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zoom RSS TOP-HAT News 第33号(2011年5月)

<<   作成日時 : 2011/05/27 01:45   >>

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        第33号(2011年5月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 危機に負けない発想力を

2 新規エイズ患者は過去最多 エイズ動向委員会報告2010年確定値 

3 エイズキャンペーン・フォーラム「一緒にテーマを考えよう」

4 第25回日本エイズ学会が演題募集中

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 危機に負けない想像力を

 ニューヨークの国連本部では6月8日から10日まで、国連エイズ特別総会ハイレベル会合が開かれます。国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトによると、この会合は《エイズの流行が世界に広がり始めてから30年、国連エイズ特別総会の開催から10年》の節目に開かれ、加盟国政府代表団や国際機関、HIV/エイズ分野のNGO、HIV陽性者組織の代表ら多様な人たちが参加します。《この10年のHIV/エイズ対策を検証し、将来の方向を示す》ことを目指し、《これまでに行ってきた約束を再確認するとともに、地球規模のエイズ対策の方向性を定め、持続的に対策に取り組むことを約束する新たな宣言》を採択する予定で、水面下ではいままさに、その宣言の草案をめぐる議論が続けられています。
http://www.unaids.org/en/aboutunaids/unitednationsdeclarationsandgoals/2011highlevelmeetingonaids/

前号でお伝えしたように、国連の潘基文事務総長は「ユニバーサルアクセスへの結束: HIV新規感染ゼロ、差別ゼロ、エイズ関連の死者ゼロに向けて」という報告書を発表し、ハイレベル会合で世界の指導者が検討すべき課題を5つの提言にまとめています。その課題の克服には、HIV陽性者やHIV感染の高いリスクにさらされた集団がHIV/エイズと闘う力を高めることが不可欠なため、エイズ対策に取り組むNGO、NPOなどの市民社会メンバーを政府代表団に加える国も増えています。日本政府代表団にも国内および国際的にHIV/エイズ対策に取り組むNGO、NPOの代表数名が加わる見通しです。

GIPA(HIV陽性者やHIVに大きな影響を受けている人々の積極的な参加)は1994年のパリ・エイズサミット以来のHIV/エイズ対策の大原則です。政府代表団への参加の動きが新たな宣言の具体的内容にも、しっかりと反映されることを期待したいですね。

 国内では5年に1度のエイズ予防指針の見直し作業も進められています。1999年4月に施行された感染症法のもとで、厚生労働大臣告示として制定されている指針です。「予防」の指針ではありますが、そもそも予防対策は単独で存在しているわけではなく、HIV陽性者やHIV感染のリスクにさらされやすい集団への治療やケア、支援の提供も含めた総合的な対策の中で位置づける必要があります。逆に言えば、予防指針について議論することは、治療やケアや支援を含めた総合的な日本のエイズ政策を議論することでもあります。

指針の見直しは2005年に続き2回目となります。今回は厚生労働省の厚生科学審議会にエイズ予防指針作業班が設置され、医療、行政、公衆衛生、教育、法律などの専門家やエイズ分野のNGO、HIV陽性者団体の代表らが構成員、専門委員となっています。作業班は1月26日の初会合以来、これまでに6回の会合を開き、各論レベルで過去5年間のエイズ対策の検証などを進めてきました。6月1日からはいよいよ総括討論に入ります。

これまでの議論の流れを見ると、現行指針そのものはそれなりに目配りの利いた内容になっているという評価がある一方で、その指針のもとで国内のHIV感染の拡大が継続していることに対する反省の意見も聞かれました。とりわけ、指針の中で必要とされている施策を具体的に、誰が、どのようにして進めていくのかという実施体制が不明確なことに対する批判が多くの委員から繰り返しなされています。

HIV検査の普及と早期の感染把握、それに基づく適切な時期での治療開始といった検査と治療の戦略が予防対策にも大きな効果をもたらすことは、国際的にも、国内でも、しばしば指摘されています。抗レトロウイルス治療の進歩と普及により、HIV陽性者が長く社会生活を続けていくことが対策の前提とされる中で、現行のエイズ拠点病院体制は治療の提供体制として有効に機能しているのかどうか。この点についてもかなり議論があり、総括討論の重要な論点になりそうです。

