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zoom RSS 低中所得国のHIV陽性者の10%は50歳以上 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が補足報告書

<<   作成日時 : 2013/11/02 11:01   >>

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(解説) 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が11月1日、「HIV AND AGING」という報告書を発表しました。UNAIDSは今年9月24日に『世界のエイズの流行2013年版』(2013 Report on the Global AIDS epidemic)を公表しており、今回の報告書はその補足という位置づけです。抗レトロウイルス治療の普及により、HIV陽性者が長く生きられるようになっているので、高齢化に伴うさまざまな課題が浮上してくるのは当然の流れでもあります。報告によると、低中所得国ではHIV陽性者人口の10%、欧米や日本などの先進諸国ではHIV陽性者の30%が50歳以上の中高年層で占められているということです。こうした高年齢化傾向の要因としては次の3点が挙げられています。

 ・抗レトロウイルス治療の効果でHIV陽性者が長く生きていけるようになった。
 ・若者のHIV感染が減ってきた結果、陽性者の年齢構成が相対的に高い層に移行している。
 ・中高年層にも感染防止策をとらない性行為や注射薬物使用など感染リスクを高める行動が見られる。

わが国にも共通する課題であり、すでに利用可能な保健サービスとの統合や連携をはかりつつ、きちんと対応しましょうという今回の報告書の注意喚起は重要です。とくにHIV/エイズの流行に大きな影響を受け、対策の鍵を握る集団であるキーポピュレーションのニーズを反映しつつメインストリームの保健サービスを利用しやすいものにしていくという対策の大きな方向性は、極めて常識的な指摘であると同時に、改めて重視しておくべき考え方でもあります。報告書は8ページの短いものですが、とりあえず、もっと短いUNAIDSのプレスレリースを日本語に訳しました。ご関心がお有りの方は、さらに英文報告書の8ページにもチャレンジしてみてください。



 低中所得国のHIV陽性者の10%は50歳以上 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が補足報告書
 人口動態から見たエイズの流行の変化により、HIV関連サービスが行き届いていない50歳以上のHIV陽性者への対応が浮上
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2013/november/20131101praging/

ジュネーブ、2013年11月1日 ― HIVと高齢化をめぐる課題に焦点を当てた「世界のエイズの流行2013年版」の補足報告書が1日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)から発表された。

補足報告書によると、推計3530万人[3220万〜3880万人]の世界のHIV陽性者うち、360万人 [320万〜390万人]が50歳を超えているという。その大多数 ― 290万人 [260万〜310万人] は低・中所得国で生活しており、それらの国々では成人のHIV陽性者人口の10%以上が50 歳以上の陽性者で占められている。補足報告書はまた、高所得国ではHIV陽性者のほぼ3分の1が50 歳以上であることも明らかにしている。

「50歳以上の中高年層の人々に対するHIVサービス提供の必要性は見過ごされがちです」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長は語る。「このことは生命にかかわる問題です。中高年層に特有のニーズに着目し、50歳以上の人たちがすでに利用している保健サービスにうまくHIVサービスを統合していく必要があります」

HIVの流行の「高齢化」を促す大きな要因は3つあります。抗レトロウイルス治療の効果でHIV陽性者が長く生きていけるようになったこと、若者のHIV感染が減ってきた結果、相対的に感染年齢が高い層に移行していること、そいて、50 歳以上の人たちの間で感染防止策をとらない性行為や注射薬物使用などのHIVの新規感染のリスクを高める行動が見られることです。

HIV検査を含め、50歳以上の人たちが利用しやすいHIV予防サービスが必要不可欠であり、こうしたサービスはとくにHIVの流行の影響を強く受けているキーポピュレーションのニーズを反映したものでなければならないと補足報告書は強調している。また、免疫の力は年齢とともに弱まっていくので、適切な時期に抗レトロウイルス治療を開始することが中高年層ではとくに重要であるとしている。

結論として補足報告書は、HIV対策がこの重大な人口動態的変化に対応する必要があることを指摘している。また、50歳以上の人たちが利用している保健サービスにHIVサービスをうまく統合させていくことの必要性も強調している。




UNAIDS reports that more than 10% of people living with HIV in low- and middle-income countries are aged 50 and over
Shifting demographics of the AIDS epidemic demands a new focus to reach people above the age of 50––a population currently underserved by HIV services.

GENEVA, 1 November 2013—The United Nations Joint Programme on HIV/AIDS (UNAIDS) has released a supplement to the 2013 UNAIDS Report on the global AIDS epidemic focused on the issue HIV and aging.

The supplement reveals that out of the global total of 35.3 million [32.2 million – 38.8 million] people living with HIV, an estimated 3.6 million [3.2 million–3.9 million] are people aged 50 years or older. The majority––2.9 million [2.6 million–3.1 million]—are in low-and middle-income countries where the percentage of adults living with HIV who are 50 years or older is now above 10%. The supplement also reveals that in high-income countries almost one-third of people living with HIV are 50 years or older.

“People 50 years and above are frequently being missed by HIV services,” said Michel Sidibé, UNAIDS Executive Director. “This is costing lives. Much more attention needs to be given to their specific needs and to integrating HIV services into other health services which people 50 years and over may already have access to.”

The “aging” of the HIV epidemic is due to three main factors: the success of antiretroviral therapy in prolonging the lives of people living with HIV, decreasing HIV incidence among younger adults––shifting the disease burden to older ages, and that people aged 50 and above are engaging in risk taking behaviour such as unprotected sex and injecting drug use which are leading to new HIV infections.

The supplement highlights that HIV prevention services, including HIV testing, tailored to the needs of people aged 50 and above, are essential and that these services should also reflect the needs of key populations in this age group. The supplement also outlines the importance of timely initiation of antiretroviral therapy as the immune system weakens with age.

The supplement concludes that HIV responses therefore need to adapt to this important demographic trend. It also underlines the need to integrate HIV services for people over the age of 50 with other health screening services available to this age group.

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