エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト

アクセスカウンタ

zoom RSS メルマガ TOP-HAT News 第14号

<<   作成日時 : 2009/05/20 14:58   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
メルマガ:TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第14号(2009年5月)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

◆◇◆ 目次 ◇◆◇

 1 はじめに 新型インフルエンザとエイズ対策

 2 論文紹介「エイズと新型インフルエンザ」

 3 稲場雅紀氏にPWA賞

 4 グーズビー教授を指名 米国の地球規模エイズ調整官

◇◆◇◆◇◆

1 はじめに 新型インフルエンザ報道とエイズ対策

 メキシコから広がった豚由来の新型インフルエンザのニュースがゴールデンウィークの直前あたりから、マスメディアで連日、報道されました。その報道ぶりを見ていると、ああ、また始まったなと少しがっかりします。日本国内がエイズパニックと呼ばれる状態になる中で、洪水のような報道が続けられたのは1987年の1月から4月ごろにかけてでした。

 重症急性呼吸器症候群(SARS)が21世紀に入って最初の新興感染症の流行として登場し、これまた国内で、洪水のように報道されたのは、2003年の春から初夏にかけてです。このときは結局、国内でSARSの患者は1例も報告されませんでした。台湾から観光で日本を訪れた旅行者が再び台湾に戻ったあとで、SARSを発症したことが分かった・・・というのが唯一の事例です。それでも世の中は大変な不安に陥りました。

 感染症に関して洪水のように報道があふれ出す「報道洪水期」には、時期も対象となる疾病も異なっているのに、どこか共通する気分が世の中に広がっていきます。端的に言えばそれは、感染した人の排除が強調され、病を得て困難に直面している人に対する想像力が著しく失われていく結果ではないでしょうか。恐怖と不安の感情に乗っかった(場合によっては、便乗した)ような報道がそれに拍車をかけます。対策の担当者の中にもそうした雰囲気を追い風にして、自らの発言のアピール効果を増幅させようとするかのごとき振る舞いが見られることもあります。

 典型的な例が、水際作戦に対する過度なまでの思い入れでしょう。外から悪いものが入ってこなければいいといった発想では、地球規模でヒトもモノもウイルスも移動しているグローバル化時代の感染症対策は成立しません。エイズでもSARSでも、あれだけ苦い思いをしたのだから、この次はもうちょっとましだろうという期待もあったのですが、今回の新型インフルエンザではどうだったでしょうか。

もちろん、《水際作戦もまた、排除を目的とするものではなく、早期に治療を提供することで、新たな感染の機会を減らし、結果としてそれが予防につながる》といった指摘も見受けられました。しかし、洪水のような報道の中では、圧倒的に少数でした。

 2009年の豚由来新型インフルエンザのウイルスは、病原性は季節性のインフルエンザと同程度と考えられています。日本で毎年冬に流行する通常のインフルエンザの診療を行っている医療機関なら、いつものように院内感染防止策を実行していれば、診療を拒む理由などまったくありません。診療ができないとすれば、それは、ごくごく当然な院内感染防止策さえ怠ってきた医療機関であることを宣伝して回るようなものでしょう。

 HIVに感染した人たちにとってもまた、通常の季節性インフルエンザとほぼ同じ対応で新型インフルエンザを受け止めることができるのではないかと思います。治療などに関して心配がある方は主治医と相談してください。



2 論文紹介「エイズと新型インフルエンザ」

 日本記者クラブの公式ウエブサイトに「エイズと新型インフルエンザ」というタイトルのレポートがアップされています。
 http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/article.php?id=1146
 日本記者クラブ会報の2009年3月号に掲載されたもので、どうもレポートを読んだ印象では、執筆者は敏腕記者とはいえないようです。また、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスに由来する新型インフルエンザの流行を想定しているので、今回の豚インフルエンザ由来の流行には必ずしも当てはまりませんが、報道について考えるうえでは、参考になるかもしれません。



