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zoom RSS HIVに感染して生まれた幼児の「機能的治癒」に関するニュースをUNAIDSとユニセフが歓迎

<<   作成日時 : 2013/03/05 14:36   >>

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 (解説) HIVに感染した赤ちゃんに生後30時間から抗レトロウイルス治療を開始した結果、現在2歳半のその赤ちゃんは「機能的治癒」を実現できているようだという米国の研究者の発表に対するUNAIDSとユニセフの歓迎のプレスステートメントです。抗レトロウイル薬による早期治療を完治につなげる。これは現在の世界のHIV研究の大きなテーマです。抗レトロウイルス治療を止めても体内のHIVが検出限界のまま増えない。これならHIV感染の状態を脱したのと同じことだというわけで、こうした状態は「機能的治癒」ないしは「機能的完治」と言われています。現在の抗レトロウイルス治療は生涯にわたって治療を続けることが前提になっています。治療薬を止めれば、体内のHIV量はまた増えてくる。したがって、生涯にわたって薬を飲み続けなければならない。世界にすでに推定3400万人ものHIV陽性者が生きている中で、治療が必要になった人全員に治療を提供し続けることができるのかどうか。完治療法開発の必要性が強調され、今回のような報告が注目されるのは、強がりの研究者がどう主張しようと、抗レトロウイルス治療だけでは、今後の見通しは極めて厳しいということの証左でもあります。ただし、今回の報告が一足飛びに完治への道を開くというものではなく、UNAIDSの歓迎ぶりも一応、慎重です。研究に力を入れ、少しずつ将来への展望を切り開く可能性が出始めているということでしょうか。喜びすぎず「歓迎」して、世界中の(もちろん日本の優秀な研究陣も含めて)研究者の皆さんの努力を励まし、後押ししていきましょう。



HIVに感染して生まれた幼児の「機能的治癒」に関するニュースを国連合同エイズ計画(UNAIDS)とユニセフが歓迎
 同様の結果が得られるかどうかを確認するためのさらなる研究に期待
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2013/march/20130304hivbaby/

【ジュネーブ 2013.3.4】 国連合同エイズ計画(UNAIDS)とユニセフは、生後30時間で抗レトロウイルス薬の治療を開始し、18カ月間にわたってHIV治療を続けた赤ちゃんが「機能的治癒」を実現しているようだとする新たな事例研究の結果を歓迎する。

 研究の成果は本日、米・ジョージア州アトランタで開かれているレトロウイルス・日和見感染症学会 (CROI)で発表された。

 研究者によると、HIV陽性の母親は出産時に抗レトロウイルス薬((ARV)や出生前ケアを受けていなかった。赤ちゃんは2010年7月、ミシシッピ州で、未熟児の状態で生まれたと研究者は語っている。HIV曝露のリスクが高かったため、赤ちゃんは抗レトロウイルス薬の三剤併用療法を出生後30時間で開始。その時点ではHIVに感染しているかどうかは確認されていなかったという。新生児のHIV陽性の状態はその後、数回にわたる高感度ポリメラーゼ連鎖反応検査(PCR検査)で確認されている。

 事例研究の発表では、赤ちゃんは1週間後に退院し、生後18カ月まで抗レトロウイルス治療を続けた。理由は明らかにされていないが、治療はその後。中断されている。しかし、その約半年後に受けた検査では血液サンプル中のHIVは検出限界以下で、HIV抗体も見られなかった。

 この研究結果が確認できれば、HIVに感染していながら、HIV治療中断後もウイルス量が検出限界以下に保たれていることがきちんと記録された最初の小児事例となる。

 「このニュースは、小児HIV感染のキュア(完治)が可能になり、エイズから自由な世代に一歩近づくことができるということで、私たちに大きな希望を与えてくれます」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長はいう。「今後も研究に力を入れる必要があること、とりわけ早期診断分野における技術革新が必要なことを強く訴える成果でもあります」

