去に存在し、うっかりすると現在も蒸し返されかねないような懸念があるからです。

 一方で、検査を受ける機会を積極的に提供しないのは、感染している人が自らの感染の状態を知り、適切な治療を適切な時期に開始する権利を侵害するものだという考え方もあります。PITC(提供者主導の検査とカウンセリング)が強調されるようになっているのは、そのためでもあります。提供者とはつまり、医療機関あるいは医師と考えていいでしょう。医療機関を訪れた人に医師が積極的に検査を勧めるようにしようという考え方です。

 PITCとも密接に関連して、オプト・アウト検査という手法の是非も検討されています。検査というオプションを示して、希望した人には検査をしましょうというのがオプト・イン、逆に積極的に断る意思を示さない人には全員、検査を提供しましょうというのがオプト・アウトです。多くの人が検査の機会を得られるようにするという観点からは有効な手法と考えられます。ただし、断りにくい雰囲気が存在する環境のもとでは、実質的な強制検査と変わらないことになる可能性もあります。

 PITCとVCTは必ずしも対立するものではなく、これまでのように保健所などに検査窓口を設け、検査にやってくる人を待っているという方法を消極的VCTと位置づけ、医療機関でのPITC、とりわけオプト・アウト方式のPITCを積極的VCTととらえる考え方もあります。なるほどと思える一方で、設定の仕方によっては提供者が積極的になるあまりV(ボランタリー=自発的)の部分がストンと抜け落ちてしまうリスクもはらんでいます。

 予防、治療、ケア、支援の普遍的アクセス実現という現在の世界的なHIV/エイズ対策の目標に照らしても、検査の普及は重要です。ただし、それは無条件で検査をどんどんやればいいということでは必ずしもありません。文章を書くときには、5W1Hが必要ですよとよく言われます。いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)が5W、そして、どのように(How)が1Hです。検査については、一度にすべてを論じ尽くすことはなかなかできません。少し腰を据えて検査のリテラシーを考えてみたいと思います。  (エイズ&ソサエティ研究会議事務局長 宮田一雄)

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