国連エイズ特別総会コミットメント宣言1

(解説)国連エイズ対策レビュー総会政治宣言の参考資料として、2001年6月の国連エイズ特別総会コミットメント宣言の日本語訳(仮訳)を掲載します。国連広報センターの仮訳をベースに(特活)アフリカ日本協議会が報告書作成のために修正を行なったものです。長いので2回に分けます。

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この翻訳は、国連広報センターによる仮訳をベースとして、(特活)アフリカ日本協議会が本件報告書作成のために修正を行った仮訳である。

2001年6月27日
国際連合HIV/AIDS特別総会(2001年6月25日~27日開催)

HIV/AIDSに関するコミットメント宣言
~グローバルな危機・グローバルな行動~

われわれ、国家元首および政府首脳ならびに各国および政府の代表は、国際連合決議55/13に従い、緊急性を要する課題であるHIV/AIDS問題のすべての側面についての検証と実行、および、HIV/AIDSに包括的に対処するための国家・地域および国際的な努力の調整と強化の拡充に関して、責任を伴った地球規模の行動の確保を図ることを目的に、2001年6月25日から27日にかけて開催される第26回国連特別総会において、一堂に会した。

1 われわれは、地球規模の感染症たるHIV/AIDSが、その破壊的な規模と影響により、世界的な緊急事態をもたらしていること、人間の生命と尊厳および人権の実効的な享受への最も困難な課題の一つとなっていること、世界中の社会・経済発展を根底から揺るがし、国内、地域社会、家族および個人など、あらゆる社会形態に影響を与えていることを深く憂慮する。

2 2000年末までに、世界全体のHIV陽性者の総数が3,610万人に達し、そのうちの90%が途上国に、また、75%がサハラ以南アフリカに暮らしていることについて、深い憂慮の念をもって留意する。

3 すべての人間が、富める者も貧しい者も、年齢、性別および人種の差なく、HIV/AIDSの影響を受けていることについて、深刻な懸念をもって留意する。また、途上国の人々がもっとも大きな影響を受けていること、および、女性、青年層(young adults)および子ども、特に女児がもっとも社会的に不利な立場にあることにも留意する。

4 また、HIV/AIDSのさらなる拡大が、われわれが国連ミレニアム特別総会で採択した世界的な開発目標の実現に、深刻な弊害をきたすであろうことを懸念する。

5 以下の文書を通じて行われた、われわれのHIV/AIDSに関するこれまでのコミットメントを想起および再確認する。
* 2000年9月8日の「国連ミレニアム宣言」
* 2000年7月1日の「世界社会開発サミットでなされたコミットメントを実施するための政治宣言、および、一層の行動とイニシアティブ」
* 2000年6月10日の「北京宣言および行動綱領を実施するための政治宣言、および、一層の行動とイニシアティブ」
* 1999年7月2日の「国際人口開発会議の行動計画のさらなる実施に関する主要行動」
* 2001年4月25日の「アジア・太平洋におけるHIV/AIDS対策のための地域的行動呼びかけ」
* 2001年4月27日の「アフリカにおけるHIV/AIDS、結核およびその他の関連感染症対策に関するアブジャ宣言および行動枠組み」
* パナマにおける2000年11月の「イベロアメリカ首脳会議宣言」
* 2001年2月14日の「カリブ海HIV/AIDS対策パートナーシップ」
* 2001年5月14日の「欧州連合行動計画:貧困削減の文脈におけるHIV/AIDS、マラリアおよび結核に関する行動加速化」
* 2000年5月4日の「HIV/AIDS予防に関するバルト海宣言」
* 2001年5月18日の「HIV/AIDSに関する中央アジア宣言」

7 過去20年間に得られた経験と教訓を基礎として、HIV/AIDSに対する緊急の、協調的かつ持続的な対応を確保する必要性を確信する。

8 現在、当該感染症の影響を最も強く受けている地域であるアフリカ、特にサハラ以南アフリカでは、HIV/AIDSによって緊急事態がもたらされ、開発、社会的関係、政情の安定、食料安全保障および平均余命が脅威にさらされ、厳しい経済負担を強いられていること、ならびに、同大陸での深刻な状況によって、緊急かつ例外的な国家・地域および国際の行動が必要とされていることについて、強い懸念とともに留意する。

