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zoom RSS TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース) 第58号(2013年6月)

<<   作成日時 : 2013/06/30 21:05   >>

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第58号(2013年6月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに どうなるポスト2015

2 リアルに知るHIV・エイズ

3 「地域においてHIV陽性者等のメンタルヘルスを支援する研究」が初年度報告書

4 新刊紹介『性について語ろう』

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに どうなるポスト2015
 ミレニアム開発目標(MDGs)は2000年の国連ミレニアムサミットの宣言に基づいて設定された21世紀初頭の国際社会の共通目標です。途上国の開発を支援し、貧困をなくすことを目指し、以下の8項目が目標(ゴール)として掲げられました。

 目標1 極度の貧困と飢餓の撲滅
 目標2 普遍的な初等教育の達成
 目標3 ジェンダーの平等と女性の地位の向上
 目標4 幼児死亡率の引き下げ
 目標5 妊産婦の健康状態の改善
 目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止
 目標7 環境の持続可能性の確保
 目標8 開発のグローバル・パートナーシップの構築

 21世紀のスタート段階では、アフリカを中心とする途上国のエイズの流行は国際社会が協力して取り組むべき緊急課題として注目され、対策の必要性が強く指摘されていました。このため目標6にはHIV/エイズを中心にした感染症対策が掲げられ、他の7つの目標もすべて、エイズ対策を抜きにしては語れないと言われたほどです。

この大きな流れを生み出し、国際社会に対する注意喚起のきっかけになったのが実は2000年7月の九州沖縄サミットだった。このことは日本としても大いに誇りを持っていいでしょう。2001年には国連エイズ特別総会がニューヨークで開かれ、2002年には世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)が創設されるなど、国連も世界の国々も本腰を入れて対策に取り組んだことから、MDGsの8つの目標の中でも目標6は高い成果を上げてきました。目標6はMDGsの中でも最も大きな成果をあげた分野として評価されることもしばしばあります。

 医学研究の成果として治療法が進歩し、その成果を生かすべく国際社会が治療の普及に力を入れた。このため、途上国にも希望が生まれ、波及効果として、それまで地道な努力を続けてきた予防対策にも勢いがついた。HIVに感染した人や感染の高いリスクにさらされている人への偏見や差別を取り除き、安心して生活できる社会が実現しなければ検査も治療も受けられない。HIVの流行により大きな打撃を受けている人たちへの支援はHIVの感染予防対策にも不可欠である。このことも少しずつ理解されるようになっていった・・・。そうしたもろもろの条件が積み重なって大きな成果につながったといえるでしょう。

国連の推計では2011年の年間の新規HIV感染者数は2001年当時より20%も減り、エイズによる年間死者数は2005年当時と比べて24%も減少したそうです。

 もちろん、これは大変なことなのですが、それでもまだ、世界のエイズの流行は深刻です。減少傾向が見えてきたとはいえ、年間の新規感染者は250万人、死者は170万人と推計されています。これからさらに「流行を克服した」と言える段階まで持ち込むにはどうしたらいいのか、その道筋もある程度、見えてはきましたが、簡単に実現できるわけではありません。いまこそ対策に力を入れるまさに正念場であるということは、日本でエイズ対策にかかわっている方たちもひしひしと感じているのではないでしょうか。

 しかし、人間の世の中というのは悲しいもので、がんばって成果があがればあがったで、ついつい油断したくなったり、もうエイズ対策はほどほどにしておけばいいんじゃないのといった意見に同調したくなるような雰囲気が広がってきたりということもあります。

国連の潘基文事務総長は5月31日、『新たな世界のパートナーシップ:持続的開発による貧困の根絶と経済変革』という報告書を発表しました。ミレニアム開発目標は2015年が達成年として設定されているので、目標が達成されてもされなくても、MDGsはそこでいったん終わりになります。その後はどうなるの・・・ということで、国連が世界の指導者12人で構成される委員会にポスト2015の新たな目標設定に向けた検討を要請し、その委員会がまとめたのが今回の報告書です。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)のサイトに掲載された報告書の紹介記事、および報告書で示された5つの柱と12項目の暫定目標を日本語に仮訳してHATプロジェクトのブログに載せました。関心がある方はご覧ください。
 
