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(解説) 「言葉はHIVに対しニュートラルではない」の項で紹介したUNAIDSの用語に関する提言集「UNAIDS’ Editors’ Notes for Authors」の翻訳です。タイトルは「UNAIDS用字用語ノート」としました。あまり適切とはいえないかもしれません。いいアイデアがあったらお教えください。原文はUNAIDSのウエブで、「Words are not neutral against HIV」を探し、そこからpdf版で見ることができます。とりあえず、半分くらいまで訳した分を掲載します。作業が遅く申し訳ありません。 UNAIDS用字用語ノート (2006年8月) UNAIDS’ Editors’ Notes for authors1 (August 2006) UNAIDS用事用語ノートは、用語について簡潔に説明した短いメモをスタッフ向けに作ったのが始めだった。ノートは次第に増え、利用者も拡大していった。UNAIDSの共同スポンサー機関、国連システムの職員、非政府組織、ジャーナリスト、学生、ライター、その他、手引を必要とする人にとって、ノートは役に立つであろう。最初は予想していなかったのだが、ノートが幅広い情報源になっていることを認識し、最新版はUNAIDSの共同スポンサー機関との協議を重ねてまとめられた。UNAIDSの組織内では主任科学技術顧問の指導の下で事務局職員全員が内容の充実を図る作業に加わった。 言語は概念をかたちづくり、行動に影響を与えるものであり、適切な用語を選択することはエイズ対策の強化を助けることになる。UNAIDSは現在、すべての人に利用してもらえるようにこのノートを公開している。私たちはノートが成長を続ける生きたドキュメントであってほしいと考えている。コメントや提案は今後、改訂の際の参考にする方針であり、Alistair Craik (craikr@unaids.org)宛てに積極的にお寄せいただきたい。 最近の主な用語使用例 これまでの用語 最近、使われている用語 Commercial sex work Sex work or commercial sex, or the sale of sexual services* 商業的セックスワーク セックスワーク、または性サービスの販売 Developing countries Low and middle income countries 開発途上国 低・中所得国 Direct sex workers Brothel-based sex workers or formal sex workers 直接セックスワーカー 売春宿をベースにした(または、公式な)セックスワーカー Indirect sex workers Non-brothel-based sex workers orinformal sex workers 間接セックスワーカー 売春宿がベースでない(または、非公式な)セックスワーカー Fight against AIDS Response to AIDS エイズとの闘い エイズに対する対応 High(er) risk groups Key populations at higher risk* ハイ(ヤー)リスクグループ 高いリスクにさらされた人口層 HIV/AIDS HIV unless specifically referring to AIDS HIV/エイズ とくにエイズに言及していない限りHIV HIV/AIDS AIDS diagnosis; HIV-related disease HIV/エイズ エイズ診断、HIV関連疾病 HIV/AIDS epidemic AIDS epidemic or HIV epidemic HIV/エイズの流行 エイズの流行、またはHIVの流行 HIV/AIDS prevalence HIV prevalence HIV/エイズ陽性率 HIV陽性率 HIV/AIDS prevention HIV prevention HIV/エイズ予防 HIV予防 HIV/AIDS testing HIV testing HIV/エイズ検査 HIV検査 People living with HIV/AIDS People living with HIV* HIV/エイズとともに生きる人 HIV陽性者(HIVとともに生きる人) Prostitute Sex worker 売春婦 セックスワーカー Prostitution Term to use in respect to juvenile prostitution, otherwise use sex work 売春 少年少女に関する場合は売春、その他はセックスワーク Intravenous drug user Injecting drug user* 静脈注射使用者 薬物注射使用者 Most vulnerable to infection Most