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zoom RSS 同性間の性行為を犯罪として扱う法律は違憲 インド・デリー高裁判決

<<   作成日時 : 2009/07/06 22:51   >>

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(解説)インドのデリー高等裁判所で7月2日、同性間の性行為に対する刑法の禁止規定を違法とする判決が出されました。英植民地時代から150年にわたって続いてきた法律の大転換を促す判決で、同高裁は「インド社会は伝統的にすべての人たちに対する包容力を示してきた」と指摘したうえで、「成人の合意に基づく性行為は合法的なものであり、そこにはゲイセックス、同性間のセックスも含まれる」との判断を示しています。
インドでは、英国の植民地支配下にあった1861年当時、英国が同性間の性行為を禁止したのを受け、刑法規定が適用されるようになりました。英国のイングランドやウエールズでは1967年に同性間の性行為は合法化され、方針は大きく転換しているのですが、ジンバブエ、シンガポール、マレーシアなどかつて植民地だった多数の国でいまなお法規制が撤廃されないまま残っているそうです。インドもそうした国のひとつで、デリー高裁の判決が影響力を持つのは当面、首都圏およびその周辺地域に限定されるということですが、インド政府としては今後、全国的な規制撤廃に向けた動きを取るよう求められることになりそうです。インドではすでに同性愛行為が実際に刑法犯として罪に問われることは、ほとんどなくなっているそうですが、法規制の存在そのものが、ゲイ、レズビアンに対する嫌がらせを社会的に許すかたちにはなっているので、今回の判決の意義は小さくないでしょう。
判決の背景には、HIV/エイズ対策に取り組む中で、そうした規制の撤廃を求める国際的な世論が高まっていることも無視できません。判決を受けて、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が発表したプレスレリースの日本語訳を以下に紹介しておきます。



同性間の性行為を犯罪として扱う法律を無効としたインド・デリー高裁の歴史的決定を国連合同エイズ計画(UNAIDS)が歓迎  UNAIDSプレスレリース
http://data.unaids.org/pub/PressStatement/2009/20090702_ps_section377_en.pdf

 ニューデリー=2009年7月2日 インドのデリー高裁は本日、150年前から「自然の摂理に反した快楽的性交」を犯罪としてきたインド刑法377項について、インド憲法14、15、19、21条に違反するとの理由で無効とする決定を下すとともに、同意に基づく成人の性行為は犯罪と見なされるべきではないとの判断を示した。A.P.Shah裁判長およびS.Murlidhar裁判官は「インド社会が伝統的にすべての人たちに対する包容力を示してきた」述べている。

デリー高裁の判決について、UNAIDSのミシェルシデベ事務局長は「インド国内の数百万の男性と性行為をする男性、およびトランスジェンダーの人々の尊厳と人権を取り戻した」と語る。「 刑法377項のような非道な法律は、人々を排除し、HIVの予防、治療、ケアのサービスを利用できないようにするものだ」

 UNAIDSはすべての政府に対し、成人の同意に基づく性行為を禁じている法律は廃止して、男性と性行為をする男性、レズビアン、トランスジェンダーの人々を暴力や差別から守る法律を強化し、ホモフォビアやトランスフォビアに取り組むキャンペーンや基本的な医療保健サービスの確保を推進することで、これらの人々の人権を尊重するよう求めている。

「UNAIDSはこのような法律の廃止決定を強く歓迎し、男性と性行為を行う男性やトランスジェンダーの人々のためのエイズ対策をインド政府がともに進めていくことを期待している」とシデベ事務局長は語った。「それは、同種の法律がいまなお残る国に対し、前向きのメッセージを伝えることになるだろう」

成人の性行為を犯罪として扱うことは、世界各地でHIV対策の妨げになっている。こうした方法はHIV感染の予防プログラムやHIV陽性者の治療へのアクセス確保に対しネガティブな影響を与える。個人の人権を侵害するだけでなく、特定集団に対する偏見を強めるものでもある。同性間の性行為を禁じる法律がある国は現在、世界全体で80カ国を超えている。

2006年のHIV/エイズに関する政治宣言で、各国政府は法的な障壁を取り除き、社会的に弱い立場に置かれている人たちを守る法律を成立させることを約束している。男性と性行為をする男性、薬物注射使用者、セックスワーカーに対する差別廃止法がある国は、HIV予防、治療、ケア、支援のサービスに対し、より良好なアクセスを提供することができている。




UNAIDS welcomes historic decision by Delhi High Court to annul the law that criminalizes adult homosexual relations

New Delhi, 2 July 2009—The Delhi High Court in India today annulled a 150-year-old law criminalizing “carnal intercourse against the order of nature,” commonly known as Section 377 of the Indian Penal Code. The court declared that section 377 of Indian Penal Code violated Articles 14, 15, 19 and 21 of the Indian Constitution and said consensual sexual acts of adults in private should not be criminalized. A division bench of Chief Justice A.P Shah and Justice S. Murlidhar said, “The inclusiveness that Indian society traditionally displayed, literally in every aspect of life, is manifest in recognizing a role in society for everyone.”
“The Delhi High Court has restored the dignity and human rights of millions of men who have sex with men and transgendered people in India,” said UNAIDS Executive Director Mr Michel Sidibé. “Oppressive laws such as Section 377, drive people underground making it much harder to reach them with HIV prevention, treatment and care services.”
UNAIDS urges all governments to ensure full respect for the human rights of men who have sex with men, lesbians and transgendered people through repealing laws that prohibit sexual acts between consenting adults in private; enforcing laws to protect these groups from violence and discrimination; promoting campaigns that address homophobia and transphobia, and ensuring that crucial health needs are met.
“UNAIDS strongly welcomes the decision to repeal the law and looks forward to working with the Indian government on moving the AIDS response forward for men who have sex with men and transgendered people,” said Mr Sidibé. “It sends a positive message to countries, where such laws still exist.”
The criminalization of adult sexual behaviour is hampering HIV responses across the world. Such measures have a negative impact on delivery of HIV prevention programmes and access to treatment by people living with HIV. Not only do they violate human rights of individuals, but further stigmatize these populations. Currently, more than 80 countries in the world have legislation that prohibits same sex behaviour.
In the 2006 United Nations Political Declaration on HIV/AIDS, governments committed to removing legal barriers and passing laws to protect vulnerable populations. Countries that have non-discrimination laws against men who have sex with men, injecting drug users and sex workers have provided better access to HIV prevention, treatment, care and support services.

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