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zoom RSS TOP-HAT News 第25号(2010年9月)

<<   作成日時 : 2010/09/30 19:58   >>

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        第25号(2010年9月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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          エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに シデベ氏、東京を走る

2 全体会合など紹介 第24回日本エイズ学会学術集会・総会ニューズレター

3 東京都写真美術館でエイズをテーマにした展覧会

4 エイズ対策で知っておくべき6つのこと

     ◇◆◇◆◇◆


1 はじめに シデベ氏、東京を走る

国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シデベ事務局長が9月2、3の2日間、東京を訪れました。日本記者クラブでの会見や政府、企業関係者らとの会談、講演会、シンポジウムへの参加など、多忙な日程を精力的にこなし、つむじ風のように去っていった印象です。

 シデベ氏はアフリカのマリ出身。ユニセフなどを経て、UNAIDSのスタッフとして活躍してきました。ベルギー出身の初代事務局長、ピーター・ピオット氏が2008年12月に退任したのを受け、翌09年1月に第2代UNAIDS事務局長に就任。地球規模のエイズ対策を牽引するキーパーソンとして、申し分のないキャリアと資質、行動力を持つ指導者といえるでしょう。

今回の東京滞在でも、その行動力は遺憾なく発揮されました。特筆すべきは2日夜、新宿2丁目のコミュニティセンターaktaを訪問したことです。日本のHIV/エイズ対策の現場を知りたいということで、日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスやaktaを運営するレインボーリング、さらに、ぷれいす東京、アフリカ日本協議会、エイズ&ソサエティ研究会議など東京に活動拠点を置くエイズ対策関係の団体のメンバーとの間で、2時間ほどではありましたが意見交換の場も設定されました。

 記者会見で行われた2日午後の記者会見では、シデベ氏が日本のエイズ対策分野での成果を力説し、司会を担当した記者が「これって、ひょっとして、ほめ殺し?」と当惑するような場面もありました。アフリカの厳しい現実と比べれば、どうしても日本国内のエイズ対策が大成功をおさめているかのような印象を受けてしまう。これはある意味では当然のことなのかもしれません。

 しかし、手放しの讃辞は、かりに外交辞令であったとしても、日本には日本の困難な現実がある中で、何とかHIV/エイズ対策に取り組み続けてきた人たちにとっては、かえってマイナスの影響をもたらしかねません。aktaの会合では、ジャンププラスやエイズ&ソサエティ研究会議のメンバーからこの点に関する説明があり、日本のHIV/エイズの流行と対策に対するシデベ氏の認識にも微調整がはかられたようです。その説明はおおむね以下のような内容でした。

 《日本のHIV陽性率は非常に低く、国際基準から見れば素晴らしいことかもしれないが、一方で、HIV感染の報告も、エイズ発症の報告も、長期にわたって増加傾向を示していることは認識しておく必要がある。社会的な関心の低下を考えれば、国内のHIV/エイズ対策は決して楽観できる状態ではない。むしろ、HIV感染の予防にも、HIV陽性者や感染の高いリスクにさらされている人たちへの支援や治療に関しても、いまこそ対策の規模拡大が必要である。経済的に見れば、日本は治療のユニバーサルアクセスをほぼ達成できている国だが、それでもHIV/エイズをめぐる社会的な偏見や差別のために検査や治療の機会を得られずにいる人は少なくない。人権を重視し、社会から排除されやすい立場の人々への支援が必要な点において日本は国際的課題を共有している。日本のエイズ政策は外から見て、うまくいっているように見えるほどには、うまくいっているわけではなく、その中でHIV陽性の当事者グループやエイズ対策に取り組むNGO、NPOのメンバーがやっとの思いで、何とか必要と思われることを続けてきたし、今後もその努力の継続が不可避であることはぜひ認識してほしい》

 こうしたインプットは、翌日のシデベ事務局長の発言にも反映されていたように思います。世界のエイズ対策のキーパーソンにふさわしい柔軟な行動力というべきでしょう。HIV/エイズ対策は21世紀に入ってからの10年間、大きな成果をあげてきましたが、その成果が逆に今後の対策の持続を困難にしている側面もあります。シデベ事務局長の東京滞在は、そうした認識を内外ともに共有し、持続的な行動への意思を新たにする意味でも、貴重な機会でした。