3 稲場雅紀氏にPWA賞

 エイズの流行と闘う人たちに感謝を込めて贈られるPWA賞の第14回授賞式が4月22日、東京・四谷三丁目のねぎし内科診療所で開催され、受賞者の稲場雅紀氏が「過渡期の時代のエイズアクティビズム」をテーマに記念スピーチを行いました。

 稲場氏は、(特活)動くゲイとレズビアンの会アドボカシー部門プログラムディレクターなどを経て、02年、アフリカ日本協議会の国際保健部門ディレクターに就任。HIV/エイズ対策や国際保健分野のアドボカシー活動に取り組んできました。昨年の北海道洞爺湖サミットでは、環境、開発、人権、保健分野のNGOでつくるG8NGOフォーラムの保健ワーキンググループのリーダーとしてサミット成果文書である「国際保健に関する洞爺湖行動指針」に市民社会からの意見を反映させるために尽力しています。エイズをはじめとする感染症対策分野では、プロジェクトRING(世界基金・日本NGO連携促進プロジェクト)事務局長を務める一方、アフリカ日本協議会発行のメルマガ「グローバル・エイズ・アップデート」の編集長として、海外情報の紹介も息長く続けています。

 稲場氏の記念スピーチ原稿はエイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクトのブログに掲載されています。
 http://asajp.at.webry.info/200904/article_3.html

 また、PWA賞については  http://asajp.at.webry.info/200903/article_5.html  をご覧下さい。



4 グーズビー教授を指名 米国の地球規模エイズ調整官

 米国のオバマ政権は、PEPFAR(米大統領エイズ緊急救済計画)を統括する米国務省の大使級ポスト、地球規模エイズ調整官にカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部のエリック・グーズビー(Eric Goosby)教授を指名しました。議会での承認が得られれば正式決定となります。

 グーズビー氏はエイズの流行の初期段階とされる1980年代前半からサンフランシスコ総合病院でエイズ診療にあたり、その後もHIV陽性者の治療および米国内および国際的なエイズ政策の推進の両面にわたって活躍してきました。HIV/エイズ分野での経験の蓄積は25年を超え、90年代のクリントン政権時代には、国家エイズ政策室次長や保健福祉省HIV/エイズ政策部長などを歴任しています。また、アジア、南部アフリカ、ルワンダなどで、HIV感染症の治療を結核やマラリアなど他の感染症対策と結びつけて展開する統合アプローチのためのエイズキャンペーンを推進してきたことでも知られています。

 地球規模エイズ調整官は前任のマーク・ディブル医師が今年1月、オバマ政権発足直後に退任しています。ディブル調整官の手腕を高く評価し、再任を求める動きもありましたが、ブッシュ政権時代の政策とは一線を画すべきだとの意見が米国のエイズ対策関係者の間には強かったようです。エイズを中心にした途上国の感染症対策を支援するPEPFARはブッシュ大統領の提案で2003年に発足。5年間にわたる第1期計画が08年度で終了し、2009年度から第2期PEPFARがスタートしています。第2期計画には5年間で第1期の3倍を上回る480億ドルを投入することになっており、新たなトップが決定すれば、その実施体制がようやく整うことになります。

 グーズビー氏の指名については、米国内のエイズ関係団体から、実績などを評価し、歓迎の意向が相次いで示されています。また、国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シデベ事務局長も「グーズビー博士は米国内および国際的なエイズ対策の強力かつ有能な指導者である。長い間、流行の最前線に立ち続け、国レベルでどのような対策が有効であるかを認識されている」と述べ、「HIV予防、治療、ケア、支援のアクセスの拡大を進めるという共通の利益を達成するため、グーズビー博士ならびにオバマ米政権と緊密に協力していくことを期待する」としています。 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
メルマガ TOP-HAT News 第14号 エイズ&ソサエティ研究会議・HATプロジェクト/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる