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zoom RSS UNAIDS報告書「Together we will end AIDS」プレスレリース

<<   作成日時 : 2012/07/21 01:19   >>

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 (解説) 第19回国際エイズ会議の開幕を4日後に控え、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が18日、世界のエイズの流行と対策の現状について最新データを含む報告書「Together we will end AIDS(力を合わせてエイズの流行を終わらせよう)」を発表しました。そのプレスレリースの日本語仮訳です。先進諸国からの国際援助資金が頭打ちになる一方、途上国自らの国内資金が大きく増額されているという最近の資金トレンド、抗レトロウイルス治療を受けられる低・中所得国のHIV陽性者は800万人(治療を必要とする人の54%)を超えたこと、人権尊重が対策の基盤であることなどが報告書のポイントとして強調されています。毎年の資金不足は70億ドルと推計され、水を差すようで申し訳ありませんが、エイズの流行を終わらせるというのはかなり厳しい目標ではないかと思います。政治的判断から威勢のいいことを言わざるを得ない時期ということなのかもしれません。過度な楽観論に流れず、そうかといって悲観して投げ出すこともなく、困難であるからこそ息長く続けていくという基本認識は変わらないのではないかと思います。



2006年から2011年までの間に80カ国以上がエイズ対策の国内投資を50% 以上増額
           (UNAIDS プレスレリース)

UNAIDSの新たな報告書とその補足資料によると、国際資金が頭打ちになる中で、より多くの国がHIVに対する国内投資を増やすようになっている。また、抗レトロ ウイルス治療を受けているHIV陽性者は過去最高の800万人に達している。http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2012/july/20120718prunaidsreport/

【ワシントンDC/ジュネーブ 2012年7月18日】 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の新たな報告書は、HIV対策の各国国内資金が国際投資を上回っていることを明らかにした。報告書「Together we will end AIDS(力を合わせてエイズの流行を終わらせよう)」は、2011年の低・中所得国のエイズ対策投資が2010年の11%増の86億ドルに達したと報告している。一方、国際資金は、2008年レベル(82億ドル)にとどまっている。

報告書によると、2006年から2011年までの間に80カ国以上がエイズ対策の国内投資を50% 以上増額している。低・中所得国の経済成長にしたがって、エイズ分野の国内公共投資も増えている。たとえば、(南アフリカを除く) サハラ以南のアフリカでは、過去5年で97%増加している。南アフリカでは、2006年から11年の間に4倍に増え、すでに国内資金が80%を占めている。

「これが世界的な連帯と責任の共有の時代なのです」とUNAIDSのミシェル・シディベ事務局長は語る。「流行に最も大きな影響を受けている国々が自らの責任を引き受け、HIVへの対応でリーダーシップを発揮しようとしています。それでも、国際支援が頭打ちの状態のままでは、十分な対応はとれません。2015年の目標を実現するには、国際資金を増やす必要があります」

各国が自らの負担を増やし、責任の共有を進めていくため、ワシントンDCで開かれる第19回国際エイズ会議に先立ち、アフリカ連合はエイズ・結核・マラリア分野における責任の分担と世界的連帯に向けたロードマップを発表した。そこでは、2015年までのより多様でバランスがとれ、持続可能なエイズ対策資金確保の道筋を描き、アフリカの新たなリーダーシップを示すとともに、世界的なエイズ対策の構図を明らかにしている。

BRICS諸国 (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ) は、2006年から11年までの間にHIV分野の国内公共支出を120%増やしている。平均するとBRICS 諸国のエイズ対策資金の75%以上が現在、国内投資で占められている。南アフリカと中国ではすでに80%以上が国内資金であり、中国政府は数年以内に対策は完全に国内資金でまかなうことを約束している。インドもエイズ対策の次期段階においては、国内資金の負担割合を90%以上に増やすことを約束している。

一方で、国際社会からの2011年のHIV資金は82億ドルで、2008年からほぼ横ばいである。エイズ分野の国際援助の約48%は米国からの資金で占められている。

「世界のエイズ対策にぐずぐずしている時間がないことは明らかです。むしろ、私たちはこれまでの成果を踏まえて、エイズのない世代(エイズ・フリー・ジェネレーション)を実現させるには、いまこの機会をとらえなければならないのです」と米国の世界エイズ調整官であるエリック・グーズビー大使はいう。「米国は1ドル1ドルが可能な限り生命の救済に役立てられるよう賢明な投資を行うことで、今後も自らの責任に見合った負担を継続していくことを明らかにしてきた」

