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zoom RSS 中国、MSMのHIV感染と取り組む(UNAIDS)

<<   作成日時 : 2009/01/21 01:04   >>

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(解説) 国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウエブサイトに掲載されている中国のエイズ対策に関する報告です。 中国ではこれまで、男性同性愛者を含む男性とセックスをする男性(MSM)に対し、HIV感染予防の観点から必要とされる対策や支援が十分に実施されてたとはいえないようです。急速な感染の拡大にようやく中国政府も目を向け、コミュニティ組織と協力して対策に力を入れるようになったという感じですね。ただし、HIV陽性者や同性愛者の人権を守るといった意識がお題目ではなく、実際にどこまで浸透しているか。自由に見解を表明し、行動を取ることが保障される市民社会が形成されているのかどうかという問題もあります。UNAIDSの報告はやや建前的という印象も受けます。

 英文は China to tackle HIV incidence amongst MSM
 http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2009/20090116_MSMAsia.asp


中国、MSMのHIV感染と取り組む
 

 中国は急速に上昇する男性とセックスをする男性(MSM)の間でのHIV感染に対応するための集中プログラムを2008年に発表した。これは中国が長い間タブーとしてきた危機に立ち向かおうとしていることを示す最新の兆候かもしれない。

 MSMキャンペーンの宣言にあたって、中国衛生省は危険な性行為が香港を除く中国本土のHIV感染拡大の最大の要因であり、男性とセックスをする男性がいまや、最もHIVに感染しやすい集団だと語った。中国のHIV陽性者数は推定約70万人で、その11.1%がMSMと見られている。

 チャイナ・デイリー紙は「中国本土におけるMSMのHIV陽性率は、以前には1〜3%だったが、現在は2.5〜6.5%である」という衛生省のハオ・ヤン疾病予防対策局次長の談話を引用している。

 キャンペーンは、500万〜1000万人と推定されるMSM人口に対し、コンドーム使用の強力な推奨、HIV予防活動の量的拡大と質的向上、自発的なHIVカウンセリングと検査(VCT)へのアクセスの拡大、性感染症の治療へのアクセスの改善など、対象をしぼった予防施策(Targeted Prevention measures)を実施する。

 MSMのHIV感染を抑える新たな大規模キャンペーンの出発点として、中国はHIV陽性率の明確な統計的ベースラインを設定するため、約2万1000人のMSMを対象にHIV検査を実施する方針だ。この種の調査としては世界で最大規模のものであり、アジアでは初の試みとなる。

 予防対策はMSMコミュニティを基盤とした組織(CBO)、およびすべてのレベルの市民社会組織の参加のもとで進められることになる。CBOは啓発キャンペーン、VCTの紹介、ピア教育、より安全なセックスの奨励とコンドーム配付などを担当する。電話相談のホットラインやインターネットのチャットルーム、ウエブサイトなども利用される。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、MSMおよび他の排除されがちな集団がHIV感染から自らを守る力を得ることがエイズ対策の重要な手段の一つと考えている。

 「中国政府がMSMのHIV感染予防を優先事項としたことをUNAIDSは歓迎する」とUNAIDSのバーナード・シュワルトランダー中国駐在調整官は語る。

 しかし、中国の方針は大きな前進だとしても、社会全般、およびMSM自身にいまなお、偏見と差別があまりにも強いことをはじめ、足りないところはたくさんある。

 2007年の末の時点でも、包括的なHIV予防対策が届いているのはMSM人口の推定8%に過ぎない。さらに、衛生省の推計では、半数以上の中国のMSMには1人ないしは複数の性パートナーがいるのにコンドームを使用している人は10〜20%に過ぎない。

 「政府および多数のMSMの活動グループが、差別的でなく開かれたパートナーシップのもとに協力していくことが重要である」とシュワルトランダー調整官はいう。


 大半は無視されている

 中国での進展は、アジア太平洋地域の国の多くで、以前は多数の人が無視してきたエイズの流行について認識するようになってきたことの表れのひとつである。

 アジアのほとんどの国で、MSMは喜んで取り組むような課題ではない。男性同士のセックスが非合法である国も多く、迫害がしばしば報告されている。その結果、MSMのための対策に関しては支援も少なかった。

 「関心は高まってきたが、もっと必要だ」とバンコクに拠点を置き、男性のセクシャルヘルスに関するアジア太平洋連合(APCOM)や国連と協力してMSM関連の課題に取り組むコンサルタントのポール・コージーは語る。

 他の男性とセックスをするほとんどのアジア人男性は性行動に関してオープンに語ることはない。社会のタブーと差別のために、多くの人が男性とはセックスをしていないようなふりをしている。同性との性行為は自らの社会生活や性行動の中のごく小さな一部分でしかないという男性も多い。男性とセックスをする男性の多くが、女性ともセックスをしているのだとすると、MSMの間の高いHIV陽性率は、非常に多くの女性もまた、HIV感染のリスクにさらされていることになる。

 感染防止策をとらないアナル性交などリスクの高い行動を多数のパートナーと行うという組み合わせは、アジアの多くの都市でHIV感染の拡大に拍車をかけるキーファクターである。

 予防の費用は、感染してから治療を提供するよりはるかに少なくてすむのに、アジアのどの国もMSM対策に必要なだけの資金を投入しているとはいえない。アジア・エイズ委員会によると、効果的な予防対策に対する1ドルの投資は、その国にエイズの流行が広がった場合の8ドル分の将来的治療費支出を防ぐことになる。


コミュニティグループの関与

 アジア太平洋地域の国々がMSMの危機を認識する契機となったのは、2006年9月にニューデリーで開かれた「リスクと責任 アジア太平洋地域における男性のセクシャルヘルスとHIV」と題する特別会議だった。

 この会議は、各国政府、ドナー(資金拠出国・機関)、380人のコミュニティ組織メンバーという三者が集まって開かれた。会議そのものと同様に重要だったのは、UNAIDSが主催し、16カ国で開かれた準備会合だった。中国で開かれたものを含め、これらの会合は、政府担当者と広範なMSMコミュニティ組織のメンバーが一緒になって現状と解決策を議論する初めての機会だったケースも多い。

 会議がもたらしたもう一つの成果は、市民社会組織、政府担当者、資金拠出機関、専門家、国連機関が集まり、MSMのHIV感染の拡大に対応する効果的な対策を進める組織としてAPCOMの結成が決まったことだ。

 そうした努力を補完するため、中国では2006年半ばに国連の「MSMとHIV/エイズ技術作業グループ」が発足した。このグループは国連開発計画(UNDP)の主導のもとで運営されている。

 「技術作業グループは政府、MSMコミュニティグループ、資金拠出機関と協力し、相互調整と意思疎通、政策策定に市民社会組織(CSO)の参加を促進するための政府の能力強化、そしてCSOの組織運営や専門性の強化などに取り組んでいる」とUNDP中国事務所のエイズ担当であるエドムンド・セトル部長は説明している。

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