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zoom RSS メルマガ:TOP-HAT News (トップ・ハット・ニュース)第1号

<<   作成日時 : 2006/09/16 02:41   >>

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        第1号(2006年6月)
 目次
   ・はじめに 世界も東京も
 ・最近のニュースから
     エイズ・ワクチンの開発はどこまで進んでいるか
  世界のHIV陽性者数は3860万人 UNAIDS最新報告
  期間限定 東京都のHIV/エイズ啓発拠点「ふぉー・てぃー」オープン
・HIV/エイズと企業の社会貢献 
   ・エイズ年表簡略版

◎はじめに 世界も東京も
 はじめまして。ニューヨークでは5月31日から6月2日まで、世界各国の指導者やHIV陽性者、エイズ対策のNGOの代表らが集まり、国連エイズ対策レビュー総会が開かれました。6月1日夕には国連総会の議場で追悼と希望のためのコンサートが開かれ、リチャード・ギア、ウーピー・ゴールドバーグ、ナオミ・ワッツといった人気スターもスピーチを行ないました。総会には世界のビジネスリーダーも多数、参加していました。
 ドイツで熱戦を繰り広げているサッカーW杯。日本代表も健闘しましたが、世界の壁は厚いですね。日本チャチャチャだけでなく、世界の現実を知らなければ闘えないのは、エイズ対策も同じこと。そういえばW杯でもドイツチームのバラック主将が国連合同エイズ計画(UNAIDS)の特別代表として、HIV/エイズとの闘いに理解を求めていました。アフリカからもたくさんのチームが参加しています。南米の強豪ブラジルもエイズ対策の注目国。今大会ではちょっと太めで話題になってしまいましたが、エース・ストライカー、ロナウドは世界のエイズ・キャンペーンのポスターにも登場したことがあります。
W杯もハリウッドもビジネスの世界も、そしてもちろん東京も、HIV/エイズとの闘いに無関係ではありえないのですね。 

 TOP-HAT Newsは、特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発のためのメールマガジンです。企業および教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/AIDS対策および保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にHIV/AIDSに関する多様な情報を幅広く提供していくことを目指しています。詳しくは、HIV/AIDS啓発サイト「TOP-HAT Forum(東京HIV/AIDS談話室)」
  http://hat.asajp.net/  をご覧ください。
              AIDS&Society研究会議 TOP-HAT News編集部


◎最近のニュースから
 ◇エイズ・ワクチンの開発はどこまで進んでいるか
感染症の流行と闘うためには治療法の研究や保健医療基盤の整備が大切なのはいうまでもありませんが、それに勝るとも劣らずに重要なのが感染の拡大を防ぐための予防ワクチンの開発です。ワクチン研究の促進に取り組んでいる国際エイズ・ワクチン推進構想(IAVI)と日本のエイズ・ワクチン開発協会(AVDA)が5月18日の「世界エイズ・ワクチン・デー」にちなみ、「日本におけるエイズ・ワクチン開発の現状と課題」と題する文書をまとめています。
それによると、世界では現在、約30のワクチン候補がアフリカやアジアの途上国を含む20カ国以上で臨床試験の段階に進んでいます。ただし、エイズ・ワクチン開発にかかわる製薬会社は現在、数えるほどしかなく、世界規模でエイズ・ワクチン開発を進めるための資金は依然として不足しているなど、安全で有効かで安価なワクチンの実用化というゴールに至るには、まだまだ多くの課題が残されているそうです。
   一方、科学・医療技術の先進国として、また、エイズを含むグローバルな感染症対策のリーダー的存在として、日本はエイズ・ワクチン開発の分野でも積極的な貢献が期待されているのですが、残念なことに途上国のためのエイズ・ワクチン開発にはほとんど資金援助をしていないのが現状だということです。
   文書の日本語版(PDF)はIAVIのサイト http://www.iavi.org/viewfile.cfm?fid=38872 で見ることができます。
  (注)世界エイズ・ワクチン・デー 米国のクリントン大統領(当時)が9年前の5月18日、世界に向けて、一刻も早くエイズ・ワクチンを開発するよう呼びかけたことから、毎年この日が世界エイズ・ワクチン・デーとなった。

