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zoom RSS 10代のエイズ終結に向けたAll In (ブローシュア)

<<   作成日時 : 2015/03/05 16:43   >>

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(解説) 10代の若者を対象にしたHIV/エイズキャンペーンAll Inのブローシュア(冊子)の日本語仮訳です。


All In ブローシュア
http://www.unaids.org/en/resources/documents/2015/20150217_ALL_IN_brochure

目次 
・10代のエイズ終結(#EndAdolescentAIDS)に向けたAll In    1
・どうして10代なのか?                      2
  10代は重要な人生の移行過程                     2
  HIV治療は平等に行き渡ってはいない               4
  10代の少女は極端に大きな影響を受けている            6
  キーポピュレーションの中の10代;置き去りにされている      8
  データ不在が10代を脆弱化させる                   10
・声を集める                          10
・戦略的枠組み                         12
・2020年向けた成果の追求                  15
・All Inに結集しよう                      16



 「流行終結に向けた成果の恩恵を最初に受けるのは子供でなければならないし、失敗した場合の被害を受けるのも子供は最後でなければなりません」
 アンソニー・レイクUNICEF事務局長

 「エイズはアフリカの10代の若者にとって最大の死亡原因です。また、世界全体の若者の新規HIV感染の三分の二は少女です。道義的に見過ごすことはできません。国連や官民のパートナー、そして各国と協力し、10代のエイズの流行を終わらせるためにAll In活動を積極的に推進するよう若者に呼びかけたい」
 ミシェル・シディベUNAIDS事務局長


10代のエイズ終結(#EndAdolescentAIDS)に向けたAll In

 世界のエイズ対策の成果にはばらつきがある。アフリカではエイズが若者(10〜19歳)の最大の死亡原因であり、世界全体でも2番目となっている(注1)。2013年には10代の若者25万人[21万〜29万人]が新たにHIVに感染しており、3分の2は少女だった。

 2030年までにエイズの流行を終結させるには、それぞれの年代、人口層、地域に対応した柔軟な戦略が必要だ。10代の若者の流行終結には、若者が自ら工夫し、政府や国際機関、市民社会組織、民間企業と協力して最大限の効果を出せるような分野に投資を拡大する必要がある。

 今後5年間が正念場となる。HIV検査や効果の高い治療、複合的予防プログラムを2020年までに急速に拡大し、若者のHIV感染のリスクや脆弱性を生んでいる社会的課題に取り組めれば、#EndAdolescentAIDS だけでなく、2030年までに公衆衛生の脅威としてのエイズの流行を終結させるという目標を軌道に乗せることもできるだろう。All Inは、90-90-90治療目標(注2)その他の目標を達成するためのサービス提供を促進する高速対応計画の10代版なのだ。

図All In2020目標(略)
 10代のHIV新規感染を少なくとも75%減らす
 10代のエイズ関連の死亡を少なくとも65%減らす
 差別ゼロ

 #EndAdolescentAIDS のためのAll In!は、プログラムと政策を変え、より良い結果を得られるよう社会活動を促す行動のプラットフォームである。関連分野を横断的につなぎ、2020年までに10代の若者のエイズ関連の死亡とHIV新規感染を減らすことを目指している。それは2030年までのエイズ流行終結に向けた世界の動きの一部でもある。

 #EndAdolescentAIDS のためのAll Inは、国連児童基金(UNICEF)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、国連人口基金(UNFPA)、世界保健機関(WHO)、米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)、MTVステイングアライブ財団、そしてPACT、Y+のためのHIV Young Leaders 財団に代表される若者の運動が参加している

(注1) 世界中の10代の若者の健康を守る:2度目の10年の2度目のチャンス。2014(2015年2月5日から www.who.int/adolescent/second-decade で)
(注2) 90-90-90治療目標。HIV陽性者の90%がHIV感染を知り、検査でHIV感染が分かった人の90%が抗レトロウイルス治療を続け、治療を受けている人の90%はウイルス量が抑制されている。



どうして10代なのか?