9 2001年4月のアブジャ特別サミット(Abuja Special Summit)におけるアフリカ各国首脳のコミットメント、特に、各国の年間予算の15%以上を保健部門の改善に充当し、HIV/AIDSへの取り組みを図ることを目標とする誓約を心より歓迎する。また、資源の限られた国々による、目標達成に向けた努力は、国際援助の増大によって補完される必要があることを認識する。
10 また、サハラ以南アフリカに次いでHIV感染率の高いカリブ海地域、HIV陽性者の総数がすでに750万人に達しているアジア太平洋地域、HIV陽性者150万人を抱えるラテンアメリカ地域、および、感染率が急激に上昇している中・東欧地域をはじめ、その他の地域も深刻な影響を受け、同様の脅威に直面していること、ならびに、具体的な措置がまったく講じられなければ、この感染症の影響は世界全体で急速に広まる潜在的可能性があることをも認識する。

11 貧困、低開発および識字率の低い状態(illiteracy)が、HIV/AIDS拡大を助長する主たる要因に含まれることを認識する。また、HIV/AIDSは貧困をさらに悪化させ、多くの国々での発展を後退させ、もしくは阻害しており、総合的な取り組みが必要であることを重大な懸念とともに留意する。

12 武力紛争と自然災害もまた、エイズの流行拡大を助長することに留意する。

13 さらに、偏見(stigma)、沈黙、差別および拒絶、ならびに守秘義務の欠如が、予防、ケアおよび治療の努力を損ない、個人、家族、地域社会および国家に対する影響を増大させるため、これに対する取り組みも行わなければならないことに留意する。

14 ジェンダー平等および女性のエンパワーメントが、女性および少女のHIV/AIDSに対する脆弱性を軽減する上で根本的な要素であることを強調する。

15 HIV/AIDSなどの地球規模感染症との関連において、医薬品が、到達可能な最高水準の身体と精神の健康を享受するという各人の権利の完全な実現を段階的に達成するための根本的要素の一つであることを認識する。

16 すべての人々の人権と基本的自由の完全な実現が、予防、ケア、支援および治療の分野を含め、HIV/AIDSに対する世界的な対応に不可欠な要素であること、また、それがHIV/AIDSに対する脆弱性を低め、HIV陽性者あるいは高い感染可能性とともにある/に直面する人々に対するスティグマおよび関連する差別を防ぐことを認識する。

17 HIV感染の予防が、当該感染症に対する国内・地域および国際的な対応の中心とならなければならないこと、ならびに、HIV陽性者およびHIVの影響を受ける人々を対象とした予防・ケア・支援および治療が、効果的な対応における相互補完的な要素であり、その拡大に対処するための包括的なアプローチに組み込まれなければならないことを認識する。

18 当該感染症の拡大を食い止めるため、本件宣言に定める予防に関する目標を達成する必要性を認識する。また、すべての国々が、教育を通じた啓発キャンペーン、栄養の供給、情報の提供および健康管理サービスを含め、広範かつ実効的な予防を継続して強調しなければならないことを認識する。

19 ケア、支援および治療は、自発的かつ匿名性を守ったカウンセリングと検査(voluntary and confidential counseling and testing)の受容を拡大することを通じて、また、HIV陽性者および脆弱性を抱える人口集団(vulnerable groups)と保健システムとの緊密な接触をはかること、および、情報、カウンセリングおよび予防へのアクセスの促進をはかることにより、実効的な予防に貢献できることを認識する。

20 各国がもつ多様性、および、あらゆる人権と基本的自由を尊重することの重要性を考慮しつつ、HIV感染の予防・治療・ケアおよび支援に関して、文化・家族・倫理および宗教的な要因が重要な役割を果たすことを強調する。

21 意識向上、教育、予防、ケア、治療および支援に向けた努力を阻害する経済的、社会的、文化的、政治的、財政的および法的な要素が存在することを懸念とともに留意する。

22 予防、治療、ケアおよび支援サービスの実効的な実施に不可欠な条件として、人材および国内の保健・社会基盤を整備、強化することの重要性に留意する。

23 効果的な予防・ケア・治療戦略において、行動変容、ワクチン、コンドーム、マイクロビサイド、潤滑剤、無菌の注射器、抗レトロウイルス療法を含む医薬品、診断および関連技術の利用可能性と、これに対する差別のないアクセスの拡大、さらには、研究開発の拡大が必要であることを認識する。

24 また、医薬品および関連技術の費用の面での利用ならびに入手の可能性は、そのすべての側面において、再検証と取り組みが必要な課題であり、民間セクターおよび製薬企業との緊密な連携により、これら薬物と技術の費用を引き下げる必要性があることについても認識する。