likely to be exposed to HIV (unless specifically referring to vulnerability) 感染に最も脆弱な 最もHIVにさらされやすい(脆弱性に特に言及しない限り) Prevalence rates Prevalence 有病率(陽性率)レート 有病率(陽性率) Risky sex Unprotected sex 危険なセックス 感染防護策をとらないセックス Sharing (needles, syringes, etc.) Using contaminated injecting equipment (if referring to HIV transmission) (注射針、注射器などの)共用 使用済みの汚染された注射器具 (HIVの感染に言及する場合) Sharing (needles, syringes, etc.) Using non-sterile injecting equipment (ifreferring to risk of exposure to HIV) (注射針、注射器などの)共用 消毒されていない注射器具 (HIV感染のリスクに言及する場合) Vulnerable groups Vulnerable populations or populations mostlikely to be exposed to HIV or populations at higher risk of exposure 脆弱な集団 脆弱な(HIVにさらされやすい、高いリスクにさらされやすい)人口層 よく使われる用語、略語に関する説明 ABC 予防戦略:abstain from penetrative sexual intercourse性交を避ける(性体験の開始年齢を遅らせるという意味でも使われる);be faithful貞節(性行為の相手を減らす、または1人に限る);condomizeコンドーム普及(コンドームを常に正確に使う) AIDS CARRIERエイズキャリア この用語はHIV陽性者全般に対して使われることがしばしばある。しかし、偏見を助長し、多数のHIV陽性者に不快な印象を与えるものである。また、陽性者はエイズに感染しているのではなく、HIVに感染しているという意味で間違ってもいる。 AIDS or HIV-RELATED ILLNESSES エイズもしくはHIV関連疾患 エイズはそれによって人々が亡くなる原因であり、HIVは感染するウイルスである。エイズ関連疾患という表現はエイズと診断されている人々にのみ使用できる。 AIDS RESPONSE エイズ対策、エイズ対応 エイズリスポンス、HIVリスポンス、エイズに対するリスポンス、HIVに対するリスポンスといった用語は、この流行に対するリスポンスとしてほぼ同じ意味で使われている。 . AIDS VIRUS エイズウイルス エイズは症候群であり、ウイルスを「エイズウイルス」と呼ぶのは不正確である。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)はエイズ(後天性免疫不全症候群)の大もとの原因である。ウイルスについて言及する場合は、ヒト免疫不全ウイルスまたはHIVを薦める。HIVウイルスは避けるべきである。 BEHAVIOUR CHANGE 行動変容 健康増進の手引や行動変容を奨励する努力、言い換えれば健康にいい行動の採用と維持に関しては、多数の理論モデルがある。 CLIENT-INITIATED TESTING 利用者主導の検査 自発的なカウンセリングと検査(VCT)の言い換え。すべてのHIV検査は3つのC(カウンセリングcounselling、秘密保持confidentiality、インフォームドコンセントinformed consent)のもとで行なわれなければならない。 COMMERCIAL SEX WORK コマーシャルセックスワーク 「コマーシャルセックス」または「セクシュアルサービスの販売」の方が適切である。 CONTAMINATED and NON-STERILE 「汚染された」と「殺菌していない」 薬物注射の注射器具は感染の原因となる場合には「汚染された」となる。つまり注射器具はウイルスを含んでいるということである。HIVに接するリスクがある場合という意味合いでは「クリーンではない」「汚い」が使われる。ウイルスは含まれているかもしれないし、含まれていないかもしれないということである。 COSPONSORS 共同スポンサー 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は10機関が共同スポンサーとなっている。以下の順番で(国連のルールに従い)リストされている。 