10代は重要な人生の移行過程
 10代は重要な人生の移行過程にある。身体的、精神的な変化がすべての面に及んでいる。その変化が持つ意味は文化や社会によって異なる。しかし、子供から大人に移行する時期が重要なことはどこでも変わらない。10代の若者は現在、世界で約10億人に達している。

 10代の若者の新規HIV感染は期待していたほど減ってはいない。2013年には15〜19歳の若者が2分に1人のペースでHIVに新たに感染していた。地域によっても異なっている。たとえばアジア太平洋地域では2005年以降も新規HIV感染がほぼ横ばいだが、東部、南部アフリカでは減少している。

図1 2000〜2013年の若者(15〜19歳)の新規HIV感染数推計:世界全体、および感染の多い3地域の推計(略)

 エイズは現在、アフリカでは10代の若者の死亡原因のトップであり、世界全体でも2番目に多い(注3)。2013年には10代の若者12万人〔10万〜13万人〕がエイズ関連の病気で死亡している。UNAIDSの推計によると、10代はエイズによる死亡が減っていない唯一の年齢層となっている。他の年齢層では2005〜2013年の間にエイズ関連の死亡が38%も減っているのに、である。

図2 2001年から2013年までの小児(0〜9歳)、10代(10〜19歳)、20代(20〜29歳)のエイズ関連死亡推定数(略)

 現在の10代のエイズ関連死亡の多くが、少なくとも10年以上前に母親から感染した子供たちで占められている。ケアと治療のプログラムを受けられなかった子供たちの多くが、その後も追跡されなかったり、そもそも感染の確認もされないままになっていたりしているのだ(注4)。2013年現在HIV陽性の10代の若者210万人[190万〜230万人]の半数以上が母子感染によって感染しており、しかも自らの感染を知らずにいる。そうした子供たちが早期の検査や治療紹介の機会も得られないまま10代前半になっており、防ぐことが可能な病気を発症して死亡していくのだ。2013年現在、10代のHIV陽性者のうち83%はアフリカの若者で占められている。

(注3)世界中の10代の若者の健康を守る:2度目の10年の2度目のチャンス。2014( www.who.int/adolescent/second-decade から)
(注4)Kasedde, S et al. Executive Summary: Opportunities for Action and Impact to Address HIV and AIDS in Adolescents. J Acquir Immune Defic Syndr 2014;66:S139-143.

図3 10代のHIV陽性者のエイズ関連死亡上位25カ国における感染経路別10代のHIV陽性者数(略)


HIV治療は平等に行き渡ってはいない
 最近のデータでは、子供と10代の若者に対する検査と治療の規模拡大は受け入れがたいほど遅れている。15歳以下のHIV陽性者は成人よりはるかに治療を受けにくい。抗レトロウイルス治療を受けている0歳〜14歳のHIV陽性の子供は2013年時点でも4人に1人(24%[22〜26%])にとどまっている。

 HIV感染を知り治療を受けている10代の若者も、様々な困難に直面している。発覚の恐れ、偏見、差別、治療継続に必要な支援の欠如などだ。適切な抗レトロウイルス治療、臨床・社会面の支援とケアなどが10代のエイズ関連の死者を減らすには大切だし、長期にわたる包括的なアプローチが必要になる。

図4 2013年現在の10代のHIV陽性者(略)

図5 2013年現在、6カ国が世界全体の10代のHIV陽性のほぼ半数を占めている(略)


10代の少女は極端に大きな影響を受けている
 2013年には、15〜19歳の新規HIV感染25万件(21万〜29万件)の三分の二が少女だった。サハラ以南のアフリカには(カメルーン、コートジボアール、ギニア、スワジランドなど)、少女の方が少年より5倍も感染が多い国もある(最近の人口・保健調査から)

 ジェンダーに基づく不平等、年齢の離れた性関係、パートナーによる暴力がHIV感染の三大拡大要因となっている。

図6 少女、少年(15〜19歳)の一週間あたり推定HIV新規感染数(略)

