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zoom RSS TOP-HAT News 第32号(2011年4月)

<<   作成日時 : 2011/04/28 21:18   >>

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        第32号(2011年4月)
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 TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 急がず、されど休まず

2 HIV予防革命など課題に 6月のハイレベル会合に向け国連事務総長が報告書

3 シンポジウム「239人のHIV陽性者が体験した検査と告知」

4 API-NETにHIV検査普及週間特設ページ

5 国際キャンドルライト・メモリアルのポスター公開

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 急がず、されど休まず

 東日本大震災の被災地は依然、多くの困難に取り巻かれています。復旧復興には気の遠くなるような長い努力が必要でしょう。震災とは性格が異なりますが、HIV/エイズの流行もまた、社会にとっては緩やかに進行する重大な危機であり、長期にわたる持続的な対応が求められています。

 ところが、まさにその「ゆるやかに進行する」という部分が危機を危機としてとらえることを困難にし、差し迫って対応する必要性がなかなか実感できない。あるいは、なぜ持続的な対策が必要なのか、説得力ある説明が難しい。そうした事情が関心の低下を招き、いま必要な対策を遂行することが困難な理由の一つになっています。考えてみればそれは、震災の復旧復興のプロセスが長期化した時にも共通する課題なのかもしれません。

 視点を少し変えてみましょう。長期にわたる危機を認識し、なんとか持続的な対策の努力を続けてきた人々の総体をHIVコミュニティとしてとらえれば、そこには異なる展望も開けてきます。平たく言えば、震災復興の過程で、HIVコミュニティの30年に及ぶ体験や知識の集積を生かせる場面が今後、折に触れて出てくるのではないかということです。

 東日本大震災におけるHIVコミュニティの活動には当面、2つの方向性があります。ひとつは被災地のHIV陽性者、およびHIV感染の高いリスクにさらされている人たちに必要な支援サービスを確保すること、そして、もう一つはHIVコミュニティの経験や知識を被災地のより広範なニーズに対応して活用することです。当然のことながら、被災地にもHIVに感染している人、エイズを発症した人は少なからず存在しています。「少なからず」ではありますが、被災者全体の中では、極めて少数の存在であり、その少数の存在が抱える個別のニーズに対応することは、HIVコミュニティの役割というべきでしょう。

 前号でお伝えしたように、国立国際医療研究センターのエイズ治療・研究開発センター(ACC)は「やむを得ない場合の抗HIV薬内服中断の方法について」という情報をサイトに掲載しました。日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスは、東日本大震災に関連してHIV陽性者が必要とする情報を公式サイトで特集しています。仙台でコミュニティセンターZELを運営する「やろっこ」は《東北・仙台のゲイ・コミュニティを中心にHIV/エイズについての正確な情報を届けるために活動しているボランティア・チーム》です。その「やろっこ」のサイトにも《被災された方の中で抗HIV薬を処方されている方へ》《東北地方HIV検査情報:震災等の影響について》といったお知らせが掲載されています。こうした情報提供から具体的な診療やケアの確保までなすべきことはまだまだあります。

 一方、HIVコミュニティの経験や知識をより広く活用していくには、次々に確認されるニーズに柔軟に対応する情報収集力、想像力、企画力が必要になります。たとえば、住みなれた町や家を失い、避難生活を送る人たちの心のケアの重要性がすでに指摘されています。震災とHIV/エイズ分野は必ずしも同一に論じきれない面もありますが、喪失や不安への対処といった観点から、人材のネットワークも含め、HIV/エイズ対策の蓄積が生かせる可能性は十分にあるはずです。

 福島第一原子力発電所の事故に伴い、福島県から避難した人たちを排除するかのような対応も各地で報告されました。HIV/エイズ対策の分野では、感染症の流行という危機の中で、恐怖や不安に対し社会がどう反応するのかという点に関する経験知の蓄積もあります。大切なことは、その危機により最も大きな困難に直面している人たちを排除することではなく、支援することである。こうした極めてまっとうな理屈を忘れそうになったときには、失敗も含め、過去の経験が大きな力になります。HIV/エイズ対策を通して形成されてきた医療やカウンセリング、社会的支援、コミュニティの自助努力のためのノウハウとネットワークは、より多様な文脈の中で活用が可能です。

 震災からの復旧復興を優先させるために、不要不急の施策に関しては見直しや先送りの必要性が指摘されています。当然の選択ではありますが、ここでも2つの点に注意する必要があります。ひとつは、誰にとって不要なのかという問題です。たとえば、病気の治療はその病気にかかっていない人には不要ですが、病気にかかっている人には生死にかかわる重大性を有することもしばしばあります。その場合、少数ではあっても病と闘う人が存在していることへの想像力が失われれば、圧倒的多数の病気にかかっていない人にとっては治療を確保する努力は不要ということになってしまいます。それでいいのでしょうか。

