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zoom RSS オバマ米大統領がHIV陽性者に対する渡航規制撤廃を発表 国連が歓迎声明

<<   作成日時 : 2009/11/10 00:16   >>

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(解説) 米国のオバマ大統領が10月30日、米国内へのHIV陽性者の入国規制を撤廃する命令を11月2日に出すと発表しました。命令はもう出されているはずですが、発効は年明けになるようです。報道によると、米国内の低所得層のHIV陽性者50万人にケアと治療、支援を提供するためのライアンホワイトHIV/エイズプログラムの再承認法案に対する大統領署名に先立って発表され、オバマ大統領は「HIV/エイズとの闘いで世界のリーダーであろうとするなら、それにふさわしい行動をとらなければならない」と語っています。

 米保健福祉局は1987年、米国内への入国規制の対象とする伝染病のリストにHIV感染症を加え、91年に規制撤廃が検討された時も議会の反対で撤廃は実現しませんでした。このため、HIV陽性の活動家や研究者は米国に入国できなくなり、米国内では1993年以降、エイズに関する主要な国際会議は開かれていません。

 ブッシュ政権末期の2008年7月、米大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)の5年間延長が決まった際、その第2次PEPFARの中にはすでに入国規制撤廃が盛り込まれていました。つまり、方針の大転換は前政権時代になされていたのですが、実際にそれが実行に移されるには時間がかかるんですね。オバマ大統領としては点数を稼いだかっこうですが、エイズ政策は現在、米国でも大量点をもたらす得点源とはいえないようです。どうも、《エイズはもういいんじゃないのムード》がそこはかとなく世界に漂っているような印象もぬぐえません。これが2009年の世界のHIV/エイズとの闘いの現実でしょう。日本国内の対策も、そのことをかみしめて取り組んでいく必要があります。

 それはともかく、米国の方針転換は重要です。オバマ大統領の発表を歓迎するUNAIDSのプレスレリースを日本語に訳しました。


◇国連事務総長がHIV陽性者の渡航規制撤廃で米国に続くよう各国に要請
 英文プレスレリースは
 http://data.unaids.org/pub/PressRelease/2009/20091031_ps_travelrestrictions_sg_en.pdf

【ジュネーブ・ニューヨーク 2009年10月31日】 HIV感染の有無による米国への入国規制について、オバマ米大統領が撤廃を発表したことをUNAIDSは歓迎する。この発表は1987年から続く米国の政策を変更するものだ。この種の規制に対しUNAIDSは、差別を助長し、公衆衛生上も正当化できないことから強く反対してきた。

 「HIV陽性者に対する米国の入国規制の撤廃をオバマ大統領が発表したことに拍手を贈る」と国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は語った。
「同様の規制を実施するすべての国は早急に撤廃に向けた手続きをとってほしい」

 国連事務総長はHIV陽性者に対する偏見や差別の撤廃を自らの課題としている。事務総長は2008年のエイズに関する国連総会高級レベル会合の演説で最初に渡航規制の撤廃を各国に求めた。昨年8月の国際エイズ会議でも「国から国へと旅行することに対する制限を含め、HIV陽性者が差別を受けていることは、私たちすべての恥である」と演説している。

 潘事務総長は、自らの出身国である韓国も含め、数カ国が渡航規制撤廃に向け、最終段階にあると演説で語った。中国、ウクライナなど、その他の国でも渡航規制を検討している。UNAIDSは2008年、すべての国に対し、HIV感染を理由にした入国、滞在、居住に関する規制を取り除き、HIV陽性者を感染しているために排除、追放、退去することのないよう強く勧めている。

 「HIV陽性者に対する渡航規制は公衆衛生上、正当化できるものではない。人権に対する侵害である」とUNAIDSのミシェル・シデベ事務局長はいう。
「いまなお渡航規制が残っている国には、早急に撤廃するよう期待している」

59カ国が何らかのかたちでHIV陽性者の渡航を規制している。HIV/エイズと人権に関する国際ガイドラインによると、HIV感染もしくは感染の疑いを理由にした移動の自由や居住の選択に関するいかなる制限も、差別的である。海外からの渡航者に対するHIVスクリーニング検査もそこには含まれる。渡航規制は経済的にも正当化できるものではない。HIV陽性者は長く働き、生活していくことができる。したがって規制をめぐる経済面の議論は成り立たない。移住者に関しては、保健医療資源を使い尽くされてしまうといった懸念よりも、潜在的な社会的貢献の可能性の方が大きい。



UN Secretary-General urges countries to follow the United States and lift travel restrictions for people living with HIV

Geneva/New York, 31 October 2009 — UNAIDS welcomes President Obama’s announcement of the final rule removing entry restrictions based on HIV status from US policy. The removal of HIV-related travel restrictions in the US overturns a policy that had been in place since 1987. Such restrictions, strongly opposed by UNAIDS, are discriminatory and do not protect public health.

“I congratulate President Obama on announcing the removal of the travel restrictions for people living with HIV from entering the United States,” said United Nations Secretary-General Ban Ki-moon. “I urge all other countries with such restrictions to take steps to remove them at the earliest.”

The United Nations Secretary-General has made the removal of stigma and discrimination faced by people living with HIV a personal issue. He called for the removal of travel restrictions for the first time in his address to the General Assembly during the High Level Meeting on AIDS in 2008. “That they should be discriminated against, including through restrictions on their ability to travel between countries, should fill us all with shame,” said Secretary-General Ban in a speech to the Global AIDS Conference in August last year.

At his request, several countries including his home country, the Republic of Korea, are in the last stages of removing travel restrictions. Other countries that are considering removal of travel restrictions include China and Ukraine. In 2008, the UNAIDS board strongly encouraged all countries to eliminate HIV-specific restrictions on entry, stay and residence and ensure that people living with HIV are no longer excluded, detained or deported on the basis of HIV status.

“Placing travel restrictions on people living with HIV has no public health justification. It is also a violation of human rights,” said Michel Sidibé, Executive Director of UNAIDS. “We hope that other countries that still have travel restrictions will remove them at the earliest.”

Nearly 59 countries impose some form of travel restrictions on people living with HIV. The International Guidelines on HIV/AIDS and Human Rights state that any restriction on liberty of movement or choice of residence based on suspected or real HIV status alone, including HIV screening of international travellers, is discriminatory. Travel restrictions do not have an economic justification either. People living with HIV can now lead long and productive working lives, a fact that modifies the economic argument underlying blanket restrictions; concern about migrants’ drain on health resources must be weighed with their potential contribution.

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