 HIV陽性率が高い国では、過去12カ月間にパートナーからの暴力を受けた経験を持つ10代の少女が驚くほど多い。HIV陽性率が高い16カ国中、パートナーからの暴力に関するデータが入手可能な9カ国では、10代の少女の3人に1人が過去12カ月にそうした暴力を経験している。このうち6カ国(カメルーン、ハイチ、インド、マラウィ、ナミビア、ジンバブエ)では、成人の女性(20〜49歳)よりも10代の少女の方がパートナーからの暴力を経験している率が高い。

 10代の少女のHIV感染リスクが上昇している国の最新世帯調査データ(2006〜2013)によると、10代の少女が直近の感染リスクの高い性行為でコンドームを使用した割合は、最も低いコンゴ民主共和国で8.5%、最も高いカメルーンで52%だった;30〜40%しか使っていなかった国は、コートジボアール(32%)、レソト(43%)、マラウィ(42%)、モザンビーク(43%)、ナイジェリア(38%)、タンザニア(35%)、ウガンダ(30%)、ハイチ(42%)だった。多くの場合、少女のプライバシーや意思は尊重されず、最初の性体験は強制されたものだった。たとえばネパールでは、15〜19歳の少女の47%が15歳未満でセックスを経験しており、最初の性行為は自らの意思に反するものだったと報告している。年齢の離れた関係も10代の少女のHIV感染のリスクを高める要因になる。南アフリカでは、性的に活発な10代の少女の3人に1人が5歳以上年長の相手と性関係を持っている。

 だが、学校の内外における包括的な性教育の中で人権およびジェンダーの平等に基づくアプローチがあれば、ジェンダーに由来する暴力やイジメは減らすことができる。また、少年と少女の間でより平等な関係を促し、広汎なジェンダーの平等を実現することにもなる。このことがリスクの高い行動を減らし(コンドーム使用や避妊など)、性行為の開始年齢を遅らせたり、性行為の相手の数を減らしたりすることにつながっていく。

図7 過去12カ月間にパートナーから暴力を受けた15〜19歳の少女の割合(略)

図8 世界全体の10代のHIV新規感染の50%を占める6カ国 における15〜19歳の男女別HIV陽性率(略)


キーポピュレーションの中の10代;置き去りにされている
 世界的にキーポピュレーションの中でも10代の若者(ゲイ、バイセクシャルの少年、10代のトランスジェンダーの若者、性を売る10代、10代の薬物使用者)はHIV感染のより高いリスクにさらされている。これら社会的に排除されがちな集団は差別や人権侵害を受け、サービスからも閉め出されていることがしばしばある。キーポピュレーションの中での10代が抱える様々な現実に対応し、彼ら彼女らが暴力と差別を受けずに成長するだけでなく、安心してHIV検査やエビデンスに基づく治療や予防のプログラム、性と生殖に関する保健サービスを利用できるようにしなければならない。このことが、10代の若者に生活と健康への権利、差別を受けずにいる権利を保障することになる。

 すべての10代の若者が、HIVから自らを守れるようにするための情報とサービスを受ける権利がある。HIV陽性の10代の若者は誰でも、母子感染か10代になってからの感染かに関わりなく、それぞれに固有のニーズを持ち、脆弱性を抱えている。HIV治療とケアを受ける権利は誰にでもあるのだ。こうしたニーズを満たし、権利を確保するには、HIV検査と相談、そして10代向けの性と生殖に関するサービスが依然、HIV予防、およびHIV陽性の若者に治療とケアを提供するための重要な入り口になっている。

2013年現在、世界全体で
 10代人口は12億人(全人口の五分の一)
 アフリカではエイズが10〜19歳の死亡原因のトップ
 10代のHIV陽性者は210万人[190万〜230万人]
 10代の新規HIV感染の三分の一は少女

性と生殖に関する健康とHIVをつなげる
 ・世界全体で15〜19歳の少女1500万人が出産している。
 ・10代の妊娠の9割が、早過ぎる、そしてしばしば強制された結婚の結果である。
 ・妊娠、出産に伴う死亡は低所得国における10代の少女の死亡原因のトップである。
 ・毎年250万人の10代の少女が安全ではない状態で妊娠中絶している。

