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zoom RSS TOP HAT News第43号(2012年3月)

<<   作成日時 : 2012/04/04 01:03   >>

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        第43号(2012年3月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに エイズ動向委員会速報値から

2 SHIPが閉館

3 コミュニティアクション 2011(Community Action on AIDS 2011)が実施報告書

4 アジア太平洋地域のHIV陽性女性と開発をテーマに報告書 国連開発計画(UNDP)

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに エイズ動向委員会速報値から
 厚生労働省のエイズ動向委員会が2月24日、昨年1年間の新規HIV感染者・エイズ患者報告数の速報値を発表しました。

 HIV感染者 1019件 (過去5位)
 エイズ患者 467件 (過去2位)
 合計     1486件 (過去4位)

 あくまで速報値であり、5月ごろにまとまる確定値ではもう少し報告数が増えるのではないでしょうか。たとえば2010年の年間報告数を見ると、速報値と確定値の差は次のようになっています。

 新規HIV感染者報告 速報値1050件(過去3位) →確定値1075件(過去3位)
 新規エイズ患者報告  速報値 453件(過去最高) →確定値 469件(過去最高)
 合計         速報値1503件(過去2位) →確定値1544件(過去2位)

 確定値の方がHIV感染報告で25件、エイズ患者報告でも16件、速報値より増えています。2011年はどうなるでしょうか。速報値の新規エイズ患者報告は467件で過去2位となっています。過去最高は2010年の469件なので2件差です。確定値では報告件数が速報値より10件前後は増えるでしょうから、2011年のエイズ患者報告もまた、過去最高を更新するはずです。一方で、HIV感染者の報告数と感染者・患者の合計の報告数は速報値同士の比較でも2010年よりかなり少ないので、確定値も前年を下回ることになるでしょう。

 動向委員会終了後の記者会見で岩本愛吉委員長(東京大学医科学研究所教授)は次のようなコメントを発表しました。

(1)平成23 年は、平成22 年と比較して検査件数は微増し、相談件数は微減した。
(2)速報値の段階ではあるが、新規HIV感染者数の増加傾向が鈍化している可能性とHIV感染対策の重要性について議論された。引き続きHIV感染対策を強化すべきである。
(3)新規エイズ患者数は、過去最多の件数(平成22 年)とほぼ同数であり、新規HIV感染者・エイズ患者に占めるエイズ患者数の割合は、最近3年間は増加傾向にある。従って検査が未だ十分行き届いていないことが示唆される。国民は積極的に検査を受けて欲しい。

 (2)で示唆されているように、新規感染報告の減少傾向は実際の新規感染の拡大が止まってきた兆候とみていいのではないかという意見も委員会では出されたようです。そうだとしても、いま国内の対策を緩めていいという理由にはならないというのが、(2)の趣旨でしょう。

 これに対し、(3)は、報告の数字から判断しても、現状はHIV感染の拡大傾向に歯止めがかかっているといえるような状態ではないと指摘しているようです。動向委員会の最近10年間の報告数の推移を見てみましょう。

感染者 患者  報告全体に占めるエイズ患者の割合
 02年  922 ( 614,  308 ) 33.4%
 03年  976 ( 640,  336 )   34.4%
 04年  1165 ( 780, 385 )   33.0%
 05年  1199 ( 832,  367 )   30.6%
 06年  1358 ( 952,  406 )   29.9%
 07年  1500 ( 1082,  418 )   27.9%
 08年 1557 ( 1126, 431 )    27.7%
09年  1452 ( 1021, 431 ) 29.7%
 10年  1544 ( 1075,  469 ) 30.4%
 11年  1486 ( 1019,  467 ) 31.4% (速報値)

 HIV検査が普及すれば、HIVに感染した人が早期に感染を把握する機会も増え、適切な時期に治療を開始できるようになる。それが結局、HIV感染の予防にも効果をもたらす。わが国のHIV/エイズ対策は、こうした考え方に基づいて検査相談体制の充実に力を入れています。その対策の成否の目安が、報告全体に占めるエイズ患者報告の割合です。

 最近の推移を見ると、エイズ患者報告の割合は2008年に27.7%まで下がった後、上昇に転じ、2011年は速報値ベースですが31.4%まで上がっています。HIVに感染していてもエイズを発症するまで自らの感染に気付かずにいる人がそれだけ増えていることを示唆するデータというべきでしょう。国内におけるHIV感染の増加傾向は決して止まったわけではなく、がゆるやかではあっても、いまなお増加が続いていると見ておく必要がありそうです。動向委員会報告の資料については、エイズ予防情報ネット(API-Net)に掲載されているので、そちらもあわせてご覧ください。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html


2 SHIPが閉館
 HIV/エイズ分野の予防啓発活動にも積極的に取り組んできたセクシャルマイノリティのためのコミュニティスペース「かながわレインボーセンターSHIP」が3月10日にクロージングパーティを開き、閉館しました。
 http://ship.y-cru.com/Top.html

