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zoom RSS TOP-HAT News第94号(2016年6月)

<<   作成日時 : 2016/07/11 21:19   >>

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第94号(2016年6月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに エイズ流行終結と日本の現状

2 昨年の年間報告数は1434件 エイズ動向委員会 

3 2016年版エイズ知識啓発素材を作成 AAA(アクト・アゲインスト・エイズ)

4 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭がレインボー・リール東京に改称

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに エイズ流行終結と日本の現状
 エイズ流行終結に関する国連総会ハイレベル会合の政治宣言が6月8日に採択されました。3日間の会合の初日だったので、あれ、もう採択しちゃったの?という印象でしたが、2030年までに「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結」を目指すこと、そのためには今後5年間は対策資金の増額や投資の前倒しによる高速対応で臨む必要があることが、この宣言により国連加盟国193カ国の共通目標として承認されています。この点は大きな成果と言うべきでしょう。
ただし、実際にその目標が達成できるのかどうか、これはまた別の話ですね。今後の世界の努力にもかかっているので即断は避け、その前段階として「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結」とは何なのかということを日本の現状と比較しながら考えてみます。
宣言の採択を受けて国連合同エイズ計画(UNAIDS)が発表したプレス声明(宣言の概要説明)には、『共有されたビジョン』として『2016政治宣言は持続可能な開発2030アジェンダを支える以下のゴールの達成を世界に呼びかけている』と明記しています。
http://asajp.at.webry.info/201606/article_6.html

1 2020年までに年間の新規HIV感染者数を50万人以下に抑える。
2 2020年までにエイズ関連の死者を50万人以下に抑える。
3 2020年までにHIV関連のスティグマと差別をなくす。

世界の人口を70億、日本の人口は1億として、大ざっぱな計算をしてみました。計算しやすいように丸めた数字ですが、日本は世界人口の70分の1を占めています。
2020年目標の年間新規HIV感染者、エイズ関連死者数を70で割ると、50万÷70・・・7000人ちょっとですね。
この高速対応に成功し、さらに対策を進めて2030年に「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結」が実現した場合には次のようになります。

1 年間の新規HIV感染者数を20万人以下。
2 年間のエイズ関連の死者20万人以下。
3 HIV関連のスティグマと差別をなくす。

20万人を70で割ると、2857人。一方、日本の年間新規HIV感染者・エイズ患者報告数は最も多かった2013年でも1590人。
報告ベースの数字なのでそのまま比較はできませんが、ここ10年ほど年間報告数は1500件前後で横ばいの状態が続いていることを考えると、実際の新規感染数も報告と大きくかけ離れた数字ではないと推測できるし、治療の普及で死者数はもっと減っています。
つまり、日本では少なくとも年間のHIV新規感染者数やエイズ関連の死者数はすでに「公衆衛生上の脅威」としてのエイズ流行終結の目標値を下回っています。
医学関係者の努力による治療の普及、そして「エイズはもういいだろう」といった雰囲気が社会に広がる中で予防や支援に取り組み続けてきたHIV陽性者のネットワークやエイズ関連のNGO/NPO、地方自治体などの地道な活動の成果というべきでしょう。人口が1億を超える国では他に例を見ない大きな成果です。 
 ただし、先ほどの3ビジョンに照らし、日本の流行はもう終結したのかというと、そうは言えません。3番目の「HIV関連のスティグマと差別」は解消されていないからです。
 HIV陽性者やHIV感染のリスクにさらされている人に対する偏見や差別が効果的な対策を妨げ、新規感染の拡大要因になることは、新たな政治宣言でも指摘されています。
抗レトロウイルス治療の継続により体内のウイルス量が減れば、結果として他の人への感染のリスクが大きく低下する。治療の普及は「予防としての治療(T as P)」として注目される新たな予防ツールでもあるのですが、偏見と差別が強い社会ではその効果も期待できなくなります。
日本はこれまで何とかHIV感染の低流行国としての状態を維持してきました。それは前述したように様々な立場の人たちが協力して対策に取り組んできた成果でもあります。社会的な偏見や差別、あるいは無関心のために効果的な対策が妨げられるようなことがあれば、その成果は失われ、「公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行」は終結どころか、逆に開始と拡大につながることになる。そのリスクは常に存在しています。
キーワードは流行の終結(end)ではなく、持続可能(sustainable)な対策である。日本の場合はとくにこのことを肝に銘じて、いま必要な対策に取り組む必要があります。


2 昨年の年間報告数は1434件 エイズ動向委員会
 国内の新規HIV感染者・エイズ患者報告の年間合計数は先ほども紹介したように2013年の1590件(1590人)が過去最高でしたが、その後は2年続けて微減の傾向になっています。厚生労働省のエイズ動向委員会が5月25日に発表した昨年(2015年)の確定値は以下の通りです。

 新規HIV感染者報告   1006件 過去8位
 新規エイズ患者報告数   428件 過去8位
    合計        1434件 過去9位

 それでは減少傾向が今後も続くのかというと、そうでもないようで、今年第1四半期の報告は昨年同時期より少し増加しています。また、昨年の確定値でやや気がかりなのは、少しずつではあっても女性の感染報告が増加していることです。動向委員会の岩本愛吉委員長のコメントは真っ先にこの点を指摘しています。

『1 新規HIV感染者及び新規AIDS患者報告数は平成26年に引き続き減少した。女性のHIV感染者報告数は過去3年間、46件、50件、58件と数は少ないが増加傾向を示した』

 減少に向かうのか、増加するのか、分岐点にあって即断しがたい状況は今年も続きそうです。昨年1年間の確定値をまとめた発生動向年報の概要と委員長コメントはAPI-Net(エイズ情報ネット)でご覧下さい。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/2015/15nenpo/15nenpo_menu.html


3 2016年版エイズ知識啓発素材を作成 AAA(アクト・アゲインスト・エイズ)
 音楽業界を中心にエイズ啓発運動を展開するAAA(Act Against AIDS/アクト・アゲインスト・エイズ)が216年版のポスター(6枚組)と知識啓発パンフレットを作成しました。AAA公式サイトでも見ることができます。
 http://www.actagainstaids.com/

 『文化祭や学園祭、授業やイベント』などで広く活用してもらうためのエイズ知識啓発素材です。
 学校関係者はAAA
 学校関係者以外は公益財団法人エイズ予防財団( http://www.jfap.or.jp/
 にお問い合わせください。


4 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭がレインボー・リール東京に改称
第25回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜が、7月9日(土)から18日(月・祝)まで、東京都内2会場で開催されます。
http://www.ca-aids.jp/event/160709-0718_rainbowreeltokyo.html
 
 《セクシュアリティはグラデーション。
 レインボーカラーはそれぞれの色に意味があったりしますが、多様性を示す象徴でもあります。
 そしてリールとは映画のフィルムを巻く一巻き。最近はデジタル化が進んで見る機会が減ってきましたが、夢も希望も絶望もつまった映画を象徴する言葉です》
 (レインボー・リール東京 代表あいさつから)

「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」は1992年から開催されていますが、25回目の今年から「レインボー・リール東京」と改称しました。

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