◇世界のHIV陽性者数は3860万人
 国連エイズ対策レビュー総会(2006年5月31日−6月2日、NY)の開幕前日の5月30日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が「世界のエイズの流行に関する包括的報告書」最新版を公表しました。2001年の国連エイズ特別総会で採択されたコミットメント宣言の5年間の実施状況を検証するため、126カ国政府と30以上の市民社会組織から寄せられた報告書を集約し、評価、分析したそうです。
   報告書は、最新の推計として、世界のHIV陽性者数は3860万人、2005年の年間新規感染数410万人、2005年のエイズによる死者数280万人という数字を示しています。また、対策資金の確保、治療の普及、予防対策などの成果は上がっているものの、世界全体の対策はエイズの流行の拡大のペースに追いついていないと指摘しています。
エイズ対策資金は5年前の5倍に増え、2005年には年間83億ドルに達していますが今後の流行の拡大を考えると十分な額とはいえず、2008年以降は毎年200億ドルが必要になるとのことです。
HATプロジェクトのブログ http://asajp.at.webry.info/ にUNAIDSのプレスレリースの仮訳があります。

◇期間限定 東京都のHIV/エイズ啓発拠点「ふぉー・てぃー」オープン  
東京(Tokyo)の10代(Teen)からの若者のために(For)、エイズ・性感染症予防に取り組もうという東京都のHIV/エイズ啓発拠点が池袋保健所1階のAIDS知ろう館(豊島区東池袋1−20−9)にオープンしました。
「ふぉー・てぃー」には、東京都(Tokyo)、豊島区(Toshima)、10代(Teen)、一緒に(Together)の「4つのT」の意味も込められています。東京都豊島区に住んでいて10代でなければ利用できないというわけではありません。東京に関係のある人、豊島区に住んでいる人、10代の人、HIV/エイズのことをみんなで一緒に考えてみたい人、だれでも気軽に利用してください。
6月1日から8月31日までの開設期間中、ワークショップ(勉強会)、ボランティア・地域の関係者向け講習会、ポスター展などさまざまな企画が予定されています。木・金・土・日の15時〜20時にはスタッフが常駐しているので、自由研究や研修企画などについてもご相談ください。
詳しくは東京都福祉保健局「ふぉー・てぃー」サイトをご覧ください。
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansen/aids/aindex/fourt.html



◎HIV/エイズと企業の社会貢献 その1 サンスター社の場合
 秘訣1「企業の持つ特性を生かし、小さくても具体的な行動から始める」
 日本はエイズに対する社会の関心が低いので、対策の成果がなかなか上がらないといったことが、しばしば指摘されます。でも、企業や学校を訪ねて、お話をうかがうと、どうも関心はそれほど低いわけでもなさそうです。
 たとえば、エイズという病気の名前を知らない人はまず、いません。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスが病原体の感染症であること、HIVに感染しているかどうかは血液検査で調べられること、HIVに感染してもそれがすぐに死を意味するわけではないこと、HIVの感染経路は限られており感染を防ぐ予防の手段があることなども、かなり多くの人が知っています。
 それでも日本国内のHIVの感染は毎年、確実に増加を続けています。エイズ対策が成功しているとはいえない状態です。実際に企業の社会貢献活動などを担当する方々からは「エイズ対策は確かに重要だと思いますが、どうやって取り組んでいいのか・・・」「うちは環境問題に力を入れているので、エイズまではなかなか・・・」といった声もよく聞きます。初動のモチベーションがなかなか生まれてこないという印象です。
 すでにエイズ対策と取り組み始めている企業はどうなのでしょうか。先行企業の事例をシリーズで紹介します。
 
