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zoom RSS TOP-HAT News第95号(2016年7月)

<<   作成日時 : 2016/08/09 10:53   >>

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第95号(2016年7月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 「知っていても、分かっていても」

2 成人のHIV感染は減っていない UNAIDSが予防ギャップ報告書

3 『恋のブギ・ウギ・トレイン』を持続可能な開発目標(SDGs)のテーマソングに

4 HIVとエイズに関する政治宣言(2016年)日本語仮訳

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 「知っていても、分かっていても」
 猛暑の中を恐縮ですが、冬の話題です。少しは涼しくなるかもしれませんね。12月1日の世界エイズデーを中心にした国内啓発キャンペーンのテーマが決まりました。

 知っていても、分かっていても
  AIDS IS NOT OVER

 厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱する世界エイズデーの国内キャンペーンでは今年を含め、3年連続で『AIDS IS NOT OVER』が中心的なメッセージとして採用されることになります。過去2年のテーマは以下の通りです。

 2014年 AIDS IS NOT OVER 〜まだ終わっていない〜
 2015年 AIDS IS NOT OVER だから、ここから

手を抜いているわけではありません。エイズの流行が終わっていないことを現状認識として伝え、その中で何をしたらいいのかという行動の分野に踏み込んでいく。連続性を保ちつつ、そうした変化を生み出したい。あえて説明すれば、そのような意図がメッセージには込められています。
毎年のキャンペーンのテーマは、エイズ予防財団といくつかのNPOが協力して、できるだけエイズ対策の現場に近いところから決めていこうとする試みが7年前から続けられています。
 今年の場合だと、4月からネットによる意見の公募を実施し、5月には誰でも参加できるフォーラムを東京・新宿二丁目のコミュニティセンターaktaで開催しました。今年はどんなメッセージをテーマに込めていくべきなのか、いきたいのか。その方向性を話し合うフォーラムです。
さらに6月にはNPOや行政、企業などさまざまな立場からHIV/エイズ対策に携わる人たちがエイズ予防財団に集まり、キャンペーンテーマの候補案策定のための検討会議を開いています。
そうしたプロセスの中で、繰り返しになっても、いまはあえて「エイズは終わっていない」というメッセージを伝えていく必要があるのではないかという意見が多く聞かれました。そうした見方が趨勢を占めたといってもいいでしょう。
 治療の進歩により、HIVに感染している人たちが以前よりもはるかに長く生きていくことが期待できるようになっています。それはもちろん、素晴らしい成果なのですが、一方で、「エイズはもう解決したんじゃないの」といった印象が広がり、エイズ対策に対する社会的な関心は以前ほど高くはありません。
残念ながらこの2〜3年はフォーラムの参加者も、ネットに寄せられる意見も、少数にとどまり、HIVの感染予防やHIV陽性者の支援に対する関心が薄れつつあるのではないかという危惧を裏付けるかたちにもなっています。
HIV/エイズの流行に対する社会的な関心が低下すれば、HIV感染のリスクが高い人たちが予防に必要な行動を取る機会が失われるだけでなく、HIV陽性者を取り巻く偏見や差別の解消などさまざまな社会的課題に取り組む意欲が失われていくという意味でも、HIV感染の拡大を促す要因になります。「AIDS IS NOT OVER」というメッセージをあえて3年連続で選択した背景には、静かではあるがゆっくりと進行する現象へのそうした危機感がありました。
フォーラムの議論やネットの意見を踏まえ、検討会議では2つの候補案がまとめられ、エイズ予防財団案として厚労省に提案されています。そして、その第一案である「知っていても、分かっていても AIDS IS NOT OVER」が今年度のテーマに決定しました。
 6月にニューヨークで開かれた「エイズ終結に関する国連総会ハイレベル会合」では、「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行」の2030年終結を目指し、各国が今後5年間、予防、治療、ケア、支援の包括的な対策を積極的に進めていくこと、そのために必要な資金を確保することを約束する政治宣言が採択されました。
「エイズ流行終結」は野心的な目標に向けた国際社会の決意表明であり、その実現を目指す政治宣言は、日本を含む国連加盟193カ国すべてが賛成して採択されています。
ただし、宣言が採択されたことで、実現が「約束」されたわけではありません。しつこいようですが、現時点ではあくまで決意表明です。
「公衆衛生上の脅威としての」という条件付きにせよ、流行終結の可能性が語られるようになってきた。そのこと自体は、過去15年間の地球規模のエイズ対策の大きな成果として強調してもしきれないほど重要ですが、それでもなお、対策はまだ道半ばです。
 国際的に見ても、国内の現状から判断しても、エイズの流行はまだ続いています。終わったわけではない。したがって、エイズ対策も息長く続けていかなければならない。「知っていても、分かっていても」、それだけではエイズの流行は終わりません。では、どうしたらいいのか。今年のテーマの趣旨や背景については、HIV/エイズ総合情報サイト「コミュニティアクション」のキャンペーンテーマ欄で分かりやすく説明されています。こちらもぜひ参考にしてください。
 http://www.ca-aids.jp/theme/


