長谷川博史 開会式演説

(解説)長谷川博史さんは日本のHIV陽性者のネットワーク組織であるJaNP+(ジャンププラス)の代表であり、第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議では組織委員会PWA小委員会の委員長として会議の中心的役割を担ってきた。また、2005年7月1日夕、神戸ポートピアホールで開催された第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議の開会式では、池上千寿子さんとともに司会を担当し、さらに7シスターズのフリッカ・チア・イスカンダールさんの演説に応えるかたちで、アジア・太平洋地域の参加者を歓迎する演説を行った。



第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議開会式ウエルカム・リマーク
     長谷川博史
   
アジア太平洋地域から集まった親愛なる友人のみなさん。
長い道のりの果てに、私たちはいまここにたどり着きました。

20年前、私たちは過酷な現実の前に、試練の季節を迎えていました。人間の寛容さや、未来を切り開く不屈の精神や、愛を信じる力を試されていました。HIV陽性者が人間としての尊厳を保つことさえ難しい時代でした。

10年前、私たちは科学的にはかすかな希望をつかんではいました。しかし、エイズは世界中へと広がり、国境や、民族、宗教、性別、ジェンダーなど、あらゆるボーダーを超えて、私たちが暮らす小さなコミュニティにまで広がっていきました。

そして今、私たちはいまだに闘いを余儀なくされています。問題を解決するためには、これらのギャプを埋め、立場を超えて力を合わせることが必要です。そこで一人一人が、さまざまな困難を乗り越え、「Bridging Science and Community」のテーマのもとに神戸に集まったのです。

しかし、テーマはいつも象徴に過ぎません。繋ぐべきは私たちが直面する様々なギャップであり、対立するすべての立場です。いまこそ、貧しさと豊かさ、男と女、社会の多数派と少数派、新しい価値観と保守的な価値観など、利害や立場を超え、私たちを隔てるすべてのギャップに橋を架ける必要があります。それはまた、人の心と心を繋ぐ架け橋です。

世界中が力を合わせてエイズと闘うためには、いかなる理由があろうと、同じ病で倒れる者と生き残る者の格差があってはなりません。治療にアクセス出来る者と出来ない者のギャップを認めてはなりません。不合理な差別を放置することは許されません。
HIV陽性であろうとなかろうと、その想いが前向きであろうとなかろうと、私たちは同じ世界に生きているのですから、

ここに集まった人々はみな、小さなウイルスとの大きな闘いに立ち向かっている仲間です。今日から五日間、さまざまなギャップに橋を架けるために有意義な議論が繰り広げられることと思います。

私たち第7回アジア太平洋地域国際エイズ会議組織委員会はみなさんを心より歓迎いたします。ようこそ神戸にいらっしゃいました。そしてみんなで会議を楽しみましょう。HIV/エイズとたたかうすべての人々の明日のために。

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