  SHIPは2007年9月、「セクシャルマイノリティの人達が周囲の目を気にせず、同じ仲間たちが集まることができる施設」として横浜駅西口にオープンしています。神奈川県との協働事業で、横浜Cruiseネットワークが運営にあたり、利用者は年間1600人に達していました。 神奈川県の協働事業が2011年度で終了することから、施設としてのセンターは閉館となりましたが、《4月からはNPO法人として別なところに事務所兼コミュニティサロンを開設する予定でいます》ということで、引き続き活動への支援を呼びかけています。


3 コミュニティアクション 2011(Community Action on AIDS 2011)が実施報告書
 世界エイズデーを中心に1カ月半にわたって行われたコミュニティ主導のHIV/エイズ啓発キャンペーン「コミュニティアクション2011」の実施報告書がまとまりました。PDF版がキャンペーンの公式サイトに掲載されています。
 http://www.ca-aids.jp/2011jisshihoukoku.pdf

 コミュニティアクション2011は日本HIV陽性者ネットワークJaNP+、コミュニティセンターakta、エイズ&ソサティ研究会議、エイズ予防財団の4団体が実行委員会を編成して実施し、以下のような情報提供が行われました。

・イベント情報     
   全国各地で実施されるイベントの情報を掲載            64件
 ・Features
   コミュニティアクション2011期間中のHIV/エイズ関連ニュース  26件
・わたしのエイズ宣言
さまざまな立場の人が自分にとってエイズの流行とは何かを投稿   18件
・賛同者(個人) 24人                       
・賛同団体    22団体
・ツィッターによる情報紹介
   info@ca-aids.jp によるツイート及び実行委員によるリツイート 多数
・チラシの作成配布(エイズ予防財団) 2万枚
全国138自治体、380拠点病院、NPO64団体に送付
   イベント会場などでの配布

 公式サイトは原則として土日と祝日以外は毎日更新とし、サイトを訪れた人が毎回、何らかの新しい情報を入手できる状態をほぼ達成することができたということです。また、公式サイトは現在も公開しており、実行委員会ではコミュニティアクション2012の準備を進めています。


4 アジア太平洋地域のHIV陽性女性と開発をテーマに報告書 国連開発計画(UNDP)
 国連開発計画(UNDP)アジア太平洋地域センターのHIV/保健と開発計画責任者であるクリフ・コルテツ氏からHIV陽性の女性と開発に関する2つの報告書「女性と豊かさプロジェクト:社会事業を通じた陽性女性支援の結果評価」と「アジアのHIV陽性女性のための社会経済的支援事業の検証」発行の連絡が届きました。報告書について簡単に紹介したその連絡文の日本語仮訳がHATプロジェクトに掲載されているのでご覧ください。
 http://asajp.at.webry.info/201203/article_2.html

コルテツ氏はこの中で、アジア太平洋地域におけるHIV陽性女性の支援の重要性を以下のように指摘しています。

 《アジア太平洋地域のHIV陽性女性は170万人と推定されています。稼ぎ手の死による生計の手段の喪失と偏見・差別が女性を貧困や劣悪な保健環境、搾取されやすいい状況に追い込み、収入がないことで家族もまた非常に脆弱な状態に置かれてしまいます。HIV/エイズの影響緩和プログラムの中に女性の生活手段の確保を含めないことは、抗レトロウイルス治療(ART)と保健へのアクセスを拡大することで得られる重要な成果を打ち消す結果をもたらし、ユニバーサルアクセスとミレニアム開発目標(MDGs)の達成を危うくするものです。生計手段を確保し、HIV陽性の女性およびその家族に対する社会経済的影響に対応することの必要性は明らかです》

 アジアにおけるHIV感染の流行に関しては、女性の社会経済的な地位向上が対策の大きな鍵を握っていることが以前から指摘されてきました。2010年8月にインドネシアのバリで開かれた第9回アジア太平洋地域国際エイズ会議では、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が《アジアの女性5000万人が親密なパートナーからのHIV感染のリスクにさらされている》とする報告書を発表しています。《男性とセックスをする男性、薬物注射使用者、女性セックスワーカーの客》といった人たちと《長く付き合いのある女性パートナー》に対しても、HIV感染の高いリスクにさらされていることを認識し、予防対策や社会経済的な支援などで特別な配慮が必要であるということです。

 その対象となる女性が5000万人にも達するということは、人口規模の大きいアジアにおけるHIV/エイズ対策の重要性を示すものでもあります。かりにその女性たちがHIVに感染するようなことがあれば、それだけで現在の世界のHIV陽性者数(推定3400万人)を大幅に上回る流行になってしまいます。UNAIDS報告書のプレスレリースも日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されているので、ご覧ください。
 http://asajp.at.webry.info/200908/article_3.html

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