各国の国内のエイズ対策投資が増加しているとはいえ、HIV分野の世界の資金はまだ大きく不足している。2015 年までの毎年の資金ギャップは、年間70億ドルと推定されている。2011年の 国連総会エイズ対策ハイレベル会合で各国は、HIV/エイズ政治宣言を採択し、2015年までにHIV分野の投資を220億〜240億ドル増額することに同意した。目標を達成するには、すべての国が資金の拡大に努力する必要がある。


記録的な数の人々が治療を受け、生命を救われている

エイズ分野の資金は全体として大きく増加しているわけではないが、それでも抗レトロ ウイルス治療を受けられる人の数は記録的な水準に達している。2011年には低・中所得国の800万人が生命を救うことのできる治療を受けられるようになっている。2010年より140万人も増えたことになる。これほど多くの人が新たに治療を開始しているにもかかわらず、まだその数は治療を必要とする1480万人の半数をやや超えた程度 (54%)にとどまっている。

報告書は、子供のHIV新規感染を減少させるという大きな成果の概要も説明している。2009年以来、子供の新規感染は推定で24%減少している。2011年の子供の新規感染は約33万人で、最も多かった2003年(57万人)と比べるとほぼ半分である。

抗レトロ ウイルス治療のアクセス拡大と子供の新規HIV感染防止の両方の成果は、2011年政治宣言で示された目標のうち、2015年までに《子供のHIV新規感染をなくす》、および《1500万人に抗レトロウイルス治療を提供する》の2つの目標の達成軌道に各国が乗っていることを示唆するものである。

HIV感染の予防と治療はすべての人にとっていま、そして常に、必要なことです」とシデベ事務局長はいう。「力をあわせてエイズの流行を終わらせることはできると信じています。問題はできるかどうかではなく、いつできるのかということです」

抗レトロ ウイルス治療のアクセス拡大は、HIVの新規感染を減らすのに役立っている。抗レトロウイルス治療でHIV陽性者の体内のウイルス量が抑えられることが、他の人への感染を防ぐ助けになっているのだ。流行に対応するかたちでの行動変容と抗レトロウイルス治療のアクセス拡大がHIV新規感染の継続的な減少をもたらしている。減少幅は2001年当時と比べると、20%以上である。

ワシントンDCで開かれる第19回国際エイズ会議に先だって発表された報告書には、2011年現在の世界のHIV陽性者数は推定3420万人であるとする最新データが示されている。2010年には少なくとも56 カ国でHIVの新規感染が大幅な減少または頭打ち状態となったことをUNAIDSは報告している。この傾向が続き、世界の新規HIV感染は過去10年で20%近く減少している。最新のデータによると、2011年の新規HIV感染者数は250万人で、2010年の260万人より10万人少なくなっている。

HIV陽性の若者の数は約490万人で、そのうち75%はサハラ以南のアフリカに住んでいる。世界全体で見ると、15歳から24歳までの若い女性が最もHIVに感染しやすい状態にあり、2011年には推定120万人の女性または少女が新たにHIVに感染している。

HIVに関する2011年の基本データ
世界のHIV陽性者数   3420万人 [3180万人〜3590万人]
年間新規HIV感染者数   250万人 [220万人〜280万人]
エイズ関連の年間死亡者数 170万人 [160万人〜190万人]
抗レトロウイルス治療を受けている人 800万人以上


人権を基本に置いたHIVアプローチ

国際エイズ会議はこれまで20年以上、米国では開くことができず、2年前に米国政府がHIV陽性者に対する入国規制を撤廃したことからホスト国として会議を開催できるようになった。しかし、報告書のデータによると、世界では46カ国・地域がいまも、HIV陽性者に対し、何らかのかたちで入国、滞在、居住を規制している。

ジェンダーの平等を進め、コミュニティを力づけるような人権を基本に置いたアプローチの重要性は報告書の中で、エイズ対策のすべての分野に不可欠なものとして、しばしば指摘されている。報告書はまた、HIV関連サービスの提供にはコミュニティを中心にした対応が重要であることも強調している。