25 利用可能な医薬品の欠如、供給システムの不全、保健システムの欠如は、多くの国々において、特にもっとも貧しい人々にとっての実効的なHIV/AIDS対策を阻害し続けていることを認識し、困窮した人々に安価な薬を提供する努力を喚起する。

26 国民の健康を守る医薬品へのアクセスを改善するため、国際法に基づく制度刷新と国内産業の育成を図ろうとする各国の努力を歓迎するとともに、必須医薬品に対するアクセスと、医薬品の現地製造および新薬の開発に関する国際的な貿易協定等の影響について検討する必要があることに留意する。

27 地域社会の指導者を含めた最高レベルの強力な政治的コミットメントとリーダーシップ、入手可能な資源と伝統的な医薬品の効果的な利用、予防・ケア・支援および治療戦略の成功、教育・情報イニシアティブ、地域社会、HIV陽性者および社会的脆弱性を持つ集団とのパートナーシップによる協力、ならびに、人権確立の積極的な推進などによって、複数の国々で実現した成果を歓迎する。また、われわれの集団的かつ多様な経験を、南北の協力、南南協力および三角協力を含めた地域的・国際的協力を通じて共有し、深化させていくことの重要性を認識する。

28 国内・国際レベルの双方においてエイズ対策に活用されている資源は、この問題の規模に対処するうえで不十分であることを認識する。

29 HIV/AIDSへの取り組みに実効的に対処するための国家、地域および準地域レベルの能力強化の基本的な重要性を認識する。また、国家レベルの行動および協力強化、地域・準地域レベルおよび国際協力の増大を通じた人材、資金および技術資源を拡大し維持することの必要性を認識する。

30 対外債務および債務返済問題が、多くの低所得・中所得国および市場経済移行国がHIV/AIDS対策の資金を捻出する能力を大きく制約していることを認識する。

31 異なる文化、社会および政治システムにおいて、多種多様な家族の形態が存在することを考慮するとともに、HIV陽性者およびその影響を受ける人々の予防、ケア、支援および治療に家族が果たす重要な役割を確認する。

32 地域社会が果たす重要な役割に加え、政府、国連システム、政府間機関、HIV陽性者および社会的脆弱性を持つ集団、医療、科学および教育機関、NGO、ジェネリック医薬品または新規医薬品の製造に携わる製薬企業を含む営利セクター、労働組合、メディア、国会議員、財団、地域社会組織、信仰を基礎とする社会事業組織、ならびに伝統的指導者の間の強力なパートナーシップが重要であることを確認する。

33 あらゆる側面からHIV/AIDS問題に取り組む上で、HIV陽性者、青少年および市民社会が果たす特別な役割と多大な貢献を認めるとともに、プログラムの設計、計画、実施および評価に関する、その全面的な関与と参加が、HIV/AIDSへの効果的な対応策の策定に不可欠であることを認識する。

34 さらに、世界中でもっとも影響が大きい地域における、国際赤十字・赤新月社連盟のボランティアをはじめ、当該感染症に取り組む国際人道組織の努力を認識する。

35 HIV/AIDS政策と国連内での調整に関する国連合同エイズ計画(UNAIDS)プログラム調整理事会(Programme Coordination Board)の主導的な役割を賞賛するとともに、2000年12月にその承認を受けた「HIV/AIDSに関する世界的戦略枠組み」Global Strategy Framework on HIV/AIDS が、世界各地における当該感染症の特殊な文脈を考慮しながら、加盟国と関連の市民社会主体が適切な形でHIV/AIDS戦略を策定する援助となりうることに留意する。

36 われわれは、世界の各地域と各国の多様な状況と事情を考慮しつつ、以下に記した行動をとることにより、HIV/AIDSがもたらす危機に責任を持って取り組むことを、ここに厳粛に宣言する。

リーダーシップ

 社会のあらゆるレベルで、強力なリーダーシップは、当該感染症への効果的な対策になくてはならないものである
 HIV/AIDS対策における政府のリーダーシップは不可欠であり、その努力は市民社会、財界および民間セクターの全面的かつ積極的な参加によって補完されるべきである
 リーダーシップには個人的なコミットメントと具体的な行動が伴わなければならない