2 成人のHIV感染は減っていない UNAIDSが予防ギャップ報告書
  国連総会のハイレベル会合では「2030年のエイズ流行終結」が国際社会の共通目標として認められました。それでは、現実はどうか。国連合同エイズ計画(UNAIDS)が7月12日に発表した新たな報告書「予防ギャップレポート」によると、世界全体の成人層(15歳以上)の新規HIV感染は2010年以降、毎年190万人を超えており、ほとんど減少していないということです。
 抗レトロウイルス治療の普及による「予防としての治療(T as P)」の効果で、HIVの新規感染は大きく減少することが期待されていました。
ところが、世界の現実は少なくとも最近5年間、そうした希望的観測を裏切るかたちで推移しています。
 UNAIDSのミシェル・シディベ事務局長は報告書発表に際し「予防の力を十分に発揮し、現実の成果につなげることがまだできていません。新規HIV感染が再燃するようでは、流行を制御することなど不可能です。予防のギャップを埋めるために世界全体がいますぐ緊急の行動をとらなければなりません」と警告しています。また、「アクセスが課題です。安全に利用できると思えなかったり、利用手段がなかったりするようでは、複合的な予防サービスがあっても、それを流行終結につなげることはできません」とも指摘しました。

 なお、報告書によると2015年末時点での流行推計は以下のようになっています。
 HIV陽性者数  合計 3670万人 [3400万–3980万人]
          成人 3490万人 [3240万–3790万人]
          女性 1780万人 [1640万人–1940万人]
          子供(15歳未満) 180万人 [150万–200万人]
 年間新規HIV感染者数  合計 210万 [180万–240万人]
              成人 190万人 [170万人–220万人]
              子供(15歳未満) 15万人 [11万–19万人]
 エイズ関連の死者  合計 110万人 [94万–130万人]
            成人 100万人 [84万–120万人]
            子供(15歳未満) 11万人 [8万4000–13万人]
 HIV治療を受けている人数  合計 1700万人


3 『恋のブギ・ウギ・トレイン』を持続可能な開発目標(SDGs)のテーマソングに
 早見優さんが歌う『恋のブギ・ウギ・トレイン』のミュージックビデオが7月15日(金)夕、第25回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜の会場となった東京・南青山のスパイラルホールで公開されました。
 『恋のブギ・ウギ・トレイン』は1979年にアン・ルイスさんが歌ってヒットしたディスコ調の名曲。今回は国連の持続可能な開発目標(SDGs)のテーマソングにしたいということで、早見優さんがカバーし、写真家のレスリー・キーさんがミュージックビデオの監督を担当しました。
 ビデオにはさまざまな分野から100人を超える人たちが出演。山本耀司さんデザインのカラフルな衣装で、楽しく、そして華やかにダンスを披露しています。
 SDGsは昨年9月に国連の持続可能な開発サミットで採択され、今年1月1日からスタートした開発分野の国際的共通目標です。2030年を達成年とする17目標169ターゲットの中には、公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結も含まれています。
 ミュージックビデオの主な出演者、および動画は国連広報センターの公式サイトで見ることができます。
 http://www.unic.or.jp/news_press/info/19803/


4 HIVとエイズに関する政治宣言(2016年)日本語仮訳
 国連総会ハイレベル会合で6月8日に採択された『HIVとエイズに関する政治宣言:HIVとの闘いを高速対応軌道に乗せ、2030年のエイズ流行終結を目指す』の日本語仮訳がAPI-Net(エイズ予防情報ネット)にPDF版で掲載されています。
http://api-net.jfap.or.jp/status/pdf/UN2016.pdf

 翻訳はエイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクト(HIV/AIDS Translation Project)が担当しています。英文の宣言はUNAIDSの公式サイトで読むことができます。
 http://www.hlm2016aids.unaids.org/wp-content/uploads/2016/06/2016-political-declaration-HIV-AIDS_en.pdf

 「日本語仮訳は誤って訳している部分があるかもしれないので、あくまで参考としてお読みいただき、引用などをされる場合は仮訳で目星をつけたうえで、英文を参照していただくようお願いします」(HATプロジェクト)ということなので、引用の際は英文をご参照ください。


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