図9 15〜24歳の男女のうち、過去12カ月にHIV検査を受けた人の割合(2010〜14)(略)


データ不在が10代を脆弱化させる
 いくつかの国の統計はあるものの、世界的には、HIVケアや治療を受けている10代の数は把握されていない。各国は10〜14歳、15〜20歳のデータ(性別も含め)を集めるよう求められているが、それができるほど保健情報システムが整っている国は非常に少ない。結果として、ほとんどの国が、10代のHIVの流行を追跡することも、関連データ(ウイルス量のモニタリングなど)を効果的に集めることもできていない。

 抗レトロウイルス治療の長期にわたる健康への影響をモニターする必要がある。10代の若者におよぼすHIVの影響の大きさはまだ見えないままだ。結果として、10代のHIVの流行に対応するための各国予算も国際的な資金も不十分なままになっている。

 いま入手できる10代の若者(10〜14歳および15〜19歳)のデータの改善をはかれば、各国は対策の策定とモニターの能力を高め、よりよい成果を得られるようになる。HIV治療と予防の資金を10代の若者が必要とする分野に向けることができるのだ。

声を集める
 All Inは、エイズ対策の中で明らかに取り残されている若者とともに若者のための緊急行動をとるため、声を集めている。プログラムと政策の変革を通じ、若者とともに若者のための成果をあげられるようになる、社会活動を活性化させる行動のプラットフォームを形成し、2030年のエイズ終結を目指して多分野のアクターを結集して2020年までに10代のエイズ関連の死亡と新規HIV感染を大きく減らすのがAll Inの目的だ。

 協力のプラットフォームは4つの行動分野に焦点を当てている。

 10代の若者を社会変革のリーダーや活動主体になるよう巻き込み、動員し、支援する。
 ・国のエイズ対策の戦略策定や投資に10代の若者の現実を反映させ、若者が意思決定を含むプログラム全体に実体として参加できるようにする。
 ・若者グループを結集し、協力して、性と生殖に関する健康やハームリダクションを含むHIV関連の情報とサービスの利用に対し、年齢制限や保護者の同意などを定めている法律の検証を進める。
 ・若者のHIV感染リスクや脆弱性を増すような(偏見、差別、有害なジェンダー規範など)社会経済的、政治的要因に取り組む若者主導の社会の動きを支援、強化する。

 データの収集、分析、活用方法を改善し、国のエイズ対策の中で10代に特有の課題を把握する。
 ・10代の若者を対象にしたHIV対策を戦略的に他の保健開発課題とつなげていく。
 ・既存の疫学的知見や対策を検証し、10代の若者がHIV感染およびエイズ関連の死亡の最も高いリスクにさらされている地域を把握する参加型のAll In評価を行う。
 ・多分野の連携を強化して10代向けHIVサービスと情報へのアクセスを向上させるために国のエイズプログラムと戦略を精査する。
 ・国の指導者が10代に向けた参加型All Inの評価と実践に取り組むように促す。

 10代の若者向けサービスの利便性を高め、予防、治療、ケアのプログラムの効果があがるような方法を工夫する。
 ・HIV関連サービスが提供しやすくなるよう官民のパートナーシップを拡大する。
 ・10代の若者向けに有望な革新的手法とプログラムの開発を続けられる仕組みを作る。
 ・コミュニティを観察し、説明責任を果たせるようオンラインの技術と工夫を生かす。
 ・それぞれの流行にあわせ、HIV陽性の10代の若者(およびHIVに感染しやすい状態の若者)向けにコミュニティ支援を強化する。

 世界、地域、各国レベルで10代のHIV対策への投資と予算確保に向けた政治的意思を生み出していく。
 ・HIV感染のリスクを低減するため、10代の若者のネットワークの充実とリーダーシップ強化、社会変化に向けて世界、地域、各国レベルで政策策定者と10代の世代間対話を進める。
 ・データに基づき最大限の効果を得られるよう資金を活用する(資金ギャップの特定、支出先調査など)。10代のエイズ流行終結に向け、効果的かつ効率的な投資を行う。
 ・資金が直接、若者による若者のためのプログラムに活用されるようにする。