国家レベルにおいて
37 2003年までに、HIV/AIDS対策のために、以下の内容を含む分野横断的な国内戦略と資金調達計画の策定と実施を確保する。当該戦略・計画は、スティグマ、沈黙および拒絶に正面から取り組むこと、当該感染症のジェンダーおよび年齢に関する側面に取り組むこと、差別と社会的疎外を根絶すること、市民社会と経済界、およびHIV陽性者、社会的脆弱性を持つ集団、女性と若者をはじめとする、最も高い感染可能性に直面している人々の全面的な参加を図ること、国際協力をはじめとするその他の資金源を除外しないものの、できる限り国家予算から資金を調達すること、達成可能な最高水準の身体的・精神的健康に対する権利を含めたあらゆる人権と基本的自由を全面的に推進・保護すること、ジェンダーの観点を包含すること、感染可能性・脆弱性・予防・ケア・治療およびサポート、ならびに、当該感染症の影響軽減に取り組むこと、さらに、保健、教育および法制度がもつ能力を強化することを含むものとする。

38 2003年までに、HIV/AIDSの予防・ケア・治療およびサポート、ならびに、その影響を緩和するための優先課題を、貧困根絶のための戦略、国家予算の配分および分野別の開発計画を含めた開発計画の中心課題に包含する。

地域および準地域レベルにおいて
39 地域的機関およびパートナーに対し、エイズ危機への取り組みに積極的に関与し、地域(regional)、準地域(subregional)ならびに地域間(interregional)の協力と協調を強化し、国内レベルでの努力の拡大を支援する地域的な戦略と対応策を策定するよう求め、また、これを支援する。

40 「アフリカにおけるエイズ対策国際パートナーシップ」(International Partnership against AIDS in Africa)、「ECAアフリカ開発フォーラム合意および行動計画」(ECA-African Development Forum African Consensus and Plan of Action)、「HIV/AIDS克服のためのリーダーシップ」(leadership to overcome HIV/AIDS)、「HIV/AIDS、結核およびその他の感染症対策のためのアブジャ宣言および行動枠組み」(the Abuja Declaration and Framework for Action for the fight against HIV/AIDS, tuberculosis and other related infectious diseases in Africa)、「 カリブ共同体(CARICOM)・汎カリブ海HIV/AIDS対策パートナーシップ」(the CARICOM Pan-Caribbean Partnership against HIV/AIDS)「アジア・太平洋地域におけるHIV/AIDS対策のための国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)地域行動呼びかけ」(the ESCAP regional call for action to fight HIV/AIDS in Asia and the Pacific)、「バルト海イニシアティブおよび行動計画」(the Baltic Sea Initiative and Action Plan)、「ラテンアメリカ・カリブ海におけるHIV/AIDSに関する水平的技術協力グループ」(the Horizontal Technical Cooperation Group on HIV/AIDS in Latin America and the Caribbean)、「欧州連合行動計画:貧困削減の文脈におけるHIV/AIDS、マラリアおよび結核に関する行動の加速化」(the European Union Programme for Action: Accelerated action on HIV/AIDS, malaria and tuberculosis in the context of poverty reduction)など、HIV/AIDSに関するすべての地域的および準地域的なイニシアティブを支援する。

41 HIV/AIDSに取り組む地域的なアプローチと計画の策定を促進する。

42 現地および国内の組織に対し、地域レベルでのパートナーシップ、連合(coalitions)およびネットワークを拡大、強化することを促進し、これを支援する。

43 国際連合経済社会理事会に対し、それぞれの権限および資源の範囲内で、担当地域における各国のHIV/AIDS対策を支援することを地域委員会に要請するよう促す。

世界的なレベルにおいて
44 本件宣言に含まれる原則に沿って、HIV/AIDSに関する国連戦略計画を策定し継続的に更新する。当該戦略計画への全面参加を含め、関連するすべての国連機関による活動の拡大と調整を支援する。

45 関連する国連システム機関とHIV/AIDSに取り組む国際機関の協力の拡大を支援する。

46 官民間の協力強化と革新的なパートナーシップの発展を促進するとともに、2003年までに、民間セクター、市民社会のパートナー、HIV陽性者および社会的脆弱性を持つ集団がHIV/AIDS対策に参画するためのメカニズムを確立・強化する。


予防
予防はわれわれの努力の中心に据えなければならない

47 2003年までに、もっとも被害が深刻な国々における若者と15歳から24歳までの若い男性と女性の間でのHIV感染率(prevalence)を2005年までに25%減少させ、2010年までに全世界でこれを25%減少させるという、国際的に合意された世界的な予防目標を達成する。これらの目標を達成するための取り組みを強化するとともに、成人男性および青少年男性(men and boys)の積極的な参画を促しながら、性差別的なステレオタイプと態度、および、HIV/AIDSに関連するジェンダー不平等に立ち向かうための期限付きの国内目標を確立する。