the United Nations High Commissioner for Refugees (UNHCR) 国連難民高等弁務官事務所 http://www.unhcr.ch the United Nations Children’s Fund (UNICEF) 国連児童基金(UNICEF) http://www.unicef.org/ the World Food Programme (WFP) 世界食糧計画(WFP) http://www.wfp.org the United Nations Development Programme (UNDP) 国連開発計画(UNDP) http://www.undp.org/ the United Nations Population Fund (UNFPA) 国連人口基金(UNFPA) http://www.unfpa.org/ the United Nations Office on Drugs and Crime (UNODC) 国連薬物犯罪事務所(UNODC) http://www.unodc.org/odccp/index.html the International Labour Organization (ILO) 国際労働機関(ILO) http://www.ilo.org/ the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization (UNESCO) 国連教育科学文化機関(UNESCO) http://www.unesco.org/ the World Health Organization (WHO) 世界保健機関(WHO) http://www.who.int/en/ the World Bank 世界銀行 http://www.worldbank.org/ CRIS 国の対策に関する情報システム。UNAIDSによって作られたCRISは世界のHIV対策のパートナーに対し、指標のデータベース、計画に従ったデータベース、研究一覧データベース、その他の重要な情報を集めた使いやすい情報システムを提供している。指標のデータベースは各国に対し、2001年6月の国連エイズ特別総会のコミットメント宣言の実施状況の追跡報告に必要なツールを提供している。国レベルのCRISは、戦略分析、知識に基づく政策および計画策定などを助ける世界的対策情報データベース(GRID)によって補完されることになる。国および世界レベルで、研究一覧データベースの作成作業も進められている。 CULTURAL DOMINANCE 文化に対する配慮の優先 ひとつの文化が他の文化的な文脈の中では適切なものとはならないという意味でよく使われる用語。例えば、季節について「秋」を避け、年間の最後の4半期を使う、「夏」よりも年間の真ん中の時期を使う方がいいこともある。同様に新年を祝う時期が文化によって異なることも覚えておかなければならない。「エイズは2つの世界大戦よりも多くの人を殺した」というような民族中心主義を刺激するような用語は避けよう(20世紀の2つの大きな戦争も実際には世界全体を巻き込んだものではない)。 DESCRIBING AIDS エイズの描写 エイズはしばしば「死の病、不治の病」といわれてきた。しかし、こうした表現は強い恐怖心を生み出し、偏見や差別の増大を助けることにしかならない。エイズはまた「治療によって管理できる慢性疾患、高血圧や糖尿病のようなものだ」ともいわれてきた。しかし、こうした表現は、エイズが思ったより深刻な病気ではないという誤解を人々に与えるかもしれない。以下のように描写した方がいいだろう。エイズ(後天性免疫不全症候群)はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)によって起きる致死性の高い病気である。HIVは人間が持つ感染や病気と闘う力を破壊し、最終的に人を死へと導く。最近は抗レトロウイルス薬がウイルスの増殖を抑え、生活の質(quality of life)を大きく向上させられるようになった。しかし、これらの薬はHIVに感染した状態を完全に解消することはできない。 EPIDEMIC 流行 疫学用語では、流行(epidemic)はコミュニティまたは地域(例えば地理的に一定の領域内や大学、人口層の人すべて、もしくはある地域の子供、女性など一定の年齢層や性別の人すべて)で、一定期間にみられる明らかに平常時の予想に反した病気症例、健康に菅家員のある行動、またはその他の健康に関係のある出来事を指す。「予想」に基づくものなので、epidemicの定義は主観的である。Epidemicは一地方に限定されたもの(outbreak)、もっと広い範囲のもの(epidemic)世界的な広がりを持つもの(pandemic)に分けられるであろう。常に存在しているが、ある人口層に比較的高い割合で起きている病気はendemicと呼ばれる。有名なepidemicには黒死病の名で知られた中世ヨーロッパのペスト、1918年から19年にかけてのインフルエンザ・パンデミック、そして次第にパンデミックと呼ばれるようになっている最近のHIVエピでミックがある。 