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zoom RSS UNFPA、WHO、UNAIDSgコンドームに関する見解を発表

<<   作成日時 : 2015/07/11 00:51   >>

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(解説)国連人口基金(UNFPA)、世界保健機関(WHO)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が7月7日、コンドーム使用に関する見解を発表しています。その日本語仮訳です。コンドームはHIV感染予防にも他の性感染の予防にも望まない妊娠の予防にも効果があると強調しています。前から言われていることではありますが、『この3つの公衆衛生上の優先課題に対しては利用できる手段のすべてを活用し、決然とした対応をとる必要がある。コンドーム使用はその中心的役割を担う手段である』ということです。いまになってこういう見解を発表するというのは、♪なんでだろう〜、とこちらも改めて考えてしまいますね。HIV/エイズ分野から見ると、抗レトロウイルス治療による「予防としての治療」みたいなことがあまりにも強調され過ぎて、コンドームなど他の予防手段を軽視するような風潮が世界的に広がってしまうと、それはそれで流行を広げてしまう要因になるので、ここらで一度、締めておこうといった感じでしょうか。予防対策はたった一つの解決策があるわけではなく、できることをあれこれ組み合わせていこう、それも、流行の状態はそれぞれの場所や集団によって異なるので、それぞれに組み合わせを工夫していこう、それにつけてもコンドームは重要かつ費用対効果の高い方法ですよ・・・。
 それにしても、なぜ、いま、わざわざ、こうした声明を出したのか。何か背景をご存じの方がいらしたら教えて下さい。


UNFPA、WHO、UNAIDS:コンドーム使用とHIVおよび他の性感染症予防、望まない妊娠の予防に関する見解(ポジション・ステートメント)    2015年7月7日 Feature Story


(注)英文はこちら
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2015/july/20150702_condoms_prevention

 コンドームはHIV感染および他の性感染症(STIs)の包括的かつ持続可能な予防対策の中の重要な手段の一つであり、望まない妊娠の予防にも有効である。2013年には推定210万人が新規にHIVに感染し[i]、5億人がクラミジア、淋病、梅毒、トリコモナス症にかかっている[ii]。さらに、2億人以上の女性が毎年、必要な避妊法を得られず[iii]、8000万人が望んでいないのに妊娠する結果になっている[iv]。この3つの公衆衛生上の優先課題に対しては利用できる手段のすべてを活用し、決然とした対応をとる必要がある。コンドーム使用はその中心的役割を担う手段である。


《男性用、女性用コンドームはHIVおよびその他の性感染症(STIs)の予防と望まない妊娠の予防の両方を減らすことのできる唯一の方法である》
 性感染症の基礎研究によるとコンドームは精液やHIVを含むSTIの病原体の粒子を通さない障壁を提供している。[v] [vi] コンドームは常時、正しく使っていれば、HIV性感染予防に極めて有効である。セロディスコーダントなカップル(どちらか一人がHIVに感染し、もう一人は感染していないカップル)を対象にした研究では、常にコンドームを使用していれば、男性から女性へのHIV感染のリスクも、女性から男性へのHIV感染のリスクも、大きく下げることができる[vii] [viii] [ix]。常に正しくコンドームを使うことはまた、他のSTIsおよび陰部疣贅(性器にできるいぼ)や子宮頸がんなどを含むその関連疾病のリスクも大きく下げることになる。コンドームは、常に正しく使用すれば、望まない妊娠の予防にも失敗率2%と非常に高い効果を示している[xi] [xii]。


《コンドームは多くの国で、HIV、STI、および望まない妊娠の予防に重要な役割を果たしている》
 コンドームはHIV感染の減少を助け、流行が特定の集団に局限されている状況のもとで、HIVが広範に拡大するのを抑えてきた.[xiii]。コンドーム配布がセックスワーカー[xiv] [xv] [xvi]や男性とセックスをする男性[xvii]のHIVとSTIsの感染率を低下させてきたことが明らかになっている。他の予防策と合わせ、セックスワーカーとその客に対するコンドーム配布のプログラムを拡大したインド[xviii] [xix]とタイ[xx]では、HIVもSTIsもともに感染が減少した。HIV陽性率が高いジンバブエ[xxi]と南アフリカでもコンドーム使用の増加がHIV感染率の低下に貢献していることが分かった[xxii]。

 最近の世界的なモデリング分析によると、HIVの流行が始まって以来、コンドームは約5000万件の新規HIV感染を防いでいる[xxiii]。2015年には民間および公的部門を通し、世界全体で270億個のコンドームが供給され、年間推定2億2500万カップルが望まない妊娠を避けることができるとみられている[xxiv] [xxv]。


《コンドームは依然、効果の高いHIV予防プログラムの重要な手段の一つである》
 HIV予防に関してはここ何年か、他のエリアで大きな科学的進展があった。HIV陽性者に対する抗レトロウイルス治療(ART)を含む生体医学的手段がHIV感染を大きく減らしてきた。一方で、ARTの成功でHIVに関するリスク認識が変わってしまうかもしれないが、これまでの研究では治療プログラムに加わり、コンドームへのアクセスも保障されているHIV陽性者は、そうでない人に比べコンドーム使用率が高いことが報告されている[xxvi]。

 HIV治療を受けている人、およびセロディスコーダントなカップルには、コンドーム使用が強く推奨されている[xxvii]。コンドームを使用しなくても安全と言えるのは、継続的なウイルス抑制が確認され、きちんとモニターもして、他のSTIsの感染リスクも望まない妊娠の可能性も低いときだけだろう[xxviii] [xxix] [xxx]。

