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zoom RSS TOP-HAT News 第20号(2010年4月)

<<   作成日時 : 2010/05/10 19:00   >>

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        第20号(2010年4月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

 なお、TOP-HAT Newsは、東京都が発行するメルマガ「東京都エイズ通信」でお読みいただけます。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。
AIDS&Society研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 サッカーW杯にかける希望

2 HIV/エイズにレッドカードを

3 表紙の女性は誰? 雑誌スタイルの報告書OUTLOOK REPORT2010

4 HIV/エイズ研修情報

     ◇◆◇◆◇◆

1 サッカーW杯にかける希望

 4年に1度のサッカーW杯が6月11日から1カ月間、南アフリカで開かれます。5月のゴールデンウィーク明けには日本代表メンバーも発表される予定なので、これからどんどん盛り上がりそうですね。期間中は世界中から熱心なサポーターが続々、南ア各都市に乗り込むことになります。

日本は予選リーグのグループEでオランダ、デンマーク、カメルーンと対戦します。W杯出場チームはどこも実力的に日本より上と考えておく必要がありそうですが、だからこそ応援にも一段と熱が入ります。グループEの日本の試合予定は以下の通りです。

 6月14日 対カメルーン
   19日 対オランダ
   24日 対デンマーク

 第2戦会場のモーゼス・マヒダ・スタジアムはインド洋に面したリゾート都市ダーバンにあります。国連の会議や国際スポーツ大会などもしばしば開かれている町で、2000年7月には第13回国際エイズ会議の会場になりました。

 1980〜90年代の国際エイズ会議は北米と西欧の諸都市を会場に開かれ、唯一の例外は94年に横浜で開催された第10回会議でした。つまり先進国で開く会議だったわけです。エイズ対策史の流れを変え、アフリカで初、そして世界中の途上国でも初の国際エイズ会議となったのがダーバン会議でした。抗レトロウイルス薬の多剤併用療法の普及により、先進国では96年以降、エイズによる死者が大きく減る一方で、経済的に治療薬を手に入れることが困難な途上国では96年以前と同じようにたくさんのHIV陽性者がエイズを発症し、死に直面していました。この状態を看過していいのかという声が途上国からも先進国からも巻き起こり、世界が動き始める。その象徴が2000年7月9〜14日に開かれたダーバン会議であり、1週間後の7月21日から3日間にわたって開かれた九州沖縄サミットでした。

 ダーバン会議のテーマはBreaking the Silence(沈黙を破ろう)。最も大きな困難に直面している地域、国、人々が声をあげなければならない。黙って死を待つことはできない。そうしたメッセージが世界に向けて伝えられました。そして、九州沖縄サミットでは途上国のエイズ対策を支える新たな追加的資金の必要性が認識され、翌年6月の国連エイズ特別総会、7月のジェノバサミットを経て2002年1月の世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)創設につながっていきます。世界のエイズ対策史を振り返れば、日本と南アフリカは決して疎遠な国ではありません。むしろ、21世紀の最初の10年間のHIV/エイズ対策を方向付けた重要なスルーパスの送り手は、日本と南アフリカという異色のMF(ミッドフィールダー)コンビだったというべきでしょう。

 国連推計によると、南アフリカのHIV陽性者数は2007年末現在で570万人。あくまで推計値レベルの話ではありますが、世界で最も大きなHIV陽性者人口を抱える国です。1999年6月から2008年9月まで大統領の座にあったターボ・ムベキ氏は、ダーバン会議開催国の元首であったにもかかわらず、HIVはエイズの原因ではないとの考え方に傾き、抗レトロウイルス治療(ART)の普及に熱心とは言えませんでした。したがって、ムベキ政権下での南アのHIV/エイズ対策は必ずしも有効なものとはならず、流行の拡大を抑止する課題は次のジェイコブ・ズマ大統領にゆだねられたまま現在に至っています。

 ズマ大統領は昨年10月、南アフリカ全国州議会で演説を行い、前政権の「エイズ否認主義」の終焉を宣言するとともに、2011年までに新規HIV感染件数を半減させ、抗レトロウイルス治療を必要とする人への治療普及率を80%以上にするという国家戦略プランの目標を実現するために大規模な運動を開始することを国民に呼びかけました。南アのHIV/エイズとの闘いはまさにいまが正念場というべきでしょう。