 《国連が報告書でポスト2015の開発アジェンダ案を提示》
 http://asajp.at.webry.info/201306/article_3.html

 《ポスト2015 五つの柱と12の暫定目標(ゴール)》
 http://asajp.at.webry.info/201306/article_4.html

 12のゴールはあくまで暫定的に示されたもので、これから1年半かけて議論を重ね、改善をはかっていくようですが、大枠はほぼ決まったということでしょう。HATプロジェクトのブログはこの点を次のように指摘しています。

《12の課題を項目として手短に表現すると、貧困、ジェンダー、教育、保健、食糧、水・衛生、エネルギー、雇用・安定、資源管理、統治、平和、金融・・・ということになるでしょうか。保健はその中の一つという位置づけで、MDGsと比べると、ぐ〜んと後退した感は否めません》

 エイズ対策はその保健の中のさらに一部です。流行は終わったわけでも、終わりの始まりが見えているわけでもさらさらなく、世界はいまも依然として深刻な流行に直面しているのだけれど、ポスト2015の中ではそれほど優先順位は高くない。この現実をきちんと見つめ、対策を後退させない持続的な努力が今後ますます求められていくことになりそうです。



2 リアルに知るHIV・エイズ
 エイズについて知りたいと思い立った大学生が専門家を訪問し、レクチャーを受ける。公益財団法人エイズ予防財団が、そんなストーリーの啓発ビデオを作成しました。@基礎知識編、A検査&治療編、Bサポート編に分かれており、各編とも予防財団の公式サイトからダウンロードできます。
 http://www.jfap.or.jp/aboutHiv/readTheAIDS.html

 HIV検査の待合室や啓発活動の導入部などで活用してほしいということです。



3 「地域においてHIV陽性者等のメンタルヘルスを支援する研究」が初年度報告書
 厚生労働省の「地域においてHIV陽性者等のメンタルヘルスを支援する研究」(研究代表者:樽井正義慶應義塾大名誉教授)が平成24年度研究報告書を発表しました。《HIV感染症と薬物使用を含むメンタルヘルスの現状と課題を明らかにし、必要とされる対応を検討することでHIV 陽性者と薬物使用者支援の基礎資料を策定する》という研究で、以下の6つの課題について、2012年度から3年間にわたって研究が進められています。

 a.HIV および精神保健専門機関における支援と連携

 b.地域相談機関におけるHIV 陽性者、薬物使用者へのサービス提供

 c.HIV 陽性者の生活と社会参加

 d.薬物使用者を対象にした聞き取り調査− HIV と薬物依存との関連要因をさぐる

 e.依存症治療施設におけるHIV 陽性者診療の状況調査

 f.NGO におけるHIV 陽性者および薬物使用者の支援に関する調査

 初年度である平成24年度の研究報告書は「地域におけるHIV陽性者支援のためのウェブサイト」でpdf版がダウンロードできます。



4 新刊紹介『性について語ろう』
 特定非営利活動法人ぷれいす東京の前代表、池上千寿子さんが『性について語ろう―子どもと一緒に考える』(岩波ブックレット)を出版しました。
 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708720/top.html

 子供から性の科学的知識について訪ねられたら・・・。う〜ん、困ったなとお悩みのお父さん、お母さんも少なくないかもしれません。著者はこう答えています。

 《「一緒に調べて見よう」でいいのです。「そういえば性ってなんだろうね」と改めて問い直す》

 あっ、その手があったか。《「あるがままのあなたでいい」 そのことを伝えたい》というメッセージのもとに、性の多様性や命、自尊感情などについて考えていくさまざまなヒントが語られています。

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