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zoom RSS TOP-HAT News第18号

<<   作成日時 : 2010/01/28 00:22   >>

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        第18号(2010年1月)
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 TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

 なお、TOP-HAT Newsは、東京都が発行するメルマガ「東京都エイズ通信」でもお読みいただけます。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html で。

                AIDS&Society研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆
1. はじめに 大きな変化が見えてきた

2. エイズ流行の最新推計を発表(UNAIDS、WHO)

3. 新規感染はこの8年間で17%減少 UNAIDSプレスレリース

4.【資料紹介】HIV/AIDS最新情報2009年版について、日本のNGOが要点整理

5. 中国は09年末現在のHIV陽性者数を74万人と推計

     ◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 大きな変化が見えてきた

 明けましておめでとうございます。今年もTOP HAT Newsをよろしくお願いします。 2010年は内外ともに大きな混乱の中で幕を開けました。まさに変化の時代です。次に何が来るのか分からない。そんな見通しの立てにくい世の中に身を置けばどうしても不安は募りますが、一方で変化に伴う希望もまた、不安とともに存在しています。HIV/エイズ対策の分野では新年早々、米国と韓国がともにHIV陽性者に対する入国規制を撤廃したというニュースが伝えられました。まさしく希望の持てる変化ですね。国連合同エイズ計画(UNAIDS)と潘基文国連事務総長がそろって歓迎の声明を発表しています。

 エイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクトのブログに声明の日本語訳を掲載したのでご覧下さい。
 http://asajp.at.webry.info/201001/article_3.html

 米国のバラク・オバマ大統領は昨年10月の段階ですでにHIV陽性者に対する入国規制の完全撤廃の方針を表明していました。1月4日にその約束が実行に移されたということです。韓国の方は1月1日に規制を撤廃したことを公表しています。

 米国政府は1987年、HIV感染に対する公衆衛生上の懸念があること、および米国の保健医療サービスの負担が増える可能性があることを理由にHIV陽性の旅行者に対する入国を禁止しました。以来20年以上にわたって、国際的な非難を受け、米国内では国際エイズ会議を開催することすらできなくなっても、HIV陽性者に対する入国規制は存在し続けました。

 そのいわくつきの規制の撤廃は、世界のエイズ政策にも大きな影響を与えることになりそうです。すでに昨年の世界エイズデー前日の11月30日には、ホワイトハウスでヒラリー・クリントン米国務長官や国際エイズ学会(IAS)の次期会長であるエリ・カタビラ博士らが2012年の第19回国際エイズ会議をワシントンDCで開催することを発表しています。米国では1990年の第6回サンフランシスコ会議以来、実に22年ぶりの開催となります。

 一方の韓国は、潘基文事務総長の出身国であり、2011年には釜山で第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議が開催されることもあって、エイズ対策にはこのところ非常に熱心です。UNAIDSやIASから「差別的」と強く非難されている入国規制の撤廃はその意味でも急務でした。

 2011年の釜山会議、そして12年のワシントン会議、国際的なエイズ会議の開催は、このところやや壁に突き当たっていた印象もある世界のエイズ政策の展望を大きく切り開く意味を持っています。日本でも1994年に横浜で第10回国際エイズ会議、2005年に神戸で第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議が開かれ、たくさんの人がHIV/エイズの流行との長く困難な闘いに取り組むきっかけになりました。

 東京では今年、第24回日本エイズ学会学術集会・総会が11月24日から26日までの3日間、開催されます。こちらも日本のエイズ政策を大きく前に進めることができる力強い会議になるよう岩本愛吉会長(東京大学医科学研究所教授)をはじめたくさんの研究者とエイズ対策の多様な現場を支える人たちが準備を進めています。エイズ対策の困難な現実と学術的な会議との間に生まれるスリリングな関係。それもまた、エイズという感染症のパンデミック(世界的流行)がもたらした新鮮で、注目すべき変化というべきでしょう。TOP HAT News第18号は、そうした変化を的確にとらえるために世界のHIV/エイズの流行の最新推計に関する情報を特集しました。



2 エイズ流行の最新推計を発表(UNAIDS、WHO)

 世界のHIV/エイズの流行状況に関する国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)の報告書《HIV/AIDS最新情報 2009年版》が09年11月24日に発表されました。HIV陽性者数などの最新推計は08年末現在のもので、以下のようになっています。

 世界のHIV陽性者数        3340万人
 08年の年間新規HIV感染者数     270万人
 08年のエイズによる年間死者数    200万人

 地域別のHIV陽性者数など、もう少し詳しいデータはエイズ予防情報ネット(API-Net)に日本語版が掲載されています。 http://api-net.jfap.or.jp/spPage_2009/htmls/images/world.pdf

 今回は通常の報告書に加え、雑誌スタイルの《UNAIDS Out Look 2010》もあわせて刊行され、2巻構成となりました。英文ですがUNAIDSのサイトで2巻ともダウンロードできます。 http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2009/20091124_pr_EpiUpdate.asp



3. 新規感染はこの8年間で17%減少 UNAIDSプレスレリース

 《HIV/AIDS最新情報 2009年版》の発表にあわせ、UNAIDSの公式サイトにプレスレリースが掲載されました。 http://data.unaids.org/pub/PressRelease/2009/20091124_PR_EpiUpdate_en.pdf 