 UNAIDS とそのパートナー機関は2011年、子供の新規HIV感染を2015年までになくし、母親が生きていけるようにするための世界計画を開始。すでに大きな成果をあげているし、計画には今後も継続的な支援と研究が必要になっている。

 「さらなる研究により今回の成果が確認されるのを待つ必要はあるものの、大きなニュースというべきだろう」とユニセフのアンソニー・レーク事務局長は語る。「私たちにはすでに分かっていることだが、今回の結果は、感染のリスクのある新生児にはできるだけ早く検査をすることが大切だということを改めて示すものでもある」

 世界保健機関(WHO)とユニセフのデータによると、2010年時点でHIVの曝露を受けている新生児のうち6 週間以内にHIV検査を受けている赤ちゃんは28%にとどまっている。診断コストが高いこと、結果を得るのに時間がかかること、医療サービスへのアクセスが限られていることなどが早期診断と治療を妨げている。2011年には年間33万人の子供が新規にHIVに感染している。2011年末時点で15歳未満のHIV陽性の子供のうち28%しか治療を受けていない。成人で治療が必要な人は54%が受けているのに、である。

 幼児は現在、2歳半で、抗レトロウイルス治療なしで元気に成長し、検出しうるレベルの HIVは見つかっていない。しかし、UNAIDSは、さらに多くの研究により、今回と同じ結果を確認することができるかどうか、注意深く見ていく必要があると考えている。




UNAIDS and UNICEF welcome news of a baby born with HIV who now as a toddler appears “functionally cured” through treatment
And looks forward to further studies to see if findings can be replicated.


GENEVA, 4 March 2013 The Joint United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS) and UNICEF welcome a new case study, which found a baby treated with antiretroviral drugs in the first 30 hours of life and who continued on HIV treatment for 18 months appeared to be functionally cured.
The findings were presented today at the Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI) in Atlanta, Georgia in the United States of America.

According to researchers the mother who was living with HIV at the time of birth had not received antiretroviral (ARV) medication or prenatal care. Researchers say that the child was born prematurely in July 2010 in the state of Mississippi. Due to the high risk of exposure to HIV, the researchers say the baby was started on a triple therapy regimen of antiretroviral drug 30 hours after birth and before proof of infection could be confirmed. The newborn’s HIV-positive status was subsequently confirmed through a highly sensitive polymerase chain reaction testing which was conducted on several occasions.

The case study stated that the baby was discharged from the hospital after one week and continued ARV treatment until 18 months of age, when for reasons that are unclear the treatment was discontinued. However, when the child was seen by medical professionals about a half a year later, blood samples revealed undetectable HIV levels and no HIV-specific antibodies.

If the findings are confirmed this would be the first well-documented case of an HIV-positive child who appears to have no detectable levels of the virus despite stopping HIV treatment.

“This news gives us great hope that a cure for HIV in children is possible and could bring us one step closer to an AIDS free generation,” said UNAIDS Executive Director Michel Sidibe. “This also underscores the need for research and innovation especially in the area of early diagnostics.”

In 2011, UNAIDS and its partners launched a Global plan for the elimination of new HIV infections among children by 2015 and keeping their mothers alive. Significant progress has been made and continued support and research is needed.

“While we wait for these results to be confirmed with further research, it is potentially great news,” said UNICEF Executive Director, Anthony Lake. “This case also demonstrates what we already know - it is vital to test newborn babies at risk as soon as possible.”

According to data from the World Health Organization and UNICEF only 28% of HIV-exposed babies were tested for HIV within six weeks of birth in 2010. Obstacles to early diagnosis and treatment include the high cost of diagnostics and difficulty of getting timely results and limited access to services and medicines. There were 330 000 children newly infected with HIV in 2011. At the end of 2011, 28% of children under the age of 15 living with HIV were on HIV treatment, compared to 54% of eligible adults.

Now two and a half year’s old, the toddler continues to thrive without antiretroviral therapy and has no identifiable levels of HIV. However, UNAIDS cautions that more studies need to be conducted to understand the outcomes and whether the current findings can be replicated.

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