 大阪府高槻市に本社があるサンスターは昨年7月、神戸で開催された第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)で支援企業としてブースを企業出展し、HIV/エイズ啓発のシンボルであるレッドリボンをモチーフにした大きなリボン・オブジェを制作して話題を集めました。ブースを訪れた会議参加者に小さな赤いリボンを配り、それをピンでオブジェに刺していくことによって、みんなで完成させていった作品です。「一人ひとりの小さな力も、たくさん集まれば大きな力になる」というメッセージを伝える企画でした。
百聞は一見にしかず。サンスター社のウエブサイトに写真があるのでご覧ください。
 http://www.sunstar.com/4.0_activ/4.2.1_activ_soc.html#01
 また、会議では同社広報室のスタッフがメディアセンターのボランティア・スタッフとして参加し、世界中から集まったジャーナリストの対応に当たりました。広報のプロフェッショナルの応援は会議の運営にあたった組織委員会からも感謝され、組織委の偉い先生方が涙で握手を求めてきたほどです。
―― 大活躍ですね
「自分たちのできることに少しずつ、手探りで取り組んでいるだけなのですが。まだ、始めたばかりで、そんなに大きなことはできませんよ」
 広報室の鈴木久美子課長はちょっと遠慮がちです。だが、国内のHIV/エイズの啓発活動に取り組んでいる企業はほとんどが外資系といった現状で、ICAAPにおけるサンスターの存在は貴重でしたし、広報という専門性を生かしたボランティア参加もユニークかつ有益なものでした。
 「弊社にはオーラルケアなどの分野で企業として社会貢献、地域貢献の蓄積がありますから、健康問題への社会貢献意識がもともと高かったことは確かです。でも、HIV/エイズに関しては、社内でもあまり関心は高かったといえません」
 ―― それなのに、どうして?
 「学生時代からHIV/エイズ分野のNPO活動などの経験のある若手社員がたまたま広報室にいました。彼女の存在が大きかったと思います。若手社員も積極的に意見が言える雰囲気がもともと社内にあったこと、企業と社会をつなぐ仕事を担当する広報というセクションで取り組めたことも、参加がしやすかった理由かもしれません」
 鈴木課長が「大きな存在感」を評価する入社5年目の若手社員、吉田智子さんは現在も広報室で活躍中。吉田さんにもちょっと、お話を聞いてみました。
 ―― どうしてエイズ対策を?
 「学生時代に『RENT』というミュージカルを見て、エイズの流行は私たち若者にとって無関心ではいられない、大変な問題なのだということも強く感じました。卒論はエイズアクティビズムについて書き、ニューヨーク大学(NYU)に進学したのも『RENT』を見たことがきっかけでした」
 『RENT』は1996年にトニー賞の作品賞など主要4部門を受賞したミュージカルで、映画化もされ、日本国内では今年、上映されています。グリニッチビレッジの安アパートで暮らし、月々の家賃(レント)の支払いにすら事欠く若い芸術家たちの姿を描いた作品です。プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の現代版でもあります。19世紀のパリの下町の若い芸術家たちが結核で倒れ、夢を奪われていったのに対し、『RENT』の若者たちの前に立ちはだかる困難な試練としての病気はエイズでした。
 吉田さんが留学したNYUは、その『RENT』の舞台であるグリニッチビレッジにキャンパスがあります。
 ―― エイズの流行は若者の文化や芸術にも大きな影響を与えているのですね。
 「ええ、それに政治や経済、企業活動にも。世界のエイズの流行は単に保健の分野だけでなく、いろいろな分野に大きな影響を与えています。学生時代からNPOの活動や国際会議に参加し、そうしたことが少しずつ分かってきました。とくに途上国の流行は深刻ですが、それを放置しておけば、結局は先進国も大きな打撃を受けることになります」
―― グローバル・イシューというわけですね。環境問題ともそういう点では共通点がある?
「貿易や安全保障などの面からも見過ごしにできる問題ではありません。マーケットが不安定化すれば企業は大きな影響を受けざるを得ませんからね。国連を中心にした世界のエイズ対策には、各国の代表的な企業が積極的に参加しています。日本国内でHIV/エイズ対策に比較的、高い関心を示す企業に外資系企業が多いのもたぶん、そのためだと思います」
 吉田さんによると、サンスター社内でも、エイズ会議への参加については「企業にとってネガティブに働くのではないか」という慎重論があったそうです。それでも、「手を上げた人にはやらせてみよう」という企業風土に支えられて参加が実現し、その成功体験を通じ、今後も企業として支援していく機運が高まりつつあるということです。
 また、2005年11月には組合支部役員研修、2006年4月には新入社員研修が開かれ、本社玄関受付にレッドリボン・オブジェが展示されるなど、社内でもエイズ対策を自らの問題としてとらえるようになっています。
 社会貢献活動の成果では、今年(2006年)4月22、23の両日、東京・渋谷の「ヨシモト∞ホール」前でエイズ啓発イベントを実施しました。ちょうど映画『RENT』の一般公開直前だったため、映画にあわせてエイズを含めた若者の直面する問題に関心を高めていこうという狙いで、ここでもキャンペーンの中心はレッドリボン・オブジェ作りでした。吉本興業所属の若手芸人「子宝」と「キャベツ確認中」のメンバーが協力を買って出て、大きなレッドリボン作りへの参加を呼び掛け、2日間で約4,000本の小さなリボンを刺したオブジェが完成しました。また、募金活動も行い、2日間で集まった30,859円はHIV陽性者のネットワーク「JaNP+」に寄付したということです。
 サンスター社のHIV/エイズ対策への貢献活動は、実行可能なところから少しずつ活動の枠を広げています。その成功体験をうまく企業活動に還元していくことができれば、活動の選択肢はさらに広がっていくことになるでしょう。その意味では、エイズ対策に取り組むNPOなどにも逆に、企業が関与しやすい条件や企業の貢献をこまめに評価していける仕組みを工夫していくことが今後、さらに求められることになりそうです。