 アフリカ大陸で初のサッカーW杯は、奇しくもそうした時期に南アフリカで開かれます。世界最大の巨大スポーツイベントの開催には治安上の不安も指摘されていますが、この大会を何とか成功させたいという南アの人たちの強い思いはかつて東京オリンピックを経験した日本の国民なら理解できるのではないでしょうか。

ジャパンがどこまで活躍できるか、あるいは、できずに終わるのか。日本からの弾丸感染・・・じゃなかった観戦ツアーで南アを訪れるサポーターの皆さん、そして日本国内にとどまり、衛星中継で「行け〜、そこだ!」と応援しようと思っている皆さん、サッカーの大会である以上、W杯南ア大会の関心の焦点が試合にあることを否定するつもりはもちろんありません。しかし、できうればそれと同時に、HIV/エイズとの闘いに未来を託した南アフリカという国の不安と混乱だけでなく、希望の存在にも目を向けていただければ幸いです。



2 HIV/エイズにレッドカードを

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シデベ事務局長と世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)のミシェル・カザツキン事務局長が3月8日、南アフリカを訪問し、ヨハネスブルクでクガレマ・モトランテ副大統領と会談した際の報告がUNAIDSのウエブサイトに掲載されています。

 モトランテ副大統領は「エイズは南アフリカの最優先課題のひとつであり、開発パートナー、市民社会とともに対策に取り組んでいく」と述べ、南ア政府が、エイズ対策への国内投資としては途上国最高となる11億ドルを2010-11年予算で提案し、約210万人のHIV陽性者に対する抗レトロウイルス治療のアクセス確保を目指していることなどを明らかにしたということです。

 一方、世界基金のカザツキン事務局長は、国連の潘基文事務総長が議長を務める予定になっている今年10月の第3回資金補充会議への参加を副大統領に要請し、UNAIDSのシデベ事務局長は子供のHIV感染予防を世界に呼びかける機会として南アで開かれる2010サッカーW杯を活用することを求めて「赤ちゃんのHIV感染がなくなるよう、私たちはエイズにレッドカードを出さなければならない」と述べました。

 UNAIDS報告の日本語訳はエイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクトのブログでご覧ください。
 http://asajp.at.webry.info/201003/article_6.html



3 表紙の女性は誰? 雑誌スタイルの報告書OUTLOOK REPORT2010

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が昨年12月1日の世界エイズデーに先駆けて発表したグラフ雑誌スタイルの新たなエイズ報告書「OUTLOOK REPORT 2010」の日本語版「OUTLOOK HIV/エイズ対策の展望2010」がエイズ予防財団から発行されました。非売品で部数も限られていますが、pdf版はAPI-Net(エイズ予防情報ネット)のサイトからダウンロードできます。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/pdf/outlook2010.pdf

 米国の雑誌Vanity Fairみたいな感じというか。表紙モデルの女性は南アフリカのHIV陽性者、プルーデンス・マベレさん(38)です。特集記事によると、マベレさんは1990年にHIV感染を知り、92年に「HIVにまつわる沈黙やスティグマにうんざりしたから」ということで、自らHIV陽性であることを公表したそうです。96年には、HIV陽性の女性に支援と情報を提供する非政府組織「ポジティブ・ウーマンズ・ネットワーク(PWN)」を創設し、現在も事務局長として活躍しています。



4 HIV/エイズ研修情報

エイズ予防財団の2010年度研修計画がAPI-Net(エイズ予防情報ネット)に掲載されています。 http://api-net.jfap.or.jp/training/index.html

 以下の3点の基本方針のもとで、入門編の予防ケア入門研修(東京、広島)と4分野の実践編の研修が予定されています。
1. 全国の各地域におけるエイズ対策の推進を支援する
2. 人と人のつながり・ネットワークの一拠点(ハブ)となる
3. 予防ケアやエイズの取り組みについての情報発信を行う
 研修内容の詳細や日程などは http://api-net.jfap.or.jp/training/h22shosai.html でご覧ください。

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