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zoom RSS TOP-HAT News第89号(2016年1月)

<<   作成日時 : 2016/02/03 22:30   >>

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    TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
       第89号(2016年1月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 「エビデンスに配慮する」

2 HIV検査と5つのC

3 2月11日に東京エイズウィークス報告会


◇◆◇◆◇◆

1 はじめに
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトには資料紹介のページがあり、各種報告書などの文書がpdf版で紹介されています。以前はわざわざ航空便で郵送してもらうか、国際会議に出席する人にお願いして持ってきてもらわないと手に入らなかった資料でも、いまはパソコンでダウンロードして読むことができる。便利になりました。

 ただし、UNAIDSの報告書は基本的に英文であり、片っ端から読みこなすというわけにはいきません。悩ましいところですね。日本の対策にも大いに影響すると思われる文書だけでも、日本語で共有できるような仕組み、または機能が必要だということは以前から指摘されていました。少しずつですが、そうしたニーズに応えようとする動きもあります。

たとえば昨年秋にはHIV/エイズ関連用語のガイドライン2015年改訂版(UNAIDS Terminology Guidelines - 2015)が公表されています。
 http://www.unaids.org/en/resources/documents/2015/2015_terminology_guidelines

 約60ページの冊子です。公益財団法人エイズ予防財団が現在、日本語仮訳版の準備を進めており、春ごろにはまとまりそうですが、ごくごく一部を先行的に紹介しましょう。

『はじめに
 言葉は思考をかたちづくり、行動にも影響を及ぼすかもしれません。よく考えて適切な言葉を選ぶことが、世界的なエイズの流行に対応する力になってきました。国連合同エイズ計画(UNAIDS)はこのため、UNAIDSスタッフおよび共同スポンサーである国連11機関、HIV対応にあたる他のパートナー機関で働く人たちに向けて、用語のガイドラインを作成し、活用しています。
 ガイドラインは定期的に改訂を行う現在進行形の文書でもあります。今回は2011年ガイドラインからいくつかの用語の使用を避けるよう提案し、世界的なHIVの流行に対応するうえで適切と考えられる用語、UNAIDSでよく使われるようになった用語などを新たに加えました』

 このガイドラインは『営利目的の使用でなければ、出典を明記して自由にコピー、配布できる』ということです。内容は「推奨用語」と「用語に関する背景説明」の2つに大きく分かれています。推奨用語は、いままではこういう用語が使われていたけれど、適切とはいえないので、こちらを使うようにしようという提案です。

たとえば【evidence-based エビデンスに基づく】という言い方は、【evidence-informed エビデンスに配慮した】に変えようという提案があります。理由は以下のように説明されています。

『研究、治療、予防の文脈では、エビデンスは通常、論文審査を経て科学雑誌に発表された質的ないしは量的な結果に関して使われる。
 エビデンスに配慮したという用語を選択するのは、意思決定には複数の要素が影響し、科学的エビデンスだけで決まるわけではないという事実を認識しているからだ。他の要素には、文化的な妥当性、公平性や人権への配慮、実行可能性、機会費用などがある』

議論の余地はあるかもしれませんが、国際機関からはこうした考え方が示されているということは認識したうえで国内の議論も進める必要がありそうです。


2 HIV検査と5つのC
 UNAIDSの用語ガイドラインについて、もう少し紹介します。後半の「用語に関する背景説明」は、重要と思われる用語について、なぜそういう言い方になるのかといったことを短く説明しています。たとえば「HIV検査サービス」については次のように書かれています。

『HIV testing services HIV検査サービス(HTS)』
 HIV検査は治療とケアの入口であり、男性の割礼手術や子供の新規感染の排除、抗レトロウイルス治療の予防活用(曝露前感染予防、曝露後感染予防を含む)などHIV予防へのユニバーサルアクセスの拡大にとっても重要である。
 HIV検査サービス(HTS)という用語は、HIV検査とあわせて提供すべきサービスのすべてを含んでいる。HIV検査は以下の5つのCの枠組みにおいて実施すべきである:
同意(consent)
秘密保持(confidentiality)
カウンセリング(counselling)
正確な検査結果(correct test results)
予防・ケア・治療への接続(connection/linkage to prevention, care and treatment)。

 「予防としての治療」(T as P)という考え方に基づき、検査普及のメリットがこれまで以上に強調されるようになっているだけに、こうした枠組みは重要です。一方で、こうした枠組みの中で、どこまで検査の拡大に踏み込めるかという議論もあります。たとえば、『提供者主導の検査と相談(PITC)』についてガイドラインは次のように説明しています。

『provider-initiated testing and counseling 提供者主導の検査と相談』
 医療機関を訪れた際に、標準的な医療行為の一つとして医療提供者から推奨されて受けるHIV検査と相談を指す。サービスを受けるすべての人(産前ケアを受ける妊婦など)に常に提供され、OPT-OUT方式での提供が推奨される;この方式は依然、自発的であり、検査を受けないという判断は患者にゆだねられている。
 提供者主導の検査と相談の目的は、その人のHIV感染の有無が分からなければできない臨床判断(あるいは医療サービスの提供)を可能にすることだ。また、HIV感染を知らずに、あるいは疑わずに、医療機関を訪れた人の感染確認を助けることにもなる。

 ストライクゾーンぎりぎりかどうか。日本の現状を考えると、微妙なところですね。OPT-OUT方式というのは、何かの病気などで医療機関を訪れた人がHIVの検査を受けたくないという意思表示をしない限り、全員検査の対象にするという方式です。これに対し、検査を受けたいと希望する人にだけ検査を行うのがOPT-IN方式です。UNAIDSの用語ガイドラインでは「検査を受けないという判断は患者にゆだねられている」という見方に立って、OPT-OUT方式は「依然として自発的である」と判断しています。つまり、5つのCの枠組みを外れるものではないという認識ですね。

国内の流行の現状を考えたときに日本でも同じ認識に立つことが妥当なのかどうか。このあたりは今年、かなり議論になりそうな予感がします。


3 2月11日に東京エイズウィークス報告会
 『UPDATE YOUR REALITY HIV/エイズをめぐる現実はものすごいスピードで変化している』をテーマにしたTOKYO AIDS WEEKS2015の報告会《東京エイズウィークス2015→16》が2月11日(木・祝)、特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議の第123回フォーラムとして開催されます。
 東京エイズウィークスは、昨年11月21日(土)から12月12日(土)までの3週間+1日(つまり22日間)にわたって展開され、都内各所でさまざまなイベントが行われました。第29回日本エイズ学会学術集会・総会の東京開催にあわせた企画でしたが、2016年も引き続き、同様のウィークスを設定するのかどうか。その展望も含めて検討する機会になりそうです。

エイズ&ソサエティ研究会議第123回フォーラム《東京エイズウィークス2015→16》
日時:2016年2月111日(木)午後4時半〜6時半
場所:ねぎし内科診療所(地下鉄丸ノ内線四谷三丁目1番出口)東京都新宿区四谷三丁目9 光明堂ビル5階 http://www1.odn.ne.jp/negishi-naika/basho.html
話し手 :生島嗣さん(特定非営利活動法人ぷれいす東京代表)ほか
参加費:無料
 詳細はHATプロジェクトのブログをご覧下さい。
 http://asajp.at.webry.info/201601/article_1.html

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