「東欧・中央アジアでは、市民社会およびキー・ポピュレーションが強いリーダーシップを発揮し、積極的にエイズ対策に参加しているが、それでもなお、この地域のエイズの流行は急激に拡大しています」と全ウクライナHIV陽性者ネットワークのスビトラナ・モロツ氏は語る。「セックス ワーカー、薬物使用者、男性と性行為をする男性に対する懲罰的な政策を採用し、HIV感染を犯罪として扱うことが、エイズの流行を拡大させる要因になっています。HIVと結核、薬物依存、ウイルス性肝炎を統合した治療プログラムを開発、維持し、HIV治療と予防のバランスのとれた対策を見つけていく必要があります」

報告書はエイズ対策を支えていくには、各国の強い自立性と世界的な連帯が必要なことを指摘している。また、持続可能で、将来もあてのできる投資、および各国が効果的かつ効率的に資金を確保し活用することの必要性を強調している。

「エイズ分野に使われるすべてのドルは、支出ではなく、投資です」とシデベ事務局長はいう。「我々は2015年の目標を達成するだけでなく、その先も見通し、新規感染ゼロ、差別ゼロ、エイズ関連の死亡ゼロのビジョンの実現をしっかり視野に入れていく必要があります」






More than 80 countries increase their domestic investments for AIDS by over 50% between 2006 and 2011

A new report and supplement from UNAIDS shows that as international funding flattens, more countries are increasing their own share of investments for HIV and that a record 8 million people are now receiving antiretroviral therapy

WASHINGTON, DC/GENEVA, 18 July 2012—A new report by the Joint United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS) shows that domestic funding for HIV has exceeded international investments. The report, Together we will end AIDS, states that low- and middle- income countries invested US$ 8.6 billion for the response in 2011, an increase of 11% over 2010. International funding however remained flat at 2008 levels (US$ 8.2 billion).

According to the report, 81 countries increased their domestic investments for AIDS by more than 50% between 2006 and 2011. As economies in low- and middle-income countries grow, domestic public investments for AIDS have also grown. Domestic public spending in sub-Saharan Africa for example, (not including South Africa) increased by 97% over the last five years. South Africa already spends more than 80% from domestic sources and has quadrupled its domestic investments between 2006 and 2011.

“This is an era of global solidarity and mutual accountability,” said Michel Sidibé, Executive Director of UNAIDS. “Countries most affected by the epidemic are taking ownership and demonstrating leadership in responding to HIV. However, it is not enough for international assistance to remain stable­­—it has to increase if we are to meet the 2015 goals.”

To further expand country ownership and support mutual accountability, the African Union launched a Roadmap for shared responsibility and global solidarity for AIDS, tuberculosis and malaria in Africa ahead of the XIX International AIDS Conference in Washington, DC. It charts a course for more diversified, balanced and sustainable financing for the AIDS response by 2015 and demonstrates Africa’s new leadership and voice in the global AIDS architecture.

BRICS countries (Brazil, Russia, India, China and South Africa) increased domestic public spending on HIV by more than 120% between 2006 and 2011. BRICS countries now fund, on average, more than 75% of their domestic AIDS responses. Domestic sources already account for more than 80% of resources spent on AIDS in South Africa and China—and the Chinese government has pledged to fully fund its response in the coming years. India, too, has committed to increase domestic funding to more than 90% in its next phase of the AIDS response. Brazil and Russia already fully fund their AIDS response with domestic resources.

HIV funding from the international community, on the other hand, has largely been stable between 2008 and 2011, at US$ 8.2 billion. Funding from the United States of America accounts for nearly 48% of all international assistance for AIDS.

“It is clear that this is no time for the world to slow down our efforts on global AIDS—rather, we must seize the moment to build on the progress we’ve made and achieve an AIDS-free generation,” said Ambassador Eric Goosby, U.S. Global AIDS Coordinator. “The United States has made it clear that we will continue to do our part in meeting our shared responsibility by making smart investments that stretch each dollar as far as possible to save lives.”

While domestic investments in AIDS are increasing, there is still a large shortfall in global funding for HIV. By 2015, the estimated annual gap will be US$ 7 billion. At the 2011 United Nations High Level Meeting on AIDS, countries adopted a Political Declaration on HIV/AIDS in which they agreed to increase investments for HIV to between US$ 22-24 billion by 2015. A concerted effort by all countries is needed to scale up funding if this target is to be met.