2 全体会合など紹介 第24回日本エイズ学会学術集会・総会ニューズレター

 第24回日本エイズ学会学術集会・総会のニューズレター「垣根を越えよう」第2号が発行されました。第1号とあわせ、同学会サイトでpdf版を見ることができます。
http://www.secretariat.ne.jp/aids24/14.html

 第24回日本エイズ学会学術集会・総会は11月24日から26日まで、東京都港区高輪のグランドプリンスホテル高輪で開かれます。ニューズレター第2号では、今回の学術集会の大きな特徴であるプレナリーセッション(全体会合)の概要などが紹介されています。


3 東京都写真美術館でエイズをテーマにした展覧会

 東京・恵比寿の東京都写真美術館で10月2日(土)〜12月5日(日)に開催される「ラヴズ・ボディ 生と性を巡る表現」は、エイズをテーマにした展覧会です。作品の出品が予定されているA.A.ブロンソン/ピーター・フジャー/フェリックス・ゴンザレス=トレス/スニル・グプタ/エルベ・ギベール/ウィリアム・ヤン/デヴィッド・ヴォイナロビッチ/ハスラー・アキラ 張由紀夫 といった作家の中には、HIVに感染し、すでに亡くなっている人もいます。恋人など非常に親しい人をエイズで失った人もいます。

《1980年代後半から90年代前半、エイズは単なる不治の病として多くのアーティストの命を奪っただけではなく、「エイズ」を巡ってあぶり出された社会的偏見や差別、社会への疑問が、写真・美術のあり方を根本的に問い直す契機となりました》(東京都写真美術館のウエブサイトより)。

 展覧会の開催期間中に東京では第24回日本エイズ学会学術集会・総会も開かれます。エイズの流行がもたらした影響を表現のあり方としてとらえることは、HIV/エイズ対策への社会的関心の低下が指摘されるいま、日本でも大きな意味を持っています。

 《エイズを抱えた多くのアーティストがエイズに向き合い制作することで、この「社会的病」を自分たちの問題として捉え、エイズがわたしたちに問いかける様々な作品が生まれました。そして今も、セクシュアリティの変容や他者表現、身体表象、アートと政治の問題など、新たな表現の可能性を思索しています》(同)

 東京都写真美術館では期間中、スペシャルイベント「Think About AIDS」(HIV陽性者の手記朗読+ライブ・パフォーマンス)の公開録音や対談「エイズとアート」、特別講演会なども予定されています。詳細は東京都写真美術館のウエブサイトでご覧ください。 http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-340.html


4 エイズ対策で知っておくべき6つのこと

 ニューヨークの国連本部では9月20日から22日まで、ミレニアム開発目標(MDGs)の10年間の実施状況を検証するMDGsサミットが開かれました。2000年にスタートしたMDGsは以下の8目標を2015年までに達成することを目指しています。

 目標1 極度の貧困と飢餓の解消
 目標2 普遍的な初等教育の達成
 目標3 ジェンダーの平等と女性の地位の向上
 目標4 幼児死亡率の引き下げ
 目標5 妊産婦の健康状態の改善
 目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止
 目標7 環境の持続可能性の確保
 目標8 開発のグローバル・パートナーシップの構築

 HIV/エイズに関しては目標6の中で《2015年までにHIV感染の流行の拡大に歯止めをかけ、縮小に転じる》というターゲットが掲げられています。この10年で一定の成果があがったとの評価ですが、十分とは到底、いえず、一層の対策の規模拡大が必要になっています。国連合同エイズ計画(UNAIDS)はサミットに先立ち「MDG6:エイズ対策でいま、知っておくべき6つのこと」と題する報告書を発表しました。その「6つ」とは何か。HATプロジェクトのブログに日本語で簡単な紹介が掲載されています。
 http://asajp.at.webry.info/201009/article_3.html


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