 要点は以下のようなことでしょう。
1)年間の新規HIV感染は減少している。
2)これは国際社会が本気になってエイズ対策に取り組んできた結果である。
3)しかし、HIVに感染して生きる人の数は増加している。
4)エイズによる死者数よりも新規に感染する人の方が多いからで、これまでの成果を無にしないためにも、HIV予防、治療、ケア、支援の普遍的アクセス実現に向けた対策の充実をはかり、新規感染を減らしていく必要がある。

一方、プレスレリースには《東アジアの新規HIV感染は25%近く減り》と書かれていますが、この点は、どうしてそういう記述になるのか理解できません。新規感染は減少しているどころか、増加を続けているというのが、東アジア各国のエイズ対策に取り組む人たちの間では共通認識になっているというべきでしょう。プレスレリースの日本語訳はHATプロジェクトのブログに掲載されています。
http://asajp.at.webry.info/200911/article_6.html



4 【資料紹介】HIV/AIDS最新情報 2009年版について、日本のNGOが要点を整理

 エイズ&ソサエティ研究会議、日本HIV陽性者ネットワークJaNP+、アフリカ日本協議会など国内でエイズ対策に取り組むNGOが昨年11月25日、厚生労働省で記者会見を行い、HIV/AIDS最新情報 2009年版の要点などを説明しました。そのときの配付資料《HIV/AIDS最新情報 2009年版の要点整理》を紹介します。
 
     ◇

【現状】「2008年、HIV陽性者数は世界のすべての地域で増加を続け、推計3,340万人[3,110−3,580万人]に達した。人数では2000年よりも20%増、陽性率では1990年の3倍となった」
 陽性者数の増加は、一つには新規感染者が減少しているとはいえ依然として年間270万人にのぼること、いまひとつには途上国におけるARV治療の普及により死亡が200万人に下がったこと、この二つによると見られる。
 陽性率の増大が認められるのは東欧と中央アジア、そしてオセアニアである。先進国のMSM(男性とセックスする男性)の間では、新規感染が再び増え始めていることが懸念される。

【傾向】 新規感染者は1996年の350万人をピークに微減し始め、12年後となる2008年には30%減少した。死亡者は、感染から発症までのタイムラグにより、2004年の220万人がピークで、2008年までの4年間で10%減少した。(新規感染者数と死亡者数とが減少に転じたことは、前回2007年末の「最新情報」で初めて示されたが、その傾向が改めて確認された。)

【課題】 エイズは重大な地球規模の保健課題であり、世界の連帯による取り組みが求められる。新規感染と死亡は減少を始めたとはいえ、陽性者数は増加し続けており、当面、エイズが主要な死因の一つであり、早すぎる死をもたらすものであることに変わりはない。

【流行の多様性】 国によって、また国の中でも、タイプは異なる。さらに変化をする。したがってこれに応じた適切な対策が求められる。東欧・中央アジアでは注射薬物使用者間から性行為感染へ移行しつつあり、アジアでも変化している(個別施策層間からそのパートナーである女性への広がりを見せている)。

【予防・母子感染予防】予防対策が成功しているエビデンスが認められる。また15才以下の新規感染43万人のほとんどが母子感染だが、2001年より18%減少した。これは予防策のカバー率が2004年の10%から2008年の45%に拡大したことによる。なにもしなければ30-35%の感染率を、ARVとコトリモクサゾールの投与などにより、1-2%に下げることができる。

【治療】必要な人でアクセスできる人は、2003年の7%から2008年には42%、400万人に拡大した。ボツワナでは必要な人の80%に治療が提供され、死亡者数は2003年の15,500から2007年には7,400に半減し、エイズ孤児は40%減少したと推計されている。(米国では、ARV治療の普及により1996年から2年で死亡者数を6分の1に減らしたが、途上国で普及が始められたのは、2002年の世界基金設立、2003年のUNAIDS/WHOキャンペーン以降である。)

【鍵となる人口集団】(=個別施策層:セックスワーカー、薬物使用者、MSM、移住労働者など) 感染が一般人口に広がっているアフリカでも、個別施策層と流行との関係を明らかにする研究が進められている。流行のどのタイプにあっても、個別施策層対策が鍵となる。成功した予防策のエビデンスが、いくつかの国で実施された全国家計調査によっても示されている。しかし、対策に充てられる資金は余りに少ない。



5  中国は09年末現在のHIV陽性者数を74万人と推計

 中国のエイズの流行について、在中国日本大使館のウエブサイトに新たな推計値などが紹介されています。昨年12月1日の世界エイズデーにあわせ、中国政府が公表した10月末までのデータをもとにしたもので、これまで中国政府に報告のあった累計の感染者数は約32万人(うちエイズを発症した人10.2万人、死亡者数5万人)で、報告は雲南、河南、広西、新彊、広東、四川の6省区で全体の約8割を占めています。また、報告されていない感染者を含めると、中国国内のHIV陽性者は09年末現在で約74万人と推計されているそうです。
 一方、昨年1年間の新規感染者数は約4.8万人で新規感染者の感染原因は、異性間の性感染42.2%、男性同士の性感染32.5%、麻薬など24.3%、母子感染1%となっています。

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