Record numbers of people on treatment – lives saved

Although total resources for AIDS have not significantly increased, record numbers of people are accessing antiretroviral therapy. In 2011, eight million people had access to life-saving treatment in low- and middle-income countries—an increase of 1.4 million over 2010. Despite the substantial numbers of people newly starting treatment, it is only just over half (54%) of the 14.8 million people eligible.

The report also outlines the significant progress that has been made in reducing new HIV infections in children. Since 2009, new infections in children have fallen by an estimated 24%. Some 330 000 children were newly infected in 2011, almost half than at the peak of the epidemic in 2003 (570 000).

In both expanding access to antiretroviral therapy and stopping new HIV infections in children, this progress suggests that countries are on track to achieving the targets set out in the 2011 Political Declaration on HIV/AIDS: to eliminate new HIV infections in children and reach 15 million people with antiretroviral therapy.

“HIV prevention and treatment is needed for all, now and always,” said Mr Sidibé. “I believe that together we will end AIDS. The question is not if but when.”

The increase in access to antiretroviral therapy is helping to reduce new HIV infections. The positive effects of antiretroviral therapy in suppressing viral loads of people living with HIV is helping to stop the transmission of HIV. Changes in behaviour, combined with the natural course of the epidemic and an increase in access to antiretroviral therapy, has resulted in a continuing decline in new HIV infections––by more than 20% since 2001.

The report, launched ahead of the XIX International AIDS Conference in Washington DC, gives new data showing that an estimated 34.2 million people were living with HIV in 2011. In 2010, UNAIDS reported that at least 56 countries had either stabilized or achieved significant declines in rates of new HIV infections. This trend has been maintained and new HIV infections have fallen by nearly 20% in the last 10 years worldwide. New data shows that 2.5 million people were newly infected with HIV, 100 000 fewer than the 2.6 million new infections in 2010.

Some 4.9 million young people were living with HIV, 75% of them live in sub-Saharan Africa. Globally, young women between 15 and 24 years of age remain the most vulnerable to HIV, and an estimated 1.2 million women and girls were newly infected with HIV in 2011.

Key HIV data in 2011 – at a glance
34.2 million [31.8 – 35.9 million] people globally living with HIV
2.5 million [2.2 – 2.8 million] people became newly infected with HIV
1.7 million [1.6 – 1.9 million] people died of AIDS-related illnesses
More than 8 million people receiving antiretroviral therapy

Rights-based approaches to HIV

The AIDS conference is being held in the United States for the first time in over 20 years––and just two years after the host country lifted travel restrictions for people living with HIV. Data in the report shows that 46 countries, territories and areas, however, still restrict the ability of people living with HIV to enter, stay or reside in them.

Rights-based approaches, which advance gender equality and empower communities, are widely recognized in the report as essential to all components of the AIDS response. The report also underlines the important advantage of community-based responses in delivering HIV services.

“We can see strong leadership and participation of civil society and key populations in the AIDS response in Eastern Europe and Central Asia, but we still have a rapidly growing epidemic in the region,” said Svitlana Moroz of the All-Ukrainian Network of People Living with HIV. “Punitive policies towards sex workers, people who use drugs and men who have sex with men, combined with the criminalization of HIV transmission, are all factors fuelling the epidemic. We need to develop and sustain programmes of integrated treatment for HIV, tuberculosis, drug addiction and viral hepatitis and to find an appropriate balance between HIV treatment and prevention.”

The report outlines that sustaining the AIDS response will require strong country ownership and global solidarity. It also emphasises the need for investments to be sustainable and predictable and that countries must be able to mobilize and use resources effectively and efficiently.

“Every dollar spent on AIDS is an investment, not an expenditure,” said Mr Sidibé. “We need to focus not only on achieving the 2015 targets but we need to look beyond and keep our sights set firmly on realizing our vision of zero new HIV infections, zero discrimination and zero AIDS-related deaths.”

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 (解説) 第19回国際エイズ会議に先立ち、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が発表した報告書『Together we will end AIDS』のKey Factsの日本語仮訳です。7月21日に当ブログに掲載した報告書プレスレリースの日本語仮訳とあわせてお読みください。  http://asajp.at.webry.info/201207/article_4.html ...続きを見る
エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジ...
2012/08/03 00:06

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