 経口薬による曝露前予防(PrEP)― HIV陰性の人にHIV感染のリスクを下げるために抗レトロウイルス薬を使用 ― もHIV感染予防に有効だが、まだ広く使えるものにはなっていないし、現段階で推奨されるのは、セロディスコーダントな関係にある人や男性とセックスをする男性、女性セックスワーカーなど感染のリスクの極めて高い人で、とりわけコンドームの常時使用が困難な人に対する追加的な手段としてだけである[xxxi]。自発的な意思による医学的男子割礼手術(VMMC)は男性のHIV感染のリスクを60%減らすことができるが、あくまで部分的な防護策なので、コンドーム使用で補う必要がある[xxxii]。

 ARTやPrEPなど他のすべてのHIV予防策を実施しても、コンドーム使用は補足的手段として依然必要になる。とりわけ、他のSTIsの感染や望まない妊娠の心配があるときには大切だ。大規模なHIV検査と治療の普及があっても、VMMCやSTI予防プログラム、購入可能な避妊策へのアクセス拡大などはすべて、コンドーム使用促進と配布を組み合わせて進める機会になる。


《品質の保証されたコンドームを常に無料もしくは低価格で使用可能にしなければならない》
 安全性と効率性、有効性を確保するため、コンドームはWHOとUNFPA、国際標準化機構によって定められた国際基準と仕様書、品質保手続きに従って生産しなければならない[xxxiii] [xxxiv]。また、無料か購入可能な価格で手に入れられるようにする必要がある。資金に限界のある状況でのコンドーム使用は、コストなしか助成によって安くなった価格で人びとが手に入れられるようにすれば、より使用されるようになる。

 HIV感染率の高い国のほとんどが依然、コンドームもドナー国からの支援に大きく頼っている。2013年には15〜64歳の男性1人が年間に使えるコンドームは平均約10個にすぎなかった。女性用コンドームは平均で女性8人に1個である。HIV予防対策は、必要な人が必要な時に使えるよう、品質を保証されたコンドームを十分な数だけ確保しなければならない。コンドームの使い方を失敗しないよう水溶性の潤滑剤も必要だ。とりわけアナルセックスや膣乾燥、セックスワークの際には重要だ。

 過去20年、コンドーム使用は全体としては増加傾向にあるとはいえ、まだかなり大きな変化やギャップがある。非正規の相手との直近のセックスでコンドームを使った人の割合は、ナミビアとカンボジアの男性の80%から他の国の男女の40%以下まで、かなり幅がある。40%以下の中にはHIV感染が大きく広がっている国もある。同じように15〜24歳の若者の直近のセックスの際にコンドーム使用率は、ラテンアメリカとヨーロッパのいくつかの国で80%以上、西アフリカのいくつかの国で30%以下と開きが大きい[xxxviii]。こうした大きなばらつきがあることは、各国に対し、全国レベルや地方レベルでの野心的な目標の設定とコンドーム需給体制の強化の必要性を示している。


《コンドーム普及プログラムは、コンドームを使いにくくしているスティグマやジェンダー、社会経済的要因にも取り組むものでなければならない》
 効果的なコンドーム普及策は、若者やセックスワーカーとその客、注射薬物使用者、男性とセックスをする男性など、HIVや他のSTIsの感染リスク、あるいは望まない妊娠のリスクが高くなっている人に伝わるものでなければならない。たくさんの若い女性、女児が、とりわけ相手と長期の関係があったりセックスワーカーだったりする場合、コンドームを使用するよう求める力を持てないでいる。男の方はコンドームを使いたがらないことがしばしばあるからだ。コンドームを使用するか否かは、信頼や親密度のシグナルになっているのかもしれない。

 しかし、若い人たち[xxxix]やキーポピュレーション[xl]、あるいは関係を持っている男女の間のコンドーム使用を妨げるそのような障壁にうまく対応できているプログラムは少ない。セックスワーカーが客からコンドームなしのセックスを強要されることもある[xli] [xlii]。また、コンドームを所持していることが犯罪であったり、警官から迫害される理由になったり、セックスワークの証拠にされたりすることもあるのだ[xliii] [xliv]。政府はHIV予防の努力を妨げるこうした人権侵害をやめるための措置をとらなければならない[xlv]。コンドーム普及プログラムは、コンドームと潤滑剤を広く使えるようにし、若い人たちとキーポピュレーションの人たちが常に正しくコンドームを使うための知識と技術と力を得られるようにしなければならない[xlvi]。コンドームは受刑者や閉ざされた状態にある人も使えるようにしなければならない[xlvii] [xlviii]し、人道的な危機状態においても使えるようにしなければならない.[xlix]。


《HIVや他のSTIs、望まない妊娠を減らしていくにはコンドーム普及の規模拡大に向けた適切な投資が必要》
 コンドームの費用は安いのに、サハラ以南のアフリカにおけるコンドーム調達のための国際資金はここ数年、滞っている[l]。コンドームの調達、普及の資金を海外からの援助に頼っている国を支え、国内資金や民間の資金を増やしていくためにはすべてのレベルでの集団的行動が必要だ[li]。

 ほとんどの国でコンドームはHIV、STI対策、およびリプロダクティブヘルスのプログラムの一部になっているとはいえ、一貫して配られていたわけでも、十分な普及活動が行われてきたわけでもない[lii]。全国的なコンドームの普及には、公的部門による配布やソーシャルマーケティングと民間部門による販売を組み合わせ、総合的なマーケットアプローチをとる必要がある[liii] [liv]。コンドームを十分に配布するには、行政的な障壁を取り除く必要がある。HIV陽性率が高いところでは、コミュニティに入り込み、配布サービスを進めるとともに、幅広い保健サービスの提供を組み合わせていくなど組織的に取り組む必要がある。



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