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zoom RSS TOP-HAT News 第46号(2012年6月) 

<<   作成日時 : 2012/06/30 09:06   >>

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        第46号(2012年6月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに ワシントンの熱い夏〜22年ぶりに米国で国際エイズ会議

2 池袋エイズフェスの出演者募集

3 マニュアルやガイドラインを調べたい方はこちらへ

4 複合HIV予防の重要性を強調 UNAIDSプログラム調整委員会

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに ワシントンの熱い夏〜22年ぶりに米国で国際エイズ会議

 「Turning The Tide Together」をテーマにした第19回国際エイズ会議(AIDS2012)が7月22日から27日まで、米国の首都ワシントンD.C.で開かれます。開幕まであと3週間あまり。会議をめぐる国際的な情報の発信もこのところぐっと増えています。冒頭のテーマは日本語に訳せば「力をあわせて潮目を変えよう」といったところでしょうか。力が入っていますね。治療が普及すれば、エイズの流行は終わらせることができるといった力みが強すぎると、ちょっと困ったことになる心配もないことはないのですが、成果の方がより大きくなることを期待しましょう。

残念ながら日本の国内ではいまのところ、AIDS2012が話題になることはあまり多くないようですね。政治も経済も先行き不透明で、他に心配事があまりにも多いので、HIV/エイズの流行にまではなかなか関心が向かない。ましてや海の向こうの米国で開かれる会議なんて・・・といったところでしょうか。

ただし、感染症対策はそもそも国内だけで完結するものではありません。とりわけ、エイズは「新興・再興感染症の時代」といわれる1980年代以降の世界の中で唯一、持続的なパンデミック(世界的大流行)のレベルにまで拡大している新興感染症です。海外動向が国内の流行にも大きな影響をもたらすグローバル社会の現実を考えれば、最低限の情報は押さえておく必要があるでしょう。

国際エイズ会議は1985年に米国のアトランタで第1回会議が開かれ、以後1994年の第10回横浜会議までは毎年開催でした。この間も流行は拡大を続け、したがって会議の方も回を追うごとに規模が大きくなって毎年の開催が困難になってしまったため、1996年の第11回バンクーバー会議(カナダ)以降は隔年開催になりました。その間の年、つまり国際エイズ会議が開かれない年には、アジア・太平洋、アフリカなど地域ごとの会議が開かれています。2005年7月に神戸で開かれた第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議も、その地域会議の一つです。

 国際エイズ会議は当初、米国とヨーロッパで交互に開かれていたのですが、1990年の第6回サンフランシスコ会議以降、一転して米国内では開催できない状態が長く続いてきました。会議の主催者である国際エイズ学会(IAS)がHIV陽性者の渡航や入国に関する規制に強く反対しているのに、米国政府がHIV陽性者に対する入国規制政策を撤廃しなかったためです。

米国ではサンフランシスコ会議の2年後の92年にも、ボストンで第8回会議の開催が決まっていたのですが、直前になって開催都市がオランダのアムステルダムに変更されています。このときに会議の組織委員会のトップとして入国規制政策の撤廃を求め、最後の最後には開催都市変更という大技で米国政府の理不尽さを世界に示したのが、後に航空機事故で亡くなるハーバード大学のジョナサン・マン博士でした。

IASのエリ・カタビラ理事長は6月15日にジュネーブの国連合同エイズ計画(UNAIDS)本部を訪れた際、インタビューでワシントン会議の意義や見所を次のように語っています。

《この会議の意義は第一に、 22年の時間を経て、国際エイズ会議がやっと米国に戻ってきたということです。IAS の原則にしたがい、我々はこの間、米国政府がHIV陽性者の入国規制を撤廃しない限り、米国内で国際エイズ会議を開催することを拒否してきました。2009年にその制限が解除されたことから、会議を米国で開くことが重要な意味を持つことになりました》

 AIDS2012の組織委員会は6月13日のプレスレリースで、公式サイトにプログラムを公開したと発表しています。なんとそのレリースには以下のような見出しが付けられていました。

《世界の指導的医科学者、ビル・クリントン元米国大統領、南アフリカのアーロン・モツアレジ保健相、フィランソロフィストのビル・ゲイツ氏、人道主義者のエルトン・ジョン卿らがワシントンDCで開かれる第19回国際エイズ会議(AIDS2012)で演説》
《アウンサウン・スー・チー国民民主連盟中央執行委員会議長(ミャンマー)からはビデオ演説の予定》
《研究者、HIV陽性者、その他の関係者ら約2万5000人が参加の見通し》
《会議の公式プログラムをウエブサイトにアップ》