戦略的な枠組み
 All Inの戦略的な枠組みは、HIV感染の高いリスクにさらされる若者やエイズで死亡する恐れのある若者に焦点をあて、新規HIV感染ゼロ、エイズ関連の死亡ゼロ、差別ゼロのビジョンを実現することを目指している。対象はたとえば:
 ・HIV陽性の10代(母子感染のHIV陽性者で感染が分かっている若者、分かっていない若者、10代になってから感染した若者など)
 ・HIV感染の高いリスクにさらされている10代の若者(10代の少女、とりわけサハラ以南のアフリカの少女;注射薬物使用者;ゲイ、バイセクシャルの少年;トランスジェンダーの若者;性を売る10代の男女など)

この枠組みは以下の社会分野における3つの原則と1つの方法にまたがっている。
 ・10代の若者のリーダーシップと参加
 ・人権と平等
 ・性と生殖に関する健康と教育
・企画と実践のための改善されたデータ

図10 All In戦略枠組み:2030年までに10代(10〜19歳)のエイズの流行を終結(略)

 戦略枠組みはHIV投資アプローチおよびエビデンスで証明された10代の若者向けHIV対策に基づき、状況に対応したプログラムを推奨している。(注5、6、7)

 この枠組みは変革と効果的な手法を生み出す契機となり、10代の若者に投資する主要パートナーの支援で成り立つ。いくつかの段階を経て2015年から2020年までの間に世界全体で10代の若者の新規HIV感染を75%減らし、エイズ関連の死者を65%減らすことを目指している。

 質の高いHIV検査、治療、ケア。10代を対象にHIV検査と相談を拡大し、ケアに結びつけるための異なるアプローチを含む。母子感染でHIVに感染し、自らの感染を知らずに成長した若者に特化した戦略も含まれている。10代のHIV陽性者には、このプログラムが抗レトロウイルス治療の開始、継続、およびケアの維持、日和見感染症治療に向けた効果的なアプローチとなる。小児科から10代への治療、ケアの移行、第2、第3選択薬の活用など、10代の抗レトロウイルス治療失敗例に対する管理も含まれる。最終的にHIV陽性の10代を予防および他の性と生殖に関する健康関連サービスにつなげることが重要になる。

 複合的HIV予防。エビデンスが示されているHIV予防プログラムを状況と年齢に応じて組み合わせていく。現金給付、コンドーム使用促進、社会行動学的な行動変容プログラム(ソーシャルメディ戦略など)、曝露前予防投与、男性の割礼などが含まれている。それぞれの若者グループによってHIV予防プログラムの組み合わせは異なり、最大限の成果があげられるよう革新的かつ効果的なモデルとプラットフォームを組み立てることができる。

 社会変革。保健に関する社会的、政治的、経済的要因に対応していくことが複合的な予防、HIV検査、治療、ケアには重要になる。プログラムは10代のHIV感染のリスクを増大させたり、効果的対策へのアクセスを阻んだりしている政策や法的、社会経済的状態を変えていく必要がある。

連携。10代のHIV戦略をより広範な10代向けの保健、開発プログラムとつなげることが重要だ。性と生殖に関する健康の改善、パートナーによる暴力の防止、ジェンダーの不平等と差別の解消、教育と社会保護機能の強化などが含まれる。

 All Inはデータとエビデンスに基づく国の計画策定システム全体にも広げられるであろう。HIV検査および予防、治療の一連のサービス需要を生み出し、その需要を満たすサービスや資材を確保するための社会変革に焦点があてられることになる。サービスの統合や効率性にも注意をしていかなければならない。

(注4)Mavedzenge SN, Luecke E, Ross DA. Effective approaches for programming to reduce adolescent vulnerability to HIV infection, HIV risk, and HIV-related morbidity and mortality: a systematic review of systematic reviews. J Acquir Immune Defic Syndr. 2014;66:S154–S169.
(注5)Hardee K, Gay J, Croce-Galis M, Afari-Dwamena NA. What HIV programs work for adolescent girls?. J Acquir Immune Defic Syndr 2014; 66:S176–S185.
(注6)Schunter BT, Cheng W, Kendall M, Marais H. Lessons learned from a review of interventions for adolescent and young key populations in Asia Pacific and opportunities for programming. J Acquir Immune Defic Syndr 2014; 66:S186–S192.