 6月1〜7日はHIV検査普及週間です。また、今年の世界エイズデーに向けた国内のエイズキャンペーマの策定プロセスの一環として、「一緒にテーマを考えよう」と題したフォーラムも6月中に東京と大阪で開かれます。東日本大震災の被災地の復旧、復興はわが国の緊急課題ではありますが、そのためにエイズ対策が止まってしまっていいというわけではありません。むしろ、HIV/エイズの流行のように緩やかに進行する危機に対し、辛抱強く、丹念に対策を積み重ねてきた経験と知識、人材の蓄積は、防災とも共通する危機管理や社会基盤整備の観点からもますます重要性が増しています。

一方で、これからさらに多様化し、継続的な対応が必要となる震災の被災者への支援に関しても、HIV/エイズ対策の蓄積を生かすことができるはずです。いま目の前に存在する危機に対しては、分野を超えて人材と経験の蓄積を活用する。そうした豊かな発想力がなければ、HIV/エイズとの闘いに対する社会の理解も得られない。このこともまた、いまだからこそ、しっかりと認識しておく必要があります。



2 新規エイズ患者は過去最多 エイズ動向委員会報告2010年確定値

 厚生労働省のエイズ動向委員会報告が昨年(2010年)の年間新規HIV感染者・エイズ患者報告の確定値を発表しました。

 新規HIV感染者数 1075人(過去3位)
 新規エイズ患者数  469人(過去最多)
 感染者・患者合計  1544人(過去2位)

 わが国のHIV感染者・エイズ患者報告数は2008年(1557人)まで6年連続で増加が続いていました。2009年には新型インフルエンザの流行の影響から保健所などでHIV検査を受ける人の数が大幅に減り、それに伴って感染者・患者の報告数も1452人と前年を下回りましたが、昨年は再び増加傾向に転じています。国内のHIV感染の拡大傾向は一貫して続いていると考えるべきでしょう。

 なかでも気がかりなのは、エイズ患者報告が過去最多を更新していることです。発症までHIV感染に気付かず、適切な時期に治療を開始することができない人がそれだけ増えているということになります。患者感染者報告数に占めるエイズ患者の割合は、2006年に29.9%と30%を下回り、2008年には27.7%にまで下がっています。このことは、検査の普及によりHIV感染を早期に把握できる人が増えた結果と見られ、治療の提供の面からも、感染予防の観点からも、対策の成果が表れたものと受け止められてきました。

 ところが、2010年には、この割合が30.4%と5年ぶりに30%を超える結果となっており、対策の成果は2005年段階まで後退した印象もあります。


3 エイズキャンペーン・フォーラム「一緒にテーマを考えよう」

 厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団は毎年、12月1日の世界エイズデーに向けて国内キャンペーンのテーマを設定しています。そのテーマの決定プロセスにできるだけ多くの人が参加できるようにするため、エイズ予防財団のフォーラム「一緒にテーマを考えよう」が東京と大阪で開催されます。

 《東京》
  日時:6月14日(火)午後7時〜9時
  場所:コミュニティセンターakta(東京・新宿)
     http://www.rainbowring.org/akta/

《大阪》
  日時:6月21日(火)午後7時〜9時
  場所:コミュニティセンターdista(大阪・堂山)
     http://www.dista.be/

 また、エイズ予防情報ネット(API-Net)では6月1日から1カ月間、フォーラムに参加できない人や参加後に追加の意見表明を希望する人、参加する前に考えを整理しておきたい人などのために、テーマの方向性などに関する意見やテーマ案などを受け付けることにしています。フォーラムの議論やAPI-Netに寄せられた意見を集約し、7月には少人数の作業委員会で具体的な標語のかたちにテーマ案を練り上げていく予定です。


4 第25回日本エイズ学会が演題募集中

 第25回日本エイズ学会学術集会・総会は11月30日(水)から12月2日(金)まで、「新たなエイズ制圧への道」をテーマに東京・西新宿のハイアットリージェンシー東京で開かれます。学術集会の演題募集期間は6月20日(月)までです。詳細は公式サイトでご覧ください。
 http://www.secretariat.ne.jp/aids25/index.html

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