 なんだ、ほとんど本文と変わりがないじゃないかと言いたくなるような長い見出しですね。あれも伝えたい、これも落とせないと力が入ってしまったのかもしれません。参加者は2万5000人というとてつもない会議になる見通しです。サーの称号がついている英国のロックスター、エルトン・ジョンさんは会議2日目の全体会合、ビル・クリントン元大統領は最終日の閉会式で基調演説を行うようです。

 ネットによる情報発信が充実しているので、AIDS2012関連の情報は英文なら国内にいてもかなり把握することが可能になっています。AIDS & Society研究会議では、そうした情報もできるだけ日本語仮訳にして、HATプロジェクト(HIV/AIDS Translation Project=HIV/エイズ重要文献翻訳プロジェクト)のブログで紹介したいと考えています。参考にしていただければ幸いです。
 http://asajp.at.webry.info/


2 池袋エイズフェスの出演者募集

 池袋エイズフェス2012のステージ出演者をHIV/AIDS情報ラウンジ「ふぉー・てぃー」がウエブサイトで募集しています。

池袋エイズフェスは2008年から毎年11月23日の勤労感謝の日に東京都豊島区の中池袋公園(豊島区保健所前)で開かれています。今年もまた、「楽しいことしながら、みんなで一緒にHIV/AIDSについて考えてみよ〜」というコンセプトのもとに「ふぉー・てぃー」を利用する学生らが中心となってブース企画、ステージ企画などを計画中。昨年のふぇすの様子や今年の募集チラシなどは「ふぉー・てぃ」のサイトをご覧ください。
 http://www.4tweb.jp/

 「ふぉー・てぃー」は、池袋保健所1階のAIDS知ろう館内に開設した、東京都が運営するHIV/AIDS情報ラウンジで、平日の14時〜19時と、土日祝日の13時〜18時に開館しています。


3 マニュアルやガイドラインを調べたい方はこちらへ

医療従事者向けの「抗HIV治療ガイドライン」からHIV陽性と分かった妊娠女性のためのQ&A集まで、API-Net(エイズ予防情報ネット)のサイト内の資料室には、さまざまなガイドラインやマニュアルが、《一般向け》《医療従事者向け》《地方自治体向け》に分類して紹介されています。
http://api-net.jfap.or.jp/library/manualGaide.html

 HIV治療は目覚ましい進歩を遂げているので、そうした進歩を踏まえてこまめに改訂版が出されるガイドラインもあります。ぜひ参考にしてください。


4 複合HIV予防の重要性を強調 UNAIDSプログラム調整委員会

スイスのジュネーブに本部を置く国連合同エイズ計画(UNAIDS)は毎年2回、プログラム調整理事会(PCB)を開催します。理事国22カ国と共同スポンサー機関(11の国連機関)、各地域NGO代表からなる重要事項決定機関です。

 今年6月5日から7日までの第30回プログラム調整理事会では、会期中に複合予防戦略に関する討議セッションも開かれました。感染した人の体の中でHIVの増殖を抑える抗レトロウイルス治療の成果を予防対策に生かそうという「予防としての治療」の考え方についてどのように受け止めたらいいのか、国際的にも、各国の国内の予防対策レベルでも検討が必要な課題であるだけに注目したい動きですね。UNAIDSの公式サイトには《国連合同エイズ計画(UNAIDS)のプログラム調整理事会が複合HIV予防対策再評価の必要性を討議》というレポートが掲載されています。日本語仮訳はこちらでご覧ください。
 http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/2718044/

 治療の進歩が予防にも成果をもたらすことを歓迎しつつも、それは複合的な予防対策の中で有効な手法の一つとして位置づけるというのがUNAIDSの基本的な立場のようですね。つまり、「予防としての治療」はこれまでの様々な予防対策の努力を否定するものではなく、相乗効果を高められるよう複合的に対策の充実強化をはかるということです。

《HIV予防は重要であるにもかかわらず、まだ十分な対応がなされていないことをPCB は認識している。たとえば、2008年のエイズ関連支出のうちHIV予防には20%しか割り当てられていなかった》

 UNAIDS事務次長のポール・デ・レイ博士は「われわれはすべてのタイプのHIV感染予防に対し、必要な戦略を明らかにしてきたが、30年におよぶ努力を経てもなお、こうした効果的なプログラムと政策が、それを必要とする人たちに対し、正当な方法と流行を縮小させ得るだけの規模で提供されることはなく、利用もされていません」と語っています。最近は予防対策の前途に対する楽観的な見通しが語られることもしばしばありますが、世界的な資金不足の中で、現実がかなり厳しいことは内外ともに覚悟しなければならないようですね。

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