 もうひとつは、不急ではあっても、不休でなければならない事象への目配りを忘れてはならないということです。急がず、されど休まず。HIV/エイズの流行に対する社会的関心を維持することが困難な時期にこそ、つまり、いま、この時期にこそ、対策の継続と不休への意志もまた強く持つ必要がありそうです。



2 HIV予防革命など課題に 6月のハイレベル会合に向け国連事務総長が報告書

 ニューヨークの国連本部では6月8日から10日までの3日間、国連エイズ特別総会ハイレベル会合が開かれます。2001年6月の国連エイズ特別総会で採択されたコミットメント宣言、2006年6月の国連エイズ・レビュー総会の政治宣言の2つの宣言文書で各国が行った約束がどこまで実現されているのかを検証し、世界のHIV/エイズ対策の新たな目標を打ち出す重要な会議です。国連の潘基文事務総長は3月31日、ケニアのナイロビで記者会見を開き、このハイレベル会合に向けた報告書「ユニバーサルアクセスへの結束: HIV新規感染ゼロ、差別ゼロ、エイズ関連の死者ゼロに向けて」を発表しました。

 この報告書は、世界の182カ国から送られたデータを集約し、ハイレベル会合で世界の指導者が検討すべき課題を5つの提言にまとめています。

・HIV予防革命に若者のエネルギーを活用する。
・2015年のHIV予防、治療、ケア、支援のユニバーサルアクセス達成に向けて一層、努力する。
・費用対効果が高く、効率的、効果的で持続可能なHIVプログラムの実現に各国と協力して取り組む。
・女性や少女の保健、人権、尊厳を尊重する
・エイズ対策を担う責任を相互に明確にし、約束を実行に移す。

 また、各国政府や関係機関に対しては、これらの提言を支持するよう求め、以下の6つの目標の実現に向けて活用することを呼びかけています。

・若者、男性と性行為をする男性、性産業関係者らを含め、HIVの性感染を50%減らす。また、薬物使用の結果として起きるHIV新規感染を防ぐ。
・HIV母子感染をなくす。
・HIV陽性者の結核による死亡を50%減らす。
・1300万人にHIV治療を提供する。
・HIVに関連して入国、滞在、居住規制がある国を50%減らす。
・エイズの流行によって孤児になったり、弱い立場に置かれたりしている子供に教育の平等なアクセスを保証する。

 報告書の概要を説明したプレスレリースの日本語仮訳はHATプロジェクトのブログに掲載されています。
 http://asajp.at.webry.info/201104/article_3.html



3 シンポジウム「239人のHIV陽性者が体験した検査と告知」

 特定非営利活動法人ぷれいす東京と特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)が5月1日午後、新宿文化センター(東京都新宿区新宿6-14-1)で、シンポジウム「239人のHIV陽性者が体験した検査と告知」を開催します。HIV陽性者を対象にしたアンケート調査の結果をもとに、今後のHIV検査と告知について考えるシンポジウムです。
《プログラム》
 (1) 「239人のHIV陽性者が体験した検査と告知」調査報告
     井上洋士(放送大学教授)
 (2) HIV検査と告知に関する意見交換
     山本政弘(九州医療センター感染症対策室長)
     加藤真吾(慶応義塾大学専任講師)
     池上千寿子(特定非営利活動法人ぷれいす東京代表)
     井上洋士(放送大学教授)
     高久陽介(JaNP+事務局長)
 詳細はJaNP+のサイトでご覧ください。
 http://www.janpplus.jp/others/



4 API-NETにHIV検査普及週間特設ページ

 HIV検査の浸透・普及を目指し、わが国では2006年から6月1日〜7日が厚生労働省とエイズ予防財団が主唱するHIV検査普及週間となっています。エイズ予防情報ネット(API-Net)のサイトには、特設ページがアップされています。
 http://api-net.jfap.or.jp/



5 国際キャンドルライト・メモリアルのポスター公開

 エイズで亡くなった人を追悼し、HIV/エイズと闘う人たちへの理解を広げるために毎年5月15日には、世界各地でキャンドルライト・メモリアルのさまざまなイベントが実施されます。そのイベントの公式ポスターが主催団体である世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)のサイトに公開されています。

 国際エイズ・キャンドルライト・メモリアルは1983年、米国で少人数のグループが始めたささやかな草の根の活動で、現在は世界各地で多数のイベントが実施されています。今年からはGNP+が主催団体となり、新たな枠組みのもとで各地のイベントを支援していくことになりました。

 ポスターは3バージョンが用意されており、このうちの2バージョンについては、各国でイベントの準備をしているコーディネーターがサイトからダウンロードし、イベント情報やメッセージなども追加して使用できるようになっています。

 ポスターのダウンロードは以下のサイトから
 http://www.candlelightmemorial.org/poster_2011/
 日本語仮訳はこちら
 http://asajp.at.webry.info/201104/article_4.html


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