◎HIV/エイズ年表簡略版
 エイズ対策25年の年表を簡略版にまとめました。
  

1981年 6月 5日 米疾病対策センター(CDC)の死亡疾病週報に初の症例報告
82年 7月27日 AIDS命名
83年 5月20日 仏パスツール研グループがサイエンス誌にウイルス(LAV)分離の論文発表
84年 4月23日 米厚生長官が国立がん研究所のギャロ博士のグループによりエイズの原因ウイルスが分離されたと宣言
85年 3月 2日 米食品医薬品局(FDA)がHIV抗体検査法承認
22日 米国在住の男性同性愛者を日本で最初のエイズ患者と認定
    都立駒込病院に専門相談窓口
10月 2日 映画スター、ロック・ハドソンがエイズで死亡
86年 5月    国際ウイルス学会がエイズの原因ウイルスをHIVと命名
87年 1月17日 神戸で日本初の女性のエイズ症例報告、エイズパニック広がる
      3月20日 米食品医薬品局(FDA)がAZTをエイズ治療薬として承認
88年12月 1日 第1回世界エイズデー
91年11月 7日 マジック・ジョンソンがHIV感染を公表してNBA引退
        24日 「クイーン」のフレディ・マーキュリーがエイズで死亡
93年 2月26日 東京で第1回PWA賞授賞式
    9月 1日 東京都が夜間常設検診機関設置(東京都南新宿検査・相談室)
94年 8月 7日 横浜で第10回国際エイズ会議開幕
95年 3月 6日 東京HIV訴訟原告の川田龍平氏が記者会見して実名を公表
96年 1月    ワシントンで開かれた米国エイズ会議でカクテル療法が話題に
      3月29日 東京、大阪HIV訴訟和解成立
6月 2日 ミュージカル「レント」がトニー賞受賞
      7月    バンクーバーで第11回国際エイズ会議「一つの世界、一つの希望」
2000年 7月 9日 南アフリカのダーバンで第13回国際エイズ会議(−14日)「沈黙を破れ」
      7月    九州沖縄サミット、日本は沖縄感染症対策イニシアチブ(IDI)を発表
2001年 6月25日 国連エイズ特別総会開幕(−27日)
2002年 1月    世界エイズ・結核・マラリア対策基金発足
2003年 4月    東京都南新宿検査・相談室で土日検査を実施
 7月    SARS流行のため、神戸の第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議の開催延期を決定
12月 1日 WHOとUNAIDSの「3バイ5」計画スタート
2004年 7月11日 バンコクで第15回国際エイズ会議開幕。「アクセス・フォー・オール」
2005年 7月 1日 神戸で第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議開幕
2006年 5月31日 ニューヨークで国連エイズ対策レビュー総会開幕
      6月 1日 東京都がエイズ啓発拠点「ふぉー・てぃ」を3カ月限定でエイズ知ろう館(池袋保健所1階)に開設
         2日 国連エイズ対策レビュー総会が政治宣言を採択して閉幕
         5日 エイズ流行25年


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