48 2003年までに、当該感染症と人々の脆弱性の増大につながる要因を認識し、これに対する取り組みを行い、特定の局地的文脈において、HIVの感染率が高い状態にあるか、もしくは上昇している集団、もしくは、入手できる公衆保健情報によって、新規感染の可能性が最も高いことが判別されている集団について、HIV感染を減少させるための国内予防目標を確立する。

49 2005年までに、公共、民間および非正業(informal)の労働部門における予防およびケア・プログラムの確立により、労働界におけるHIV/AIDS対策を強化するとともに、HIV陽性者にとって支援的な職場環境を整備するための措置を講じる。

50 2005年までに、保健および社会サービスに関する情報提供を含め、海外移住者(migrant)と移動労働者(mobile workers)のHIV/AIDS予防プログラムに対するアクセスを改善する国内、地域および国際戦略を策定し、その実施を開始する。

51 2003年までに、保険医療に従事する場(health care settings)におけるHIV感染を予防するため、ユニバーサル・プレコーションを導入する。

52 2005年までに、当該感染症の被害がもっとも深刻な国々を始めとするすべての国々において、地域の環境、倫理、文化的な価値を考慮に入れた、幅の広い予防プログラムを、当該地域において最も理解可能な言語によって、当該地域の文化を尊重する形で確実に導入する。予防プログラムには、感染可能性のある行動を減少させ、禁欲と貞操を含む責任ある性行動を促進すること、男性・女性用コンドームや無菌の注射器を含む感染予防に必要な物資へのアクセスを拡大すること、薬物使用に関するハーム・リダクションのための努力、自発的で秘密の守られたカウンセリングおよび検査へのアクセスの拡大、安全な血液の供給、性感染症に対する早期の効果的な治療を含む。

53 青少年、親、家族、教育者および医療提供者との全面的なパートナーシップにより、2005年までに、15歳から24歳までの若い男女の90%以上、さらに2010年までにその95%以上が、ピア教育と青少年に特化したHIV教育、およびHIV感染への青少年の脆弱性を低めるために必要なライフスキルを育成するために必要なサービスにアクセスできるようにする。

54 出産前の診療を受ける妊婦の80%が、利用可能な形で情報、カウンセリングおよびその他のHIV予防サービスを受けられるようにすること、HIVの母子感染を削減するための効果的な治療の利用可能性を増大させること、HIVに感染した母子が治療を受けられるようにすること、および、自発的で秘密の守られたカウンセリングと検査、抗レトロウイルス療法をはじめとする治療へのアクセスを拡大すること、ならびに、必要な場合において代替乳と継続的ケアの提供を含む女性のHIV感染者に対する効果的な処置をとることにより、HIVに感染した乳児の割合を2005年までに20%、2010年までに50%減少させる。


ケア、支援および治療
 ケア、支援および治療は、効果的な対応にとっての根本的要素である

55 2003年までに、地域的・国際的な戦略による支持を受けて、また、政府、関連する政府間機関、および市民社会や経済界を含む国際社会との緊密な協力によって、以下の内容を含む国家戦略が確実に策定されるようにする。当該国家戦略は、保健医療システムを強化すること、抗レトロウイルス薬を含むHIVに関連した医薬品について、差別的価格設定 differential pricing を含む価格設定や当該医薬品の利用の可能性、技術的および保健医療システムの能力など、その供給に関わる問題に取り組むこと、また、日和見感染の予防と治療、抗レトロウイルス治療については、アドヒアランスと治療効果を向上し、耐性を形成する可能性を低減するために、注意深くモニタリングしながら実施すること、さらに、医薬品に関わる政策と実践の強化について、ジェネリック薬と知的財産権保護体制について適用可能なものも含め、国際法に沿う形で、革新と国内産業の形成を促進するために建設的な協力を行うことを含むものとする。

56 2005年までに、以下の事項を含む、ケアに関する包括的な戦略を実施の実施に関して、有意な進歩を達成する。すなわち、非正規セクターによって提供されるものも含む、家族とコミュニティを基礎としたケアの強化、HIV感染した児童を含むHIV陽性者に治療を提供しこれをモニターする保健医療システムの強化、HIV/AIDSに影響を受けた個人、家庭、コミュニティの支援体制の強化を達成する。また、保健医療従事者の労働条件および能力の増進、抗レトロウイルス薬を含む利用可能な医薬品、質の高い医療・緩和ケア・心理的ケア、診断技術及び関連技術へのアクセスの供給に必要なシステム、財政計画および医療機関への紹介メカニズムの増進を達成する。

57 2003年までに、HIV/AIDSの影響を受ける個人、家族および地域社会に心理社会的ケアを提供するための国内戦略を確実に策定する。

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