2020年向けた成果の追求
 現在の各国プログラムにモニタリングと評価を入れ、10代に向けた対策の成果を高める。知識管理プラットフォームは3つの成果目標の達成を助けるであろう。

 All In目標のモニタリングは、現行の報告の仕組みを強化し、各国が年齢別、性別にデータを集める手助けになる。それが対策や政策の選択の幅を広げることにもなるのだ。各国にとっては参加型の初期評価を実施し、ベースラインと2015時点での基礎指標が得られる。また、世界共通の目標の再設定にあわせて目標を設定することができる。成果を把握し、10代の若者の参加を高めることができるのだ。こうしたプロセスは、オンライン技術を用いて若者の参加による若者のためのコミュニティのモニタリングと説明責任のシステムを強化するテコにもなる。

図11 All Inの主要日程(略)

All Inに結集しよう
 各国がHIV対策や保健戦略、予算配分で10代を無視することは社会正義にかかわる問題だ。

だが、力を合わせれば、歴史の流れは変えられる。効果の高い対策と工夫された手段に投資すれば、All Inの目標は達成可能になる。

 エイズ流行終結に向けて期待の持てる動きもある。10代に届けられるプログラムが増えており、その多くが若者自身によって運営されているのだ。国のエイズ対策課題に10代の若者を含める国も増えている。


勢いを持続させる必要がある
 All Inは力を入れるエリアを特定している。データ改善、各国のエイズ対策における10代対策の強化、新規技術開発、若者のより積極的な参加などだ。All InはHIV陽性、およびHIV感染の高いリスクにさらされている10代に対し、手遅れにならないうちに現在の資金を活用し、より戦略的な投資を行うことを求めている。

 エイズ終結に向けてAll Inには若者自身の参加がとりわけ必要だ。すでに若者たちはこの運動の運営に加わり、政策の変更を呼びかけている。若者の参加を促進し、リーダーシップを取れるようにすれば、エイズ流行終結への動きは進んでいく。


コメント
 「政策決定のすべての局面に若者が参加しない限り、エイズ流行の終結やゼロ目標について語ることはできません。10代の若者はHIVの影響を最も受けている層であり、明日のリーダーでもあります」
HIV陽性の若者の世界的ネットワーク、Y+のコンソラータ・オピヨ

 「アフリカでエイズが10代の若者の最大の死亡原因である限り、エイズ終結への道を進んでいるなどということはできません。HIV陽性、およびキーポピュレーションの10代が公正な扱いを受けるよう活動を続ける必要があります。若者が誰一人、取り残されることがないようにする。これは若者の運動が果たすべき責務です」
パブロ・アギレラ HIV若い指導者財団事務局長、PACT共同委員長

 「サハラ以南のアフリカの将来は若者の保健と福祉にかかっています。パートナー国およびその他の人たちと協力し、HIVに感染しやすい立場にある10代の少女や若い女性が直面している保健のギャップを解消することに取り組みます」
デボラ・バークス 米地球規模エイズ調整官、米国際保健特使

「心からAII In発足を歓迎します。この構想は根強く続くHIV感染を止める革新的な手段です」
マーガレット・チャン 世界保健機関(WHO)事務局長

 「若者たちの現状を把握し、課題に取り組む必要があります。若者の人権、および性と生殖に関する健康を守り、HIVの予防と治療を提供するために、国連人口基金(UNFPA)はAll Inします」
ババトゥンデ・オショティメイン UNFPA事務局長

 「HIVの流行の深刻さをすべての人に認識してもらい、流行を克服するための機会を広げていきましょう」
マーク・ダイブル 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)事務局長



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