EPIDEMIOLOGY 疫学 病気の発生、分布、特長的なパターンと予防について研究する医科学研究分野。 FAITH-BASED ORGANIZATIONS 信仰に基づく組織 信仰に基づく組織(宗教組織)は例えば、教会、宗教団体などに代わる用語である。こうした組織はインクルーシブ(いかなる信仰表現の正当性に対してもノン・ジャッジメンタル)であり、歴史的な(とくにヨーロッパからの)思考のパターンからは距離を置いている。 FEMINIZATION 女性化 パンデミックに言及する際、HIVの流行が女性に及ぼす影響が大きくなっていることを示すために、UNAIDSやその他の場所で、フェミナイゼーション(女性化)という言葉が使われることがよくある。この言葉はHIVに感染する女性の数が男性と等しいか、あるいは男性を上回っているということを表すためにも使われている。混乱を避けるために、もともとの英語の意味である「より女性らしくなる」という意味でフェミナイゼーションを使わないよう注意しておく必要がある。 FIGHT 闘い 闘いやその他の戦闘用語、例えば struggle苦闘する、 battle戦闘、campaign方面作戦、war戦争 などは、直接の引用やテキストの文脈から必要な場合(強いインパクトを与える必要があるポスターや短い印刷物などが考えられる)を除けば、避ける方が表現として適切である。代替用語としては、response対策・対応、measures方法、against対して、 initiative構想・計画、action行動、efforts努力、programme計画などがある。 GAY MEN ゲイ男性 個人や集団がとくに自らをゲイと認識している場合以外は「men who have sex with men男性とセックスをする男性」と書くように。男性、女性、トランスセクシュアルのより広いコミュニティは「lesbian, gay, bisexual and transgendered レズビアン・ゲイ・トランスジェンダー」と表記すべきである。LGBTという頭文字による表記が使われることもしばしばあるが、UNAIDSはなるべく略さずに書くようにしている GENDER and SEX ジェンダーとセックス 「セックス」という用語は生物学的に決定された違いを示す。これに対し、ジェンダーは男女に関する社会のルールや関係に言及する際に使用する。ジェンダーの役割は社会化を通して学び取られるもので、それぞれの文化によってさまざまである。ジェンダーの役割はしばしば年齢、階層、人種、民族、宗教に影響を受け、地理的、経済的、政治的な環境にも左右される。ジェンダーに相当する単語を持たない言語も多く、翻訳者はこのような概念の相違を示す言い方を考え出さなければならないこともある。 GLOBAL FUND TO FIGHT AIDS, TUBERCULOSIS AND MALARIA 世界エイズ・結核・マラリア対策基金 世界エイズ・結核・マラリア対策基金は、官民パートナーシップによる独立した組織として2001年に生まれた(注:基金のウエブサイトには2002年1月設立となっている)。この基金は保健分野における最大の世界基金であり、2005年3月現在、128カ国に対し30億ドルの支援を約束している。基金の目的はHIV、結核、マラリアがもたらす影響を減らすことに持続的かつ多大な貢献を果たすうえで必要となる追加的資金を集め、管理し、資金を必要とする国に分配することであり、さらにそれによってミレニアム開発目標の一つである貧困削減に貢献することである。文書では初出時にフルネームで記載し、以後は頭文字のGFATMよりも「世界基金」を使用するほうが望ましい。 www.globalfundatm.org GIPA ジーパ(HIV陽性者のより積極的な参加) HIV/エイズとともに生きる人、もしくはHIV/エイズに影響を受けた人のより積極的な参加」の頭文字。1994年に42カ国が集まって開かれたパリ・エイズサミットで、最終宣言にGIPA原則が盛り込まれた。 http://www.unaids.org/publications/documents/persons/index.html GLOSSARIES 用語集 インターネットはHIVに関する情報の宝庫である。以下の用語リンクは有用であり、私たちの見方からすれば、通常、明確で正確な情報を提供している(ただし、私たちはこれらのサイトの正確性を保証することはできないし、底で提供されている情報について何らかの責任を負うものでもないことには留意してほしい)。 http://www.sfaf.org/glossary http://www.aidsinfo.nih.gov/ed_resources/glossary http://www.aegis.com/ni/topics/glossary http://www.gmhc.org/health/glossary2.html |
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